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公開番号2024060956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022168561
出願日2022-10-20
発明の名称電力変換装置
出願人株式会社TMEIC
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/49 20070101AFI20240425BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】所定電圧未満の交流電力を出力する場合にも、複数のスイッチング素子のスイッチングの偏り、及び中性点電位の変動を抑制できる変圧器直列多重構成の電力変換装置を提供する。
【解決手段】変圧器直列多重構成の電力変換装置において、複数の3レベル変換器の動作を制御する制御装置は、損失分散制御において、複数の3レベル変換器を第1グループ及び第2グループの2つのグループに分け、第1グループの上期間の時に、第2グループを下期間に設定し、第1グループの下期間の時に、第2グループを上期間に設定し、所定の大きさの電圧を第1グループの3レベル変換器から出力させ、第1グループの3レベル変換器と反対の極性の所定の大きさの電圧を第2グループの3レベル変換器から出力させることにより、交流回路に出力される電圧が、意図した出力電圧となるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直流回路の高電位側に接続される直流正母線と、
直流回路の低電位側に接続される直流負母線と、
前記直流正母線と前記直流負母線との間に直列に接続される一対の電荷蓄積素子と、
前記一対の電荷蓄積素子の接続点に接続される直流中性点母線と、
3つの直流接続点と、一対の交流接続点と、を有し、前記3つの直流接続点を介して前記直流正母線、前記直流負母線、及び前記直流中性点母線に対して並列に接続される複数の3レベル変換器と、
前記複数の3レベル変換器のそれぞれの前記一対の交流接続点と接続される複数の一次巻線と、前記複数の一次巻線と磁気的に結合するとともに直列に接続された複数の二次巻線と、を有し、直列に接続された前記複数の二次巻線の両端を介して交流回路と接続される変圧器と、
前記複数の3レベル変換器のそれぞれの動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記複数の3レベル変換器は、第1レグ及び第2レグの2つのレグを有するフルブリッジ回路であり、複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、直流電力から交流電力への変換を行い、
前記制御装置は、上側キャリア、下側キャリア、第1電圧指令値、及び第2電圧指令値の4つの信号を基に、前記複数のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、前記複数の3レベル変換器のそれぞれの電力の変換を制御し、
前記上側キャリアは、最小値が0以上に設定され、前記複数の3レベル変換器から出力される交流電圧の周波数よりも高い周波数を有する三角波状の信号であり、
前記下側キャリアは、最大値が0以下に設定され、前記複数の3レベル変換器から出力される交流電圧の周波数よりも高い周波数を有する三角波状の信号であり、
前記第1電圧指令値は、前記第1レグ用の電圧指令値であり、
前記第2電圧指令値は、前記第2レグ用の電圧指令値であり、
前記制御装置は、所定電圧未満の交流電力を前記交流回路に出力する場合に、
前記第2電圧指令値が0よりも大きくなる上期間及び0よりも小さくなる下期間を、前記第1電圧指令値が0よりも大きくなる前記上期間及び0よりも小さくなる前記下期間と一致させる損失分散制御を行うとともに、
前記損失分散制御において、前記複数の3レベル変換器を第1グループ及び第2グループの2つのグループに分け、
前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の前記上期間の時に、前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値を前記下期間に設定し、
前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の前記下期間の時に、前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値を前記上期間に設定し、
前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値のそれぞれの大きさを調整することにより、所定の大きさの電圧を前記第1グループの3レベル変換器から出力させ、
前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値のそれぞれの大きさを調整することにより、前記第1グループの3レベル変換器と反対の極性の所定の大きさの電圧を前記第2グループの3レベル変換器から出力させることで、
前記交流回路に出力される電圧が、意図した出力電圧となるようにする電力変換装置。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記複数の3レベル変換器は、前記損失分散制御において、前記第1グループの3レベル変換器が前記上期間で前記第2グループの3レベル変換器が前記下期間の状態、前記第1グループの3レベル変換器が前記下期間で前記第2グループの3レベル変換器が前記上期間の状態、前記第1グループの3レベル変換器及び前記第2グループの3レベル変換器のそれぞれが前記上期間の状態、及び前記第1グループの3レベル変換器及び前記第2グループの3レベル変換器のそれぞれが前記下期間の状態の4つの状態を有し、
前記第1グループの3レベル変換器及び前記第2グループの3レベル変換器で前記上期間及び前記下期間が揃った期間は、前記上期間及び前記下期間が異なる期間よりも短い請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1グループの3レベル変換器及び前記第2グループの3レベル変換器で前記上期間及び前記下期間が揃った期間は、前記上側キャリア及び前記下側キャリアの四分の一周期に設定される請求項2記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
複数の3レベル変換器と変圧器とを用いた変圧器直列多重構成の電力変換装置が知られている。複数の3レベル変換器は、直流正母線、直流負母線、及び直流中性点母線に対して並列に接続される。複数の3レベル変換器は、複数のスイッチング素子を有し、複数のスイッチング素子のスイッチングにより、直流電力から交流電力への変換を行う。
【0003】
変圧器は、複数の3レベル変換器のそれぞれの交流側に接続される複数の一次巻線と、複数の一次巻線と磁気的に結合した複数の二次巻線と、を有する。複数の二次巻線は、直列に接続される。変圧器は、直列に接続された複数の二次巻線の両端を介して交流回路に接続される。これにより、複数の二次巻線の電圧を合計した電圧の交流電力を交流回路に供給することができる。
【0004】
こうした変圧器直列多重構成の電力変換装置では、変圧器の一次巻線電圧を合計した電圧を複数の3レベル変換器で分担することができ、複数の3レベル変換器に用いられる用品の耐圧を低くすることなどができる。
【0005】
一方で、変圧器直列多重構成の電力変換装置では、所定電圧未満の交流電力を出力する場合に、複数の3レベル変換器の複数のスイッチング素子のスイッチングに偏りが生じ、所定のスイッチング素子のスイッチング損失が増大してしまう可能性がある。また、素子の特性のばらつき等により、直流中性点母線の中性点電位が変動し、複数の3レベル変換器の動作が不安定になってしまう可能性があるが、所定のスイッチング素子のスイッチング損失増大を防ぐ動作と、中性点電位の変動を抑制することの双方を同時に両立した事例は無かった。
【0006】
このため、変圧器直列多重構成の3レベル変換器を用いた電力変換装置では、所定電圧未満の交流電力を出力する場合にも、複数のスイッチング素子のスイッチングの偏り、及び中性点電位の変動を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-193377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、所定電圧未満の交流電力を出力する場合にも、複数のスイッチング素子のスイッチングの偏り、及び中性点電位の変動を抑制できる変圧器直列多重構成の電力変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、直流回路の高電位側に接続される直流正母線と、直流回路の低電位側に接続される直流負母線と、前記直流正母線と前記直流負母線との間に直列に接続される一対の電荷蓄積素子と、前記一対の電荷蓄積素子の接続点に接続される直流中性点母線と、3つの直流接続点と、一対の交流接続点と、を有し、前記3つの直流接続点を介して前記直流正母線、前記直流負母線、及び前記直流中性点母線に対して並列に接続される複数の3レベル変換器と、前記複数の3レベル変換器のそれぞれの前記一対の交流接続点と接続される複数の一次巻線と、前記複数の一次巻線と磁気的に結合するとともに直列に接続された複数の二次巻線と、を有し、直列に接続された前記複数の二次巻線の両端を介して交流回路と接続される変圧器と、前記複数の3レベル変換器のそれぞれの動作を制御する制御装置と、を備え、前記複数の3レベル変換器は、第1レグ及び第2レグの2つのレグを有するフルブリッジ回路であり、複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにより、直流電力から交流電力への変換を行い、前記制御装置は、上側キャリア、下側キャリア、第1電圧指令値、及び第2電圧指令値の4つの信号を基に、前記複数のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、前記複数の3レベル変換器のそれぞれの電力の変換を制御し、前記上側キャリアは、最小値が0以上に設定され、前記複数の3レベル変換器から出力される交流電圧の周波数よりも高い周波数を有する三角波状の信号であり、前記下側キャリアは、最大値が0以下に設定され、前記複数の3レベル変換器から出力される交流電圧の周波数よりも高い周波数を有する三角波状の信号であり、前記第1電圧指令値は、前記第1レグ用の電圧指令値であり、前記第2電圧指令値は、前記第2レグ用の電圧指令値であり、前記制御装置は、所定電圧未満の交流電力を前記交流回路に出力する場合に、前記第2電圧指令値が0よりも大きくなる上期間及び0よりも小さくなる下期間を、前記第1電圧指令値が0よりも大きくなる前記上期間及び0よりも小さくなる前記下期間と一致させる損失分散制御を行うとともに、前記損失分散制御において、前記複数の3レベル変換器を第1グループ及び第2グループの2つのグループに分け、前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の前記上期間の時に、前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値を前記下期間に設定し、前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の前記下期間の時に、前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値を前記上期間に設定し、前記第1グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値のそれぞれの大きさを調整することにより、所定の大きさの電圧を前記第1グループの3レベル変換器から出力させ、前記第2グループの3レベル変換器の前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値のそれぞれの大きさを調整することにより、前記第1グループの3レベル変換器と反対の極性の所定の大きさの電圧を前記第2グループの3レベル変換器から出力させることで、前記交流回路に出力される電圧が、意図した出力電圧となるようにする電力変換装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、所定電圧未満の交流電力を出力する場合にも、複数のスイッチング素子のスイッチングの偏り、及び中性点電位の変動を抑制できる変圧器直列多重構成の電力変換装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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