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公開番号2024094736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211472
出願日2022-12-28
発明の名称リニューアルトンネルとその施工方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 11/08 20060101AFI20240703BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】既設トンネルの内部にコンクリートを打設してリニューアルトンネルを施工するに当たり、良好な施工性の下で施工でき、工期を可及的に短縮することのできるリニューアルトンネルとその施工方法を提供する。
【解決手段】既設トンネル10の内側に、隙間15を設けた状態でプレキャスト型枠20が配設され、隙間15に現場打ちコンクリート体30が形成されている、リニューアルトンネル100であり、プレキャスト型枠20は、既設トンネル10の軸方向に分割された複数のセグメントリング20Aが相互に接続されることにより形成され、既設トンネル10の床面13にはセグメントリング20Aを支持する支持体40が固定され、支持体40にプレキャスト型枠20が固定され、プレキャスト型枠20の全周に現場打ちコンクリート体30が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
既設トンネルの内側に、隙間を設けた状態でプレキャスト型枠が配設され、該隙間に現場打ちコンクリート体が形成されている、リニューアルトンネルであって、
前記プレキャスト型枠は、前記既設トンネルの軸方向に分割された複数のセグメントリングが相互に接続されることにより形成され、
前記既設トンネルの床面には、前記セグメントリングを支持する支持体が固定されており、
前記支持体に前記プレキャスト型枠が固定され、該プレキャスト型枠の全周に前記現場打ちコンクリート体が形成されていることを特徴とする、リニューアルトンネル。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記セグメントリングは、下方に開放している正面視アーチ形の上半セグメントと、上方に開放している正面視コの字形の下半セグメントとを備え、
前記上半セグメントと前記下半セグメントのそれぞれのリング継手面には、双方のセグメント継手面同士が接続された際に無端状シールを形成する、半割シールが取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のリニューアルトンネル。
【請求項3】
前記支持体は、
前記軸方向に延設する一対のレールと、
前記軸方向に間隔を置いて配設され、前記床面に対してアンカー筋を介して固定されて、各レールを支持する複数の台座とを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリニューアルトンネル。
【請求項4】
前記プレキャスト型枠の下方の外周の少なくとも一部には、金属片が露出しており、
金属製の前記レールに対して前記金属片が溶接接合されていることを特徴とする、請求項3に記載のリニューアルトンネル。
【請求項5】
前記下半セグメントにエア抜き孔と第1打設孔が設けられ、
前記上半セグメントの頂部もしくは頂部近傍に第2打設孔が設けられ、該上半セグメントの外周面における該第2打設孔に対応する位置に吹上管が取り付けられており、
前記第1打設孔、前記第2打設孔及び前記吹上管を介して、コンクリートが前記プレキャスト型枠の内部から前記隙間に打設されるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載のリニューアルトンネル。
【請求項6】
前記プレキャスト型枠のうち、コンクリート打設の際の妻部となる該プレキャスト型枠を構成する前記セグメントリングの端面には、妻型枠が取り付けられており、
前記妻型枠は、
側方に張り出して該セグメントリングの周方向に延びる帯状の金属板と、
前記金属板に固定されて該周方向に延びる止水板と、
前記止水板と前記既設トンネルの壁面とを繋ぐ帯状のエキスパンドメタルと、
前記エキスパンドメタルを該既設トンネルの壁面に固定する控え材とを有することを特徴とする、請求項2に記載のリニューアルトンネル。
【請求項7】
既設トンネルの内側に、隙間を設けた状態でプレキャスト型枠を配設し、該隙間に少なくともコンクリートを打設し、コンクリートが硬化することによってリニューアルトンネルを施工する、リニューアルトンネルの施工方法であって、
前記プレキャスト型枠は、前記既設トンネルの軸方向に分割された複数のセグメントリングにより形成され、
前記既設トンネルの床面に、前記プレキャスト型枠を支持する支持体を設置する、A工程と、
前記セグメントリングをフォークリフトにより搬送し、前記支持体の上に設置して固定し、これを繰り返すとともに、隣接するセグメントリング同士を接続することにより、前記既設トンネルとの間に前記隙間を備えた状態で前記プレキャスト型枠を形成する、B工程と、
前記プレキャスト型枠の内部から前記隙間へコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化してなる現場打ちコンクリート体と該プレキャスト型枠とを有するリニューアルトンネルを施工する、C工程とを有することを特徴とする、リニューアルトンネルの施工方法。
【請求項8】
前記セグメントリングは、下方に開放している正面視アーチ形の上半セグメントと、上方に開放している正面視コの字形の下半セグメントとを備え、
前記B工程では、
前記下半セグメントと前記上半セグメントのそれぞれに対して、フォークリフトの爪が挿入される挿入部を備えた搬送用治具を取り付け、
前記フォークリフトの爪を前記挿入部に挿入して前記下半セグメントを搬送して前記支持体の上に設置し、前記上半セグメントを搬送して該下半セグメントの上に設置し、該下半セグメントと該上半セグメントを接続することにより、前記既設トンネルの内側に前記隙間を備えた状態で前記セグメントリングを形成し、複数の該セグメントリングを相互に接続して前記プレキャスト型枠を形成することを特徴とする、請求項7に記載のリニューアルトンネルの施工方法。
【請求項9】
前記セグメントリングのうち、前記既設トンネルに対向する外周面を目粗し面としておき、
コンクリートの打設に際して、前記目粗し面を湿潤状態とすることを特徴とする、請求項7又は8に記載のリニューアルトンネルの施工方法。
【請求項10】
前記リニューアルトンネルの施工区間は、複数のコンクリートの打設区間を備えており、
前記B工程では、前記打設区間に亘って複数の前記セグメントリングを接続してプレキャスト型枠分割体を形成し、該プレキャスト型枠分割体のうち、コンクリート打設の際の妻部となる該セグメントリングの端面において、側方に張り出して該セグメントリングの周方向に延びる金属板を設置し、該金属板に対して前記プレキャスト型枠分割体の周方向に延びる止水板を設置し、該止水板と前記既設トンネルの壁面とを繋ぐ帯状のエキスパンドメタルを設置し、該エキスパンドメタルを該既設トンネルの壁面に対して控え材にて固定した後、前記C工程にて前記打設区間における前記隙間にコンクリートを打設し、
前記B工程と前記C工程をセット工程として、前記施工区間に亘って該セット工程を複数回繰り返すことを特徴とする、請求項7又は8に記載のリニューアルトンネルの施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リニューアルトンネルとその施工方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
既に施工済みの既設トンネルの老朽化に対する補強対策として、あるいは、既設トンネルを他の目的に供用するための対策として、既設トンネルの内部にコンクリートを打設してリニューアルトンネルを施工する場合がある。
一例としては、ダムの堤体の構築やリニューアルに際して、堤体の構築完成後に、ダムの上流側と下流側を繋ぐように施工される転流トンネル(仮排水トンネル)の内部に新規のコンクリートを打設して補強し、リニューアルトンネルとする例を挙げることができる。
尚、このような転流トンネルをリニューアルする施工では、リニューアル施工の安全性を担保するべく、そのトンネル最上流区間は閉塞され、他の区間には新規のコンクリートが打設されてリニューアルトンネルとされる場合もある。このような転流トンネルにおける閉塞区間と貯水池のカーテングラウチングとが一連の止水面を形成するように施工されることで、ダム自体の止水性が高められることから、このような一連の施工は閉塞工と称することができる。
【0003】
既設トンネルの内側にコンクリートを打設してリニューアルトンネルを施工する方法では、インバート用のコンクリートを打設し、所定の強度発現までの養生期間を経た後、インバートの上に既設トンネルの坑壁との間に隙間を有した状態で上半トンネル用の型枠を設置し、隙間にコンクリートを打設する方法が適用される。
このコンクリート打設に際しては、スライドセントルを利用することで工期の短縮が図られる場合もあるが、インバート用のコンクリートを打設した後の養生期間の確保や、インバートと上半トンネルのコンクリート打設を分けて行うこと、上半トンネル用の型枠の設置、さらには、上半トンネル用のコンクリートを打設し、養生期間を経た後の脱型等により、往々にして工期が長期化することになる。
そして、既設トンネルの断面寸法が小さな場合は、施工のためのスペースが狭くなることから、工期の長期化は一層顕著になるとともに、施工性が大きく低下し得る。
従って、既設トンネルの内部にコンクリートを打設してリニューアルトンネルを施工する施工方法において、施工性が良好であり、工期を可及的に短縮できる施工方法が望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、既設埋設配管の補修再生方法が提案されている。この補修再生方法は、地中にあって老朽化している埋設配管の内部に、円弧状のリングシームと複数のリングシーム同士を繋ぐサイドシームとを備えたカゴ型のフレームを挿入し、フレーム内に円弧状のセグメントを挿入し、セグメントの前後フランジ部をリングシームの溝部に嵌め込み、セグメントの両側のサイドフランジ部をサイドシームに嵌め込んだ後、サイドフランジ部間とサイドシームの溝部内にエポキシ樹脂を充填して硬化させ、セグメントにて形成される内管と埋設配管の間にモルタル等の充填材を注入する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-126223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の既設埋設配管の補修再生方法によれば、セグメントにて形成される内管を使用することで、上記するように型枠の設置や脱型を不要にはできるものの、埋設配管の内部にフレームを挿入した後に、フレームに対してセグメントを後から嵌め込むことから、施工が複雑であり、さらには、フレームとセグメントの接合箇所をエポキシ樹脂にて硬化させた後に、内管と埋設配管の間にモルタル等の充填材を注入することから、工期の短縮を図ることができるか否かは定かでない。
【0007】
本発明は、既設トンネルの内部にコンクリートを打設してリニューアルトンネルを施工するに当たり、良好な施工性の下で施工でき、工期を可及的に短縮することのできるリニューアルトンネルとその施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明によるリニューアルトンネルの一態様は、
既設トンネルの内側に、隙間を設けた状態でプレキャスト型枠が配設され、該隙間に現場打ちコンクリート体が形成されている、リニューアルトンネルであって、
前記プレキャスト型枠は、前記既設トンネルの軸方向に分割された複数のセグメントリングが相互に接続されることにより形成され、
前記既設トンネルの床面には、前記セグメントリングを支持する支持体が固定されており、
前記支持体に前記プレキャスト型枠が固定され、該プレキャスト型枠の全周に前記現場打ちコンクリート体が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、既設トンネルの内側に隙間を設けた状態でプレキャスト型枠が配設され、隙間に現場打ちコンクリート体が形成されていることにより、プレキャスト型枠は脱型不要でそのままリニューアルトンネルの構成要素となることと、プレキャスト型枠が複雑な構成を有していないことにより、良好な施工性の下でリニューアルトンネルを施工でき、工期を可及的に短縮することができる。
また、プレキャスト型枠が既設トンネルの軸方向に分割された複数のセグメントリングによって形成されていることから、各セグメントリングを順次既設トンネル内における設置位置まで搬送し、設置するのみでよいことから、既設トンネルの内部が狭い場合や、既設トンネルが曲線区間を有する線形であっても、スムーズに各セグメントリングを搬送して設置し、複数のセグメントリングのリング継手面同士を接続することができる。
さらに、既設トンネルの床面においてセグメントリングを支持する支持体が固定され、支持体にプレキャスト型枠が固定されて、プレキャスト型枠の全周に現場打ちコンクリート体が形成されていることにより、プレキャスト型枠の全周に対して一度に現場打ちコンクリート体を施工できることから、現場打ちコンクリート体の施工性が向上し、例えば、インバートと上半トンネルでコンクリート打設を分割する場合のように、止水性が課題となる打ち継ぎ面の発生を解消できる。
【0010】
ここで、「プレキャスト型枠の全周に現場打ちコンクリート体が形成される」とは、断面形状が円形や馬蹄形のプレキャスト型枠(セグメントリング)の文字通り全周に現場打ちコンクリート体が存在することを意味しており、セグメントリングが例えば既設トンネルの軸方向に延設する一条もしくは二条で一対の支持体に支持されることにより、支持体で支持されているセグメントリングの下方に現場打ちコンクリートが施工される際に、連続して、セグメントリングの上半の側方にも現場打ちコンクリートを施工することが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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