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公開番号
2025163719
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-30
出願番号
2024067180
出願日
2024-04-18
発明の名称
脈拍数の推定方法、トレーニング方法、運動指示装置、及び脈拍数の推定システム
出願人
株式会社ファンケル
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
A61B
5/145 20060101AFI20251023BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】従来のRamp負荷の場合と比較して、運動時間の短い
ST又はST2における脈拍数
の推定方法と推定システム、この推定方法で推定した
脈拍数
を指標として運動を行うトレーニング方法、個人の
ST又はST2における脈拍数
を指標として運動強度を指示することのできる運動指示装置と運動指示システムを提供すること。
【解決手段】被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、SpO
2
の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する屈曲点を決定し、これらを元に
ST又はST2における脈拍数
を推定する
脈拍数
の推定方法と、この推定方法が実現可能な推定システム、ならびに、この推定方法を利用したトレーニング方法と運動指示装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、血中酸素濃度(SpO
2
)の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する最初の屈曲点を決定し、
この下降開始点または最初の屈曲点における運動強度を、前記被験者の最適運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、血中酸素濃度(SpO
2
)と同時に脈拍数を測定し、
請求項1に記載の方法により推定される最適運動強度を超えて、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する第二の屈曲点を決定する工程を有し、
前記第二の屈曲点における運動強度を、前記被験者の上限運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の推定方法で推定した運動強度を指標として、運動を行うことを特徴とするトレーニング方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の推定方法で推定した運動強度における生体情報値を記憶する記憶手段と、
前記生体情報値を測定可能な測定手段と、
前記測定手段で測定した生体情報値と、前記運動強度における生体情報値とを対比して、運動強度を算出する演算手段と、
前記演算手段で算出された運動強度を指示する指示手段と、
を有することを特徴とする運動指示装置。
【請求項5】
前記測定手段が、血中酸素濃度の測定が可能であり、
前記指示手段が、前記測定手段からの生体情報値に関する情報に基づいて運動負荷量を指示することが可能であり、
前記演算手段が、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えたときに、血中酸素濃度の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する屈曲点を算出することが可能であることを特徴とする請求項4に記載の運動指示装置。
【請求項6】
ウェアラブル端末であることを特徴とする請求項4に記載の運動指示装置。
【請求項7】
血中酸素濃度(SpO
2
)と脈拍数を測定する測定部と、
脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷である運動負荷量を指示する指示部と、
前期固定負荷を2分以上10分以下与えたときに、血中酸素濃度の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する最初の屈曲点を算出する演算部と、
を有し、
前記下降開始点または最初の屈曲点における運動強度を、最適運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定システム。
【請求項8】
前記最適運動強度を超えて、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する第二の屈曲点を上限運動強度であると推定する請求項7に記載の運動強度の推定システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動強度の推定方法、トレーニング方法、運動指示装置、及び運動強度の推定システムに関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
筋力、心肺能力等の体力が高いほど健康度と生存率が高く、死亡率が低いことが、多くの報告で明らかとなっている(非特許文献1)。筋力、心肺能力等の体力を向上させるためには、中強度以上の運動をする必要があり、例えば、強度が不足する運動を継続しても体力は向上しない。個人ごとに中強度となる運動は異なるが、無酸素性作業閾値(AT)は、すべての人で中強度の運動となることが知られている。なお、「無酸素性作業閾値」とは、「運動の強さを増していくとき、筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり、血液中の乳酸が急激に増加し始める強度の値。」を意味する(例えば、厚生労働省HP e-ヘルスネット参照)。
【0003】
また、ATより強度な運動強度の基準として、代謝性アシドーシスが原因で著しい過呼吸が発生する前に持続できる上限の運動強度である呼吸性代償開始点(RCP)がある。AT以上の運動強度により血中の二酸化炭素の増加率が一段と高くなるが、さらに運動強度を増加させると、それに伴い血中の二酸化炭素濃度も並行して上昇していく。この運動強度の増加に並行して増加した血中の二酸化炭素を、呼吸回数を増加させて積極的に排出し始める開始点がRCPである。RCPを上限とするAT~RCPの範囲内、かつ、RCPでの運動強度の80~95%程度の強度の運動を行うことで、スポーツ選手等の非常に高いレベルでの運動能力を欲する者にとって、効率的に、身体能力を向上できることが知られている。
【0004】
ATやRCPを測定するには、心肺運動負荷試験を行う必要がある。心肺運動負荷試験とは、徐々に強くなる運動負荷(Ramp負荷)を与えながら、呼気分析機器を用いて酸素摂取量や二酸化炭素排出量を測定するものである(非特許文献2 22頁 「3.心肺運動負荷試験」参照)。従来、ATやRCPを測定するには、指導者の監視と指導の元で、呼気ガス測定装置と接続したマウスピースを通じて呼吸を行いながら動けなくなる寸前まで運動する必要があり、特殊な機器が必要であるため、病院や体育系大学、研究機関等でしか実施できなかった。
本出願人は、Ramp負荷を与えながら異なる運動負荷量毎に測定した血中酸素濃度(SpO
2
)の測定値から、ATに相当する最適運動強度を推定する方法(特許文献1)、RCPに相当する上限運動強度を推定する方法(特許文献2)を提案している。この方法により、従来と比較して非常に簡便に個人の運動強度を推定することができる。さらに、本出願人は、血中酸素濃度と心拍数との測定が可能な血中酸素濃度測定プローブを提案している(特許文献3)。また、本出願人は、SpO
2
の測定値により推定した運動強度に使用をする商標として、酸素飽和度性作業閾値(SpO
2
Threshold)の登録商標を取得しており、以下、最適運動強度を「ST」と上限運動強度を「ST2」とも言う。なお、本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6990333号
特許第7256328号
特許第7425272号
【非特許文献】
【0006】
D.Z.H.Levett et al.,“Perioperative cardiopulmonary exercise testing (CPET): consensus clinical guidelines on indications, organization, conduct, and physiological interpretation”,British Journal of Anaesthesia,Volume 120,Issue 3,March 2018,Pages 484-500
日本循環器学会ガイドライン、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021年改訂版)」、https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
呼気ガス分析、血中酸素濃度測定のいずれにしても、従来、運動強度を測定するには徐々に強くなるRamp負荷による運動が必要であり、運動時間は15~20分程度が必要である。
本発明は、従来のRamp負荷の場合と比較して、運動時間の短い運動強度の推定方法と推定システム、この推定方法で推定した運動強度を指標として運動を行うトレーニング方法、個人の運動強度を指標として運動強度を指示することのできる運動指示装置と運動指示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
1. 被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、血中酸素濃度(SpO
2
)の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する最初の屈曲点を決定し、
この下降開始点または最初の屈曲点における運動強度を、前記被験者の最適運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定方法。
2. 被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、血中酸素濃度(SpO
2
)と同時に脈拍数を測定し、
1.に記載の方法により推定される最適運動強度を超えて、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する第二の屈曲点を決定する工程を有し、
前記第二の屈曲点における運動強度を、前記被験者の上限運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定方法。
3. 1.または2.に記載の推定方法で推定した運動強度を指標として、運動を行うことを特徴とするトレーニング方法。
4. 1.または2.に記載の推定方法で推定した運動強度における生体情報値を記憶する記憶手段と、
前記生体情報値を測定可能な測定手段と、
前記測定手段で測定した生体情報値と、前記運動強度における生体情報値とを対比して、運動強度を算出する演算手段と、
前記演算手段で算出された運動強度を指示する指示手段と、
を有することを特徴とする運動指示装置。
5. 前記測定手段が、血中酸素濃度の測定が可能であり、
前記指示手段が、前記測定手段からの生体情報値に関する情報に基づいて運動負荷量を指示することが可能であり、
前記演算手段が、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えたときに、血中酸素濃度の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する屈曲点を算出することが可能であることを特徴とする4.に記載の運動指示装置。
6. ウェアラブル端末であることを特徴とする4.または5.に記載の運動指示装置。
7. 血中酸素濃度(SpO
2
)と脈拍数を測定する測定部と、
脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷である運動負荷量を指示する指示部と、
前期固定負荷を2分以上10分以下与えたときに、血中酸素濃度の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する最初の屈曲点を算出する演算部と、
を有し、
前記下降開始点または最初の屈曲点における運動強度を、最適運動強度であると推定することを特徴とする運動強度の推定システム。
8. 前記最適運動強度を超えて、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する第二の屈曲点を上限運動強度であると推定する7.に記載の運動強度の推定システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、2~10分の運動時間で運動強度を推定することができる。スポーツチームのメンバーや体育大学生等、多人数の運動強度を測定する場合に、一人当たりの測定時間を短くすることができるため、1日に測定できる人数を増やすことができる。
Ramp負荷による運動は、体力・筋力的には限界を迎えていないが、徐々に強くなる運動強度に対して心理的に限界を感じて運動継続を止めてしまう場合があり、正確に測定できていない可能性を排除できなかった。本発明は、固定負荷による運動を一定時間行えば良いため、途中で運動継続を諦めてしまい真の運動強度が推定できない場合を減らすことができる。
本発明は、2~10分の固定負荷の運動により運動強度を求めることができるため、従来の方法と比較して頻繁に運動強度を知ることができる。本発明により、自身の運動強度を頻繁に求めることができるため、健康を意識して生活に運動習慣を取り入れている人や、高いパフォーマンスを必要とするプロスポーツ選手やトップアマチュア選手等にとって、非常に画期的な発明である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
・推定方法と推定システム
本発明の第一の方法である最適運動強度の推定方法は、
被験者に、脈拍数が最大心拍数の75%以上90%以下となる固定負荷を2分以上10分以下与えながら、血中酸素濃度(SpO
2
)の測定値が下降傾向を示し始める下降開始点、または、血中酸素濃度を脈拍数で除した値(SpO
2
/脈拍数)の挙動が変化する屈曲点を決定し、
この下降開始点または屈曲点における運動強度を、前記被験者の最適運動強度であると推定することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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