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公開番号2024089098
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204243
出願日2022-12-21
発明の名称ズリ搬送システム
出願人株式会社安藤・間,青山機工株式会社,東京機材工業株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類E21D 9/12 20060101AFI20240626BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわちテールピース台車内のベルトコンベヤをトンネル側壁に接近して配置することができるテールピース台車であって、作業ステージを備えたとしてもトンネル壁面側に寄せて配置することができるテールピース台車を含むズリ搬送システムを提供することである。
【解決手段】本願発明のズリ搬送システムは、トンネル掘削によって生じたズリを坑口側に搬送するシステムであって、ベルトコンベヤとテールピース台車を備えたものである。このうちテールピース台車は、ベルトコンベヤの切羽側端部を構成するテールユニットと、ベルトコンベヤの軸方向に対して略直角方向に配置されたユニット用レール、作業者を配置することができる作業ステージを有するものである。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル掘削によって生じたズリを坑口側に搬送するシステムであって、
ベルトと、フレームと、テールプーリーと、を有するベルトコンベヤと、
前記ベルトコンベヤの切羽側端部を構成するテールユニットと、該ベルトコンベヤの軸方向に対して直角又は略直角方向に配置されたユニット用レールと、作業者を配置することができる作業ステージと、を有するテールピース台車と、を備え、
前記テールユニットは、前記テールプーリーと、前記フレームと、を含んで構成され、
また前記テールユニットは、前記ユニット用レールの上に配置されるとともに、該ユニット用レールの軸方向に移動可能であり、
前記作業ステージは、一方の側面に着脱可能に取り付けられるとともに、他方の側面にも着脱可能に取り付けられ、
前記テールユニットの前記テールプーリーと前記フレームに装着された前記ベルトの上に載置されたズリを、前記ベルトコンベヤが坑口方面に搬送する、
ことを特徴とするズリ搬送システム。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記テールピース台車は、ズリホッパーと、シュートと、をさらに有し、
前記ズリホッパーは、ズリが投入される開口部と、ズリを排出する排出口と、具備し、
前記シュートは、前記ズリホッパーに投入されたズリを、前記排出口から前記ベルトコンベヤの前記ベルトの上に移送し、
前記シュートは、鉛直又は略鉛直軸周りに回転可能であって、前記排出口から前記ベルトまでのズリの移送経路を変更し得る、
ことを特徴とする請求項1記載のズリ搬送システム。
【請求項3】
前記テールピース台車は、ズリホッパーと、ホッパー用レールと、をさらに有し、
前記ズリホッパーは、ズリが投入される開口部と、ズリを排出する排出口と、具備し、
前記ホッパー用レールは、前記ベルトコンベヤの軸方向に対して直角又は略直角方向に配置され、
前記ズリホッパーは、前記ホッパー用レールの上に配置されるとともに、該ホッパー用レールの軸方向に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1記載のズリ搬送システム。
【請求項4】
前記テールピース台車は、前記ベルトを切羽側に送り出す2以上のリターンローラーを、さらに有し、
2以上の前記リターンローラーは、前記ベルトコンベヤの軸方向に間隔を設けて配置され、
前記ベルトコンベヤの軸方向に対して直角又は略直角方向に配置される前記リターンローラーの長さが、前記テールユニットが移動し得る可動距離と同等又は該可動距離以上とされた、
ことを特徴とする請求項1記載のズリ搬送システム。
【請求項5】
1つの前記リターンローラーは、該リターンローラーの軸方向に並んで配置される2つの分割リターンローラーを含んで構成され、
それぞれの前記分割リターンローラーの幅は、前記ベルトの幅と同等又は該ベルトの幅以上とされた、
ことを特徴とする請求項4記載のズリ搬送システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、トンネル掘削によって生じたズリをベルトコンベヤによって坑口方面に送り出す技術であり、より具体的には、作業ステージを備えたうえでトンネル壁面側に寄せて配置することができるテールピース台車を含むズリ搬送システムに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
我が国の国土は、およそ2/3が山地であるといわれており、そのため道路や線路など(以下、「道路等」という。)は必ずといっていいほど山地部を通過する区間がある。この山地部で道路等を構築するには、斜面の一部を掘削する切土工法か、地山の内部をくり抜くトンネル工法のいずれかを採用するのが一般的である。トンネル工法は、切土工法に比べて施工単価(道路等延長当たりの工事費)が高くなる傾向にある一方で、切土工法よりも掘削土量(つまり排土量)が少なくなる傾向にあるうえ、道路等の線形計画の自由度が高い(例えば、ショートカットできる)といった特長があり、これまでに建設された国内のトンネルは10,000を超えるといわれている。
【0003】
山岳トンネルの施工方法としては、昭和50年代までは鋼アーチ支保工に木矢板を組み合わせて地山を支保する「矢板工法」が主流であったが、現在では地山強度を積極的に活かすNATM(New Austrian Tunneling Method)が主流となっている。NATMは、地山が有する強度(アーチ効果)に期待する設計思想が主な特徴であり、そのため従来の矢板工法に比べトンネル支保工の規模を小さくすることができ、しかも施工速度を上げることができることから施工コストを減縮することができる。
【0004】
また我が国におけるNATMは、本格的に実施されて以来、飛躍的に掘削技術が進歩しており、種々の補助工法が開発されることによって様々な地山に対応することができるようになり、さらに掘削機械(特に、自由断面掘削機)の進歩によって発破掘削のほか機械掘削も選択できるようになった。この機械掘削は、掘削断面積や線形にもよるものの一般的には比較的低い強度(例えば、一軸圧縮強度が49N/mm

以下)の地山に対して採用されることが多く、一方、対象地山に岩盤が存在する場合はやはり発破掘削が採用されることが多い。
【0005】
さらに、発破掘削によって生じた岩砕(発破により岩盤が小割されたもの)や土砂(以下、これらを総称して「ズリ」という。)を坑外に搬出する方法にもいくつかの種類があり、ダンプトラック等に積載してズリを搬送する「タイヤ式」や、坑内に敷設したレールを利用してズリを搬送する「レール式」、同じく坑内に設置した連続ベルトコンベヤシステムによってズリを搬送する「ベルトコンベヤ式」などが挙げられる。
【0006】
このうちベルトコンベヤ式によるズリ搬送は、概ねトンネル全長(掘削長さ)分の設備を設置する必要があるものの、他の工程(例えば、コンクリート吹付など)との並行実施が可能であることから掘進サイクルを短縮することができるうえ、ダンプトラックのように化石燃料を使用することがないため環境(特に坑内環境)に悪影響を及ぼすことがなく、また掘削延長が長い場合は他の方式よりも経済的に有利であるといった特長がある。そのため、新幹線(例えばリニア中央新幹線)や高速道路など比較的延長が長いトンネルでは、ズリ搬送方式としてベルトコンベヤ式を採用する傾向にある。
【0007】
通常、連続ベルトコンベヤシステムは、ベルトコンベヤと、移動式破砕機(移動式クラッシャー)、テールピース台車、ベルトストレージ装置、メインドライブ装置等によって構成される。ベルトコンベヤは、坑口側のヘッドプーリーとテールピース台車のテールプーリー間を巡回する無端ベルトによって構成され、発破等によって生じたズリを坑口近くまで搬送する。ただし、発破では岩盤を比較的大きな塊状に小割りするだけであり、この状態のままベルトコンベヤによって搬送することはできない。そのため、移動式破砕機が発破による塊状の岩砕をさらに細かく破砕する。
【0008】
切羽側に配置されるテールピース台車は、移動式破砕機が破砕した岩砕(ズリ)をベルトコンベヤに引き渡すものである。すなわち、移動式破砕機がテールピース台車のズリ投入部(ズリホッパー)にズリを投入すると、そのズリはベルトコンベヤに載せられ坑口方面に搬送される。またテールピース台車にはクローラやタイヤといった自走手段が装備されており、切羽の進行に伴い移動(進行)することができる。そして、テールピース台車の進行によりベルトコンベヤを牽引することで、あらかじめベルトストレージ装置に貯蔵したベルトを順次繰り出しベルトコンベヤを延伸していく。
【0009】
ベルトコンベヤの坑口側と切羽側にはそれぞれプーリーを配置した反転部が形成されており、この反転部で無端ベルトは上下面が逆転するとともに進行方向も反転する。すなわち、坑口側の反転部(ヘッドプーリー)では無端ベルトが上面から下面に移るとともに坑口方面の移動から切羽方面への移動に反転し、切羽側の反転部(テールプーリー)では無端ベルトが下面から上面に移るとともに切羽方面の移動から坑口方面への移動に反転する。またテールピース台車では、無端ベルトが弛まないように張力を付与する機構も有しており、そのためテールピース台車のうち反転部を含め無端ベルトが配置される部分は「ベルト緊張部」と呼ばれることがある。つまり、ズリ投入部に投入されたズリはこのベルト緊張部に載せられることになる。
【0010】
一般的にベルトコンベヤは、切羽付近からできるだけ坑口に近い位置まで設置され、したがってベルトコンベヤは坑内(トンネル内)のうち相当の範囲を占有することとなる。施工性や安全性を考慮すると坑内はできるだけ広く使用する方が望ましく、そのためベルトコンベヤは、重機の往来に支障の無い高所や、トンネルの側壁に接近して配置されることが多い。
(【0011】以降は省略されています)

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