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公開番号
2025173282
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-27
出願番号
2024078792
出願日
2024-05-14
発明の名称
生分解性樹脂マイクロビーズ
出願人
GSアライアンス株式会社
,
冨士色素株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20251119BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】従来用いられている紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の弱点を克服し、環境負荷も低減する紫外線防止剤を提供する。
【解決手段】平均粒径が数百nmから数百μmである生分解性樹脂のマイクロビーズを紫外線遮蔽剤として用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
生分解性樹脂、または、それらに、セルロースナノファイバーを含む生分解性樹脂組成物を含む、生分解性樹脂マイクロビーズ。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸 (PLA);プルランおよびカードランなどの微生物多糖類;ポリカプロラクトン (PCL);デンプン系生分解性ポリマー;ポリヒドロキシブチレート (PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート) (PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート) (PHBH)、ポリヒドロキシブチレートバリレート (PBAV)などのポリヒドロキシアルカノエート (PHA)などを含む、全ての微生物由来の生分解性プラスチック;ポリビニルアルコール;ポリアミノ酸類;キチンおよびキトサン;酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース (HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)などを含む、全てのセルロース系生分解性プラスチック;ポリグリコール酸;ポリエチレンテレフタレートスクシネート (PETS);ポリブチレンスクシネート (PBS)およびポリブチレンアジペート-co-テレフタレート (PBAT)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ。
【請求項3】
前記セルロースナノファイバーが、木片もしくは木材チップ、またはパルプをソルボサーマル処理に付す工程、ソルボサーマル処理した木材チップを解砕する工程、および解砕した木材チップを化学処理に付してセルロースナノファイバー(CNF)を得る工程をこの順序で含む製造方法により製造された、請求項1に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ。
【請求項4】
ソルボサーマル処理を亜臨界または超臨界条件下で行う、請求項3に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ。
【請求項5】
木片または木材チップが針葉樹または広葉樹の木片または木材チップである、請求項3または4に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ。
【請求項6】
化学処理が酸化、リン酸化、酢酸化、硫酸化からなる群から選択されるいずれかの処理である、請求項3に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ。
【請求項7】
請求項1に記載の生分解性樹脂マイクロビーズを含有する成形品。
【請求項8】
請求項1に記載の生分解性樹脂マイクロビーズを含有する化粧品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸系樹脂、デンプン系樹脂、およびセルロース系の生分解性樹脂のマイクロビーズに関する。より詳しくは、本発明による生分解性樹脂マイクロビーズは、紫外線遮蔽能を有する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチック製品は、屋外で使用された場合、太陽光(特に、紫外線)、雨水、酸化、温度変化により、変形、変色等の劣化が生じる。そのため、プラスチック製品には、耐候性が求められる。
特に、プラスチック製品に紫外線が照射されると、紫外線の吸収により素材であるポリマーの水素原子が切断されラジカルが発生し、このラジカルが空気中の酸素と結合して、ペルオキシラジカルが生成し、ペルオキシドラジカルがポリマーの水素原子を引き抜いてラジカルとヒドロペルオキシドを生成する。ここで発生した、ラジカルとヒドロペルオキシドがさらにプラスチック素材の劣化を促進する。紫外線により、ポリマーが切断されて分子量が減少して、融点低下、機械的特性の低下などを引き起こす。屋外に放置されたプラスチック製品の光沢が低減し、変色し、脆化する様子は頻繁に目にすることができる。
【0003】
よって、紫外線によるプラスチック製品の劣化を防止する対策が重要であり、上記のメカニズムを考慮すると、紫外線遮蔽剤として、(1)紫外線を乱反射させてプラスチック製品が受ける紫外線量を低減する紫外線散乱剤または(2)紫外線を吸収して、プラスチック製品の素材との反応を低減する紫外線吸収剤を使用することが有用である。
【0004】
紫外線散乱剤としては、主に、酸化チタン、酸化亜鉛のような無機物が用いられている。プラスチック紫外線吸収剤としては、主に、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメチルパラアミノ安息香酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどの有機物が用いられている。紫外線散乱剤の大きなデメリットとしては、白色粉体であることから、プラスチック製品が白濁してしまうことが挙げられる。また、酸化チタン、酸化亜鉛の場合、これらは光触媒材料でもあるので、プラスチックが紫外線により劣化することを加速させてしまう原因にもなる(非特許文献1)。一方、紫外線吸収剤の大きなデメリットは、それ自体の反応の副反応として素材に影響を与える可能性があることが挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Ge et al. Photocatalytic degradation of (micro)plastics using TiO2-based and other catalysts: Properties, influencing factor, and mechanism, Environmental Research, 209, 112729 (2022).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来用いられている紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の弱点を克服する紫外線防止剤を提供することにある。
また、近年、海洋マイクロプラスチック汚染が世界で大きな課題となっている。2018年6月カナダで開催されたG7シャルルボア・サミットにおいて、プラスチックゴミによる海洋汚染問題への各国の対策を促す目的で「海洋プラスチック憲章」が採択された。一方、日本では、マイクロビーズ管理に関して、環境省が、2019年5月に、「プラスチック資源循環戦略」を策定し、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(略称「プラスチック資源循環促進法」)が2022年4月から施行された。プラスチック資源循環促進法は、プラスチック製品の設計から廃棄に至るまでの一連の流れ(すなわち、プラスチック製品のライフサイクル)に関わりのある全ての事業者、自治体、消費者が、お互いに協力し、連携して、国内でのプラスチック資源の循環を向上させていくことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの問題に対し、本発明者らは、自己の持つ微粒子分散技術、セルロースナノファイバー複合技術、生分解性樹脂技術を融合して、紫外線遮蔽能を有する生分解性樹脂マイクロビーズを開発した。
【0008】
本発明は、ポリ乳酸系樹脂、デンプン系樹脂、およびセルロース系の生分解性樹脂のマイクロビーズを提供する。このようなマイクロビーズの平均粒径は、数百nmから数十μmであり、有機物でありながら、紫外線散乱能を発揮する。
【0009】
より詳しくは、本発明は、以下:
(1)生分解性樹脂、または、それらに、セルロースナノファイバーを含む生分解性樹脂組成物を含む、生分解性樹脂マイクロビーズ;
(2)前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸 (PLA);プルランおよびカードランなどの微生物多糖類;ポリカプロラクトン (PCL);デンプン系生分解性ポリマー;ポリヒドロキシブチレート (PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート) (PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート) (PHBH)、ポリヒドロキシブチレートバリレート (PBAV)などのポリヒドロキシアルカノエート (PHA)などを含む、全ての微生物由来の生分解性プラスチック;ポリビニルアルコール;ポリアミノ酸類;キチンおよびキトサン;酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース (HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)などを含む、全てのセルロース系生分解性プラスチック;ポリグリコール酸;ポリエチレンテレフタレートスクシネート (PETS);ポリブチレンスクシネート (PBS)およびポリブチレンアジペート-co-テレフタレート (PBAT)およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記(1)に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ;
(3)前記セルロースナノファイバーが、木片もしくは木材チップ、またはパルプをソルボサーマル処理に付す工程、ソルボサーマル処理した木材チップを解砕する工程、および解砕した木材チップを化学処理に付してセルロースナノファイバー(CNF)を得る工程をこの順序で含む製造方法により製造された、上記(1)に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ;
(4)ソルボサーマル処理を亜臨界または超臨界条件下で行う、上記(3)に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ;
(5)木片または木材チップが針葉樹または広葉樹の木片または木材チップである、上記(3)または(4)に記載の生分解性樹脂マイクロビーズ;
(6)化学処理が酸化、リン酸化、酢酸化、硫酸化からなる群から選択されるいずれかの処理である、上記(3)~(5)いずれかに記載の生分解性樹脂マイクロビーズ;
(7)上記(1)~(6)いずれかに記載の生分解性樹脂マイクロビーズを含有する成形品;および
(8)上記(1)~(6)いずれかに記載の生分解性樹脂マイクロビーズを含有する化粧品
を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来の紫外線遮蔽剤を代表する紫外線散乱剤および紫外線吸収剤双方のデメリットを低減し、かつ、環境汚染も配慮した、紫外線遮蔽能を有する生分解性樹脂マイクロビーズが提供され、それらは様々な技術分野に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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