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公開番号
2025171444
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-20
出願番号
2024076802
出願日
2024-05-09
発明の名称
グリコールエステルの製造方法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C08G
63/91 20060101AFI20251113BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ポリエステル含有材料を原料として、簡便な工程でグリコールエステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】 塩基と、1価アルコールと、カルボン酸エステルと、ポリエステル含有材料とを接触させてポリエステルを分解し、下記一般式(1)及び(2)の少なくともいずれかで表されるグリコールエステルを得る分解工程を含むグリコールエステルの製造方法である。
R
1
-COO-L
1
-OCO-R
2
(1)
R
3
-COO-L
2
-OH (2)
〔前記一般式(1)及び(2)中、R
1
、R
2
、及びR
3
は、各々独立に、1価の炭化水素基であり、L
1
及びL
2
は、各々独立に、2価の炭化水素基である。〕
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
塩基と、1価アルコールと、カルボン酸エステルと、ポリエステル含有材料とを接触させてポリエステルを分解し、下記一般式(1)及び(2)の少なくともいずれかで表されるグリコールエステルを得る分解工程を含むグリコールエステルの製造方法。
R
1
-COO-L
1
-OCO-R
2
(1)
R
3
-COO-L
2
-OH (2)
〔前記一般式(1)及び(2)中、R
1
、R
2
、及びR
3
は、各々独立に、1価の炭化水素基であり、L
1
及びL
2
は、各々独立に、2価の炭化水素基である。〕
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記カルボン酸エステルが、炭素数1~12の脂肪酸アルキルエステルまたは芳香族カルボン酸アルキルエステルである請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項3】
前記カルボン酸エステルが、炭素数1~5の不飽和脂肪酸アルキルエステルである請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項4】
前記カルボン酸エステルが、メタクリル酸エステルである請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項5】
前記塩基が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド及び含窒素有機塩基から選択される1種以上である請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項6】
前記1価アルコールが、炭素数1~6のアルコールである請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項7】
前記ポリエステル含有材料に含有されるポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートからなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項8】
前記ポリエステル含有材料に含有されるポリエステル以外の材料が、綿、レーヨン、ポリウレタン、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、染料、及び顔料からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項9】
前記ポリエステル含有材料が、ポリエステル繊維を含む請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【請求項10】
前記ポリエステル含有材料が、ポリエステルを含むフィルムである請求項1に記載のグリコールエステルの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリコールエステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、海洋汚染に代表される環境破壊への懸念から、プラスチックのリサイクル技術の開発が急務となっている。ポリエステルはボトルや繊維の材料として汎用されており、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、世界で年間約8000万トンが生産されている。ポリエステルのリサイクル技術としては、解重合を経ないマテリアルリサイクル法と、解重合及び再重合を経るケミカルリサイクル法が開発されている。PETボトル等に用いられるポリエステルは、純度の高さから前者の方法が適用し易いものの、ポリエステル繊維、ポリエステルを含むフィルム等の、ポリエステルを含む材料(ポリエステル含有材料)は、その適用が困難である。
【0003】
ポリエステルを解重合する方法として、水や、超臨界アルコールを用いる方法が知られている(特許文献1及び2参照)。しかし、いずれも300℃以上の高温条件を必要とする。一方、塩基触媒とアルコールを用いるエステル交換法では、比較的低温で解重合を達成できる。メタノールを用いる方法では、ハロゲン化溶媒を使用し、炭酸カリウム(非特許文献1参照)やアルカリ金属アルコキシド(特許文献3参照)を用いることで、室温~50℃程度の低温で解重合を達成できる。また、炭酸ジメチルをエチレングリコール捕捉剤とすることで、解重合を効率化する方法が知られている(非特許文献2)。しかし、これらの方法での解重合の対象物は、PETボトル等由来の高純度PETに限られており、それら以外のポリエステル含有材料は、これらの方法では適用されていない。着色したポリエステル繊維の解重合方法として、塩基触媒とエチレングリコールを過剰に用いる方法が知られているが、200℃程度の高温を必要とするほか、高純度のモノマーを得るために、高沸点溶媒による繊維の脱色処理(特許文献4~6参照)や、酸化剤による染料の分解(特許文献7参照)が必要であった。
【0004】
これらの課題を解決する観点から、特許文献8においては、塩基触媒と、1価アルコールと、グリコール捕捉剤としての炭酸ジエステルまたはテトラアルコキシシランとを含む触媒組成物や、これを用いたポリエステルの解重合方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5099416号公報
特開2001-39908号公報
米国特許第10252976号明細書
特許第4537288号公報
特許第5134563号公報
特許第6659919号公報
特許第6986813号公報
特開2022-126617号公報
米国特許第5618973号明細書
【非特許文献】
【0006】
Green Chem.2021,23,511.
Green Chem.2021,23,9412.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年では、資源をより有効活用する観点から、ポリエステルを解重合した際に生成するグリコールを、ポリエステルのリサイクル原料としてだけではなく、他のより高付加価値の化合物を生成する原料としても利用することが検討されている。
例えば、PETを解重合した際に生成するエチレングリコールは、エチレングリコールジアクリレートやエチレングリコールジメタクリレート等のグリコールエステルの原料となる。これらのグリコールエステルは、医薬など幅広い分野で架橋剤として使用される有用なものである。
上記グリコールエステルの製造方法としては、例えば、グリコールエーテル及びカルボン酸を、ベンゼンスルホン酸を触媒として付加反応させる方法が開示されている(特許文献9参照)。
しかし、この方法は、生成物を共沸溶媒により精製する操作などの複雑な操作を必要とし、かつ反応に長時間を要するなどの問題がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ポリエステル含有材料を原料として、簡便な工程でグリコールエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が鋭意検討した結果、塩基と、1価アルコールと、カルボン酸エステルと、ポリエステル含有材料とを接触させてポリエステルを分解し、グリコールエステルを得る分解工程を含むグリコールエステルの製造方法により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]~[11]の態様を提供する。
[1]塩基と、1価アルコールと、カルボン酸エステルと、ポリエステル含有材料とを接触させてポリエステルを分解し、下記一般式(1)及び(2)の少なくともいずれかで表されるグリコールエステルを得る分解工程を含むグリコールエステルの製造方法。
R
1
-COO-L
1
-OCO-R
2
(1)
R
3
-COO-L
2
-OH (2)
〔前記一般式(1)及び(2)中、R
1
、R
2
、及びR
3
は、各々独立に、1価の炭化水素基であり、L
1
及びL
2
は、各々独立に、2価の炭化水素基である。〕
[2]前記カルボン酸エステルが、炭素数1~12の脂肪酸アルキルエステルまたは芳香族カルボン酸アルキルエステルである上記[1]に記載のグリコールエステルの製造方法。
[3]前記カルボン酸エステルが、炭素数1~5の不飽和脂肪酸アルキルエステルである上記[1]又は[2]に記載のグリコールエステルの製造方法。
[4]前記カルボン酸エステルが、メタクリル酸エステルである上記[1]~[3]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[5]前記塩基が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド及び含窒素有機塩基から選択される1種以上である上記[1]~[4]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[6]前記1価アルコールが、炭素数1~6のアルコールである上記[1]~[5]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[7]前記ポリエステル含有材料に含有されるポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートからなる群から選択される1種以上である、上記[1]~[6]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[8]前記ポリエステル含有材料に含有されるポリエステル以外の材料が、綿、レーヨン、ポリウレタン、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、染料、及び顔料からなる群から選択される1種以上である、上記[1]~[7]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[9]前記ポリエステル含有材料が、ポリエステル繊維を含む上記[1]~[8]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[10]前記ポリエステル含有材料が、ポリエステルを含むフィルムである上記[1]~[8]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
[11]前記分解工程の反応温度が、20℃以上180℃未満の範囲内にある上記[1]~[10]のいずれか1に記載のグリコールエステルの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリエステル含有材料を原料として、簡便な工程でグリコールエステルを製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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