TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024063046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2024022634,2021015540
出願日2024-02-19,2021-02-03
発明の名称酸素の存在下において多孔質炭素中で固定化されたセレン、充電式電池における固定化セレンの製造方法および使用
出願人ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド,II-VI Delaware,Inc.,コンセッホ スーペリオール デ インヴェスティガシオーネス シエンティフィーカス(セーエセイーセー),Consejo Superior de lnvestigaciones Cientificas(CSIC)
代理人弁理士法人北青山インターナショナル
主分類C01B 32/05 20170101AFI20240501BHJP(無機化学)
要約【課題】高いエネルギー密度と安定した電気化学的性能を有するリチウム-セレン電池を得るための、固定化されたセレン体を調製する方法を提供する。
【解決手段】固定化セレンシステムまたはセレン体を調製する方法では、セレン-炭素-酸素混合物が形成される。その後、混合物がセレンの融点より高い温度に加熱された後、加熱された混合物が周囲温度または室温に冷却され、それにより固定化セレンシステムまたはセレン体が形成される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
固定化されたセレン体を調製する方法であって、
(a)セレン、外来テンプレート化炭素および酸素の混合物を形成するステップと、
(b)セレンの融点温度を超える温度にステップ(a)の混合物を加熱するステップと、
(c)ステップ(b)で加熱された混合物を周囲温度または室温まで冷却し、それにより固定化されたセレン体を形成するステップとを備えることを特徴とする方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
炭素中に50%以下のセレンを担持させる場合、混合物中の酸素の量が0.63ミリモル/グラム以上であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
炭素中に50%より多く60%以下のセレンを担持させる(すなわち、50%<セレン担持量≦60%)場合、混合物中の酸素の量が0.5ミリモル/グラム以上であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
炭素中に60%以上のセレンを担持させる場合、混合物中の酸素の量が0.31ミリモル/グラム以上であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
ステップ(a)の前に、炭素を活性化して、炭素に細孔を形成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
活性化された炭素を酸化剤と組み合わせるか、または混合するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記酸化剤が
硝酸、
過酸化水素、
有機過酸化物、
酸素、および/または
オゾン
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、
前記酸化剤が、水性環境下において、
過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、
マンガンの塩、
バナジウムの塩、および/または
クロムの塩
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記外来テンプレート化炭素が、
液体の炭素を含む溶液を凍結して、固体の炭素を含む混合物を形成するステップと、
固体の炭素を含む混合物を炭化するステップと、
炭化した混合物を洗浄し、ろ過し、乾燥させるステップと
を含むプロセスによって製造されることを特徴とする方法。
【請求項10】
固定化されたセレン体であって、
セレンと、
外来テンプレート化炭素と、
酸素と
の混合物を含むことを特徴とする固体化されたセレン体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、高エネルギー密度のリチウム二次電池の分野に関する。より具体的には、本出願は、炭素-セレンナノ複合材料を調製する方法およびその応用に関する。また、本発明は、セレンと炭素を含む固定化セレンに関する。また、固定化セレンの製造方法およびその有用性にも関する。固定化セレンの用途の一つは、充電式電池にある。本発明は、0.1Cレートなどの低レートで充電した場合に、比容量などの電気化学的性能を実質的に回復させることができる一方で、最小レベルの容量フェードで高速レート(例えば、10Cレート)で放電-充電サイクルを実行することができる充電式電池にも関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月16日に出願された米国特許出願第15/434,655号の一部継続出願であり、また、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/802,929号の利益を主張する。上記出願の開示は、その全体が引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
人類のエネルギー需要の増大に伴い、リチウム硫黄電池やリチウムセレン電池など、質量比エネルギーが高く、体積エネルギー密度の高い二次電池が広く注目されている。硫黄やセレンなどの周期表の第6A族元素は、リチウムとの電気化学反応プロセスにおいて2電子反応メカニズムを示している。セレンの理論質量比容量(675mAh/g)は硫黄(1675mAh/g)よりも低いにもかかわらず、セレンの密度(4.82g/cm

)は硫黄の密度(2.07g/cm

)よりも高くなっている。このため、セレンの理論体積エネルギー密度(3253mAh/cm

)は、硫黄の理論体積エネルギー密度(3467mAh/cm

)に近い値となる。同時に、電気絶縁材料に近い硫黄と比較して、セレンは電気的に半導電性であり、より優れた導電性を示す。このため、セレンは、硫黄と比較して、より高い装填レベルでも高いレベルの活性とより優れた利用効率を示すことができ、高エネルギーおよび高出力密度の電池システムを実現することができる。さらに、セレン-炭素複合体は、硫黄-炭素複合体よりも導電性をさらに改善して、より高い活性を有する電極材料を得ることができる。
【0004】
中国特許公開第104393304号に記載されているように、グラフェン分散液にセレン化水素ガスを通すことにより、溶媒の熱で酸化グラフェンがグラフェンに還元されると同時に、セレン化水素がセレンに酸化される。このようにして調製したセレングラフェン電極材料は、エーテル電解質システム、1.5Mリチウムバイトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)/1,3-ジオキソラン(DOL)+ジメチルエーテル(DME)(体積比1:1)と対になり、充電比容量が、最初のサイクルで(セレンの理論比容量に近い)640mAh/gに達する。しかしながら、充放電プロセスでは、ポリセレニドイオンが電解液中に溶解して、シャトル効果が顕著に現れ、それにより、その後の容量低下が引き起こされる。同時に、このプロセスで使用される酸化グラフェン原料の調製手順は複雑であり、工業的な生産には適していない。
【0005】
中国特許第104201389号は、セレンと配合された窒素含有層状多孔質炭素複合集電体を利用したリチウム-セレン電池カソード材料を開示している。窒素含有層状多孔質炭素複合集電体を調製するには、先ず、紙片の表面に窒素含有導電性ポリマーを蒸着または成長させ、次いで、アルカリ活性化および高温炭化を行い、その結果、それ自体を支持するネットワーク構造としての炭素繊維を有する窒素含有層状多孔質炭素複合集電体が得られ、その後、そのような窒素含有層状多孔質炭素複合集電体を、セレンとさらに配合する。導電性ポリマーを調製するための蒸着方法は複雑であり、膜の形成または成長のプロセスを制御することは困難である。また、調製プロセスが複雑であり、望ましくないほど高いコストが伴う。
【0006】
さらに、電子機器、電気自動車/ハイブリッド車、航空宇宙/ドローン、潜水艦、その他の産業用、軍事用および民生用などの用途において、高速で充放電が可能な長寿命、高エネルギー密度、高出力密度の充電式電池への要求はますます高まっている。上記用途における充電式電池の例としては、リチウムイオン電池が挙げられる。しかしながら、リチウムイオン電池の技術が成熟するに連れて、より優れた性能とサイクル能力に対する要求が、リチウムイオン電池では満たされなくなってきている。
【0007】
原子酸素は原子量16で、2個の電子を移動させる能力を有している。高エネルギー密度の電池を作ることを目的に、リチウム-酸素充電式電池が研究されている。電池は、アノードとしてのリチウムやナトリウム金属と対となる酸素カソードを含む場合、最大の化学量論的なエネルギー密度を有する。しかしながら、Li/Na-酸素電池の技術的課題の大部分は未解決のままである。
【0008】
元素の硫黄も酸素グループに属しており、リチウムまたはナトリウム金属アノードと対になった場合、(酸素に次いで)2番目に高いエネルギー密度を持つ。リチウム-硫黄電池やナトリウム-硫黄電池が広く研究されている。しかしながら、Li-SやNa-S電池の放電プロセスで生成した多硫化イオン(中間体)は電解液中に溶解し、カソードからアノードへとシャトルする。アノードに到達すると、多硫化アニオンはリチウムやナトリウム金属と反応して、エネルギー密度が低下する。これは、電池システムにとって好ましくない。さらに、硫黄は絶縁体であるため、最低限の導電性を達成するには、高装填レベルの炭素材料が必要となる。硫黄の導電性が極めて低いため、Li/Na-S充電式電池は、高速の放電または充電が非常に困難である。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に開示されているのは、黒鉛化度の高い二次元炭素ナノ材料を調製するプロセスである。この二次元炭素ナノ材料をセレンと混合して炭素-セレン複合材料を得て、これをリチウムを含むアノード材料と対をなすカソード材料として使用することで、高いエネルギー密度と安定した電気化学的性能を有するリチウム-セレン電池を得ることができる。同様のプロセスを用いて、さらにパウチセルを組み立てることができ、このパウチセルも優れた電気化学的特性を発揮する。
【0010】
また、容易に入手可能な原材料と簡単な調製手順でセレン-炭素複合材料を調製する方法も開示されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東ソー株式会社
ゼオライト成形体
5日前
株式会社ショウワ
二酸化炭素発生装置
1か月前
東レ株式会社
グラフェン分散液、組成物およびそれを用いた形成物
14日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水素生成装置
5日前
株式会社神戸製鋼所
炭酸カルシウムの製造方法
1か月前
日本製紙株式会社
炭素材料及びその製造方法、並びにそれらの応用
8日前
住友重機械工業株式会社
水素化装置、及び水素化方法
7日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造方法及び化粧品の製造方法
26日前
JFEケミカル株式会社
炭素質材料および炭素質材料の製造方法
26日前
三井金属鉱業株式会社
NiO膜及びNiO分散液
26日前
公立大学法人大阪
無機塩化物及びその製造方法。
4日前
国立大学法人神戸大学
誘電体材料の製造方法
11日前
住友金属鉱山株式会社
硫酸ニッケル水溶液の製造方法
28日前
株式会社タクマ
二酸化炭素の固体炭素化設備、及び二酸化炭素の固体炭素化方法
1か月前
東邦チタニウム株式会社
四塩化チタンの製造方法
6日前
国立大学法人 岡山大学
新規酸化ヨウ素組成物
6日前
太平洋セメント株式会社
噴霧乾燥装置又は噴霧熱分解装置
7日前
住友化学株式会社
水溶液及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
5日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
伝熱シートおよび伝熱シートの製造方法
11日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法
26日前
クニミネ工業株式会社
非カルシウム型スメクタイトの製造方法
7日前
日揮触媒化成株式会社
シリカ微粒子分散液、その製造方法及びシリカ微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液
21日前
白石工業株式会社
炭酸カルシウムの製造方法、炭酸カルシウムおよび抄紙用填料
1か月前
リヴィアン アイピー ホールディングス,エルエルシー
リチウム金属ホスファート電極の製造
1か月前
ユニマテック株式会社
カルボニルフロライドの製造方法および製造装置
1か月前
三菱ケミカル株式会社
アンモニア水の製造方法
20日前
東ソ-・エスジ-エム株式会社
ゼオライトの製造方法およびゼオライト
14日前
個人
アルミン酸ソーダ含有溶液と、該アルミン酸ソーダ含有溶液から粉末体を製造する方法、またはそのための装置
4日前
第一工業製薬株式会社
カーボンナノチューブ分散液、並びにそれを用いた電池電極用組成物及び電池
4日前
第一工業製薬株式会社
カーボンナノチューブ分散液、並びにそれを用いた電池電極用組成物及び電池
4日前
株式会社レゾナック
フラーレンの製造装置及びフラーレンの製造方法
1か月前
学校法人常翔学園
二酸化バナジウム薄膜の製造方法及び二酸化バナジウム薄膜形成用原料溶液
26日前
ポーラ化成工業株式会社
粉体粒子表面の改質方法
1か月前
ネクシオン リミテッド
金属イオン電池用電気活性材料
11日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法
26日前
カヤク・ジャパン株式会社
管状火炎を用いたα-アルミナを含むアルミナ粒子の製法
4日前
続きを見る