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公開番号2025170822
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024075579
出願日2024-05-08
発明の名称ポリアミック酸の製造方法、ポリアミック酸、ポリアミック酸樹脂組成物およびその硬化物
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08G 73/10 20060101AFI20251113BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜などで使用する際に適し、良好な加工性を有する高分子量のポリアミック酸を製造する製造方法であって、有機溶媒を使用しない製造方法、該ポリアミック酸、および樹脂組成物を提供する。
【解決手段】反応溶媒の全体100wt%に対し、水を60~100wt%以下含有する反応溶媒中で、化学式(1)で表される構造単位を有し、重量平均分子量が5万以上、100万以下であるポリイミド(A)に対し、塩基性物質を添加し加水分解させた後、酸性物質を添加し、ポリアミック酸を析出させて分離回収する、ポリアミック酸の製造方法。
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(化学式(1)中、R1は炭素数5~40の4~14価の有機基、R2は炭素数5~40の2~12価の有機基を示し、R3およびR4は、それぞれ独立に、水酸基、スルホン酸基、チオール基を示し、αおよびβは、それぞれ独立に、α+β≧1を満たす、0から10までの整数を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
反応溶媒の全体100wt%に対して、水を60wt%以上100wt%以下含有する反応溶媒中で、化学式(1)で表される構造単位を有し、重量平均分子量が50,000以上、1,000,000以下であるポリイミド(A)に対し、塩基性物質を添加し加水分解反応させた後、酸性物質を添加することで、ポリアミック酸を析出させて分離回収する、ポリアミック酸の製造方法。
TIFF
2025170822000015.tif
35
170
(化学式(1)中、R

は炭素数5~40の4~14価の有機基、R

は炭素数5~40の2~12価の有機基を示し、R

およびR

は、それぞれ独立に、水酸基、スルホン酸基、チオール基を示し、αおよびβは、それぞれ独立に、α+β≧1を満たす、0から10までの整数を示す。)
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
加水分解反応の温度が5℃以上、40℃以下である、請求項1に記載のポリアミック酸の製造方法。
【請求項3】
塩基性物質の添加量が、数式(1)を満たす添加量である、請求項1に記載のポリアミック酸の製造方法。
TIFF
2025170822000016.tif
13
170
(PI

:ポリイミド(A)の理論イミド基物質量、B

:塩基性物質の価数、B

:塩基性物質の物質量)
【請求項4】
前記塩基性物質のpK

が2.0以上、4.5以下である、請求項1に記載のポリアミック酸の製造方法。
【請求項5】
前記加水分解反応の時間が1分以上、1,440分以下である、請求項1に記載のポリアミック酸の製造方法。
【請求項6】
前記化学式(1)中のR

およびR

が水酸基である、請求項1に記載のポリアミック酸の製造方法。
【請求項7】
化学式(2)で表される構造単位を有し、有機溶媒の含有量が1wt%以下であり、重量平均分子量が20,000以上、500,000以下であるポリアミック酸。
TIFF
2025170822000017.tif
35
170
(化学式(2)中、R

は炭素数5~40の4~14価の有機基、R

は炭素数5~40の2~12価の有機基を示し、R

およびR

は、それぞれ独立に、水酸基、スルホン酸基、チオール基を示し、αおよびβは、それぞれ独立に、α+β≧1を満たす、0から10までの整数を示す。)
【請求項8】
イミド化率が60%以下である、請求項7に記載のポリアミック酸。
【請求項9】
有機溶媒の含有量が0.1wt%以下である、請求項7に記載のポリアミック酸。
【請求項10】
化学式(2)中、R

およびR

が、水酸基である、請求項7に記載のポリアミック酸。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒を使用することなく、電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜などで使用する際に適し、良好な加工性を有する高分子量のポリアミック酸を製造する製造方法、該ポリアミック酸、該ポリアミック酸を含む樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリイミドは、高い耐熱性、耐薬品性、さらには優れた機械的性質、電気的性質から、電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜などに使用されている。一方で、ポリイミドは、その高い耐熱性や耐薬品性から、取り扱いが難しい。そのため、ポリイミドを成形する際には、ハンドリング容易なポリイミド前駆体であるポリアミック酸の状態で樹脂注入や、塗布を行った後に、加熱しイミド化させることでポリイミド成型体を得る手法がとられる。
【0003】
ポリアミック酸を製造するための一般的な製法として、N-メチル-2-ピロリドン(以下、NMP)を初めとするアミド系極性有機溶媒中で芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反応させる方法が知られている。しかし、近年、人の健康と環境の保護の観点から、NMPなどの化学物質が製品中に含まれることを忌避する動きが高まっており、よりクリーンかつ、製造過程における廃棄物の少ないポリアミック酸の製造方法が望まれている。これまでのポリアミック酸の製法では、製造に用いたアミド系極性有機溶媒を除くために、重合体回収プロセスにおいてポリアミック酸溶液を大量の水などの貧溶媒に再沈殿させる手法が知られている。特許文献1には、効率的にNMPを除くために、ポリイミド及びポリアミド酸誘導体のNMP反応溶液に、酢酸エチルなどの低沸点溶媒と水を添加して有機層と水層に分離した後、水層を除去することでNMPを除く、という操作を3回程度繰り返し行う方法がポリイミド前駆体の製造方法として開示されている。また、特許文献2、3には、水を反応溶媒として、塩基性化合物存在下に、テトラカルボン酸二無水物と、水溶性ジアミン(25℃の水に対する溶解度が0.1g/L以上)を反応させて、ポリイミド前駆体水溶液を製造方法が開示されている。特許文献4には、ポリイミドを塩基性水溶液中で加水分解し、低分子量化合物に分解させる手法が開示されている。また、非特許文献1では、ポリイミドを塩基性水溶液に添加して、ポリイミド表面をポリアミック酸に変換する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6503341号
特開2012-36382号公報
特開2013-144750号公報
特開2006-124530号公報
【非特許文献】
【0005】
Macromolecules,(米), 1990, Vol. 23, No.7, p.2097-2100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の方法では、この多段階の洗浄工程を経ることで、ポリイミド、及びポリアミック酸中のNMPはガスクロマトグラフィー検出限界以下まで低減しているが、洗浄に用いた有機溶媒はポリイミド、及びポリアミック酸中に残存することになり、環境、安全性、及び健康に関する観点から望ましくない。また、特許文献2、3に記載の方法では、有機溶媒を使用せずポリアミック酸を重合させることができるが、基質は水溶性ジアミンに限られる。さらに、高分子量化が難しく、機械特性に課題が生じる。特許文献4に記載の方法では、一部ポリアミック酸構造のオリゴマーを得ることは可能だが、低分子量化合物に分解させることを目的としているため、得られるオリゴマーは電子部品の表面保護膜や層間絶縁膜などの使用に耐えうる機械特性を有さない。非特許文献1に記載の方法では、ポリイミドが塩基性水溶液に溶解しないため、ポリイミドの表面しかポリアミック酸に変換されない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、次の構成を有する。すなわち、
[1]反応溶媒の全体100wt%に対して、水を60wt%以上、100wt%以下含有する反応溶媒中で、化学式(1)で表される構造単位を有し、重量平均分子量が50,000以上、1,000,000以下であるポリイミド(A)に対し、塩基性物質を添加し加水分解反応させた後、酸性物質を添加することで、ポリアミック酸を析出させて分離回収する、ポリアミック酸の製造方法。
【0008】
TIFF
2025170822000001.tif
35
170
【0009】
(化学式(1)中、R

は炭素数5~40の4~14価の有機基、R

は炭素数5~40の2~12価の有機基を示し、R

およびR

は、それぞれ独立に、水酸基、スルホン酸基、チオール基を示し、αおよびβは、それぞれ独立に、α+β≧1を満たす、0から10までの整数を示す。)
[2]加水分解反応の温度が5℃以上、40℃以下である、[1]に記載のポリアミック酸の製造方法。
【0010】
[3]塩基性物質の添加量が、数式(1)を満たす添加量である、[1]または[2]に記載のポリアミック酸の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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