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公開番号2024067149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022176986
出願日2022-11-04
発明の名称管状火炎を用いたα-アルミナを含むアルミナ粒子の製法
出願人カヤク・ジャパン株式会社,国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C01F 7/30 20220101AFI20240510BHJP(無機化学)
要約【課題】高精度に制御して短時間で製造が可能な、火炎法を用いたα-アルミナを含むアルミナ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】α-アルミナを含有するアルミナ粒子の製造方法であって、アルミニウム塩および還元剤を溶媒に溶解させた原料液の液滴を管状火炎に導入し粒子化することを含み、管状火炎の形成に、空気である助燃ガスにメタンである気体燃料を混合させた混合ガスを用い、空気内の酸素とメタンの比率が2.40未満の条件で管状火炎を形成させる製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
α-アルミナを含有するアルミナ粒子の製造方法であって、
アルミニウム塩および還元剤を溶媒に溶解させた原料液の液滴を管状火炎に導入し粒子化することを含み、
前記管状火炎の形成に、空気である助燃ガスにメタンである気体燃料を混合させた混合ガスを用い、空気内の酸素とメタンの比率が2.40未満の条件で前記管状火炎を形成させる、製造方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記アルミニウム塩が、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、または硫酸アルミニウムである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記溶媒が、有機溶剤または水を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記有機溶剤が、エタノール、イソプロパノール、またはアセトンである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記還元剤が、尿素またはグリシンである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記アルミナ粒子のX線回折法(XRD)で求めたα-アルミナのピーク強度(2θ:43°)のδ-アルミナのピーク強度(2θ:46°)に対する比(α/δ)が、0.5倍以上である、請求項1に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、管状火炎を用いたα-アルミナを含むアルミナ粒子の製法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
α-酸化アルミニウム(α-アルミナ)は、一般的に硬く、化学安定性、機械的強度が良いなどの優れた諸性質を持っていることから現在、研磨材、触媒担体、セラミック材料など幅広い産業分野で用いられている無機材料の一つである。
【0003】
α-アルミナは、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウムやベーマイトなどの前駆体を1000~1200℃の熱にて熱分解させ、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナといった遷移アルミナを経て得ることができる。一般的な工業的製造方法としても、ギブサイト等の水酸化アルミニウムやベーマイトによる熱分解が主流であるが、1100℃以上の高温で時間をかける必要がある。
【0004】
現状、α-アルミナを含むアルミナ粒子を得るためには、1000~1250℃に焼成する必要がある。通常の焼成炉にて、α-アルミナを合成する場合では、多くのエネルギーが必要となるほか、焼成温度までの時間や焼成時間といった時間的コストも多くかかるという問題がある。
【0005】
一方、火炎を用いた噴霧熱分解法による気相燃焼合成では、焼成温度まで待つ必要もなく火炎形成がなされれば合成が可能となる。火炎形成は、燃料ガスや酸素、空気などと着火源があれば一瞬で形成できることから時間的コストがかからない。また、前駆体水溶液が噴霧されてから微粒子が捕集されるまで時間的コストも大きくかからない。火炎を用いた微粒子合成法である噴霧熱分解法で用いられる従来の火炎は、燃料と酸素を別々の流路にて形成する拡散火炎や噴霧された原料液滴をパイロット火炎を用いて連続的に着火する噴霧火炎であるが、火炎状態が不安定な乱流火炎であった。
【0006】
噴霧熱分解法による気相燃焼合成は、支持炎内に前駆体となる金属塩の溶液を噴霧させることにより、火炎の熱エネルギーや溶媒の燃焼エネルギーにより金属酸化物を得る方法である。この火炎法は、装置が簡便かつ純度の高いものが得られる方法である。通常の噴霧熱分解法に用いられるバーナーは、二流体ノズルにより液体燃料を噴霧し、噴霧火炎を形成するものであったが、特許文献1において高温領域が均一に幅広く分布しており制御がしやすい管状火炎を形成するバーナーによる微粒子合成が提案されている。
【0007】
乱流火炎は、安定な火炎ではなく高精度に制御して微粒子合成を行うことは困難である。一方、管状火炎は、高温領域が均一に幅広く分布しており制御がしやすく微粒子合成が行える特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-188851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述した従来のα-アルミナを含むアルミナ粒子の製造方法における欠点を解消し、高精度に制御して短時間で製造が可能な、火炎法を用いたα-アルミナを含むアルミナ粒子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討をした結果、管状火炎の形成に用いる混合ガス中の酸素とメタンの比率を特定範囲内に制御し、前駆体となるアルミニウム塩および還元剤を溶媒に溶解させた前駆体溶液を管状火炎に噴霧することで、α-アルミナを含有するアルミナ粒子を短時間で製造できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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