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公開番号2025162367
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-27
出願番号2024065632
出願日2024-04-15
発明の名称水素ガスの供給方法及び水素ガスの供給システム
出願人株式会社三井E&S
代理人個人,個人,個人
主分類F17C 5/06 20060101AFI20251020BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】低圧であっても高圧であっても安定して水素圧縮でき、信頼性に優れる水素ガスの供給方法及び水素ガスの供給システムを提供すること。
【解決手段】水素ガスを供給先の必要圧力に応じて供給する際に、該必要圧力が低圧領域から高圧領域へと変化していく過程で、低圧領域の場合に、供給される該水素ガスをピストンクランク式圧縮機1により低圧圧縮を行い、高圧領域の場合に、供給される該水素ガスを油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機2により高圧圧縮を行うことを特徴とする水素ガスの供給方法及び供給システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素ガスを供給先の必要圧力に応じて供給する際に、該必要圧力が低圧領域から高圧領域へと変化していく過程で、
前記低圧領域の場合に、供給される該水素ガスをピストンクランク式圧縮機により低圧圧縮を行い、
前記高圧領域の場合に、供給される該水素ガスを油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機により高圧圧縮を行うことを特徴とする水素ガスの供給方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
圧縮機からの水素ガスの供給先は、水素ステーションにおける、蓄圧器、又は移動体の水素貯蔵タンクであることを特徴とする請求項1記載の水素ガスの供給方法。
【請求項3】
前記水素貯蔵タンクへの充填方式は、前記圧縮機からの直充填方式又は前記蓄圧器からの差圧充填方式、あるいは前記直充填方式及び前記差圧充填方式であることを特徴とする請求項2記載の水素ガスの供給方法。
【請求項4】
前記供給先の必要圧力の前記低圧領域は、上限値が40~50MPaの任意の値となる領域であり、前記高圧領域は、前記低圧領域の上限値の任意の値より大きく100MPa以下の領域であることを特徴とする請求項1記載の水素ガスの供給方法。
【請求項5】
前記ピストンクランク式圧縮機の駆動モータと、前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動モータとを1台の駆動モータで共用することを特徴とする請求項1記載の水素ガスの供給方法。
【請求項6】
前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動をON-OFFを制御するクラッチを設けることを特徴とする請求項5記載の水素ガスの供給方法。
【請求項7】
前記ピストンクランク式圧縮機と、前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機とを一体搭載すると共に共通する補機類を共有化して同一のスキッド上に収まるサイズのユニットに構成することを特徴とする請求項1記載の水素ガスの供給方法。
【請求項8】
前記水素貯蔵タンクに供給可能な水素ガス流量は、400Nm

/Hr~1200Nm

/Hrであることを特徴とする請求項1記載の水素ガスの供給方法。
【請求項9】
水素ガスを、供給先の必要圧力に応じて供給する際に、該必要圧力が低圧領域から高圧領域へと変化していく過程で、前記低圧領域と前記高圧領域で圧縮する圧縮機を使い分ける水素ガスの供給システムであり、
前記低圧領域の場合には、供給される該水素ガスをピストンクランク式圧縮機により低圧圧縮を行い、
前記高圧領域の場合に、供給される該水素ガスを油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機により高圧圧縮を行うことを特徴とする水素ガスの供給システム。
【請求項10】
水素ガスの圧縮機による供給先は、水素ステーションにおける、蓄圧器、又は移動体の水素貯蔵タンクであることを特徴とする請求項9記載の水素ガスの供給システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスの供給方法及び水素ガスの供給システムに関し、詳しくは、低圧であっても高圧であっても安定して水素圧縮でき、顧客の迅速な水素充填の要望を満足できる水素ガスの供給方法及び水素ガスの供給システムに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、水素ガスを動力源とする燃料電池自動車(FCV :Fuel Cell Vehicle)の開発が進み、実用化の段階に至ろうとしている。燃料電池自動車の水素タンクへの水素ガスの供給は、ガソリン自動車へのガソリンの供給をガソリンスタンドで行うのと同様に、水素を充填する水素ステーションにおいて行われる。
【0003】
この水素ステーションには、水素製造装置を備えてその装置で製造した水素を供給するオンサイト型水素ステーションもあるが、設備コストを安くする上では、外部で製造した水素を複数のガス容器(赤色)を組み込んだカードルを水素供給源とするオフサイト型水素ステーションがある。
【0004】
特許文献1には、高圧の水素ガスを製造する場合には油圧ブースター型圧縮機を用いて例えば82MPaを超える圧力に昇圧して蓄圧器に蓄圧し、また中圧の水素ガスを製造する場合には油圧ブースター型圧縮機を用いて例えば40MPaに昇圧して蓄圧器に蓄圧して使用する手法が開示されている。
しかし、油圧式圧縮機は、作動油の油圧力によりピストンを駆動する機構であり、油圧作動油のシーリング等の制限から、クランク機構を持つピストンクランク式圧縮機に比べ最大サイクル数が小さい。そのためピストンクランク式に比べ、低圧から高圧への昇圧においては圧縮機1台あたりの流量が少なくなる欠点がある。
【0005】
特許文献2には、クランク式圧縮機を用いて5段圧縮する手法が開示され、具体的には、クランク式回転駆動部の周りに半径方向に放射状に延びるシリンダを有し、そのシリンダ内に各々ピストンを備えており、5段圧縮により、0.6MPaから145.8MPaまで昇圧している。
ピストンクランク式は、サイクル数を多くとれることから低圧からの圧縮において大流量を圧縮できる。水素ステーションにおいては、80MPa以上の超高圧圧縮が実施されている。
【0006】
特許文献3においても50MPa以上の高圧においてクランク式圧縮機が用いられており、この種の水素ステーションにおいては、50MPa以上の高圧にもクランク式圧縮機を用いることがあるが、本発明者の検討によれば、超高圧圧縮化により、低圧圧縮に比べ摩耗部品の寿命低下や信頼性低下が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-139378号公報
特開2016-183684号公報
特開2023-67967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、低圧であっても高圧であっても安定して水素圧縮でき、信頼性に優れる水素ガスの供給方法及び水素ガスの供給システムを提供することを課題とする。
さらに本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
【0010】
1.
水素ガスを供給先の必要圧力に応じて供給する際に、該必要圧力が低圧領域から高圧領域へと変化していく過程で、
前記低圧領域の場合に、供給される該水素ガスをピストンクランク式圧縮機により低圧圧縮を行い、
前記高圧領域の場合に、供給される該水素ガスを油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機により高圧圧縮を行うことを特徴とする水素ガスの供給方法。
2.
圧縮機からの水素ガスの供給先は、水素ステーションにおける、蓄圧器、又は移動体の水素貯蔵タンクであることを特徴とする前記1記載の水素ガスの供給方法。
3.
前記水素貯蔵タンクへの充填方式は、前記圧縮機からの直充填方式又は前記蓄圧器からの差圧充填方式、あるいは前記直充填方式及び前記差圧充填方式であることを特徴とする前記2記載の水素ガスの供給方法。
4.
前記供給先の必要圧力の前記低圧領域は、上限値が40~50MPaの任意の値となる領域であり、前記高圧領域は、前記低圧領域の上限値の任意の値より大きく100MPa以下の領域であることを特徴とする前記1記載の水素ガスの供給方法。
5.
前記ピストンクランク式圧縮機の駆動モータと、前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動モータとを1台の駆動モータで共用することを特徴とする前記1記載の水素ガスの供給方法。
6.
前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動をON-OFFを制御するクラッチを設けることを特徴とする前記5記載の水素ガスの供給方法。
7.
前記ピストンクランク式圧縮機と、前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機とを一体搭載すると共に共通する補機類を共有化して同一のスキッド上に収まるサイズのユニットに構成することを特徴とする前記1記載の水素ガスの供給方法。
8.
前記水素貯蔵タンクに供給可能な水素ガス流量は、400Nm

/Hr~1200Nm

/Hrであることを特徴とする前記1記載の水素ガスの供給方法。
9.
水素ガスを、供給先の必要圧力に応じて供給する際に、該必要圧力が低圧領域から高圧領域へと変化していく過程で、前記低圧領域と前記高圧領域で圧縮する圧縮機を使い分ける水素ガスの供給システムであり、
前記低圧領域の場合には、供給される該水素ガスをピストンクランク式圧縮機により低圧圧縮を行い、
前記高圧領域の場合に、供給される該水素ガスを油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機により高圧圧縮を行うことを特徴とする水素ガスの供給システム。
10.
水素ガスの圧縮機による供給先は、水素ステーションにおける、蓄圧器、又は移動体の水素貯蔵タンクであることを特徴とする前記9記載の水素ガスの供給システム。
11.
前記水素貯蔵タンクへの充填方式は、前記圧縮機からの直充填方式又は前記蓄圧器を介した差圧充填方式、あるいは前記直充填方式及び前記差圧充填方式の併用であることを特徴とする前記10記載の水素ガスの供給システム。
12.
前記供給先の必要圧力の前記低圧領域は、上限値が40~50MPaの任意の値となる領域であり、前記高圧領域は、前記低圧領域の上限値の任意の値より大きく100MPa以下の領域であることを特徴とする前記9記載の水素ガスの供給システム。
13.
前記ピストンクランク式圧縮機の駆動モータと、前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動モータとが1台の駆動モータで共用することを特徴とする前記9載の水素ガスの供給システム。
14.
前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機の駆動をON-OFFを制御するクラッチを設けることを特徴とする前記13記載の水素ガスの供給システム。
15.
前記ピストンクランク式圧縮機と前記油圧式圧縮機又はダイアフラム式圧縮機とを一体搭載すると共に共通する補機類を共有化して、同一スキッド上に収まるサイズの圧縮機ユニットに構成することを特徴とする前記9記載の水素ガスの供給システム。
16.
前記水素貯蔵タンクに供給可能な水素ガス流量は、400Nm

/Hr~1200Nm

/Hrであることを特徴とする前記9記載の水素ガスの供給システム。
17.
電動機(100)の駆動軸(101)に設けられた電動機用プーリ(102)と、
ピストンクランク式圧縮機(1)のピストンクランク式圧縮機側駆動軸(107)に設けられたピストンクランク式圧縮機用プーリ(103)と、
油圧式圧縮機(2)の油圧式圧縮機側駆動軸(108)に設けられた油圧式圧縮機用プーリ(105)とを備え、
前記電動機用プーリ(102)と、ピストンクランク式圧縮機用プーリ(103)とが、ピストンクランク式圧縮機用ベルト(104)を介して、回転可能に接続され、
前記電動機用プーリ(102)と、油圧式圧縮機用プーリ(105)とが、油圧式圧縮機用ベルト(106)を介して回転可能に接続されており、
ピストンクランク式圧縮機(1)は、電動機の駆動により駆動軸が回転することによって、クランクシャフトを介してピストンの直線往復動に変換され、シリンダ内のピストン上方に充填された水素ガスを圧縮する構造を備えると共に、
油圧式圧縮機(2)は、電動機の駆動により駆動軸が回転することによって、油圧ポンプを駆動し、駆動した該油圧ポンプのポンプ圧によるピストンの往復動に変換され、ピストンの往復動により、シリンダ内に充填された水素ガスを圧縮する構造を備えることを特徴とする前記9記載の水素ガスの供給システム。
18.
前記ピストンクランク式圧縮機(1)の低圧圧縮を経由して高圧水素圧縮を行う前記油圧式圧縮機(2)の吸込側に至り、前記油圧式圧縮機(2)に至る配管系統(110)と、前記ピストンクランク式圧縮機(1)を経由して前記油圧式圧縮機(2)の吸込側に入ることなく、前記油圧式圧縮機(2)を迂回して油圧式圧縮機(2)の吐出側に至る分岐配管系統(111)をそれぞれ設け、
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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