TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024045038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2023147899
出願日2023-09-12
発明の名称胃癌の高度リンパ節転移を検出するためのバイオマーカー、それを用いた検出方法及び検出試薬
出願人公立大学法人横浜市立大学,地方独立行政法人神奈川県立病院機構,東ソー株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G01N 33/574 20060101AFI20240326BHJP(測定;試験)
要約【課題】胃癌の臨床分類におけるステージ分類でStage IIIに分類される胃癌の高度リンパ節転移診断マーカーの検証を目的とし、Stage III胃癌症例おいて転移検出の補助となる方法を提案する。
【解決手段】線維芽細胞成長因子受容体1(Fibroblast growth factor receptor 1 ;FGFR1)を、胃癌の高度リンパ節転移を検出するためのバイオマーカーとして使用し、ヒト体液中のFGFR1の濃度を測定し、FGFR1の濃度が基準値よりも高い場合には、胃癌の高度リンパ節転移が検出されたとし、当該基準値は、胃癌の高度リンパ節転移が認められなかったヒト体液中のFGFR1濃度である、方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
線維芽細胞成長因子受容体1(Fibroblast growth factor receptor 1 ;FGFR1)からなる、胃癌の高度リンパ節転移を検出するためのバイオマーカー。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
ヒト体液中のFGFR1の濃度を測定し、その測定値から胃癌の高度リンパ節転移を検出する方法。
【請求項3】
FGFR1の濃度が基準値よりも高い場合には、胃癌の高度リンパ節転移が検出されたとし、当該基準値は、胃癌の高度リンパ節転移が認められなかったヒト体液中のFGFR1濃度から定められたものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記体液が、血液又は尿である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
FGFR1の濃度を測定する方法が免疫学的測定法である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
FGFR1を特異的に認識する抗体を用いて行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
FGFR1を特異的に認識する抗体を含有することを特徴とする、請求項5に記載の方法に使用するための検出試薬又は検出キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト体液中の線維芽細胞成長因子受容体1(Fibroblast growth factor receptor 1 ;FGFR1)の濃度を指標として、胃癌の高度リンパ節転移を検出する方法等に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
2020年度における日本の癌による死亡数は約38万人であり、胃癌による死亡数は、男性で12.6%(死亡数が多い部位で全体2位)、女性で9.2%(同全体5位)であり、依然多くの人が罹患し死亡している。2021年度の部位別の死亡予測数も2020年度と同水準であり、我が国にとって早期に診断・治療を開始することが重要な疾患である(非特許文献1)。
【0003】
胃癌等の固形癌は、早期診断・早期治療によって治癒可能な疾患であるが、進行した場合には外科治療のみならず、化学療法や放射線治療を併用した集学的治療が行われている。遠隔転移を有するStage IV以外の局所進行胃癌の標準治療は外科的切除および化学療法であるが、リンパ節転移個数が7個以上のリンパ節転移陽性(N3)を有する進行胃癌は,上記治療を行なっても,極めて予後が悪いことが知られている。その理由として,手術では取りきれない微小転移を有している可能性があげられている。
【0004】
術前補助化学療法のメリットは、手術では取りきれない微小転移に対して手術前に制御できる可能性があること、腫瘍局所における血管構築が破壊されていないため、腫瘍への抗癌剤の到達が良好であり,患者の状態(PS)が術後より良好であるため、薬剤強度の高い抗癌剤の選択が可能なことなどがあげられている。一方デメリットとして、効果がない場合には胃癌が進行する可能性があることがあげられている。術前補助化学療法が最も有効と考えられる症例は手術可能ではあるが、手術では取りきれない微小転移を有する症例と考えられ、N3のような高度リンパ節転移を有する症例に多く含まれると考えられている(非特許文献2)。
【0005】
現在行われている胃癌のリンパ節転移診断は、そのほとんどがCT検査による画像診断でなされている(非特許文献3)。しかし、治療を始める前に診断した「術前リンパ節転移診断」と術後の病理診断による「術後リンパ節転移診断」の一致率(正診性)は、現状では非常に低いため、術前化学療法が最も効果的と考えられる手術では取りきれない微小転移を有する症例が多く含まれると考えられている。高度リンパ節転移を有する症例を、血清診断マーカーのように簡便で、かつ、これまでのCTによる画像診断と併せて正診性を向上させることができるような補助診断法の構築が求められている。
【0006】
現在使用されている体外診断用医薬品の腫瘍マーカーであるCEAやCA19-9は胃癌の腫瘍量を反映しており、再発や病状の進行を見るためなどに用いられるが、癌のリンパ節転移診断には用いられていない。
【0007】
癌の転移診断に関わる方法は多数報告されている。例えば、組織診断を行うマイクロアレイを用いた検討で、正常なリンパ節と比較し、胃癌腫からの転移を伴うリンパ節では特定の遺伝子マーカーの発現レベル高値になることに基づき転移を診断する方法が報告されている(特許文献1)。また胃癌の肝転移を検出する方法として、血清及び胃癌組織を対象にSYT7、MFSD4、ETNKの発現量による胃癌の肝転移を検出する方法(特許文献2)や血清及び胃癌組織を試料として癌の遠隔転移の予後を検査する方法(特許文献
3)なども報告されている。
【0008】
線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)は4種類が同定されており、細胞外免疫グロブリン様ドメイン、疎水性膜貫通領域、細胞内チロシンキナーゼドメインからなる膜貫通型の受容体型チロシンキナーゼである。細胞外グロブリン様ドメインは線維芽細胞増殖因子(FGF)が結合することで、下流のシグナルのカスケードを動かし、様々な細胞応答を引き起こすことが知られている(非特許文献4)。
【0009】
特にFGFR1は、骨髄で好酸球系細胞が原因不明に増殖する好酸球増多症の診断マーカーとしても知られている。WHO分類2008において、「好酸球増多症とPDGFRA、PDGFRB、またはFGFR1遺伝子異常を有する骨髄・リンパ性腫瘍」のカテゴリーが新たに新設されている(非特許文献5、6)。3つの遺伝子はともにチロシンキナーゼ活性を有するが、その異常亢進が好酸球増多症の原因であるため、3つの遺伝子の鑑別を行うことが重要であると示唆されている(特許文献4)。
【0010】
またFGFR1は8p11骨髄増殖症候群(EMS)の発生にも関与していることが示されている。8p11-12染色体遺伝子座に存在するFGFR1遺伝子が、転座によりペアとなる遺伝子と新たな融合遺伝子やキメラタンパク質を形成することにより発症する。FGFR1シグナル伝達の調節異常が、癌の形成及び進行を引き起こすことが知られている(非特許文献7、8)。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
健康状態検査材
21日前
株式会社CCT
表示装置
20日前
株式会社チノー
放射温度計
13日前
日本精機株式会社
センサユニット
12日前
個人
コンベックスルール用測定部品
19日前
トヨタ自動車株式会社
給水治具
18日前
株式会社テイエルブイ
処理装置
6日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
11日前
TDK株式会社
ガスセンサ
4日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
11日前
大和製衡株式会社
組合せ計量装置
11日前
東将精工株式会社
測定器具補助具
20日前
株式会社ミツトヨ
光学式エンコーダ
21日前
三菱マテリアル株式会社
温度センサ
18日前
東レエンジニアリング株式会社
衝撃試験機
21日前
株式会社ティアンドデイ
温度測定装置
18日前
豊田合成株式会社
重量測定装置
18日前
株式会社 システムスクエア
検査装置
20日前
住友金属鉱山株式会社
セレン評価方法
11日前
太陽誘電株式会社
匂いセンサシステム
4日前
住友金属鉱山株式会社
検査装置
11日前
東レ株式会社
センサー素子及びガスセンサー
25日前
トヨタ自動車株式会社
表示装置
12日前
ニシム電子工業株式会社
液位検出装置
12日前
笹田磁気計測研究所株式会社
磁気傾度計
13日前
マグネデザイン株式会社
GSR素子の製造方法
6日前
株式会社不二越
歯車寸法測定装置
20日前
株式会社ダイナックス
電流検出器
11日前
マグネデザイン株式会社
磁界検出素子の製造方法
6日前
トヨタ自動車株式会社
情報処理装置
12日前
本田技研工業株式会社
外界認識装置
13日前
株式会社島津製作所
分注装置
19日前
群馬県
音響診断センサユニット
5日前
株式会社トクヤマ
磁性粒子を用いた試料前処理方法
13日前
個人
注いでいる時に同時的に残量がわかる液体容器
12日前
株式会社アイティーコスモス
センサシステム
11日前
続きを見る