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公開番号2024062834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170938
出願日2022-10-25
発明の名称誘電体材料の製造方法
出願人国立大学法人神戸大学
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類C01G 23/00 20060101AFI20240501BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、誘電特性に優れた誘電体材料を製造することができる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る誘電体材料の製造方法は、金属アルコキシドおよび鉱化剤を含む反応液をソルボサーマル合成に付すことより未焼成金属酸化物メソ結晶を得る工程、及び、前記未焼成金属酸化物メソ結晶を400℃以上、1200℃未満で焼成する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
誘電体材料を製造するための方法であって、
金属アルコキシドおよび鉱化剤を含む反応液をソルボサーマル合成に付すことより未焼成金属酸化物メソ結晶を得る工程、及び、
前記未焼成金属酸化物メソ結晶を400℃以上、1200℃未満で焼成する工程を含むことを特徴とする方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記焼成温度が500℃以上、950℃以下である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
焼成前の前記未焼成金属酸化物メソ結晶の長辺長さが300nm以上、400nm以下である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記鉱化剤1モルに対する前記金属アルコキシドのモル比が1.9以上、5以下である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ソルボサーマル合成の温度が150℃以上、400℃以下であり、且つ時間が1時間以上、72時間以下である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に、前記未焼成金属酸化物メソ結晶および金属化合物を含む反応液を水熱合成に付すことにより未焼成複合金属酸化物メソ結晶を得る工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属がTiを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記未焼成複合金属酸化物が、SrTiO
3
、BaTiO
3
、又はこれらの混合物である請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記鉱化剤として含フッ素化合物を用いる請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電特性に優れた誘電体材料の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高度IoT社会の実現へ向け、電子機器の小型化、高機能化、省エネルギー化などが進んでいる中、主力電子部品のひとつである積層セラミックコンデンサ(MLCC)や誘電体アンテナの小型化が一層求められている。例えば、MLCCの小型大容量化のために、主に金属酸化物からなる誘電体材料を微粒子化することが行われている。しかし微粒子化操作により、構造相転移による比誘電率の低下や表面欠陥に起因する絶縁劣化などが生じ、素子の性能や安定性の低下を引き起こすという課題がある。
【0003】
よって、所謂ナノ粒子ではなく、粒径が数百nmでも優れた誘電特性を有する金属酸化物誘電体の開発が望まれている。
【0004】
ところで、本発明者らは、光触媒能に優れた酸化チタンメソ結晶を開発している(特許文献1,2)。また、非特許文献1~3にも、光触媒として用いられる酸化チタンメソ結晶が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2013/115213号パンフレット
国際公開第2019/54474号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
Jiangyao Chenら,Catalysis Today,224(2014),216-224
Xinxin Fu,Journal of Alloys and Compounds,680(2016),80-86
Yuhan Liら,Applied Surface Science,594(2022),153519
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、コンデンサなどの電子部品の小型大容量化が求められているが、小型化のために誘電体材料を微粒子化すると、構造相転移により比誘電率が低下したり、表面欠陥により絶縁性が劣化して、素子の性能や安定性が低下することがあった。
そこで本発明は、誘電特性に優れた誘電体材料を製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、金属酸化物メソ結晶を適切な温度で焼成することにより、誘電特性に優れた誘電体材料が得られることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
【0009】
[1] 誘電体材料を製造するための方法であって、
金属アルコキシドおよび鉱化剤を含む反応液をソルボサーマル合成に付すことより未焼成金属酸化物メソ結晶を得る工程、及び、
前記未焼成金属酸化物メソ結晶を400℃以上、1200℃未満で焼成する工程を含むことを特徴とする方法。
[2] 前記焼成温度が500℃以上、950℃以下である前記[1]に記載の方法。
[3] 焼成前の前記未焼成金属酸化物メソ結晶の長辺長さが300nm以上、400nm以下である前記[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記鉱化剤1モルに対する前記金属アルコキシドのモル比が1.9以上、5以下である前記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記ソルボサーマル合成の温度が150℃以上、400℃以下であり、且つ時間が1時間以上、72時間以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 更に、前記未焼成金属酸化物メソ結晶および金属化合物を含む反応液を水熱合成に付すことにより未焼成複合金属酸化物メソ結晶を得る工程を含む前記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記金属がTiを含む前記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記未焼成複合金属酸化物が、SrTiO
3
、BaTiO
3
、又はこれらの混合物である前記[6]に記載の方法。
[9] 前記鉱化剤として含フッ素化合物を用いる前記[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明方法によれば、誘電特性に優れた誘電体材料を製造することが可能になる。よって本発明は、特に小型化や大容量化が求められているコンデンサや誘電体アンテナの小型化などに利用できる誘電体材料を製造できる技術として、産業上非常に優れている。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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