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公開番号2025172333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-26
出願番号2024077791
出願日2024-05-13
発明の名称摺動部材及び摺動部材の製造方法
出願人学校法人 名城大学
代理人弁理士法人グランダム特許事務所
主分類C21D 5/00 20060101AFI20251118BHJP(鉄冶金)
要約【課題】鋳鉄を用いた摺動部材において、低摩擦特性を維持ないし向上しつつ、耐摩耗性を向上する。
【解決手段】摺動部材は、鋳鉄からなる基材11を備えている。基材11は、鉄基地13と、鉄基地13の表面よりも外側に一部が存在する黒鉛組織15と、を含む。鉄基地13は、表面において、第1領域と、第1領域よりも硬さが高い第2領域と、を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
鋳鉄からなる基材を備えた摺動部材であって、
前記基材は、鉄基地と、前記鉄基地の表面よりも外側に一部が存在する黒鉛組織と、を含み、
前記鉄基地は、前記表面において、第1領域と、前記第1領域よりも硬さが高い第2領域と、を有する摺動部材。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記第2領域は、レーザーを照射してなるレーザー照射部位の中央に位置する、請求項1に記載の摺動部材。
【請求項3】
前記第2領域のビッカース硬さは、500以上である、請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
【請求項4】
前記黒鉛組織由来の黒鉛皮膜が形成されている、請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
【請求項5】
鉄基地の表面において、黒鉛組織が突出する鋳鉄を準備し、
前記黒鉛組織の突出した部分が消失しない条件にて前記鋳鉄の表面にレーザーを照射して、前記レーザーを照射していない部位よりも硬さが高い領域を形成する摺動部材の製造方法。
【請求項6】
前記鋳鉄の準備において、前記鋳鉄の表面を押圧し、前記鉄基地の表面から前記黒鉛組織を突出させる請求項5に記載の摺動部材の製造方法。
【請求項7】
前記黒鉛組織由来の黒鉛皮膜を形成する、請求項5又は請求項6に記載の摺動部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、摺動部材及び摺動部材の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、摺動面を有する鋳鉄製部材の製造方法が開示されている。この製造方法は、特定の組成を有する鋳鉄製成形品を熱処理炉に導入して、熱処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-105435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鋳鉄は、低摩擦材料として広範の摺動部材に用いられている。鋳鉄を用いた摺動部材において、低摩擦特性を維持ないし向上しつつ、耐摩耗性を向上するための技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、鋳鉄を用いた摺動部材において、低摩擦特性を維持ないし向上しつつ、耐摩耗性を向上することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
鋳鉄からなる基材を備えた摺動部材であって、
前記基材は、鉄基地と、前記鉄基地の表面よりも外側に一部が存在する黒鉛組織と、を含み、
前記鉄基地は、前記表面において、第1領域と、前記第1領域よりも硬さが高い第2領域と、を有する摺動部材。
【図面の簡単な説明】
【0007】
一実施形態の摺動部材の平面図である。
図1の領域R1を拡大して示す拡大図である。
摺動部材の製造方法を説明するための図である。
予備実験1のFCD450のレーザー照射部位の顕微鏡像である。
予備実験1のFCD600のレーザー照射部位の顕微鏡像である。
予備実験1のFC250のレーザー照射部位の顕微鏡像である。
予備実験2の照射時間と動的硬さの関係を示すグラフである。
ローラバニシング前後の試験片の表面の顕微鏡像と断面曲線である。
実施例1、比較例1、比較例2、参考例の摩擦係数の経時変化を示すグラフである。
実施例1、比較例1、比較例2の試験後の試験片(ディスク)と相手材(リング)の摺動面の顕微鏡像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
また、本開示の好ましい例を示す。
[1] 鋳鉄からなる基材を備えた摺動部材であって、
前記基材は、鉄基地と、前記鉄基地の表面よりも外側に一部が存在する黒鉛組織と、を含み、
前記鉄基地は、前記表面において、第1領域と、前記第1領域よりも硬さが高い第2領域と、を有する摺動部材。
[2] 前記第2領域は、レーザーを照射してなるレーザー照射部位の中央に位置する、[1]に記載の摺動部材。
[3] 前記第2領域のビッカース硬さは、500以上である、[1]又は[2]に記載の摺動部材。
[4] 前記黒鉛組織由来の黒鉛皮膜が形成されている、[1]から[3]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[5] 鉄基地の表面において、黒鉛組織が突出する鋳鉄を準備し、
前記黒鉛組織の突出した部分が消失しない条件にて前記鋳鉄の表面にレーザーを照射して、前記レーザーを照射していない部位よりも硬さが高い領域を形成する摺動部材の製造方法。
[6] 前記鋳鉄の準備において、前記鋳鉄の表面を押圧し、前記鉄基地の表面から前記黒鉛組織を突出させる[5]に記載の摺動部材の製造方法。
[7] 前記黒鉛組織由来の黒鉛皮膜を形成する、[5]又は[6]に記載の摺動部材の製造方法。
【0009】
以下、実施形態に係る摺動部材を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
【0010】
摺動部材10は、図1及び図2に示すように、鋳鉄からなる基材11を備えている。摺動部材10の摺動面10Aは、基材11によって構成されている。図1の摺動部材10において、ドット模様を施した範囲が相手材30と摺動する摺動面10Aである。摺動部材10の形状は特に限定されない。例えば、摺動面は、平面を基調とした面であってもよく、円筒の外周面であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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