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公開番号2024055069
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161673
出願日2022-10-06
発明の名称酸窒化物を触媒担体とするアンモニア分解触媒
出願人国立大学法人東京工業大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01J 27/24 20060101AFI20240411BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】低い反応温度かつ低い反応圧力でも高いアンモニア分解活性を有し、かつ大気中、水中に暴露しても反応を繰り返しても触媒活性の低下が見られないアンモニア分解触媒を提供する。
【解決手段】本発明のアンモニア分解触媒は、担体に遷移金属を担持したものである。前記担体が、下記一般式(1)で表わされる酸窒化物である。
AnBmOl-xNy (1)
(前記一般式(1)において、Aは、Ba及びSrからなる群から選択される少なくとも1種であり、Bは、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1又は2であり、mは、1又は2であり、lは、3又は4であり、xは、0.1≦x≦2.0で表わされる数を表し;yは、0.1≦y≦1.0で表わされる数を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
担体に遷移金属を担持したアンモニア分解触媒であって、
前記担体が、下記一般式(1)で表わされる酸窒化物である
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。





l-x


(1)
(前記一般式(1)において、Aは、Ba及びSrからなる群から選択される少なくとも1種であり、Bは、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1又は2であり、mは、1又は2であり、lは、3又は4であり、xは、0.1≦x≦2.0で表わされる数を表し;yは、0.1≦y≦1.0で表わされる数を表す。)
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記遷移金属が、周期表第8族、9族及び10族金属元素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のアンモニア分解触媒。
【請求項3】
前記遷移金属が、Ru、Fe、Co、Niからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア分解触媒。
【請求項4】
前記遷移金属が、Niであることを特徴とする請求項3に記載のアンモニア分解触媒。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のアンモニア分解触媒からなる触媒層に、体積分率0.1~100%のアンモニアガスを連続的に供給し、0.01MPa~1.0MPaの反応圧力及び300~800℃の反応温度下、重量空間速度(WHSV)500/mlg
-1

-1
以上で接触分解反応させる工程と、を含むことを特徴とする水素の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸窒化物を触媒担体とするアンモニア分解触媒に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アンモニア分解は、吸熱反応であり高温になるほど熱力学的に生成物側に有利となる。ルシャトリエの原理から低圧の方が生成物側に有利である。この点は、発熱反応であるアンモニア合成と大きく異なり、アンモニア合成では低温ほど熱力学的にアンモニア生成側に有利であり、高圧ほど生成物側に有利である。また、アンモニア合成では、一般的にN

分子解離過程が律速段階であり、金属-窒素結合に対して火山型の活性序列が存在し、最適な窒素結合エネルギーを持つRuが最大活性を示す。一方、アンモニア分解では、N-H結合切断は比較的容易に進行し、金属上の原子状窒素種がN

分子として会合脱離する過程が律速段階と言われている。この場合も、最適な窒素結合エネルギーを持つRuが最大活性を示すため、アンモニア合成と共通する。一方、Ni系触媒は、窒素結合エネルギーがRuに比べて小さく、ほとんどアンモニア合成活性を示さないことが知られているが、アンモニア分解ではRu触媒には及ばないものの非貴金属触媒の中では比較的高い触媒活性を示す。
【0003】
アンモニア分解反応において通常酸化物や炭素などにNiを固定した触媒では、600℃以上の高温にしてはじめてアンモニア転化率が90%を超えるものが多く、Ru系触媒と比較すると作動温度領域が100℃~200℃程度高くなる(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、担持金属としてRuの代わりにNi担持CaNH触媒を用いても、効率よくアンモニアを分解することができることが報告されている(例えば非特許文献1)。これは、Ni表面が活性点ではなく、担体であるCaNH上のNH欠陥に生じる電子によってアンモニア分子が直接活性化されるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-167265号公報
【非特許文献】
【0006】
Ogasawara,Kiya et al.,“Ammonia Decomposition over CaNH-Supported Ni Catalysts via an NH2--Vacancy-Mediated Mars-van Krevelen Mechanism” ACS Catal., 11, 17, p.11005-11015(2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されるような担持金属触媒は、通常、活性炭等の炭素質担体や、無機酸化物担体を用いている。しかしながら、これらの担持金属触媒は、とくに担持金属種が非Ruの場合反応活性が低く、実用に用いるには不十分な性能しか有していない。一方、非特許文献1に記載されるようなNi担持金属触媒は、触媒活性が高いが、Ni担持CaNH触媒は大気中不安定であり、大気中の酸素や水分と反応しCaNHが酸化され変質する。
すなわち、低い反応温度かつ低い反応圧力でも高いアンモニア分解活性を有し、かつ大気中、水中に暴露しても反応を繰り返しても触媒活性の低下が見られないアンモニア分解触媒が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、酸窒化物に、Ni等のアンモニア分解触媒金属を担持させることにより、触媒性能の向上と安定化とを両立させることができるアンモニア分解触媒を見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明の要旨は、以下です。
[1] 担体に遷移金属を担持したアンモニア分解触媒であって、
前記担体が、下記一般式(1)で表わされる酸窒化物である
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。





l-x


(1)
(前記一般式(1)において、Aは、Ba及びSrからなる群から選択される少なくとも1種であり、Bは、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1又は2であり、mは、1又は2であり、lは、3又は4であり、xは、0.1≦x≦2.0で表わされる数を表し;yは、0.1≦y≦1.0で表わされる数を表す。)
[2] 前記遷移金属が、周期表第8族、9族及び10族金属元素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載のアンモニア分解触媒。
[3] 前記遷移金属が、Ru、Fe、Co、Niからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のアンモニア分解触媒。
[4] 前記遷移金属が、Niであることを特徴とする[3]に記載のアンモニア分解触媒。
[5] [1]~[4]の何れかに記載のアンモニア分解触媒からなる触媒層に、体積分率1ppm~100%のアンモニアガスを連続的に供給し、0.01MPa~1.0MPaの反応圧力及び300~800℃の反応温度下、重量空間速度(WHSV)500/mlg
-1

-1
以上で接触分解反応させる工程と、を含むことを特徴とする水素の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアンモニア分解触媒は、低い反応温度かつ低い反応圧力でも高いアンモニア分解活性を有し、かつ大気中、水中に暴露しても反応を繰り返しても触媒活性の低下が見られないため、アンモニア分解触媒として好適である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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