TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025178017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024093328
出願日2024-05-23
発明の名称昆虫忌避剤を含有するポリマー
出願人株式会社信日康
代理人
主分類A01N 25/10 20060101AFI20251128BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】高温の負荷に対しても昆虫忌避剤が安定に配合できる技術を開発し、該成分をポリマーに配合する技術を提供する。
【解決手段】テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素に昆虫忌避剤を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマーとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素に昆虫忌避剤を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマー。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
酸化珪素が、テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
酸化珪素が、導電性を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
酸化珪素が、粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項5】
酸化珪素が、テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項6】
酸化珪素が、界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、請求項1~5いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項7】
酸化珪素が、アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1~6いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項8】
ポリマー基体が、ポリアルキレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミドから選択されるものである請求項1~7いずれか1項に記載のポリマー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、昆虫忌避用の樹脂、昆虫忌避用の繊維及びその加工物に関する。なお、本発明において「昆虫忌避」とは、蚊やダニなどの吸血昆虫やゴキブリなどの不快・不衛生な昆虫との接触を防ぐ作用を意味する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
蚊やダニなどの吸血昆虫やゴキブリなどの不快・不衛生な昆虫との接触は、例えば、蚊を媒介したマラリア、黄熱病などの感染症の拡大や、マダニによる致死性の高熱を引き起こすウイルスの感染の原因となるし、ゴキブリなどの不快・不衛生動物との接触も微生物汚染の原因となる。このような状況下、吸血性昆虫に対してはピレスロイドを練り込んだ樹脂が種々開発され、その薬剤放出調整手段も種々開発されている。しかしながら、高温の融点の樹脂に低温分解性のピレスロイドを練り込むことには多くの困難が伴い、その応用範囲は狭いと言わざるを得ない(例えば、特許文献1~6を参照)。また、これらの製品におけるピレスロイドの効果も、殺虫効果というよりも忌避による吸血抑制であることが知られている(
https://tanatiku.com/kazuma/1024)
【0003】
このような状況下、我々は忌避効果を最大限活かすことを考え、殺虫剤であるピレスロイドではなく、イカリジンあるいはディートを利用し、これらによる接触忌避を発想するに至った。しかしながら、これらの忌避成分は低融点のポリマーに担持させ、その周囲に拡散させる技術や、直接皮膚に塗布して忌避する技術は存しても(例えば、特許文献7、8を参照)、ポリマーに練り込み糸などに加工し、蚊帳や服に適用することは行われていなかった。これらの成分が通常の状態、例えば、1気圧25℃で液体であり、ポリマーを溶融させた状態(140~300℃)では、揮散しやすく、ポリマーに練り込まれにくい特性が存し、これは前記の練り込みの困難の原因となる。
【0004】
このような成分をポリマーに配合するに際し、MESOシリカに含浸させて配合させることも検討されたが、ただ単なる含浸では十分に保持しきれない欠点があった。
【0005】
1方、酸化ケイ素の多くは二酸化珪素として、sp3混成軌道のケイ素の酸化物として存在し、基本的な結晶構造はヘキサゴナル二層構造を基本単位とし、これが積層し3次元構造を構成することが技術常識となっている。近年、基本的なヘキサゴナル二層構造に修飾を加えることにより電気的特性が得られたり、マイクロカプセルのシェルとして有用なことが知られるようになり、積層しないヘキサゴナル二層構造のみの単層二酸化珪素の研究が進められ、平面状ヘキサゴナル二層のみの単層二酸化珪素や環状ヘキサゴナル二層二酸化珪素チューブなどが開発されている(例えば、特許文献9、特許文献10、特許文献11を参照。)。このようなヘキサゴナル平面構造シリカは、界面活性剤を用いてテトラアルコキシシランをエマルションや液晶に加工し、焼成することにより得られる。
【0006】
一方、酸化珪素の形態には電導性を有するものが存在していることが知られている(例えば、特許文献12を参照。)かかる、酸化珪素は、マイクロ波の照射で発熱するので、電導性を有するがゆえに自由電子を有していると思われsp2混成軌道を有する酸化珪素と考えられる。このような酸化珪素は微粒子シリカと認識されることが殆どで、その形状は電子顕微鏡を見る限り塊状であり、平面構造は確認されていない。平面単層化するような試みはなされていない。またこのような酸化珪素は天然に存在する植物性ガラス質シリカを還元雰囲気で焼成することにより得られることが開示されている。珪素自身については、シリセンという平面構造のグラフェンに似た平面構造のものが知られているが、グラフェンとは異なり、「パックリング構造」を取っており、その電子状態は明確ではないが、カルシウムを包接する性質があることから、特殊な電子状況にあると推測される(
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20141222_03web.pdf)。酸化珪素については、ヘキサゴナル二重層構造のもの以外は明らかにされていない。
【0007】
本発明者等は、このような先行技術に鑑み、気液界面などで酸化珪素を生成させ、平面構造を構築することにより、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめ、必要に応じて積層させるすることにより、グラフェンと類似した酸化珪素あるいはグラファイトに類似したその積層構造を有する酸化珪素が得られ、特異的な、特に、特異的吸着・放出特性を有する酸化珪素が得られるのではないかと考え、そのような酸化珪素の開発に着手した。そして、それを以て忌避剤含浸させ、ついでエンドキャップすることにより忌避剤の放出制御性が得られるのではないかと推測した。このような酸化ケイ素は知られていないし、これをポリマーに配合することも、かかる配合に際して高温がかかるが、このような高温の負荷に対しても忌避剤が安定に配合できることは知られていない。。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2012-001533号公報
特開2011-127020号公報
特開2015-063494号公報
特開平08-245324号公報
特開2002-255702号公報
特開2023-35859号公報
特表2014-523446号公報
特開2007-039342号公報
WO2019/40915のパンフレット
特許第4590544号公報
特許第5322042号公報
特開2020-87899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況下なされたものであり、高温の負荷に対しても忌避剤が安定に配合できる技術を提供することを課題とする。
【課題の解決手段】
【0010】
このような状況に鑑みて、本発明者らは、高温の負荷に対しても忌避剤が安定に配合できる技術をを求め、鋭意研究努力を重ねた結果、2次元単層酸化珪素に昆虫忌避剤を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合することにより、安定にポリマーに配合できることを見出し発明を完成させるに至った。したがって、本発明は以下に示すとおりである。
<1>テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素に昆虫忌避剤を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマー。
<2>酸化珪素が、テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素であることを特徴とする<1>に記載のポリマー。
<3>酸化珪素が、導電性を有することを特徴とする、<1>または<2>に記載のポリマー。
<4>酸化珪素が、粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、<1>~<3>いずれか1項に記載のポリマー。
<5>酸化珪素が、テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする<1>~<4>いずれか1項に記載のポリマー。
<6>酸化珪素が、界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、<1>~<5>いずれか1項に記載のポリマー。
<7>酸化珪素が、アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする<1>~<6>いずれか1項に記載のポリマー。
<8> ポリマー基体が、ポリアルキレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミドから選択されるものである<1>~<7>いずれか1項に記載のポリマー。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社信日康
香料を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
香料を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
昆虫忌避剤を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
昆虫忌避剤を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
2次元構造を有する酸化ケイ素
7日前
株式会社信日康
低温度揮発成分を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
低温度揮発成分を含有するポリマー
今日
株式会社信日康
抗菌樹脂、抗菌繊維及びその加工物
5か月前
株式会社信日康
バイオフェロモンを含有するポリマー
3か月前
株式会社信日康
バイオナノカーボンからなる抗病原体剤
5か月前
株式会社信日康
昆虫忌避用の樹脂、昆虫忌避用の繊維及びその加工物
6か月前
個人
産卵床
7日前
個人
釣り用錘
25日前
個人
草刈り鋏
1か月前
個人
平板植栽
8日前
個人
蠅捕獲器
1か月前
個人
噴霧器ノズル
23日前
個人
蜜蜂保護装置
1か月前
個人
果実袋
7日前
個人
養殖器具
7日前
個人
移動体草刈り機
7日前
個人
種子の製造方法
1か月前
個人
草刈機用回転刃
1か月前
個人
昆虫捕集器
1か月前
個人
水田排水量調整器具
7日前
個人
可動リップ付きルアー
28日前
株式会社剛樹
釣り竿
21日前
井関農機株式会社
作業車両
1か月前
個人
四足動物用装着具
1か月前
個人
ブルーカーボンシステム
28日前
井関農機株式会社
圃場作業機
28日前
井関農機株式会社
圃場作業機
今日
株式会社ナベル
表示システム
1か月前
個人
餌付き針の餌取り防止具
1か月前
有限会社信英精密
括り罠
15日前
大栄工業株式会社
捕獲器
1か月前
続きを見る