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公開番号2024036229
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-15
出願番号2022141041
出願日2022-09-05
発明の名称粉末冶金用混合粉
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B22F 1/105 20220101AFI20240308BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】クリーンな潤滑剤である脂肪酸アミドを用いて、常温だけでなく金型温度上昇後にも優れた成形体の抜出性と圧縮性とを示す末冶金用混合粉を提供する。
【解決手段】粉末冶金用混合粉は、鉄基粉末と潤滑剤として脂肪酸アミドとを含み、脂肪酸アミドは、飽和脂肪酸ビスアミド、飽和脂肪酸モノアミド及び不飽和脂肪酸アミドを含み、不飽和脂肪酸アミドは、不飽和脂肪酸ビスアミド及び不飽和脂肪酸モノアミドの一方又は両方を含み、飽和脂肪酸ビスアミド、飽和脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド及び不飽和脂肪酸モノアミドの添加量を鉄基粉末100質量部に対する重量部でそれぞれb1、b2、b3及びb4で示した場合次式(1)から(3)を満たす。
0<(b1)+(b2)+(b3)+(b4)≦2.0…(1)
0<(b1)/(b2)<0.45…(2)
0<[(b3)+(b4)]/[(b1)+(b2)+(b3)+(b4)]≦0.35…(3)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鉄基粉末と、
潤滑剤として脂肪酸アミドと、を含み、
前記脂肪酸アミドは、飽和脂肪酸ビスアミド、飽和脂肪酸モノアミド及び不飽和脂肪酸アミドを含み、
前記不飽和脂肪酸アミドは、不飽和脂肪酸ビスアミド及び不飽和脂肪酸モノアミドの一方又は両方を含み、
前記飽和脂肪酸ビスアミド、前記飽和脂肪酸モノアミド、前記不飽和脂肪酸ビスアミド及び前記不飽和脂肪酸モノアミドの添加量を前記鉄基粉末100質量部に対する重量部でそれぞれb1、b2、b3及びb4で示した場合、次式(1)から(3)を満たす、粉末冶金用混合粉。
0<(b1)+(b2)+(b3)+(b4)≦2.0・・・式(1)
0<(b1)/(b2)<0.45・・・式(2)
0<[(b3)+(b4)]/[(b1)+(b2)+(b3)+(b4)]≦0.35・・・式(3)
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記脂肪酸アミドは、炭素数11以上21以下の長鎖アルキル基又はアルケニル基を有する請求項1に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項3】
前記脂肪酸アミドは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸又はエルカ酸の誘導体である請求項1に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項4】
流動性改善剤として、カーボンブラック、金属酸化物微粒子及び金属石鹸のうち少なくとも一つを更に含む、請求項1から3の何れか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項5】
合金用粉末及び切削性改善剤の一方又は両方を更に含む請求項1から3の何れか一項に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項6】
合金用粉末及び切削性改善剤の一方又は両方を更に含む請求項4に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項7】
前記合金用粉末及び前記切削性改善剤の一方又は両方が、前記脂肪酸アミドを介して前記鉄基粉末の粒子表面に付着している請求項5に記載の粉末冶金用混合粉。
【請求項8】
前記合金用粉末及び前記切削性改善剤の一方又は両方が、前記脂肪酸アミドを介して前記鉄基粉末の粒子表面に付着している請求項6に記載の粉末冶金用混合粉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末冶金用混合粉に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
粉末冶金とは、金属の粉末を金型に入れて圧縮して固め、高温で焼結し、寸法精度の高い部品をつくる技術である。粉末冶金によれば、複雑な形状の部品であっても、高い寸法精度で成形できることから、削り出しなどによる形状加工に比べて切削コストを大幅に低減することができる。そのため、粉末冶金製品は各種の機械や部品として、多方面に利用されている。
【0003】
粉末冶金では、主原料となる鉄基粉末に、必要に応じて銅粉、黒鉛粉、リン化鉄粉などの合金用粉末や、MnS等の切削性改善用粉末及び潤滑剤を混合した粉末冶金用混合粉(以下、混合粉と称する場合がある)を原料粉末として用いる。
【0004】
このような粉末冶金用混合粉を成形して製品を製造する上で、粉末冶金用混合粉に含まれる潤滑剤が果たす役割は極めて大きい。潤滑剤には、混合粉を金型で成形する際の混合粉に含まれる粒子間の摩擦を低減する作用と、成形に用いられる金型と粒子との間の摩擦を低減する作用とが求められる。
【0005】
混合粉を金型で成形する際の混合粉に含まれる粒子間の摩擦を低減する作用は、例えば成形時に潤滑剤が粒子間に介在することにより生じる。粒子間の摩擦が低減されることで粒子の再配列が促されて成形性が向上する。成形に用いられる金型と粒子との間の摩擦を低減する作用は、例えば金型表面に存在する潤滑剤が金型と粒子との間に介在することによって生ずる。金型と粒子との間の摩擦が低減されることで成形体表面での粒子の再配列が促され、成形性が向上する。これら2つの作用により、成形時に混合粉を高い密度まで圧縮することが可能となる。更に、金型と粒子との間の摩擦が低減されることで、金型と成形体との摩擦が低減され、また、金型からの成形体の離型性も向上する。成形体の金型からの抜出しは、例えばパンチによって押し出すことによって行われるが、金型と成形体との摩擦が大きいと、成形体の金型からの抜出しが行いにくくなったり、成形体の表面を傷つけてしまったりする場合がある。
【0006】
潤滑剤は、上記のように成形時や金型からの抜出し時に大きな役割を果たすものの、焼結体には残留しないことが求められる。成形体を金型から抜き出した後には潤滑剤は不要となるので、例えば、成形体の焼結時に潤滑剤が消失していることが望まれる。
【0007】
ところで、粉末冶金用混合粉には、更に結合剤として機能する成分が添加されることがある。ここで、結合剤とは、主成分である鉄基粉末の鉄粒子の表面に、添加成分である合金用粉末などを付着させるための成分のことである。鉄基粉末に、合金用粉末、切削性改善用粉末、及び潤滑剤などの添加成分を混合しただけの混合粉では、混合後に各成分が偏析する場合がある。特に合金用粉として一般的に用いられる黒鉛粉は、他の成分に比べて密度が小さいため、混合粉を流動や振動などさせると容易に偏析する。このような偏析を防止するために、鉄基粉末の粒子表面に結合剤を介して添加成分を付着させる場合がある。このような混合粉は、特に偏析防止処理粉と呼ばれる場合がある。偏析防止処理粉では、添加成分が鉄基粉末に付着しているため、上述したような成分の偏析が防止される。
【0008】
さて、一般に潤滑剤は鉄基粉末に比べて付着力が強いため、混合粉の流動性を悪化させるという問題がある。しかし、このような付着力を利用して、偏析防止処理粉に用いられる結合剤として潤滑剤としても機能する化合物を採用する場合がある。
【0009】
粉末冶金用混合粉は、一般に、300から1000MPaの圧力でプレス成形して、所定の部品形状とした後、1000℃以上の高温で焼結し、最終的な部品形状とされる。その際、混合粉に含まれる潤滑剤及び結合剤の総量は、一般的には、鉄基粉末100質量部に対し0.1から2質量部程度である。潤滑剤や結合剤は、密度が鉄基粉末に比べ小さいため、多量に添加すると成形体の密度が低下し、その結果、焼結体の密度が低下するという問題もある。そのため、成形体の密度を高くするためには潤滑剤や結合剤の添加量は少ないほうがよい。例えば結合剤として潤滑性能も有するものを用いれば、混合粉に添加する結合剤と潤滑剤との総量を減らすことができる。
【0010】
潤滑剤の潤滑性能は、潤滑剤に含まれる化合物の種類に大きく影響を受ける。脂肪酸アミド及び脂肪酸金属石鹸は粉末冶金用潤滑剤として汎用されている代表的な化合物である。脂肪酸アミドと脂肪酸金属石鹸とは、いずれも潤滑性に優れた物質である。しかし、脂肪酸金属石鹸は焼結時に金属酸化物生じて焼結体表面や焼結炉を汚染する場合がある。これに対し、脂肪酸アミドは焼結時に分解してすべての成分が揮発してしまうため、汚染が生じないクリーンな潤滑剤として活用されている。
(【0011】以降は省略されています)

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