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公開番号2025154373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057326
出願日2024-03-29
発明の名称化合物及びその製造方法、固体電解質並びに蓄電デバイス
出願人東亞合成株式会社,国立大学法人 名古屋工業大学
代理人個人,個人
主分類C01G 35/00 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】高いイオン伝導性を示し、かつ濃色の添加剤を配合した場合に添加剤の混合度合いを目視により確認可能なハロゲン系化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)を満たし、かつ非晶質相の質量分率が10%以上である化合物とする。式(1)中、α及びβは、それぞれ独立して0より大きい値であり、γは0以上であって6より小さい値であり、Dはアルカリ金属元素であり、Mはアルカリ金属元素以外の金属陽イオンとなる元素を含み、Xはハロゲン元素であり、Aは2種類以上の元素を含む多原子陰イオンとなる原子団である。
DαMβX6-γAγ …(1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)を満たし、かつ非晶質相の質量分率が10%以上である、化合物。

α

β

6-γ

γ
…(1)
(式(1)中、α及びβは、それぞれ独立して0より大きい値であり、γは0以上であって6より小さい値であり、Dはアルカリ金属元素であり、Mはアルカリ金属元素以外の金属陽イオンとなる元素を含み、Xはハロゲン元素であり、Aは2種類以上の元素を含む多原子陰イオンとなる原子団である。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
上記式(1)中のDがNaである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記アルカリ金属以外の金属陽イオンとなる元素のイオン半径をr

[Å]としたとき、0.4≦r

≦0.9を満たす、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
上記式(1)中のMが、Ta、Zr、Hf、Ge、Ga及びScよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
上記式(1)中のAが酸素原子を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
上記式(1)中のAが、無機多原子陰イオンとなる原子団を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
上記式(1)中のAのイオン半径をr

[Å]としたとき、0.9≦r

≦2.7を満たす、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
上記式(1)中のXがCl(塩素)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
下記式(2)を満たす、請求項1に記載の化合物。
Na
1+y1+2×(y2)+3×(y3)+z1+2×(z2)+3×(z3)
Ta
1-y1-y2-y3
M1
y1
M2
y2
M3
y3
Cl
6-z1-z2-z3
A1
z1
A2
z2
A3
z3
…(2)
(式(2)中、y1、y2、y3、z1、z2及びz3はそれぞれ独立して0以上の値であり、M1は4価の金属陽イオンとなる元素であり、M2は3価の金属陽イオンとなる元素であり、M3は2価の金属陽イオンとなる元素であり、A1は2種類以上の元素を含む2価の多原子陰イオンとなる原子団であり、A2は2種類以上の元素を含む3価の多原子陰イオンとなる原子団であり、A3は2種類以上の元素を含む4価の多原子陰イオンとなる原子団であり、0<y1+y2+y3<1かつ0≦z1+z2+z3<6を満たす。)
【請求項10】
25℃におけるイオン伝導度が0.30mS/cm以上である、請求項1に記載の化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物及びその製造方法、固体電解質並びに蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
蓄電デバイスとしては、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の各種二次電池や、電気二重層キャパシタ等といった様々なデバイスが実用化されている。中でも、リチウムイオン二次電池(LIB)は、高いエネルギー密度や電池容量を有する点において広範な用途で利用されている。
【0003】
蓄電デバイスとして広く用いられているリチウムイオン二次電池は、負極、正極及び電解質を有し、電解質を介して両極間でリチウムイオンを移動させることによって充放電を行う二次電池である。電解質としては、従来、非水電解液が主に用いられている。しかしながら、非水電解液は可燃性の有機溶媒を含むことから、電解液の液漏れや、過充電・過放電による電池内部での短絡が生じる懸念がある。これらの点に鑑み、従来、非水電解液に代えて、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池の検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
その一方で、全固体リチウムイオン二次電池の原料となるリチウムは、原材料の価格高騰や枯渇問題等が危惧されている。そこで近年、レアメタルであるリチウムに替わる元素を使用するポストリチウムイオン二次電池として、資源量が豊富でかつ安価なナトリウムを用い、ナトリウムイオンの移動によって充放電を行うナトリウムイオン二次電池(SIB)の検討が種々進められている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-49975号公報
国際公開第2019/003846号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イオン伝導性を有する固体電解質としては、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質、ハロゲン系固体電解質等が知られている。これらのうち、ハロゲン系固体電解質は、高いイオン伝導性及び塑性変形性を有することから、全固体電池の電解質材料への適用が期待されている。しかしながら、全固体電池の実用化を図る観点において、従来のハロゲン系固体電解質はイオン伝導性が未だ十分でなく、更なる改善の余地がある。特に、LIBやSIB等の二次電池の高容量化及び高出力化を実現するために、高いイオン伝導度を発現可能な新たな固体電解質材料が必要である。
【0007】
また、従来のハロゲン系固体電解質は黒色になることがある。かかる場合、ハロゲン系固体電解質に濃色の添加剤(例えば活物質)を配合して電極層を作製する際に、ハロゲン系固体電解質に添加剤を配合したことや、添加剤の混ざり具合を作業者が目視で確認することが困難である。今後、固体電解質を用いた蓄電デバイスの普及が期待される中、黒色のハロゲン系固体電解質は使い勝手が良いとはいえず、また作業効率の低下を招くことが懸念される。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高いイオン伝導性を示し、かつ濃色の添加剤を配合した場合に添加剤の混合度合いを目視により確認可能なハロゲン系化合物を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ハロゲン元素を構成成分として有する特定の無機化合物において非晶質相の比率を制御することにより、良好なイオン伝導性を示す淡色のハロゲン系化合物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明によれば、以下の化合物及びその製造方法、固体電解質並びに蓄電デバイスが提供される。
【0010】
〔1〕 下記式(1)を満たし、かつ非晶質相の質量分率が10%以上である化合物。

α

β

6-γ

γ
…(1)
(式(1)中、α及びβは、それぞれ独立して0より大きい値であり、γは0以上であって6より小さい値であり、Dはアルカリ金属元素であり、Mはアルカリ金属元素以外の金属陽イオンとなる元素を含み、Xはハロゲン元素であり、Aは2種類以上の元素を含む多原子陰イオンとなる原子団である。)
〔2〕 上記式(1)中のDがNaである、〔1〕に記載の化合物。
〔3〕 前記アルカリ金属以外の金属陽イオンとなる元素のイオン半径をr

[Å]としたとき、0.4≦r

≦0.9を満たす、〔1〕又は〔2〕に記載の化合物。
〔4〕 上記式(1)中のMが、Ta、Zr、Hf、Ge、Ga及びScよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化合物。
〔5〕 上記式(1)中のAが酸素原子を有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の化合物。
〔6〕 上記式(1)中のAが、無機多原子陰イオンとなる原子団を含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の化合物。
〔7〕上記式(1)中のAのイオン半径をr

[Å]としたとき、0.9≦r

≦2.7を満たす、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の化合物。
〔8〕 上記式(1)中のXがCl(塩素)である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の化合物。
〔9〕 下記式(2)を満たす、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の化合物。
Na
1+y1+2×(y2)+3×(y3)+z1+2×(z2)+3×(z3)
Ta
1-y1-y2-y3
M1
y1
M2
y2
M3
y3
Cl
6-z1-z2-z3
A1
z1
A2
z2
A3
z3
…(2)
(式(2)中、y1、y2、y3、z1、z2及びz3はそれぞれ独立して0以上の値であり、M1は4価の金属陽イオンとなる元素であり、M2は3価の金属陽イオンとなる元素であり、M3は2価の金属陽イオンとなる元素であり、A1は2種類以上の元素を含む2価の多原子陰イオンとなる原子団であり、A2は2種類以上の元素を含む3価の多原子陰イオンとなる原子団であり、A3は2種類以上の元素を含む4価の多原子陰イオンとなる原子団であり、0<y1+y2+y3<1かつ0≦z1+z2+z3<6を満たす。)
〔10〕 25℃におけるイオン伝導度が0.30mS/cm以上である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の化合物。
〔11〕 〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の化合物の製造方法であって、上記式(1)中のD、M、X及びAのうち1種又は2種以上の元素を一成分中に含む複数の供給成分を、上記式(1)に示される組成の化学量論比を満たすように秤量する工程と、前記秤量した複数の供給成分を、冷却媒体による冷却下で粉砕する工程と、
を含む、化合物の製造方法。
〔12〕 〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の化合物を含む、固体電解質。
〔13〕 〔12〕に記載の固体電解質を備える、蓄電デバイス。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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