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公開番号2024052564
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023145610
出願日2023-09-07
発明の名称波動歯車装置
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16H 1/32 20060101AFI20240404BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】樹脂で形成された耐久性に優れたフレックススプラインを備える波動歯車装置を得られる。
【解決手段】波動歯車装置100は、フレックススプライン10と、サーキュラスプライン20と、波動発生器30と、を備え、フレックススプライン10は、樹脂によって形成された第1の円筒部11と、底面部12とを有し、第1の外周面111には複数の外歯111aが形成されており、サーキュラスプライン20の第2の内周面212が、複数の外歯111aを覆うように配置され、第2の内周面212には、複数の外歯111aに対向するように複数の内歯212aが形成されており、波動発生器30は、回転軸OXを中心に回転可能に構成され、楕円形状である回転体であり、回転軸OX方向が第2の円筒部21の中心軸に沿うように中空部分に配置され、回転軸OX方向において、波動発生器30の端部30Eが、サーキュラスプライン20の端部20Eより、底面部12側に位置するように配置されている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
フレックススプラインと、サーキュラスプラインと、波動発生器と、を備え、
前記フレックススプラインは、樹脂によって形成された、変形可能な円筒形状の第1の円筒部と、前記第1の円筒部の軸方向での端部に設けられた底面部とを有し、前記第1の円筒部の外周面である第1の外周面には周方向に沿って配列した複数の外歯が形成されており、
前記サーキュラスプラインは、円筒形状の第2の円筒部を有し、前記第2の円筒部の内周面である第2の内周面が、前記複数の外歯を覆うように配置され、前記第2の内周面には、前記複数の外歯に嵌合可能な、周方向に沿って配列した複数の内歯が形成されており、
前記波動発生器は、回転軸を中心に回転可能に構成され、前記回転軸が向かう方向である回転軸方向から見た形状が楕円形状である回転体であり、前記回転軸方向が前記第2の円筒部の中心軸に沿うように、前記第1の円筒部によって画定される中空部分に配置され、前記回転軸方向において、前記波動発生器の、前記底面部側の端部が、前記サーキュラスプラインの、前記底面部側の端部より、前記底面部側に位置するように配置されている波動歯車装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記回転軸方向において、前記波動発生器の底面部側の端部から前記サーキュラスプラインの底面部側の端部までの距離が1mm以上である、請求項1に記載の波動歯車装置。
【請求項3】
前記波動発生器の底面部側の端部から前記フレックススプラインの前記底面部までの距離が2mm以上である、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項4】
前記波動発生器は、前記回転軸方向において、前記波動発生器の、前記底面部側の端部が、前記外歯の、前記底面部側の端部より、前記底面部側に位置するように配置されている、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項5】
前記第1の外周面及び前記第1の内周面の少なくとも一方の表面粗さRaは、1.6μm以下である、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項6】
前記波動発生器は、前記回転軸方向において、少なくとも、前記フレックススプラインの前記外歯と、前記サーキュラスプラインの前記内歯とが嵌合可能な範囲に配置されている、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項7】
前記波動発生器の、前記底面部側の端部より前記底面部側において、前記第1の円筒部によって画定される中空部分の径が、前記波動発生器の長径方向の長さより短くなるように、凸部又はテーパ部が設けられている、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項8】
前記フレックススプラインの前記外歯の歯数n1と、前記サーキュラスプラインの前記内歯の歯数n2において、n2≧n1+2である、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項9】
前記回転軸方向から見た前記波動発生器の長径の長さは、d2-(1.25×m+D)×2からd2-(m+D)×2であり、
前記回転軸方向から見た前記波動発生器の短径の長さは、d2-(m+D)×2-2m未満であり、ここで、
mは、前記フレックススプラインのモジュールであり、
d2は、前記サーキュラスプラインの歯数n2とmから算出されるピッチ円直径であり、
Dは、前記フレックススプラインのリム厚みである、請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
【請求項10】
前記mは、0.5ミリメートル以下である、請求項9に記載の波動歯車装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、波動歯車装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、多種多様な用途(例えば、医療、農業)で活用されるサービスロボットの需要の増加が期待されている。サービスロボットが提供するサービスには人が関連するため、安全で静かに高いエネルギー効率で動作し、軽量であることが要求されている。また、サービスロボットの関節部分には、モーターと減速機構とが用いられている。
【0003】
減速機構を実現するために波動歯車装置が用いられることが知られている。波動歯車装置を構成するフレックススプラインは切削加工された特殊鋼で形成されることが一般的であるが、生産性を向上させるために、フレックススプラインの歯面を樹脂で形成することも検討されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-132726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、樹脂で形成されたフレックススプラインは、特殊鋼等の金属によって形成されたフレックススプラインに比べて強度が低い。このため、フレックススプラインは、フレックススプラインの外歯とサーキュラスプラインの内歯との嵌合に伴って歯溝間に生じる応力によって、疲労破壊しやすい傾向にある。一般に、非強化樹脂を使用すると市場で求められる寿命レベルを達成するのは困難であり、一方高強度なGF(ガラス繊維)強化樹脂を使用すると剛性が高すぎることで応力が上がり、結果的に非強化樹脂よりも寿命が下がってしまうことがある。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、樹脂で形成された耐久性に優れたフレックススプラインを備える波動歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、波動発生器の底面部側の端部を、サーキュラスプラインの底面部側の端部より、波動発生器の底面部側に位置するように配置させることによって、樹脂で形成された耐久性に優れるフレックススプラインを備える波動歯車装置が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
フレックススプラインと、サーキュラスプラインと、波動発生器と、を備え、
前記フレックススプラインは、樹脂によって形成された、変形可能な円筒形状の第1の円筒部と、前記第1の円筒部の軸方向での端部に設けられた底面部とを有し、前記第1の円筒部の外周面である第1の外周面には周方向に沿って配列した複数の外歯が形成されており、
前記サーキュラスプラインは、円筒形状の第2の円筒部を有し、前記第2の円筒部の内周面である第2の内周面が、前記複数の外歯を覆うように配置され、前記第2の内周面には、前記複数の外歯に嵌合可能な、周方向に沿って配列した複数の内歯が形成されており、
前記波動発生器は、回転軸を中心に回転可能に構成され、前記回転軸が向かう方向である回転軸方向から見た形状が楕円形状である回転体であり、前記回転軸方向が前記第2の円筒部の中心軸に沿うように、前記第1の円筒部によって画定される中空部分に配置され、前記回転軸方向において、前記波動発生器の、前記底面部側の端部が、前記サーキュラスプラインの、前記底面部側の端部より、前記底面部側に位置するように配置されている波動歯車装置。
[2]
前記回転軸方向において、前記波動発生器の底面部側の端部から前記サーキュラスプラインの底面部側の端部までの距離が1mm以上である、[1]に記載の波動歯車装置。
[3]
前記波動発生器の底面部側の端部から前記フレックススプラインの前記底面部までの距離が2mm以上である、[1]又は[2]に記載の波動歯車装置。
[4]
前記波動発生器は、前記回転軸方向において、前記波動発生器の、前記底面部側の端部が、前記外歯の、前記底面部側の端部より、前記底面部側に位置するように配置されている、[1]から[3]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[5]
前記第1の外周面及び前記第1の内周面の少なくとも一方の表面粗さRaは、1.6μm以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[6]
前記波動発生器は、前記回転軸方向において、少なくとも、前記フレックススプラインの前記外歯と、前記サーキュラスプラインの前記内歯とが嵌合可能な範囲に配置されている、[1]から[5]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[7]
前記波動発生器の、前記底面部側の端部より前記底面部側において、前記第1の円筒部によって画定される中空部分の径が、前記波動発生器の長径方向の長さより短くなるように、凸部又はテーパ部が設けられている、[1]から[6]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[8]
前記フレックススプラインの前記外歯の歯数n1と、前記サーキュラスプラインの前記内歯の歯数n2において、n2≧n1+2である、[1]から[7]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[9]
前記回転軸方向から見た前記波動発生器の長径の長さは、d2-(1.25×m+D)×2からd2-(m+D)×2であり、
前記回転軸方向から見た前記波動発生器の短径の長さは、d2-(m+D)×2-2m未満であり、ここで、
mは、前記フレックススプラインのモジュールであり、
d2は、前記サーキュラスプラインの歯数n2とmから算出されるピッチ円直径であり、
Dは、前記フレックススプラインのリム厚みである、[1]から[8]のいずれかに記載の波動歯車装置。
[10]
前記mは、0.5ミリメートル以下である、[9]に記載の波動歯車装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂で形成された耐久性に優れたフレックススプラインを備える波動歯車装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係る波動歯車装置の一例を模式的に示す断面図である。
図1Aに示す波動発生器が回転した状態における波動歯車装置を模式的に示す断面図である。
図1A及び図1Bに示す波動歯車装置におけるフレックススプライン及び波動発生器の斜視図である。
図1A及び図1Bに示す波動歯車装置におけるフレックススプライン及び波動発生器の、他の方向から見た斜視図である。
図2及び図3に示す波動歯車装置の一部を示す斜視断面図である。
図4に示す波動歯車装置の一部を示す断面図である。
図4に示す波動歯車装置の一部を示す断面図である。
回転軸方向において、サーキュラスプラインの、底面部側の端部と、円筒部の開放端から最も離れた位置との間の長さが7mmである場合の、フレックススプラインとサーキュラスプラインとの嵌合部におけるフレックススプラインの歯溝間に発生する応力を示すグラフである。
回転軸方向において、サーキュラスプラインの、底面部側の端部と、円筒部の開放端から最も離れた位置との間の長さが5mmである場合の、フレックススプラインとサーキュラスプラインとの嵌合部におけるフレックススプラインの歯溝間に発生する応力を示すグラフである。
回転軸方向において、サーキュラスプラインの、底面部側の端部と、円筒部の開放端から最も離れた位置との間の長さが3.5mmである場合の、フレックススプラインとサーキュラスプラインとの嵌合部におけるフレックススプラインの歯溝間に発生する応力を示すグラフである。
図5に示す波動歯車装置の一部の変形例における、波動発生器の長径に沿った断面図である。
図5に示す波動歯車装置の一部の他の変形例における、波動発生器の長径に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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