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公開番号2024008486
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-19
出願番号2022110405
出願日2022-07-08
発明の名称ササゲの栽培世代促進方法
出願人国立大学法人鳥取大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A01G 22/40 20180101AFI20240112BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ササゲの世代時間を短縮させる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】ササゲの世代時間を短縮させる方法であって、受粉後9日以降に得られる未成熟種子を、38~42℃の温度で乾燥処理することを含む方法が提供される。その方法を実行するためのシステムも提供される。
特許請求の範囲【請求項1】
ササゲの世代時間を短縮させる方法であって、受粉後9日以降に得られる未成熟種子を、38~42℃の温度で乾燥処理することを含む、方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記未成熟種子は鞘に入ったままの状態で前記乾燥処理を受ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記未成熟種子は、受粉後12日以内に得られる種子である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記未成熟種子は、受粉後10~11日に得られる種子である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記乾燥処理は、38.5~41.5℃の温度で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥処理は1~3日間行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
播種から花芽分化までの段階、および/または花芽分化から前記未成熟種子の取得までの段階のササゲを、昼/夜の光サイクルを提供する培養チェンバー内で栽培することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
播種から前記乾燥処理の終了までが60日未満で完了する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
38~42℃の温度に設定された乾燥用オーブンと、前記乾燥用オーブン内に入れられた、受粉後9日齢以上のササゲの未成熟種子とを含む、請求項1または2に記載の方法を実行するためのシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はササゲの栽培世代を促進させる方法、すなわち一世代に掛かる期間を短縮させる方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
植物の新品種育成には、通常、少なくとも10年は必要とされる。しかし、近年の地球温暖化および人口爆発により、食糧生産能力の不足が危機的な状況になりつつあるため、食料作物の改良を促進して食糧問題を緩和する方策を打ち立てることが緊急の課題となっている。
【0003】
ササゲは、乾燥地帯で栽培可能なマメ亜科の農産物であり、例えばサハラ以南アフリカ等の乾燥地帯における食料安全保障の改善のための鍵となる可能性を有している。ササゲは家畜の飼料としての価値も高い。ゲノム編集、マーカー選択に基づく育種、形質転換プロトコール等、現代的な植物改善技術の適用がササゲでも試みられているが、ササゲは通常のフィールド栽培条件では年に一世代ずつしか栽培できないという欠点がある。この栽培速度の遅さは、上記のような諸技術による植物改善の効率を阻害する。例えば10世代の交配を要する品種開発をフィールドで行おうとすると、完成するまで10年以上も掛かることになる。
【0004】
他の農業的に重要な作物(いくつかの豆類を含む)については、異なる光質とその照射時間、温度制御、CO

濃度制御等を通じた加速栽培の手法が確立された例がある。ササゲの加速栽培の可能性については比較的知見が乏しい。非特許文献1は、昼/夜の光サイクル、温度、およびCO

濃度を制御できる培養チェンバー内でササゲの栽培を行うと、品種にもよるが、栄養成長期(vegetative stages)V3-V4と生殖成長期(reproductive stages)R5-R9の合計が54~89日になることを記載しており、これは1年に複数世代をサイクルできる可能性を示唆している。
【0005】
ダイズに関する非特許文献2は、蛍光ランプを備え明14時間(30℃)/暗10時間(25℃)の光・温度サイクルを維持しCO

が>400ppmで供給された培養チェンバー内でダイズを栽培すると、播種から開花までの時間が、フィールドで観察される33~59日と比べて、約25日にまで短縮されたことを記載している。非特許文献2はさらに、未成熟のダイズ鞘を収穫して室温で空気乾燥させると、種子は成熟し、正常に発芽したことを記載している。すなわち非特許文献2は、ダイズが開花してから種子が成熟するまで通常なら65~92日かかるところを、開花後37日で未成熟種子を収穫し、それを室温で8日間空気乾燥させて成熟させることにより、上記65~92日の成熟期間を37+8=45日にまで短縮できたことを記載している。全体として非特許文献2は、ダイズの世代時間を、フィールドで観察される102~132日と比べて、70日(上記25日+45日)にまで短縮できたことを記載している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Pesq. Agropec. Trop., v. 50, e59377, 2020
Plant Cell Physiol. 60(1): 77-84, 2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施形態はササゲの世代時間を短縮させる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ササゲの未成熟種子を高温度で乾燥させることにより、発芽率を維持しつつササゲの世代時間を短縮することができることを見出した。
【0009】
本開示は以下の実施形態を含む。
[1]
ササゲの世代時間を短縮させる方法であって、受粉後9日以降に得られる未成熟種子を、38~42℃の温度で乾燥処理することを含む、方法。
[2]
前記未成熟種子は鞘に入ったままの状態で前記乾燥処理を受ける、[1]に記載の方法。
[3]
前記未成熟種子は、受粉後12日以内に得られる種子である、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記未成熟種子は、受粉後10~11日に得られる種子である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記乾燥処理は、38.5~41.5℃の温度で行われる、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記乾燥処理は1~3日間行われる、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
播種から花芽分化までの段階、および/または花芽分化から前記未成熟種子の取得までの段階のササゲを、昼/夜の光サイクルを提供する培養チェンバー内で栽培することをさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
播種から前記乾燥処理の終了までが60日未満で完了する、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
38~42℃の温度に設定された乾燥用オーブンと、前記乾燥用オーブン内に入れられた、受粉後9日齢以上のササゲの未成熟種子とを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の方法を実行するためのシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一態様において本開示は、ササゲの世代時間を短縮させる方法であって、受粉後9日以降に得られる未成熟種子を、38~42℃の温度で乾燥処理することを含む方法を提供する。この乾燥処理により、育種目的で利用できる播種可能なササゲ種子を、早期に収穫された未成熟ササゲ種子から誘導することができる。本実施形態による乾燥処理を受けた未成熟種子は、単純に土に蒔いて発芽させることができ、胚培養等の複雑な操作や高価な機材の必要性を有しない。
(【0011】以降は省略されています)

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