特許ウォッチ

公開番号2025177120
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083664
出願日2024-05-22
発明の名称ノイズフィルタ装置
出願人Astemo株式会社
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20251128BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】所望のノイズ抑制効果を安定的に発揮可能なノイズフィルタ装置の提供。
【解決手段】ノイズフィルタ装置100は、第1バスバ101、第2バスバ102と電気的に接続される第1配線層103a、第2配線層103bおよびグランド配線層103cを有するプリント回路基板103と、プリント回路基板103上に搭載され、これらの配線層と電気的に接続されるノイズフィルタ用のXキャパシタ104およびYキャパシタ105a,105bと、第1バスバ101および第2バスバ102とプリント回路基板103の間に挟持される可撓性の導電部材とを備える。導電部材は、第1バスバ101および第2バスバ102の板厚方向および幅方向に直交するバスバ延在方向に沿った線状の電気的接続部106a,106bを、第1バスバ101、第2バスバ102と第1配線層103a、第2配線層103bの間においてそれぞれ形成する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項１】
導電性の平板状部材からなるバスバと、
前記バスバと電気的に接続される配線層を有するプリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に搭載され、前記配線層と電気的に接続されるノイズフィルタ用のキャパシタと、
前記バスバと前記プリント回路基板の間に挟持される可撓性の導電部材と、を備え、
前記導電部材は、前記バスバの板厚方向および幅方向に直交するバスバ延在方向に沿った線状の電気的接続部を、前記バスバと前記配線層の間において形成する
ノイズフィルタ装置。
続きを表示（約 670 文字）【請求項２】
請求項１に記載のノイズフィルタ装置において、
前記バスバは、前記プリント回路基板と対向する面に嵌入溝を有し、
前記導電部材は、前記嵌入溝の中に配置される
ノイズフィルタ装置。
【請求項３】
請求項１に記載のノイズフィルタ装置において、
複数の前記キャパシタが、前記バスバ延在方向に沿って並んで配置される
ノイズフィルタ装置。
【請求項４】
請求項１に記載のノイズフィルタ装置において、
前記配線層は、前記導電部材から前記キャパシタへ二次元的に延設される平板導体を有する
ノイズフィルタ装置。
【請求項５】
請求項１に記載のノイズフィルタ装置において、
前記バスバは、直流電源の正極側に接続される第１バスバと、前記直流電源の負極側に接続される第２バスバと、を含み、
前記配線層は、前記第１バスバと電気的に接続される第１配線層と、前記第２バスバと電気的に接続される第２配線層と、グランド電位と電気的に接続されるグランド配線層と、を含み、
前記キャパシタは、前記第１配線層および前記グランド配線層に接続される第２キャパシタと、前記第２配線層および前記グランド配線層に接続される第３キャパシタと、を含む
ノイズフィルタ装置。
【請求項６】
請求項１に記載のノイズフィルタ装置において、
互いに平行な複数の前記電気的接続部を有する
ノイズフィルタ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電磁ノイズを抑制する装置に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、電気自動車や電車等の電動車両において、直流電源から供給される直流電力をインバータで所望の周波数および電圧の交流電力に変換し、その交流電力を交流モータへ出力することにより、交流モータを駆動させるモータ駆動システムが利用されている。こうしたモータ駆動システムにおいて、直流電源とインバータの間には比較的大電流が流れるため、一般にこれらはバスバを介して電気的に接続される。
【０００３】
モータ駆動システムでは、インバータのスイッチング動作によって直流電力が交流電力に変換されるが、このとき直流電源とインバータの間に流れる電流では、インバータのスイッチング動作に伴うノイズ（電磁ノイズ）が発生する。ノイズは周辺の電子機器に悪影響を及ぼすおそれがあるため、できるだけ抑制する必要がある。
【０００４】
電動車両用のモータ駆動システムにおけるノイズ抑制に関して、特許文献１の技術が知られている。特許文献１には、コンデンサを搭載しており複数の導電路を有する回路基板と、回路基板の第１面上に固定されていて、複数の導電路のうちの少なくとも１つの導電路に電気接続されている１つの第１導電レールと、回路基板の第２面上に固定されていて、複数の導電路のうちの少なくとも１つの導電路に電気接続されている１つの第２導電レールと、を備えるフィルタが記載されている。このフィルタでは、バスバに相当する第１導電レールおよび第２導電レールを回路基板の一方の面（第１面）と他方の面（第２面）上にそれぞれ配置することで、これらの導電レールと回路基板の導電路との間を低いインダクタンスで電気的に接続し、ノイズ抑制効果を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１８－５００３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１のフィルタでは、ねじ、ブラケット、リベット等の固定手段により導電レールを回路基板上に固定することで、導電レールと回路基板の導電路とを電気的に接続するようにしている。しかしながら、このような接続方法では、例えば製造時における導電レールや回路基板の寸法誤差や組み付け誤差、これらの表面の反りや凹凸、運用中の継続的な振動印加による固定手段の緩み等、様々な要因により、導電レールと回路基板の導電路との間で必ずしも設計通りの接触面積が得られるとは限らない。その結果、導電レールと導電路のインダクタンスを十分に低くすることができず、所望のノイズ抑制効果を発揮できない場合がある。
【０００７】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、所望のノイズ抑制効果を安定的に発揮可能なノイズフィルタ装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明によるノイズフィルタ装置は、導電性の平板状部材からなるバスバと、前記バスバと電気的に接続される配線層を有するプリント回路基板と、前記プリント回路基板上に搭載され、前記配線層と電気的に接続されるノイズフィルタ用のキャパシタと、前記バスバと前記プリント回路基板の間に挟持される可撓性の導電部材と、を備え、前記導電部材は、前記バスバの板厚方向および幅方向に直交するバスバ延在方向に沿った線状の電気的接続部を、前記バスバと前記配線層の間において形成する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、所望のノイズ抑制効果を安定的に発揮可能なノイズフィルタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本発明の第１の実施形態に係るノイズフィルタ装置の平面図である。
図１から磁性コアとモールド樹脂を取り除いた様子を示す図である。
本発明の第１の実施形態における導電部材の設置構造を示す図である。
本発明の第１の実施形態に係るノイズフィルタ装置の断面図である。
本発明の第１の実施形態に係るノイズフィルタ装置の断面図である。
本発明の第１の実施形態に係るノイズフィルタ装置の断面図である。
プリント回路基板におけるＹキャパシタの接続部分を示す図である。
本発明の第２の実施形態に係るノイズフィルタ装置の平面図である。
本発明の第２の実施形態に係るノイズフィルタ装置の断面図である。
ノイズフィルタ装置の変形例を示す図である。
ノイズフィルタ装置の変形例を示す図である。
本発明の第３の実施形態における導電部材の設置構造を示す図である。
本発明の第３の実施形態に係るノイズフィルタ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許