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公開番号2024006221
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-17
出願番号2022106917
出願日2022-07-01
発明の名称パン粉ミックス
出願人松谷化学工業株式会社
代理人
主分類A23L 7/157 20160101AFI20240110BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 本発明の目的は、フライ食品の製造時、特にフライ食品の油ちょう工程時のパン粉の剥がれ落ちを抑制し、サクサクとした軽い食感と外観のよい高品質なパン粉付きフライ食品を提供することにある。
【解決手段】 β澱粉をパン粉に混合したパン粉組成物を用いることにより上記の課題は解決される。詳細には、(1)沈降積1.2ml以上のβ澱粉、(2)糊化開始温度50~77℃のβ澱粉、(3)馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、米澱粉、糯米澱粉、エンドウ豆、コーンスターチ及びワキシーコーンスターチから選ばれる一以上のβ澱粉、(4)ヒドロキシプロピル化処理、アセチル化処理及び架橋処理から選ばれる一以上の処理がされたβ澱粉、のいずれか又は複数をパン粉に混合したパン粉組成物を用いることにより、上記課題は解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
β澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
沈降積1.2ml以上のβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
【請求項3】
馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、米澱粉、糯米澱粉、エンドウ豆、コーンスターチ及びワキシーコーンスターチから選ばれる一以上のβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
【請求項4】
ヒドロキシプロピル化処理、アセチル化処理及び架橋処理から選ばれる一以上の処理がされたβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
【請求項5】
糊化開始温度50~77℃のβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
【請求項6】
パン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、請求項1~5のいずれか一項に記載のフライ食品用パン粉改質剤。
【請求項7】
水分10~40%のパン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、請求項1~5のいずれか一項に記載のフライ食品用パン粉改質剤。
【請求項8】
目開き5~30mmメッシュパスのパン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、請求項1~5のいずれか一項に記載のフライ食品用パン粉改質剤。
【請求項9】
パン粉及びβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉ミックス。
【請求項10】
パン粉及び沈降積1.2ml以上のβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉ミックス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、パン粉改質剤及びそれを利用したパン粉ミックス、並びにそのパン粉ミックスを利用したフライ食品に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
パン粉付きフライ食品は、生の畜肉、魚介、野菜などの素材に小麦粉(打ち粉)をまぶし、液卵やバッター液に浸漬した後、パン粉を付着させて油ちょうして製造するのが一般的である。ここで、パン粉の付着性そのものが不良である場合のほか、素材に含まれる水分が油ちょう時に蒸発してバッター衣が破裂等してもパン粉は剥がれ落ちやすくなるため、打ち粉、バッター液、パン粉のそれぞれを改質してパン粉の剥がれ落ちを低減する試みがされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、蛋白質及びトランスグルタミナーゼを含む油ちょう食品用打ち粉が、衣の剥離を防止できるものとして開示され、特許文献2には、蛋白含有物質(粉末状大豆タンパク含有物質、卵白粉および乳蛋白含有物質を特定割合で含む)、油脂ならびに穀粉類および/または澱粉類を特定の割合で含むパン粉付けフライ食品用バッターミックスを用いると、フライ時にパン粉の脱落がないことを開示している。特許文献3には、乾燥パン粉にα化澱粉及び/又は粉状蛋白と増粘多糖類とを混合したパン粉組成物とすれば、素材に直接まぶしても容易かつ確実に付着して、少量の油でも調理できることが開示されている。また、特許文献4は、α化ヒドロキシプロピル化澱粉及び/又はα化アセチル化澱粉を含有するパン粉改質剤をパン粉に混合したパン粉ミックスとすれば、素材に直接まぶしたときの付着性がよく、外観と食感のよいパン粉付調理食品を簡便に製造できることを開示している。
【0004】
しかし、これまでに提案された打ち粉、バッター、パン粉組成物、とりわけ、特許文献3、4に例示される簡便性を重視したフライ食品用パン粉ミックスでは、パン粉の剥がれ落ちが大幅に改善されるとまではいえなかった。通常、フライ食品のサクサクとした軽い食感は、素材表面全体を覆う薄い衣が形成されたときに発現するため、素材に付着するバッター液量を低減しようと試みるところ、そうすると今度はパン粉の付着性が悪化するため、薄衣のフライ食品におけるパン粉の剥がれ落ちを抑制できる手段が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-250475号公報
特開2012-165710号公報
特開2012-39913号公報
国際公開WO2020/027306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、フライ食品の製造時、特にフライ食品の油ちょう工程時のパン粉の剥がれ落ちを抑制し、サクサクとした軽い食感と外観のよい高品質なパン粉付きフライ食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、β澱粉をパン粉に混合したパン粉組成物を用いることにより、油ちょう時のパン粉の剥がれ落ちが大幅に軽減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、主にはパン粉改質剤及びパン粉組成物、並びにそれらを利用したフライ食品であって、以下の[1]~[27]から構成される。
[1]β澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉改質剤。
[2]β澱粉が沈降積1.2ml以上である、前記[1]記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[3]β澱粉が馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、米澱粉、糯米澱粉、エンドウ豆、コーンスターチ及びワキシーコーンスターチから選ばれる一以上である、前記[1]又は[2]に記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[4]β澱粉が糊化開始温度50~77℃である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[5]β澱粉がヒドロキシプロピル化処理、アセチル化処理及び架橋処理から選ばれる一以上の処理がされたことを特徴とする、前記[1]~[4]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[6]パン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、前記[1]~[5]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[7]水分10~40%のパン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、前記[1]~[6]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[8]目開き5~30mmメッシュパスのパン粉100質量部に対して1~60質量部の割合で用いる、前記[1]~[7]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉改質剤。
[9]パン粉及びβ澱粉を含んでなる、フライ食品用パン粉ミックス。
[10]β澱粉が沈降積1.2ml以上である、前記[9]記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[11]β澱粉が馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、米澱粉、糯米澱粉、エンドウ豆、コーンスターチ及びワキシーコーンスターチから選ばれる一以上である、前記[9]又は[10]に記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[12]β澱粉がヒドロキシプロピル化処理、アセチル化処理及び架橋処理から選ばれる一以上の処理がされたことを特徴とする、前記[9]~[11]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[13]β澱粉が糊化開始温度50~77℃である、前記[9]~[12]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[14]パン粉100質量部に対してβ澱粉を1~60質量部含む、前記[9]~[13]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[15]パン粉の水分が10~40%である、前記[9]~[14]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[16]パン粉が目開き5~30mmメッシュパスである、前記[9]~[15]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[17]200~3000mPa・sのバッター液を塗布した食品素材に付着させて使用するための、前記[9]~[16]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックス。
[18]食品素材が、前記[9]~[17]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックスが付着されてなる、パン粉付きフライ用食品。
[19]食品素材が、200~3000mPa・sのバッター液が塗布され、さらに前記[9]~[18]記載のフライ食品用パン粉ミックスが付着されてなる、パン粉付きフライ用食品。
[20]食品素材が、コロッケ種及び/又は餡種である、前記[18]記載のパン粉付きフライ用食品。
[21]食品素材に前記[9]~[17]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックスを付着させる工程と、これを油ちょうする工程を含む、パン粉付きフライ食品の製造方法。
[22]食品素材に200~3000mPa・sのバッター液を塗布し、次いで、前記[9]~[17]のいずれかに記載のフライ食品用パン粉ミックスを付着させる工程を含む、パン粉付きフライ食品の製造方法。
[23]食品素材にβ澱粉を含むパン粉ミックスを付着させて油ちょうする、油ちょう時のパン粉の剥離を抑制する方法。
[24]β澱粉が、沈降積1.2ml以上である、前記[23]記載の油ちょう時のパン粉の剥離を抑制する方法。
[25]β澱粉が、馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、米澱粉、糯米澱粉、エンドウ豆、コーンスターチ及びワキシーコーンスターチから選ばれる一以上である、前記[23]又は[24]記載の油ちょう時のパン粉の剥離を抑制する方法。
[26]β澱粉が、ヒドロキシプロピル化処理、アセチル化処理及び架橋処理から選ばれる一以上の処理がされたことを特徴とする、前記[23]~[25]のいずれかに記載の油ちょう時のパン粉の剥離を抑制する方法。
[27]β澱粉が、糊化開始温度50~77℃である、前記[23]~[26]のいずれかに記載の油ちょう時のパン粉の剥離を抑制する方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、素材表面のバッター液に対するパン粉の付着性が良好となるだけでなく、油ちょう時の剥がれ落ちが大幅に軽減されるため、見た目がよく商品価値の高いパン粉付きフライ食品を提供することができる。また、パン粉の剥がれ落ちが軽減されるため、製品歩留まりの改善や油ちょう油の汚れ防止のメリットもある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のパン粉付きフライ食品とは、食品素材に少なくともパン粉をまぶして油ちょうしたものをいう。本明細書において使用される「油ちょう」の用語は、主に油で揚げる工程を指すものであり、少量の油で揚げ焼きをするとか油を塗布して熱風乾燥させるなど、油を利用して調理する工程はこの「油ちょう」に含まれる。パン粉付きフライ食品に用いられる食品素材は、食せるものであれば何ら限定はなく、肉、魚、野菜などを喫食しやすいよう適当な大きさに分割した食品素材はもちろんのこと、コロッケ種(馬鈴薯、甘藷、里芋などの野菜を茹でたり蒸したりして潰し、調味・成形したもの)や餡種(野菜・肉・魚介のミンチ又はペースト、ホワイトソース、ブラウンソース、カレー、中華餡、ケチャップ、マヨネーズ、タルタルソース、とんかつソース、カスタード、クリーム、チーズ、アイス、餡子、ジャム、ゼリーなど、保形性のある食品素材を利用して調味・成形した食品)などでもよく、また、これらを組み合わせて成形したものでもよい。コロッケ種や餡種は、パン粉が付着できるだけの可塑性と水分を備えることから、バッター液を介さずに、以降説明する本発明のパン粉改質剤又はパン粉組成物を直接付着させてパン粉付きフライ食品とすることもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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