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公開番号2024041447
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146274
出願日2022-09-14
発明の名称エンジン始動異常診断装置
出願人株式会社SUBARU
代理人弁理士法人青海国際特許事務所,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20240319BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エンジン始動時におけるロングクランキング異常の発生要因を容易に絞り込むことが可能なエンジン始動異常診断装置を提供する。
【解決手段】複数気筒を有するエンジン1の始動時においてクランキング期間が所定時間以上であってもエンジン始動が完了しないロングクランキング異常の発生要因を判別するエンジン始動異常診断装置を、少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフト10の回転速度を検出する回転速度検出部11と、回転速度検出部が検出した回転速度が所定の閾値より小さい場合に、ロングクランキング異常の発生要因が電気系異常であると判別するとともに、回転速度が前記閾値より大きい場合に、ロングクランキング異常の発生要因が燃焼異常であると判別する異常診断部100とを備える構成とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
複数気筒を有するエンジンの始動時においてクランキング期間が所定時間以上であってもエンジン始動が完了しないロングクランキング異常の発生要因を判別するエンジン始動異常診断装置であって、
少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフトの回転速度を検出する回転速度検出部と、
前記回転速度検出部が検出した前記回転速度が所定の閾値より小さい場合に、前記ロングクランキング異常の発生要因が電気系異常であると判別するとともに、前記回転速度が前記閾値より大きい場合に、前記ロングクランキング異常の発生要因が燃焼異常であると判別する異常診断部と
を備えることを特徴とするエンジン始動異常診断装置。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
前記エンジンは、等間隔点火である4気筒又は2気筒のエンジンであること
を特徴とする請求項1に記載のエンジン始動異常診断装置。
【請求項3】
前記閾値は、スタータモータが正常であるときのクランキング時における少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフトの回転速度よりも低く設定されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン始動異常診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの始動時におけるロングクランキング異常の発生要因を判別するエンジン始動異常診断装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、低コストに内燃機関の始動性能を診断し、かつ始動性悪化の要因を推定するため、発電機とバッテリと始動装置を備えた内燃機関の診断装置において、クランク回転数,バッテリ電圧を処理するセンサ入力手段と、内燃機関の始動状態を制御する制御手段と、キースイッチ信号を処理するスイッチ信号手段と、センサ入力手段と制御手段とスイッチ信号手段の出力に基づいて電気系統診断を行うと共に、センサ入力手段からの出力信号と制御手段からの出力信号の相関に基づき内燃機関の始動性能又は始動性を診断することが記載されている。
特許文献2には、ディーゼルエンジンの始動時において回転もたつき異常が発生する時に、適当な対処を可能とするため、回転もたつき異常が発生した時に、回転もたつき異常の要因が燃焼悪化であるか不適当な燃焼時期であるのかを判定する判定段階を有する異常要因判定方法が記載されている。具体的には、現在の機関回転数NE

と、次回の燃焼気筒における燃焼開始直前のボトム値NE

’との差ΔNE2に基づいて、失火等の燃焼悪化と不適当な燃焼時期での燃焼とを判別することが記載されている。
特許文献3には、システムや部品の故障が特定できないエンジンストール、エンジンの始動不良を故障として識別するため、車載部品毎に異なった故障コードを出力し、かつ保存する機能を備えた車両用故障診断制御装置において、始動時において、始動回転数と、スタータオン後の経過時間とを計測し、計測値と予め設定された値とを比較して、設定条件を満たした時には、エンジンストールやエンジンの始動不良を含む始動時故障であるとして始動時データを保存することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-224832号公報
特開2004-308586号公報
特開2004- 44407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの始動時に、通常時に対してスタータモータによるクランクシャフトの駆動(クランキング)が異常に長時間化するロングクランキング異常の発生要因は多岐にわたる。
このようなロングクランキング異常が発生した場合、サービス拠点でメカニックがトラブルシューティングを実施するときに、例えば予め準備されたチェックリストに沿って一つずつ要因を絞り込んでいくことになり、原因の特定及び修理に要する時間が長くかかる問題があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、エンジン始動時におけるロングクランキング異常の発生要因を容易に絞り込むことが可能なエンジン始動異常診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明のエンジン始動異常診断装置は、複数気筒を有するエンジンの始動時においてクランキング期間が所定時間以上であってもエンジン始動が完了しないロングクランキング異常の発生要因を判別するエンジン始動異常診断装置であって、少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフトの回転速度を検出する回転速度検出部と、前記回転速度検出部が検出した前記回転速度が所定の閾値より小さい場合に、前記ロングクランキング異常の発生要因が電気系異常であると判別するとともに、前記回転速度が前記閾値より大きい場合に、前記ロングクランキング異常の発生要因が燃焼異常であると判別する異常診断部とを備えることを特徴とする。
ロングクランキング異常が燃焼異常により発生している場合には、スタータモータにより通常の始動に必要なクランクシャフトの回転速度は得られているが、ここから回転速度が正常に上昇しない回転速度推移を示す。
一方、ロングクランキング異常が、例えばスタータモータ本体や、スタータモータに電力を供給する電源装置、配線の不良などの電気系異常により発生している場合には、スタータモータにより通常の始動に必要なクランクシャフトの回転速度が得られないことになる。
このような燃焼異常時と電気系異常時とのクランクシャフト回転速度の違いは、スタータモータがクランクシャフトを回転駆動するのに必要なトルクが最大となる一部の気筒の圧縮行程後期において顕著となる。
本発明によれば、上記事象を利用し、少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフトの回転速度を閾値と比較することにより、ロングクランキング異常の発生要因が燃焼異常と電気系異常のいずれであるか、容易かつ迅速に絞り込むことが可能となる。
なお、本明細書、特許請求の範囲等において、圧縮行程後期とは、圧縮行程におけるクランクシャフトの角度位置(クランク角)の範囲のうち一部を抽出した範囲であって、抽出されたクランク角の中央値が圧縮上死点前90度よりも後となるものを意味するものとする。典型的には、圧縮上死点前90度から圧縮上死点までの範囲を抽出して圧縮行程後期とすることができるが、その始期及び終期は、上記定義を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0006】
本発明において、前記エンジンは、等間隔点火である4気筒又は2気筒のエンジンである構成とすることができる。
これによれば、各気筒の筒内圧力、動弁駆動系のバルブスプリング反力などの作用により、クランキング時のスタータモータ駆動負荷がシビアとなる領域のクランクシャフトの回転速度を抽出することが容易であり、上述した効果を適切に得ることができる。
【0007】
本発明において、前記閾値は、スタータモータが正常であるときのクランキング時における少なくとも一部の気筒が圧縮行程後期にあるときのクランクシャフトの回転速度よりも低く設定される構成とすることができる。
これによれば、スタータモータによるクランキングが正常である場合にはクランクシャフトの回転速度が閾値を上回ることになるため、電気系異常と燃焼異常とを精度よく判別することができる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、エンジン始動時におけるロングクランキング異常の発生要因を容易に絞り込むことが可能なエンジン始動異常診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明を適用したエンジン始動異常診断装置の実施形態が設けられるエンジンの構成を模式的に示す図である。
4ストロークエンジンの行程の推移を示す図である。
4ストロークエンジンの圧縮行程における状態推移を示す図である。
実施形態のエンジン始動異常診断装置のエンジン始動時の動作を示すフローチャートである。
燃焼異常に起因するロングクランキング異常時におけるエンジン回転数の推移の一例を示す図である。
電気系異常に起因するロングクランキング異常時におけるエンジン回転数の推移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用したエンジン始動異常診断装置の実施形態について説明する。
実施形態のエンジン始動異常診断装置は、例えば、乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載される4ストロークの内燃機関に設けられる。
図1は、実施形態のエンジン始動異常診断装置が設けられるエンジンの構成を模式的に示す図である。
(【0011】以降は省略されています)

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