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公開番号2024055461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162408
出願日2022-10-07
発明の名称TSH受容体阻害活性の測定方法
出願人ヤマサ醤油株式会社
代理人
主分類G01N 33/53 20060101AFI20240411BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明の課題は、TSBAb活性測定において、これまで原理上不可避と考えられてきたTSH受容体刺激活性高値の検体でも、実態に即したTSH受容体阻害活性を評価できる、新規かつ有用な測定系を提供することにある。
【解決手段】 本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、見かけ上のTSBAb活性の測定値をTSH受容体刺激活性測定値で補正することにより、TSH受容体刺激活性高値の検体においても実態に即したTSH受容体阻害活性を評価できる測定系を見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程(a)~(d)を含むことを特徴とする、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体受容体阻害活性の測定方法。
(a)見かけ上のTSBAb活性を測定する工程;
(b)工程(a)にて見かけ上のTSBAb活性を測定した試料のTSH受容体刺激活性を測定する工程;
(c)以下の計算式によって阻害活性指標(Blocking Index:BI)を算出する工程
Blocking Index(BI)=(工程(a)の測定値)/(工程(b)の測定値);
(d)BIの高低によってTSH受容体阻害活性の強弱を判定する工程;
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
TSH受容体阻害型自己抗体の活性の高低をBIとして評価することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
BIが閾値以上であった場合に、測定に供した試料がTSH受容体阻害型自己抗体陽性であると判定することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
BIの高低によって、TSH受容体刺激性又は阻害性自己抗体に起因する甲状腺疾患の診断、診断の補助、病状把握、または予後予測を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)の測定と工程(b)の測定が、同じ測定原理によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)の測定と工程(b)の測定が、細胞中のcAMPレベルをcAMPバイオセンサーによって測定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(c)に代わり、以下の工程(c)’を行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
(c’)以下の計算式によって阻害活性指標BI’を算出する工程
BI’=(工程(a)の測定値)/(工程(b)の測定値)

(0.75≦n≦2.0);

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、実態に即した甲状腺刺激ホルモン(TSH;Thyroid Stimulating Hormone)受容体の阻害活性測定が可能な測定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
TSH受容体は、甲状腺細胞膜上に存在するTSHの受容体である。脳下垂体から分泌されたTSHがTSH受容体に結合すると、その刺激により甲状腺ホルモンT3またはT4の分泌及び合成が行われる。
【0003】
甲状腺疾患の代表例であるバセドウ病(Basedow病;グレーブス病[Graves' disease]ともいう)は、TSH受容体に対して刺激活性を有する自己抗体(Thyroid Stimulation Antibody;TSAb)が原因となって発症する疾患である。バセドウ病患者においては、TSAbが、TSH受容体を過剰に刺激することにより、甲状腺機能が亢進する。
【0004】
一方、TSH受容体に対するTSHの刺激活性を阻害する自己抗体(Thyroid Stimulation Blocking Antibody;TSBAb)の存在も知られており、原発性粘液水腫(萎縮性甲状腺炎)やバセドウ病治療中で甲状腺機能低下症となった患者の一部などで検出される。TSH受容体へのTSH刺激を阻害する性質から、TSBAbは甲状腺機能低下症の原因の一つと考えられている。
【0005】
甲状腺疾患患者の血液試料中のTSAb活性を測定する方法として、例えば、ブタ甲状腺細胞を、当該患者由来の血清存在下でインキュベートし、血清中に含まれるTSAbが、ブタ甲状腺細胞膜上に存在するTSH受容体を刺激することにより産生される環状アデノシン一リン酸(cAMP)の量を測定することにより、TSAb活性を測定する方法が知られている。このとき、血清中には内因性cAMPが含まれていることから、正確な定量を行うために、活性炭を用いた前処理により、内因性cAMPの除去が行われていた(特許文献1)。同様の測定原理を応用して、TSH添加または非添加条件における血清試料をブタ甲状腺細胞と反応させ、産生するcAMP量を測定することで、TSH刺激に対する阻害活性(TSBAb活性)を測定する方法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、特許文献1や非特許文献1記載のバイオアッセイにおいては、甲状腺疾患患者の血液試料、及びブタ甲状腺細胞のインキュベーション工程と、産生されたcAMPの量を測定する工程の両工程で、合計5~6時間要することから、迅速化が課題とされていた。
【0006】
近年、特許文献1記載のバイオアッセイの改良法として、カルシウムイオンを介した発光によってcAMP等のシグナルを検出するバイオアッセイ系と、それを利用したTSAbの測定法が報告されている(特許文献2~4)。しかしながら、これらの方法には、1)依然として前処理を必要とすること、2)時間短縮は図られているものの依然として4時間程度要すること、3)バセドウ病眼症を精度良く判定できるか否か明らかでないこと、等の問題点があり、必ずしも満足できる方法とはなりえなかった。
【0007】
最近、これらの課題を克服するさらなる改良法として、cAMPと結合して構造変化する改変型ルシフェラーゼを用いてcAMPシグナルを検出するバイオアッセイ系と、それを利用したTSAb測定法が報告された(特許文献5)。この方法によって、前処理不要で、60分以内でTSAb活性を測定することが可能となった。また、この方法により未治療バセドウ病やバセドウ病眼症の精度の高い判定も可能と報告されている(非特許文献2)。
【0008】
上記cAMPと結合して構造変化する改変型ルシフェラーゼを用いてcAMPシグナルを検出するバイオアッセイ系を応用して、TSBAbの活性を測定することもできる。具体的には、TSH添加または非添加条件における血清試料をTSH受容体および改変型ルシフェラーゼ共発現細胞と反応させ、産生するcAMP量をルシフェラーゼ活性として測定することで、血清試料にTSBAbが含まれている場合、TSH添加によるルシフェラーゼ活性上昇が阻害される。この阻害の程度をTSBAb活性として測定する。
【0009】
上記の測定法をはじめとして、TSBAb活性測定法においては、TSH受容体を発現させた動物細胞とTSH受容体の活性化状態を測定できる系を用いて、TSH受容体の刺激活性の抑制の程度を測定することで、TSH受容体の阻害活性を測定する方法が汎用されている。これは、TSBAb活性は複合的な要因から生じるものであるため、特定の物質の存在量を測定するような方法では、正確な活性が測定できないことに起因する。
【0010】
一方、TSBAb活性測定においては、迅速化の課題に加え、TSAb活性が高くなるに従い、TSBAb活性も上昇する現象が知られており、一定のTSAb活性以上の検体ではTSBAb活性を評価できないとされていた(非特許文献1)。
(【0011】以降は省略されています)

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