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公開番号2025178641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-09
出願番号2024085366
出願日2024-05-27
発明の名称二酸化炭素回収システム
出願人株式会社豊田中央研究所,株式会社デンソー,株式会社豊田自動織機,株式会社アイシン
代理人個人,個人
主分類B01D 53/62 20060101AFI20251202BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】真空ポンプによる減圧で二酸化炭素を脱離させる二酸化炭素回収システムにおいて、単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量の変動幅を小さくすることができる技術を提供する。
【解決手段】二酸化炭素回収システムであって、二酸化炭素を吸着可能な吸着材が収容された内部に排ガスが流入する吸着器と、内部にパージガスを供給可能なパージガス供給部と、吸着器に接続され、内部へのパージガスの供給時に吸着器から送出される二酸化炭素およびパージガスを含んだ混合ガスを送出するための送出流路と、送出流路に設けられ、内部を減圧可能な真空ポンプと、真空ポンプを制御する制御部と、を備え、制御部は、内部にパージガスを供給して吸着材から二酸化炭素を脱離させる脱離工程の間に、真空ポンプによる内部の減圧を実行させる期間である減圧期間が2回以上に分けて設けられるよう真空ポンプを制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、
二酸化炭素を吸着可能な吸着材が収容された内部に前記排ガスが流入する吸着器と、
前記内部にパージガスを供給可能なパージガス供給部と、
前記吸着器に接続され、前記内部への前記パージガスの供給時に前記吸着器から送出される二酸化炭素および前記パージガスを含んだ混合ガスを送出するための送出流路と、
前記送出流路に設けられ、前記内部を減圧可能な真空ポンプと、
前記真空ポンプを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記内部に前記パージガスを供給して前記吸着材から二酸化炭素を脱離させる脱離工程の間に、前記真空ポンプによる前記内部の減圧を実行させる期間である減圧期間が2回以上に分けて設けられるよう前記真空ポンプを制御する、二酸化炭素回収システム。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素回収システムであって、
前記制御部は、前記混合ガス中の二酸化炭素に対する水素の比の変動幅が前記比について設定された第1設定範囲内に納まるよう前記減圧期間の各々の長さを調整する、二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素回収システムであって、さらに、
前記送出流路のうち前記真空ポンプが設けられた位置よりも下流側に設けられ、前記混合ガスを貯留可能なサージタンクを備え、
前記制御部は、前記サージタンク内の圧力の変動幅が前記圧力について設定された第2設定範囲内に納まるよう前記減圧期間の各々の長さを調整する、二酸化炭素回収システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素回収システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着材に吸着させることによって、二酸化炭素を回収する技術が知られている。例えば、特許文献1には、吸着器に収容されている吸着材に吸着された二酸化炭素をパージガスである水素を供給することによって脱離したのち、吸着器から送出される二酸化炭素および水素を含んだ混合ガスを用いてメタンを製造するメタン製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6791177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸着材から二酸化炭素を脱離する脱離工程において、二酸化炭素の脱離を促進するために、パージガスの供給に加えて、吸着器の内部を真空ポンプに減圧させることがある。脱離工程において、減圧が実行されている間は時間の経過とともに単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量は増加し、減圧が停止している間は時間の経過とともに単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量は減少する傾向にある。このように、減圧の実行および停止の切り替えに応じて単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量は増減する。この増減する単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量の変動幅が大きい場合、混合ガス中のH
2
/CO
2
比を好適な値に調整するために添加される水素流量の制御レンジの広範囲化や、炭化水素の生成に用いられる混合ガスを圧縮するための圧縮機の稼働に要する電力量の増加を招くという課題があった。なお、特許文献1では、単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量の変動幅については、何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、真空ポンプによる減圧で二酸化炭素を脱離させる二酸化炭素回収システムにおいて、単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量の変動幅を小さくすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、二酸化炭素回収システムが提供される。この二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムであって、二酸化炭素を吸着可能な吸着材が収容された内部に前記排ガスが流入する吸着器と、前記内部にパージガスを供給可能なパージガス供給部と、前記吸着器に接続され、前記内部への前記パージガスの供給時に前記吸着器から送出される二酸化炭素および前記パージガスを含んだ混合ガスを送出するための送出流路と、前記送出流路に設けられ、前記内部を減圧可能な真空ポンプと、前記真空ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記内部に前記パージガスを供給して前記吸着材から二酸化炭素を脱離させる脱離工程の間に、前記真空ポンプによる前記内部の減圧を実行させる期間である減圧期間が2回以上に分けて設けられるよう前記真空ポンプを制御する。
【0008】
この構成によれば、脱離工程において、真空ポンプに吸着器の内部を減圧させる期間である減圧期間が2回以上設けられる。このため、2回以上に分けて設けられた減圧期間の各々を合計した期間と同じ長さの減圧期間が1回のみ脱離工程中に設けられる形態と比べて、1回の減圧期間の長さが短縮される。また、脱離工程のうち真空ポンプによる吸着器の内部の減圧を停止させている期間である非減圧期間においても、1回の非減圧期間の長さが短縮される。したがって、1回の減圧期間の長さが短縮されたことで単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量が過度に増加するのを抑制するとともに、1回の非減圧期間の長さが短縮されたことで単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量が過度に減少するのを抑制することができる。その結果、真空ポンプによる減圧で二酸化炭素を脱離させる二酸化炭素回収システムにおいて、単位時間当たりの二酸化炭素の脱離量の変動幅を小さくすることができる。
【0009】
(2)上記形態の二酸化炭素回収システムにおいて、前記制御部は、前記混合ガス中の二酸化炭素に対する水素の比の変動幅が前記比について設定された第1設定範囲内に納まるよう前記減圧期間の各々の長さを調整してもよい。
この構成によれば、混合ガス中の二酸化炭素に対する水素の比を第1設定範囲内に納めることができるため、炭化水素の生成に好適な比の混合ガスを送出することができる。
【0010】
(3)上記形態の二酸化炭素回収システムにおいて、さらに、前記送出流路のうち前記真空ポンプが設けられた位置よりも下流側に設けられ、前記混合ガスを貯留可能なサージタンクを備え、前記制御部は、前記サージタンク内の圧力の変動幅が前記圧力について設定された第2設定範囲内に納まるよう前記減圧期間の各々の長さを調整してもよい。
この構成によれば、サージタンク内の圧力の変動幅を第2設定範囲内に納めることができるため、その圧力の変動幅に好適なサイズのサージタンクを二酸化炭素回収システムに備えさせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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