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公開番号
2025178013
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024093324
出願日
2024-05-23
発明の名称
低温度揮発成分を含有するポリマー
出願人
株式会社信日康
代理人
主分類
C08G
63/183 20060101AFI20251128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】高温の負荷に対しても低沸点成分が安定に配合できる技術を開発し、低温沸点成分をポリマーに配合する技術を提供する。
【解決手段】シリカに低沸点成分を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマーを製造する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シリカに低沸点成分を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマー。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
エンドキャップする酸化珪素が、テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
エンドキャップする酸化珪素が、導電性を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
エンドキャップする酸化珪素が、粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項5】
エンドキャップする酸化珪素が、テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項6】
エンドキャップする酸化珪素が、界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、請求項1~5いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項7】
エンドキャップする酸化珪素が、アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1~6いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項8】
ポリマー基体が、ポリアルキレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミドから選択されるものである請求項1~7いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項9】
ポリマーに含有させる低沸点成分が、沸点70~200℃のものであることを特徴とする、請求項1~8いずれか1項に記載のポリマー。
【請求項10】
ポリマーに含有させる低沸点成分が、(Z)-8-DODECEN-1-YL ACETATE((Z)-8-ドデセン-1-イル酢酸)、メントール、チモール及びピレスロイドから選ばれるものである、請求項1~9いずれか1項に記載のポリマー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、低温度揮発成分を含有する樹脂、低温度揮発成分を含有する繊維及びその加工物に関する。なお、本発明において「低温度揮発成分」とは、常温において揮発性を有し、該揮発成分により好ましい効果を使用者またはポリマーに与える成分を意味する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
蚊やダニなどの吸血昆虫やゴキブリなどの不快・不衛生な昆虫との接触は、例えば、蚊を媒介したマラリア、黄熱病などの感染症の拡大や、マダニによる致死性の高熱を引き起こすウイルスの感染の原因となるし、ゴキブリなどの不快・不衛生動物との接触も微生物汚染の原因となる。このような状況下、吸血性昆虫に対してはピレスロイドを練り込んだ樹脂が種々開発され、その薬剤放出調整手段も種々開発されている。しかしながら、高温の融点の樹脂に低温分解性のピレスロイドを練り込むことには多くの困難が伴い、その応用範囲は狭いと言わざるを得ない(例えば、特許文献1~6を参照)。また、これらの製品におけるピレスロイドの効果も、殺虫効果というよりも忌避による吸血抑制であることが知られている(https://tanatiku.com/kazuma/1024)ピレスロイドは揮発温度が100℃前後と低く、本発明の揮発成分に該当し、ポリマーに練り込むのには困難さが伴い、これを配合したポリマーは極めて限られたものしか開発されていない。
【0003】
このような状況下、我々は低沸点成分を高融点ポリマーに含有せしめる技術開発を行い世に貢献しようという発想に至った。しかしながら、これらの低沸点の成分をポリマーに担持させ、その周囲に拡散させる技術や、昆虫忌避剤などの低沸点成分を直接皮膚に塗布して忌避する技術は存しても(例えば、特許文献7、8を参照)、ポリマーに練り込み糸などに加工し、蚊帳や服に適用することは行われていなかった。これらの成分が通常の状態、例えば、1気圧25℃で液体であり、ポリマーを溶融させた状態(140~300℃)では、揮散しやすく、ポリマーに練り込まれにくい特性が存し、これは前記の練り込みの困難の原因となる。その他の香料やバイオフェロモンなどの低沸点成分も同様の状況にある。
【0004】
このような成分をポリマーに配合するに際し、MESOシリカに含浸させて配合させることも検討されたが、ただ単なる含浸では十分に保持しきれない欠点があった。
【0005】
1方、酸化ケイ素の多くは二酸化珪素として、sp3混成軌道のケイ素の酸化物として存在し、基本的な結晶構造はヘキサゴナル二層構造を基本単位とし、これが積層し3次元構造を構成することが技術常識となっている。近年、基本的なヘキサゴナル二層構造に修飾を加えることにより電気的特性が得られたり、マイクロカプセルのシェルとして有用なことが知られるようになり、積層しないヘキサゴナル二層構造のみの単層二酸化珪素の研究が進められ、平面状ヘキサゴナル二層のみの単層二酸化珪素や環状ヘキサゴナル二層二酸化珪素チューブなどが開発されている(例えば、特許文献9、特許文献10、特許文献11を参照。)。このようなヘキサゴナル平面構造シリカは、界面活性剤を用いてテトラアルコキシシランをエマルションや液晶に加工し、焼成することにより得られる。
【0006】
一方、酸化珪素の形態には電導性を有するものが存在していることが知られている(例えば、特許文献12を参照。)かかる、酸化珪素は、マイクロ波の照射で発熱するので、電導性を有するがゆえに自由電子を有していると思われsp2混成軌道を有する酸化珪素と考えられる。このような酸化珪素は微粒子シリカと認識されることが殆どで、その形状は電子顕微鏡を見る限り塊状であり、平面構造は確認されていない。平面単層化するような試みはなされていない。またこのような酸化珪素は天然に存在する植物性ガラス質シリカを還元雰囲気で焼成することにより得られることが開示されている。珪素自身については、シリセンという平面構造のグラフェンに似た平面構造のものが知られているが、グラフェンとは異なり、「パックリング構造」を取っており、その電子状態は明確ではないが、カルシウムを包接する性質があることから、特殊な電子状況にあると推測される(
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20141222_03web.pdf)。酸化珪素については、ヘキサゴナル二重層構造のもの以外は明らかにされていない。
【0007】
本発明者等は、このような先行技術に鑑み、気液界面などで酸化珪素を生成させ、平面構造を構築することにより、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめ、必要に応じて積層させるすることにより、グラフェンと類似した酸化珪素あるいはグラファイトに類似したその積層構造を有する酸化珪素が得られ、特異的な、特に、特異的吸着・放出特性を有する酸化珪素が得られるのではないかと考え、そのような酸化珪素の開発に着手した。そして、それを以て香料成分などの低沸点成分を含浸させ、ついでエンドキャップすることにより低沸点成分の放出制御性が得られるのではないかと推測した。このような酸化ケイ素は知られていないし、これをポリマーに配合することも、かかる配合に際して高温がかかるが、このような高温の負荷に対しても低沸点成分が安定に配合できることは知られていない。。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2012-001533号公報
特開2011-127020号公報
特開2015-063494号公報
特開平08-245324号公報
特開2002-255702号公報
特開2023-35859号公報
特表2014-523446号公報
特開2007-039342号公報
WO2019/40915のパンフレット
特許第4590544号公報
特許第5322042号公報
特開2020-87899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況下なされたものであり、高温の負荷に対しても低沸点成分が安定に配合できる技術を提供することを課題とする。
【課題の解決手段】
【0010】
このような状況に鑑みて、本発明者らは、高温の負荷に対しても低沸点成分が安定に配合できる技術をを求め、鋭意研究努力を重ねた結果、シリカに香料を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合することにより、安定にポリマーに配合できることを見出し発明を完成させるに至った。したがって、本発明は以下に示すとおりである。
<1>シリカに低沸点成分を含有せしめた後、2次元単層酸化珪素でエンドキャップしてなる酸化珪素を配合してなるポリマー。
<2>エンドキャップする酸化珪素が、テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素であることを特徴とする<1>に記載のポリマー。
<3>エンドキャップする酸化珪素が、導電性を有することを特徴とする、<1>または<2>に記載のポリマー。
<4>エンドキャップする酸化珪素が、粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載のポリマー。
<5>エンドキャップする酸化珪素が、テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする<1>~<4>いずれか1項に記載のポリマー。
<6>エンドキャップする酸化珪素が、界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、<1>~<5>いずれか1項に記載のポリマー。
<7>エンドキャップする酸化珪素が、アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする<1>~<6>いずれか1項に記載のポリマー。
<8>ポリマー基体が、ポリアルキレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミドから選択されるものである<1>~<7>いずれか1項に記載のポリマー。
<9>ポリマーに含有させる低沸点成分が、1気圧で沸点70~200℃のものであることを特徴とする、<1>~<8>いずれか1項に記載のポリマー。かかる揮発成分としては以下のものが例示できる。
(Z)-8-DODECEN-1-YL ACETATE((Z)-8-ドデセン-1-イル酢酸)などのバイオフェロモン、メントール、チモールなどの清涼成分、ピレスロイドなどの殺虫成分
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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