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公開番号2024027801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130907
出願日2022-08-19
発明の名称パイルキャップのせん断強度算定方法
出願人株式会社安藤・間
代理人個人,個人,個人
主分類E02D 27/00 20060101AFI20240222BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】杭上部のパイルキャップを含む柱基礎梁の接合構造において、パイルキャップの終局せん断強度を適正に評価する。
【解決手段】既製杭Pの杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップ1と基礎梁2と柱3とを接合してなるパイルキャップ1のせん断強度算定方法であって、パイルキャップ1のせん断強度は、パイルキャップ1の高さHpcと基礎梁2の梁せいDbとの比から得られた低減係数αjを、せん断強度式に乗じて評価することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
既製杭の杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップと基礎梁と柱とを接合してなるパイルキャップのせん断強度算定方法であって、
前記パイルキャップのせん断強度は、前記パイルキャップ高さH
pc
と前記基礎梁せいD
b
との比から得られた低減係数α
j
を、せん断強度式に乗じて評価することを特徴とするパイルキャップのせん断強度算定方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記低減係数α
j
は、前記パイルキャップ高さH
pc
に対して前記基礎梁せいD
b

0.77・D
b
を基準として、
α
j
=H
pc
/0.77・D
b
≦1.0
とした請求項1に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項3】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の有効幅b
j
は、前記基礎梁の梁幅b
b
に基礎梁の左右側面に協力幅(b
a1
+b
a2
)を設け、

j
=b
b
+b
a1
+b
a2
とした請求項1に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項4】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の部材有効せいD
j
は、
前記接合部での前記既製杭、基礎梁及び柱の接合形状および前記接合部への加力方向を考慮して設定された請求項1に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項5】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の部材有効せいD
j
は、
前記接合部に形成された圧縮ストラットの範囲をもとにして設定された請求項1に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項6】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の部材有効せいD
j
は、
前記接合部での前記既製杭、基礎梁及び柱の接合形状が十字形をなす場合に、柱せいD
c
と柱面からパイルキャップ端部までの距離D
a1
との和、

j
=D
c
+D
a1
とした請求項4に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項7】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の部材有効せいD
j
は、
前記接合部での前記既製杭、基礎梁及び柱の接合形状がト字形をなし、前記接合部が軸力増加方向に加力される場合に、90度折曲げ筋水平投影長さD’
c
と柱面からパイルキャップ端部までの距離D
a1
の和、

j
=D’
c
+D
a1
とした請求項4に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項8】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の部材有効せいD
j
は、
前記接合部での前記既製杭、基礎梁及び柱の接合形状がト字形をなし、前記接合部が軸力減少方向に加力される場合に、柱せいD
c
と柱面から杭頭接合筋直径に200mmを加えた仮想RC円柱断面端部までの距離D
a2
との和、

j
=D
c
+D
a2
とした請求項4に記載のパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項9】
既製杭の杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップと基礎梁と柱とを接合してなるパイルキャップのせん断強度算定方法であって、
前記パイルキャップのせん断強度は、接合部における杭頭部、柱、基礎梁、所定高さのパイルキャップに配筋された各鉄筋位置から求められる応力中心間距離j
p
,j
c
,j
b
,j
pc
で区画された面積を、有効せん断面積(j
c
・j
b
+(j
p
-j
c
)・j
pc
)とし、基準となるパイルキャップ高さでの有効せん断面積との比率をもって低減係数α
j
を評価することを特徴とするパイルキャップのせん断強度算定方法。
【請求項10】
既製杭の杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップと基礎梁と柱とを接合してなるパイルキャップのせん断強度算定方法であって、
前記パイルキャップのせん断強度は、接合部におけるパイルキャップ(幅D
pc
,高さH
pc
)と柱(柱せいD
c
)と基礎梁(梁せいD
b
)の投影面積
(D
c
・D
b
+(D
pc
-D
c
)・H
pc
)とし、基準となるパイルキャップ高さでの投影面積との比率をもって低減係数α
j
を評価することを特徴とするパイルキャップのせん断強度算定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、杭基礎において、杭頭部を囲むように設けられ、基礎梁と柱との接合部材として機能するパイルキャップのせん断強度を、合理的に算定できるようにしたパイルキャップのせん断強度算定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
杭基礎と上部構造との接合部は、杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップ、基礎梁、および柱が一体的に接合されて構成される。一般にパイルキャップを含む柱と基礎梁接合部(以下、単に接合部と記す。接合構造と記す場合も同義)および基礎梁は鉄筋コンクリート造(以下、RC造と記す。)からなり、各部材内には多数の構造鉄筋が配筋されている。さらにRC造の柱が杭頭部に立設されると、各部材の主筋がパイルキャップ内で錯綜し、配筋作業にも多くの労力を必要としていた。
【0003】
出願人は、この課題を解決するために、施工を簡略化した接合構造と、従来工法に比べて小断面のパイルキャップの杭基礎構造(小断面パイルキャップ構造)を開発している(特許文献1)。この接合構造では、外殻鋼管付き高強度コンクリートパイル(以下、SC杭と記す。)やプレストレスト鉄筋高強度コンクリートパイル(以下、PRC杭と記す。)などの既製杭の頭部に接合鋼管および接合筋を配置し、杭中空部および接合鋼管と杭との隙間にコンクリートを充填することにより杭頭部を一体化する工法で構築され、杭に入力された力は、充填されたコンクリート、接合筋を介して小断面のパイルキャップに応力伝達が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-200620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7(a)、(b)に示したような従来の構造からなる接合構造の接合部50においても、パイルキャップ51は杭頭部P、柱52、基礎梁53を接合する重要な接合部材として機能するが、慣例的な安全側の数値として杭径の2.5倍程度の一辺長を有する略正方形の平断面とされ、構造設計においては、杭Pに作用する水平力によるコ-ン破壊(a)、水平せん断破壊(b)の確認程度がなされていた。しかし、基礎部分の構造部材は上部の構造部材とは異なり、地震により損傷を受けた場合に修復を行うことは困難である。このため、柱52、基礎梁53が接合されたパイルキャップ51を含む杭上部の接合部50は十分な終局強度を有することが求められていた。
【0006】
また、特許文献1に示したようなパイルキャップを含む接合部の構造設計においても、接合部における柱、基礎梁の接合形状、荷重方向、パイルキャップの高さの影響を考慮したせん断終局強度を考慮した設計が必要であるが、従来これらの影響を考慮した接合部の終局せん断強度を評価する式は提案されていなかった。さらに、出願人による上述した小断面パイルキャップ構造の開発過程で行った構造試験では、基礎梁に対してパイルキャップの高さが小さい場合には、試験結果値と計算値との比が1.0となり、計算値に余裕がなく危険側の評価となった。このため、せん断強度算定において、所定の低減係数を設定することで、安全側の評価を得ることが必要であることを認識している。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消するために、杭上部のパイルキャップを含む柱基礎梁の接合構造において、パイルキャップの高さを基にした低減係数を導入することで、パイルキャップのせん断強度を適正に評価するようにしたパイルキャップのせん断強度算定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、既製杭の杭頭部を囲むように設けられるパイルキャップと基礎梁と柱とを接合してなるパイルキャップのせん断強度算定方法であって、前記パイルキャップの終局せん断強度は、前記パイルキャップ高さH
pc
と前記基礎梁せいD
b
との比から得られた低減係数α
j
を、終局せん断強度式に乗じて評価することを特徴とする。
【0009】
前記低減係数α
j
は、前記パイルキャップ高さH
pc
に対して前記基礎梁せいD
b

0.77・D
b
を基準として、
α
j
=H
pc
/0.77・D
b
≦1.0
とすることが好ましい。
【0010】
前記接合部に作用するせん断力に対する有効断面積を求める際の有効幅b
j
は、前記基礎梁の梁幅b
b
に基礎梁の左右側面に協力幅(b
a1
+b
a2
)を設け、

j
=b
b
+b
a1
+b
a2
とすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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