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公開番号2024043365
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022148522
出願日2022-09-16
発明の名称鎖交換反応を用いるケミカルセンサ
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人スズエ国際特許事務所
主分類C12M 1/34 20060101AFI20240322BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】高感度に測定することが可能な、核酸プローブを備えるケミカルセンサを提供する。
【解決手段】実施形態に従うケミカルセンサは、標的物質を捕捉するための核酸プローブと、表面に核酸プローブが固定化されたセンサ素子と、センサ素子を被覆する液膜とを備える。核酸プローブは、第一の核酸と、第一の核酸に結合した第二の核酸とからなる二本鎖核酸であり、第一の核酸は、第一の塩基配列、第一の塩基配列と相補的な塩基配列からなる第二の塩基配列、及び、一方の端が第一の塩基配列に結合し、かつ、他方の端が第二の塩基配列に結合する第三の塩基配列を含む、一本鎖核酸である。第二の核酸は、第一の核酸の第二の塩基配列の一部と相補的な塩基配列からなる第四の塩基配列を含み、第四の塩基配列が第一の核酸の第二の塩基配列と結合する、一本鎖核酸である。第三の塩基配列は、標的物質を捕捉する結合サイトを構成する塩基配列を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
標的物質を捕捉するための核酸プローブと、
表面に前記核酸プローブが固定化されたセンサ素子と、
前記センサ素子を被覆する液膜とを備えるケミカルセンサであって、
前記核酸プローブは、第一の核酸と、前記第一の核酸に結合した第二の核酸とからなる二本鎖核酸であり、
前記第一の核酸は、第一の塩基配列、前記第一の塩基配列と相補的な塩基配列からなる第二の塩基配列、及び、一方の端が前記第一の塩基配列に結合し、かつ、他方の端が前記第二の塩基配列に結合する第三の塩基配列を含む、一本鎖核酸であり、
前記第二の核酸は、前記第一の核酸の前記第二の塩基配列の一部と相補的な塩基配列からなる第四の塩基配列を含む一本鎖核酸であり、
前記標的物質を捕捉する結合サイトを構成する塩基配列が前記第三の塩基配列に含まれる、ケミカルセンサ。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記第三の塩基配列が前記標的物質を捕捉すると、前記第一の核酸と前記第二の核酸とが解離し、かつ、前記第一の塩基配列及び前記第二の塩基配列が対合してなるステム部と、前記第三の塩基配列を含むループ部又はバルジ構造とを有する二次構造が前記第一の核酸内において形成される、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項3】
前記第四の塩基配列の塩基長は、前記第二の塩基配列の塩基長よりも短い、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項4】
前記核酸プローブの前記第一の核酸は、前記第三の塩基配列の結合サイトを構成する塩基配列と前記第二の塩基配列との間に1塩基、2塩基又は3塩基のスペーサー配列を含む、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項5】
前記第三の塩基配列の結合サイトを構成する塩基配列と、前記第一の塩基配列との間に1塩基のスペーサーを含む、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項6】
前記第三の塩基配列が前記標的物質を捕捉することで前記第二の核酸と解離した前記第一の核酸が、高次構造を形成する、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項7】
前記第三の塩基配列が前記標的物質を捕捉することで形成される、前記第一の核酸の前記二次構造は、ヘアピンループ、インターナルループ、バルジ、シュードノット、3Way Junction、又は4Way Junctionである、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項8】
前記センサ素子は、グラフェンFET、ISFET、SPR及びQCMのうち何れか1種類のセンサ素子である、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項9】
前記第一の核酸及び前記第二の核酸のうちいずれか一方が前記センサ素子の表面に固相化されることにより、前記核酸プローブが前記センサ素子の表面に固相化される、請求項1に記載のケミカルセンサ。
【請求項10】
前記第四の塩基配列は、前記第二の塩基配列とミスマッチの塩基配列を有する、請求項1に記載のケミカルセンサ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、鎖交換反応を用いるケミカルセンサに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
高感度に測定することが可能な、核酸プローブを備えるケミカルセンサが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、高感度に測定することが可能な、核酸プローブを備えるケミカルセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態に従うケミカルセンサは、標的物質を捕捉するための核酸プローブと、表面に核酸プローブが固定化されたセンサ素子と、センサ素子を被覆する液膜とを備える。核酸プローブは、第一の核酸と、第一の核酸に結合した第二の核酸とからなる二本鎖核酸であり、第一の核酸は、第一の塩基配列、第一の塩基配列と相補的な塩基配列からなる第二の塩基配列、及び、一方の端が第一の塩基配列に結合し、かつ、他方の端が第二の塩基配列に結合する第三の塩基配列を含む、核酸である。第二の核酸は、第一の核酸の第二の塩基配列の一部と相補的な塩基配列からなる第四の塩基配列を含み、第四の塩基配列が第一の核酸の第二の塩基配列と結合する、核酸である。第三の塩基配列は、標的物質を捕捉する結合サイトを構成する塩基配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1は、第1実施形態のケミカルセンサの一例を示す断面図である。
図2の(a)は、第1実施形態のケミカルセンサの核酸プローブの一例を示す模式図であり、(b)は核酸プローブにおける鎖交換反応の経過を示す図であり、(c)は鎖交換反応が終了し、安定的な高次構造が形成された核酸プローブを示す図である。
図3は、第1実施形態のケミカルセンサが備える核酸プローブに関するエネルギー準位図であり、核酸プローブが二本鎖を形成している場合と一本鎖を形成している場合との自由エネルギーの変化を示す。
図4の(a)は、第2実施形態のケミカルセンサが具備する、ポリカチオンを含む第二の核酸の一例を示す図であり、(b)は鎖交換反応においてポリカチオンを含む第二の核酸と他の塩基配列とが集合する様子を示す模式図である。
図5は、第2実施形態のケミカルセンサが備える核酸プローブに関するエネルギー準位図であり、標的物質の捕捉による自由エネルギーの変化を示す。
図6は、第3実施形態のケミカルセンサの一例を示す断面図である。
図7の(a)は、第2実施形態のケミカルセンサが具備する、ポリカチオン一例を示す図であり、(b)は鎖交換反応においてポリカチオンと他の塩基配列とが集合する様子を示す模式図である。
図8は、第4の実施形態である、ケミカルセンサの使用した分析方法に関するフローチャートである。
図9は、第5の実施形態である、ケミカルセンサの製造方法に関するフローチャートである。
図10は、例1の測定結果のうち、段階的に標的物質の濃度を変化させたときの、センサ素子に流れるドレイン電流の経時変化を示すグラフである。
図11は、例1の測定結果のうち、各測定期間における、グラフェン膜を備えるFETセンサのドレイン電流のゲート電圧依存性(IdVg特性)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、各部の厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
【0007】
(第1実施形態)
・ケミカルセンサ
第1実施形態によれば、鎖交換反応することで標的物質を検出する核酸プローブを備えるケミカルセンサ(以下、「センサ1」と呼ぶ)が提供される。センサ1は、センサ素子2と、センサ素子2を被覆するように配置された液膜3とを備えており、センサ素子2の表面には核酸プローブ4が固相化されている。
【0008】
センサ素子2は、後述する核酸プローブ4の二次構造の変化を感応するように構成されていれば、任意の種類のセンサ素子を選択してもよい。センサ素子2は、例えばグラフェン電界効果トランジスタ(GFET)、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)、表面プラズモン共鳴素子(SPR)又は水晶振動子マイクロバランス(QCM)等であってもよい。
【0009】
例えばセンサ1がFETセンサの一種である場合、図1に示すように、センサ素子2は液膜3を介してゲート電極5が接触するように配設されており、かつ、一方の端にソース電極6が、他方の端にドレイン電極7がそれぞれ電気的に接続されている。また、ゲート電極5には電圧(すなわちゲート電圧)を印加する回路が接続される。ソース電極6-ドレイン電極7間にも電圧を印加する回路が形成され、当該回路上を流れるドレイン電流を計測する電流計(図示せず)が配置されている。ソース電極6及びドレイン電極7は、絶縁性の保護膜8に覆われていても構わない。
【0010】
液膜3は、その表面3aが標的物質を含有する検体試料と接触するように配置され、かつ、センサ素子2を被覆し、センサ素子2の表面2aに固相化された核酸プローブ4を浸漬するように配置される。液膜3は、標的物質を溶解可能な測定用溶液から構成される。測定用溶液の溶媒として、例えば水を選択することができ、溶質としてセンサ1の測定又は保存に必要な任意の試薬類(例えば安定剤やpH調整剤やイオンなど)が含まれていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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