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公開番号2025172875
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-26
出願番号2025142204,2022513855
出願日2025-08-28,2020-09-03
発明の名称パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質を提示する自己組織化タンパク質ナノ構造体ならびにその使用
出願人ユニヴァーシティ オブ ワシントン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 19/00 20060101AFI20251118BHJP(有機化学)
要約【課題】ナノ構造体ベースのワクチンによる、サブユニットワクチンを提供する。
【解決手段】I53_dn5A、I53_dn5A.1、およびI53_dn5A.2、またはそれらのバリアントより選択される複数の同一の第1ポリペプチドを各第1アセンブリーが含む複数の第1アセンブリーと、I53_dn5Bまたはそのバリアントである複数の同一の第2ポリペプチドを各第2アセンブリーが含む複数の第2アセンブリーとを含むナノ構造体であって、複数の第1アセンブリーが複数の第2アセンブリーと非共有結合的に相互作用してナノ構造体を形成し;かつナノ構造体が、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片の複数コピーを提示する、ナノ構造体、ならびにその使用が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a) 複数の第1アセンブリーであって、各第1アセンブリーが複数の同一の第1ポリペプチドを含み、該第1ポリペプチドが、括弧内の残基が任意であるSEQ ID NO:2~4:
TIFF
2025172875000031.tif
63
134
からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複数の第1アセンブリー;ならびに
(b) 複数の第2アセンブリーであって、各第2アセンブリーが複数の同一の第2ポリペプチドを含み、該第2ポリペプチドが、括弧内の残基が任意であるSEQ ID NO:1:
TIFF
2025172875000032.tif
9
134
のアミノ酸配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複数の第2アセンブリー
を含むナノ構造体であって、
該複数の第1アセンブリーが、該複数の第2アセンブリーと非共有結合的に相互作用してナノ構造体を形成し;かつ
該ナノ構造体が、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片の複数コピーを該ナノ構造体の外面上に提示する、
前記ナノ構造体。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
SEQ ID NO:1、2、3、および4における太字かつ下線付きの残基が、前記第1および第2ポリペプチドにおいて不変である、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項3】
前記1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片が、SEQ ID NO:21~29および37からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載のナノ構造体。
【請求項4】
前記1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片が、SEQ ID NO:21~24および37からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むRSV Fタンパク質またはその変異体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドが、参照配列と比較して以下の残基:67I、149C、458C、46G、465Q、215P、92D、および487Qのうちの1つまたは複数を含む、請求項1または2に記載のナノ構造体。
【請求項5】
前記1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片が、SEQ ID NO:25~29からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むhMPV Fタンパク質またはその変異体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドが、参照配列と比較して以下の残基:113C、120C、339C、160F、177L、185P、および426Cのうちの1つまたは複数を含む、請求項1または2に記載のナノ構造体。
【請求項6】
前記1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片が、前記第1ポリペプチドおよび/または前記第2ポリペプチドとの融合タンパク質として発現される、請求項1~5のいずれか一項に記載のナノ構造体。
【請求項7】
前記複数の第1アセンブリーがそれぞれ同一の融合タンパク質を含み、かつ/または前記複数の第2アセンブリーがそれぞれ同一の融合タンパク質を含む、請求項6に記載のナノ構造体。
【請求項8】
前記1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片が、前記第1ポリペプチドとの融合タンパク質として発現される、請求項1~5のいずれか一項に記載のナノ構造体。
【請求項9】
前記複数の第1アセンブリーがそれぞれ同一の融合タンパク質を含む、請求項8に記載のナノ構造体。
【請求項10】
前記複数の第1および/または第2アセンブリーが、前記第1ポリペプチドおよび/または前記第2ポリペプチドとの融合タンパク質として発現される合計で2種以上のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片を含む、請求項6~9のいずれか一項に記載のナノ構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2019年9月4日に出願された米国仮特許出願第62/895727号に対する優先権を主張する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
背景
ワクチン接種は、細菌、ウイルス、および寄生虫を含む様々な感染性病原体による感染症を予防するまたはその重症度を減少させるために用いられる治療様式である。新しいワクチンの開発は、商業的および公衆衛生的に重要な意味を有する。特に、呼吸器合胞体ウイルス (RSV) に対する改良型ワクチンが望ましい。
【0003】
サブユニットワクチンは、単離された抗原、通常は細菌、昆虫、または哺乳動物の細胞宿主において組換えで発現されたタンパク質から作製されたワクチンである。典型的には、サブユニットワクチンの抗原成分は、感染時に自然免疫応答を誘発することが観察されている感染性病原体のタンパク質の中から選択されるが、場合によっては、感染性病原体の他の成分を使用することもできる。サブユニットワクチンにおいて使用するための典型的な抗原には、標的感染性病原体の表面上に発現されるタンパク質、そのようなものとしてのウイルスの表面に発現されるエンベロープ糖タンパク質が含まれる。
【0004】
サブユニットワクチンは、生きた病原体を含有せず、そのためワクチンによる患者の感染に関する懸念が取り除かれること;標準的な遺伝子工学技法を用いて設計することできること;他の形態のワクチンよりも均一であること;および十分に特徴付けられた発現系を用いて、標準化された組換えタンパク質発現生産システムで製造できることを含む、様々な利点を有する。場合によっては、中和抗体または広域中和抗体などの望ましい抗体の生成を支持するように、抗原を遺伝子操作してもよい。特に、X線結晶構造解析、電子顕微鏡、または核磁気共鳴実験によって得られた関心対象の抗原に関する構造情報を用いて、サブユニットワクチンの合理的な設計を導くことができる。
【0005】
サブユニットワクチンの公知の制限は、誘発される免疫応答が、全ウイルスワクチン、生ワクチン、または弱毒化生ワクチンなどの他の種類のワクチンに対する免疫応答よりも、時に弱い場合があることである。本発明者らは、ナノ構造体ベースのワクチンが、対称的に規則的に配列された抗原の多価提示を通じてワクチン誘導性免疫応答の効力および幅を増大させながら、サブユニットワクチンの利点を活用する可能性があることを認識した。
【発明の概要】
【0006】
本開示の概要
1つの局面において、本開示は、
(a) 複数の第1アセンブリーであって、各第1アセンブリーが複数の同一の第1ポリペプチドを含み、第1ポリペプチドが、括弧内の残基が任意であるSEQ ID NO:2~4:
TIFF
2025172875000001.tif
63
134
からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複数の第1アセンブリー;ならびに
(b) 複数の第2アセンブリーであって、各第2アセンブリーが複数の同一の第2ポリペプチドを含み、第2ポリペプチドが、括弧内の残基が任意であるSEQ ID NO:1:
TIFF
2025172875000002.tif
9
134
のアミノ酸配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複数の第2アセンブリー
を含むナノ構造体であって、
複数の第1アセンブリーが複数の第2アセンブリーと非共有結合的に相互作用してナノ構造体を形成し;かつ
ナノ構造体が、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片の複数コピーをナノ構造体の外面上に提示する、
ナノ構造体を提供する。
【0007】
1つの態様において、SEQ ID NO:1、2、3、および4における太字かつ下線付きの残基は、第1および第2ポリペプチドにおいて不変である。別の態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、SEQ ID NO:21~29および37からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、SEQ ID NO:21~24および37からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むRSV Fタンパク質またはその変異体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、この場合、ポリペプチドは、参照配列と比較して以下の残基:67I、149C、458C、46G、465Q、215P、92D、および487Qのうちの1つまたは複数を含む。さらなる態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、SEQ ID NO:25~29からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むhMPV Fタンパク質またはその変異体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、この場合、ポリペプチドは、参照配列と比較して以下の残基:113C、120C、339C、160F、177L、185P、および426Cのうちの1つまたは複数を含む。
【0008】
1つの態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、第1ポリペプチドおよび/または第2ポリペプチドとの融合タンパク質として発現される。別の態様において、複数の第1アセンブリーはそれぞれ同一の融合タンパク質を含み、かつ/または複数の第2アセンブリーはそれぞれ同一の融合タンパク質を含む。別の態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、第1ポリペプチドとの融合タンパク質として発現される。1つの態様において、複数の第1アセンブリーはそれぞれ同一の融合タンパク質を含む。別の態様において、複数の第1および/または第2アセンブリーは、第1ポリペプチドおよび/または第2ポリペプチドとの融合タンパク質として発現された、合計で2種以上のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片を含む。1つの態様においては、第1ポリペプチドおよび/または第2ポリペプチドのサブセットのみが、Fタンパク質またはその抗原断片との融合タンパク質を含む。
【0009】
別の態様において、各第1アセンブリーは、第1ポリペプチドのホモ三量体を含む。さらなる態様において、各第2アセンブリーは、第2ポリペプチドのホモ五量体を含む。
【0010】
1つの態様において、1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片は、DS-Cav1のアミノ酸配列 (SEQ ID NO:37) に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列を有するアミノ酸配列を含む。別の態様において、各融合タンパク質は、第1ポリペプチドと1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片との間に配置されたアミノ酸リンカー、ならびに/あるいは第2ポリペプチドと1種または複数種のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質またはその抗原断片との間に配置されたアミノ酸リンカーを含む。1つの態様において、アミノ酸リンカー配列は、1つまたは複数の三量体化ドメインを含む。他の態様において、アミノ酸リンカー配列は、アミノ酸配列
TIFF
2025172875000003.tif
4
128
、アミノ酸配列
TIFF
2025172875000004.tif
4
128
を含むがこれに限定されないGCN4コイルドコイルドメイン、またはGly-Serリンカー、もしくは
TIFF
2025172875000005.tif
4
129
からなる群より選択されるリンカーを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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