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公開番号2024018683
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022122160
出願日2022-07-29
発明の名称三次元筋組織の製造方法
出願人国立大学法人 東京大学,日清食品ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240201BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】食用に適した十分な大きさを有する三次元筋組織を簡便に製造することができる三次元筋組織の製造方法及び三次元筋組織を製造するための培養容器の提供。
【解決手段】下記の工程(A)及び(B)を含む三次元筋組織の製造方法:
(A)筋芽細胞を含むハイドロゲルを培養容器へ供給する工程であって、
前記培養容器は、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる培養容器である工程、並びに、
(B)前記培養容器中で、筋芽細胞を筋管へと分化誘導する工程。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記の工程(A)及び(B)を含む三次元筋組織の製造方法:
(A)筋芽細胞を含むハイドロゲルを培養容器へ供給する工程であって、
前記培養容器は、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる培養容器である工程、並びに、
(B)前記培養容器中で、筋芽細胞を筋管へと分化誘導する工程。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記培養容器において、前記凸部の長手方向の長さ(X)が1cm以上、かつ、前記凸部の短手方向の長さ(Y)が1cm以上である、請求項1に記載の三次元筋組織の製造方法。
【請求項3】
前記培養容器において、前記凸部の長手方向の長さ(X)に対する前記凸部の短手方向の長さ(Y)の比〔(Y)/(X)〕が0.7以上である、請求項1に記載の三次元筋組織の製造方法。
【請求項4】
前記凸部が、高さ50μm~1mmである、請求項1に記載の三次元筋組織の製造方法。
【請求項5】
前記凸部の互いの間隔が、10μm~1mmである、請求項1に記載の三次元筋組織の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法により得られる三次元筋組織。
【請求項7】
三次元筋組織を製造するための培養容器であって、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる、培養容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元筋組織の製造方法、及び三次元筋組織を製造するための培養容器に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
世界的な人口増加、新興国での経済発展や食生活の多様化に伴って、世界的に食肉需要が加速している。しかしながら、家畜の生産には飼育コストもかかり、家畜生産量は無限ではないため、やがて食肉の供給が追いつかなくなることが予想されている。
そこで、食肉の安定的供給の解決策の1つとして、代替肉の開発研究がなされてきている。
【0003】
家畜から生産される食肉の代替肉と一口に言ってもいろいろな種類があり、肉もどき、植物肉、培養ミンチ肉、培養ステーキ肉等に分類される。このうち、培養ミンチ肉と培養ステーキ肉は培養肉と呼ばれるが、培養ミンチ肉がバラバラの筋細胞の集合体であり食肉の食感が劣るのに対し、培養ステーキ肉は筋組織の立体構造を再現したものであり食肉の食感を感じることが可能な代替肉である。
【0004】
ここで、筋組織の立体構造を再現するには、すなわち、三次元筋組織を生体外で構築するためには、三次元的に細胞を培養することが必要である。しかし、三次元的に細胞を培養するのに乗り越えるべき技術的課題も多い。
【0005】
引用文献1には、特に食用に適した三次元筋組織の製造方法として、ハイドロゲルに骨格筋芽細胞を含んでおり、互いに平行な略長方形の穴を複数有する略長方形の第1の細胞モジュール、及び、ハイドロゲルに骨格筋芽細胞を含んでおり、垂直方向において前記第1の細胞モジュールとは異なる位置に互いに平行な略長方形の穴を複数有する略長方形の第2の細胞モジュールを作成する工程、得られた前記第1の細胞モジュールと前記第2の細胞モジュールとを交互に積層し積層体を得る工程、得られた積層体に含まれる骨格筋芽細胞を増殖培養する工程、及び増殖した骨格筋芽細胞を筋管へと分化誘導する工程を含む、三次元筋組織の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-141573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1に記載の技術により、特に食用に適した三次元筋組織、より具体的には、生体由来の筋肉と同様にサルコメア構造を有し、食用に供した際に畜産された肉に近い食感が期待できる三次元筋組織の製造方法が提供される。
一方で、食用に適した十分な大きさを有する三次元筋組織を簡便に製造することに関し、更なる改善が必要であった。
本発明は、食用に適した十分な大きさを有する三次元筋組織を簡便に製造することができる三次元筋組織の製造方法及び三次元筋組織を製造するための培養容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる培養容器を使用することにより上記の課題を解決できることを見いだした。本発明は、このような発見にさらに検討を重ねて完成したものである。
【0009】
本発明は、以下の態様を包含する。
〔1〕 下記の工程(A)及び(B)を含む三次元筋組織の製造方法:
(A)筋芽細胞を含むハイドロゲルを培養容器へ供給する工程であって、
前記培養容器は、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる培養容器である工程、並びに、
(B)前記培養容器中で、筋芽細胞を筋管へと分化誘導する工程。
〔2〕 前記培養容器において、前記凸部の長手方向の長さ(X)が1cm以上、かつ、前記凸部の短手方向の長さ(Y)が1cm以上である、上記〔1〕に記載の三次元筋組織の製造方法。
〔3〕 前記培養容器において、前記凸部の長手方向の長さ(X)に対する前記凸部の短手方向の長さ(Y)の比〔(Y)/(X)〕が0.7以上である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の三次元筋組織の製造方法。
〔4〕 前記凸部が、高さ50μm~1mmである、上記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の三次元筋組織の製造方法。
〔5〕 前記凸部の互いの間隔が、10μm~1mmである、上記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の三次元筋組織の製造方法。
〔6〕 上記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法により得られる三次元筋組織。
〔7〕 三次元筋組織を製造するための培養容器であって、容器端部に向かい合う一対のアンカー部と、前記一対のアンカー部間にわたって複数の凸部が配列してなる、培養容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、特に食用に適した三次元筋組織の製造方法が提供される。本発明の製造方法により製造される三次元筋組織は、生体由来の筋肉と同様に、サルコメア構造を有する。また、食用に適した十分な大きさを有する三次元筋組織を製造することができる。そのため、本発明の製造方法により製造された三次元筋組織は、食用に供した際に畜産された肉に近い食感が期待できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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