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公開番号2024020845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-15
出願番号2022123339
出願日2022-08-02
発明の名称分類装置、分類方法、および、分類プログラム
出願人公立大学法人大阪
代理人個人
主分類B01J 19/00 20060101AFI20240207BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】シンプルな構造の液滴操作装置等を提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る液滴操作装置は、基板の水平面に対する勾配角度φ、重力方向に対する、前記基板の電極境界に含まれる選択部分の回転角度β、および、前記基板に印加する電圧V0の少なくとも1つを制御して、前記選択部分において、複数の液滴を、液滴体積ごとに分類する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
互いに時間間隔を空けて連続的に滴下される複数の液滴を、液滴体積Γごとに分類する分類装置であって、
前記複数の液滴を分類する、少なくとも1つの基準値を取得する取得部と、
互いに平行に、隣り合わせに並べられた1組の正極板および負極板から成る電極板を覆う、疎水性の誘電薄膜を表面とする基板であって、
水平面に対して0°より大きく90°未満の角度で傾けられ、
前記正極板と前記負極板との境界線に対応して前記表面に形成される、所定の幅を有する1本の線状の電極境界が、前記表面上に鉛直方向を投影した方向である重力方向に対して0°より大きく90°未満の角度で傾く選択部分を、少なくとも1つ含むように、前記表面に対して平行に回転され、
前記正極板と前記負極板との間に電圧V
0
が印加される、
基板の、
前記表面の上に滴下され、前記選択部分へと至る、前記複数の液滴のそれぞれについて、
前記液滴体積Γが前記基準値よりも大きな液滴は、前記選択部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、
前記液滴体積Γが前記基準値以下の液滴は、前記選択部分において前記電極境界に沿って移動する、
ように、
前記基板の前記水平面に対する勾配角度φ、
前記選択部分の前記重力方向に対する回転角度β、
および、
前記電圧V
0

の少なくとも1つを制御する制御部と、
を備える、
分類装置。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記基板は、
前記電極境界が、前記基板の長手方向または短手方向に対して予め所定の角度で傾いた傾斜部分を少なくとも1つ含む
ように構成され、
前記制御部は、前記傾斜部分を前記選択部分として利用して、前記複数の液滴のそれぞれについて、
前記液滴体積Γが前記基準値よりも大きな液滴は、前記傾斜部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、
前記液滴体積Γが前記基準値以下の液滴は、前記傾斜部分において前記電極境界に沿って移動する、
ように、前記勾配角度φ、前記回転角度β、および、前記電圧V
0
の少なくとも1つを制御する、
請求項1に記載の分類装置。
【請求項3】
前記基板は、
前記電極境界が、
各々が複数の前記選択部分のそれぞれに対応可能な、複数の前記傾斜部分であって、
前記電極境界において、前記長手方向または短手方向に進んだものほど、前記長手方向または短手方向に対する角度が大きく、
隣り合うもの同士が接続される、
複数の傾斜部分を含むように構成され、
前記制御部は、
前記複数の傾斜部分のうち、前記長手方向または短手方向に対する角度の小さいものほど、前記重力方向において上側になり、
かつ、
前記複数の傾斜部分のそれぞれにおいて、
前記液滴体積Γが、前記傾斜部分に対応する前記基準値よりも大きな液滴は、前記傾斜部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、
前記液滴体積Γが、前記傾斜部分に対応する前記基準値以下の液滴は、前記傾斜部分において前記電極境界に沿って移動する、
ように、前記勾配角度φ、前記回転角度β、および、前記電圧V
0
の少なくとも1つを制御する、
請求項2に記載の分類装置。
【請求項4】
前記基準値は、以下の数式(1)を満たす液滴体積Γのうち、最大のものである、
請求項1から3の何れか1項に記載の分類装置。
JPEG
2024020845000008.jpg
29
169
ここで、前記数式(1)において、
「ρ」は、前記液滴の密度を表し、
「g」は、重力加速度を表し、
「C」は、前記基板の単位面積当たりの静電容量を表し、
「R」は、前記表面における前記液滴の形状を球の一部と近似したときの、前記液滴と前記表面との接触線である円の半径を表し、
(x)を前記選択部分に沿って移動する前記液滴の移動方向とし、(y)を前記表面内の前記移動方向(x)の法線方向とし、前記選択部分を、前記幅を隔てて前記移動方向(x)に平行に延びる2つの電極境界線の間の領域として、
「α」は、前記法線方向(y)に対する、
前記2つの電極境界線のうち前記重力方向において下側の電極境界線と前記接触線との交点のうち、前記移動方向(x)において前記表面における前記液滴の中心(O)よりも後側にある交点と、前記表面における前記液滴の中心(O)とを結ぶ線分の、
角度を表し、
「α+ε」は、前記法線方向(y)に対する、
前記2つの電極境界線のうち前記重力方向において上側の電極境界線と前記接触線との交点のうち、前記移動方向(x)において前記表面における前記液滴の中心(O)よりも後側にある交点と、前記表面における前記液滴の中心(O)とを結ぶ線分の、
角度を表し、
「S
P
」は、前記表面の、前記重力方向に対して前記選択部分の上側の電極領域への、前記液滴の付着面積であって、
前記基板上の前記液滴の接触角の平均を「θ
AV
」として、以下の数式(2)によって前記液滴体積Γの関数として表される面積であり、
JPEG
2024020845000009.jpg
52
165
「S
N
」は、前記表面の、前記重力方向に対して前記選択部分の下側の電極領域への、前記液滴の付着面積であって、
以下の数式(3)によって前記液滴体積Γの関数として表される面積である。
JPEG
2024020845000010.jpg
44
164
【請求項5】
互いに時間間隔を空けて連続的に滴下される複数の液滴を、液滴体積Γごとに分類する分類方法であって、
前記複数の液滴を分類する、少なくとも1つの基準値を取得する取得ステップと、
互いに平行に、隣り合わせに並べられた1組の正極板および負極板から成る電極板を覆う、疎水性の誘電薄膜を表面とする基板であって、
水平面に対して0°より大きく90°未満の角度で傾けられ、
前記正極板と前記負極板との境界線に対応して前記表面に形成される、所定の幅を有する1本の線状の電極境界が、前記表面上に鉛直方向を投影した方向である重力方向に対して0°より大きく90°未満の角度で傾く選択部分を、少なくとも1つ含むように、前記表面に対して平行に回転され、
前記正極板と前記負極板との間に電圧V
0
が印加される、
基板の、
前記表面の上に滴下され、前記選択部分へと至る、前記複数の液滴のそれぞれについて、
前記液滴体積Γが前記基準値よりも大きな液滴は、前記選択部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、
前記液滴体積Γが前記基準値以下の液滴は、前記選択部分において前記電極境界に沿って移動する、
ように、
前記基板の前記水平面に対する勾配角度φ、
前記選択部分の前記重力方向に対する回転角度β、
および、
前記電圧V
0

の少なくとも1つを制御する制御ステップと、
を含む、
分類方法。
【請求項6】
コンピュータに、互いに時間間隔をあけて連続的に滴下される複数の液滴を、液滴体積Γごとに分類させる分類プログラムであって、
前記複数の液滴を分類する、少なくとも1つの基準値を取得する取得ステップと、
互いに平行に、隣り合わせに並べられた1組の正極板および負極板から成る電極板を覆う、疎水性の誘電薄膜を表面とする基板であって、
水平面に対して0°より大きく90°未満の角度で傾けられ、
前記正極板と前記負極板との境界線に対応して前記表面に形成される、所定の幅を有する1本の線状の電極境界が、前記表面上に鉛直方向を投影した方向である重力方向に対して0°より大きく90°未満の角度で傾く選択部分を、少なくとも1つ含むように、前記表面に対して平行に回転され、
前記正極板と前記負極板との間に電圧V
0
が印加される、
基板の、
前記表面の上に滴下され、前記選択部分へと至る、前記複数の液滴のそれぞれについて、
前記液滴体積Γが前記基準値よりも大きな液滴は、前記選択部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、
前記液滴体積Γが前記基準値以下の液滴は、前記選択部分において前記電極境界に沿って移動する、
ように、
前記基板の前記水平面に対する勾配角度φ、
前記選択部分の前記重力方向に対する回転角度β、
および、
前記電圧V
0

の少なくとも1つを制御する制御ステップと、
を実行させるための、
分類プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに時間間隔をあけて連続的に滴下される複数の液滴を、液滴体積ごとに分類する分類装置等に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、誘電体エレクトロウェッティング(EWOD、Electro-Wetting-On-Dielectric)を利用した、液滴の分割などの液滴操作方法が知られている。例えば、下掲の非特許文献1には、電極を多数並べてそれぞれの正負を周期的に切り替え、常に移動方向の電極の接触角を小さくする、あるいは、電極形状を楔形にして正負電極の付着面積割合が等しくならないようにすることで、連続的な液滴駆動を実現しようとする試みが開示されている。また、非特許文献2には、液滴の上側にも陰電極を設けてHele―Shawセルを構成することで、負極側にかかる電圧を常に低くし、正電極側の接触角を小さく保つ試みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
K. Suzuki, H. Homma, T. Murayama, S. Fukuda, H. Takanobu and H. Miura. 「Electrowetting-based actuation of liquid droplets for micro transportation systems」. Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing. 2010年4巻1号 p. 365-372. (2010年2月26日オンライン版公開,doi:10.1299/jamdsm.4.365)
H.-W. Lu, K. Glasner, A. L. Bertozzi and C.-J. Kim. 「A diffuse-interface model for electrowetting drops in a Hele-Shaw cell」. Journal of Fluid Mechanics. Volume 590, 10 November 2007, pp. 411 ? 435. (2007年10月15日オンライン版公開,doi:10.1017/S0022112007008154)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような液滴操作方法を実現するには、複雑な構造のシステム、装置が必要になるとの課題がある。すなわち、上述のような液滴操作方法は、例えば、液滴を駆動するための駆動装置、複数のEWODデバイス(基板)、または、複数のEWOD電極などを必要とするため、液滴の操作に必要な機器構成等が複雑にならざるを得ない。
【0005】
本発明は、一側面では、このような問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、シンプルな構造の液滴操作装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
すなわち、第1の観点に係る分類装置は、互いに時間間隔を空けて連続的に滴下される複数の液滴を、液滴体積Γごとに分類する分類装置であって、前記複数の液滴を分類する、少なくとも1つの基準値を取得する取得部と、互いに平行に、隣り合わせに並べられた1組の正極板および負極板から成る電極板を覆う、疎水性の誘電薄膜を表面とする基板であって、水平面に対して0°より大きく90°未満の角度で傾けられ、前記正極板と前記負極板との境界線に対応して前記表面に形成される、所定の幅を有する1本の線状の電極境界が、前記表面上に鉛直方向を投影した方向である重力方向に対して0°より大きく90°未満の角度で傾く選択部分を、少なくとも1つ含むように、前記表面に対して平行に回転され、前記正極板と前記負極板との間に電圧V
0
が印加される、基板の、前記表面の上に滴下され、前記選択部分へと至る、前記複数の液滴のそれぞれについて、前記液滴体積Γが前記基準値よりも大きな液滴は、前記選択部分において前記電極境界から逸れて前記重力方向に移動し、前記液滴体積Γが前記基準値以下の液滴は、前記選択部分において前記電極境界に沿って移動する、ように、前記基板の前記水平面に対する勾配角度φ、前記選択部分の前記重力方向に対する回転角度β、および、前記電圧V
0
、の少なくとも1つを制御する制御部と、を備える。
【0008】
前記所定の幅は、前記液滴の前記表面における幅(例えば、直径)よりも小さければよい。また、例えば、前記分類装置は、前記電圧V
0
のみを制御して前記勾配角度φおよび前記回転角度βは所与のもの(検知される対象、非制御対象)としてもよいし、前記勾配角度φのみを制御して前記電圧V
0
および前記回転角度βは所与のものとしてもよい。さらに、前記分類装置は、前記回転角度βのみを制御して前記電圧V
0
および前記勾配角度φは所与のものとしてもよい。同様に、前記分類装置は、前記電圧V
0
と前記勾配角度φとを制御して前記回転角度βは所与のものとしてもよいし、前記勾配角度φと前記回転角度βとを制御して前記電圧V
0
は所与のものとしてもよい。また、前記分類装置は、前記回転角度βと前記電圧V
0
とを制御して前記勾配角度φは所与のものとしてもよい。当然、前記分類装置は、前記電圧V
0
、前記勾配角度φ、および前記回転角度βの全てを制御してもよい。
【0009】
当該構成によれば、前記分類装置は、前記複数の液滴を液滴体積Γごとに分類するためのEWOD(Electro-Wetting-On-Dielectric)デバイス(基板)として、水平面に対して0°より大きく90°未満の角度で傾く前記基板を利用する。つまり、前記分類装置は、重力を前記液滴の駆動力として利用する。そのため、前記分類装置は、前記液滴を駆動するための駆動装置を別途必要とすることがない。したがって、前記分類装置は、前記液滴を駆動するための駆動装置を必要とする従来までの分類システム、分類装置に比べて、前記複数の液滴を液滴体積Γごとに分類するのに必要な構造を単純化することができ、例えば、必要な機器構成等を単純化することができる。
【0010】
また、前記分類装置は、EWOD基板として前記基板のみを用いて、前記複数の液滴を液滴体積Γごとに分類することができ、つまり、EWOD基板として、前記基板以外の基板を用いる必要がない。したがって、前記分類装置は、複数のEWOD基板を必要とする、従来までの分類システム、分類装置に比べて、構造を単純化することができ、例えば、必要な機器構成等を単純化することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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