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公開番号2025152093
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053830
出願日2024-03-28
発明の名称撥水性繊維製品の製造方法
出願人日華化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D06M 15/507 20060101AFI20251002BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】優れた撥水性を有する繊維製品を製造する方法を提供する。
【解決手段】繊維材料に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させること、及び前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記繊維材料に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、を含む、撥水性繊維製品の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
繊維材料に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させること、及び
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記繊維材料に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、
を含む、撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記ポリエステル共重合体が、ジカルボン酸単位と、ジオール単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位が、スルホン酸基及びスルホン酸塩基のうちの一方又は両方を有するジカルボン酸に由来する単位、並びに、トリカルボン酸に由来する単位、のうちの少なくとも1種を、5モル%以上30モル%以下含み、前記ジオール単位が、分子量48以上900以下のジオールに由来し、かつ、
前記ポリエステル共重合体における前記ジカルボン酸単位の分子内含有比率が、50質量%以上75質量%以下である、
撥水性繊維製品の製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
ポリエステル系繊維に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させること、及び
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記ポリエステル系繊維に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、
を含む、撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させる方法が、
ポリエステル系繊維に対して、染色処理を行うこと、
前記染色処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、染色液と同浴又は別浴で、ソーピング処理を行うこと、及び
前記ソーピング処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、湯洗処理及び水洗処理のうちの一方又は両方の洗浄処理を行うこと、
を含み、
前記ソーピング処理に用いられるソーピング液、及び、前記洗浄処理に用いられる洗浄液、のうちの一方又は両方が、前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を含み、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体が、ジカルボン酸単位と、ジオール単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位が、スルホン酸基及びスルホン酸塩基のうちの一方又は両方を有するジカルボン酸に由来する単位、並びに、トリカルボン酸に由来する単位、のうちの少なくとも1種を、5モル%以上30モル%以下含み、
前記ジオール単位が、分子量48以上900以下のジオールに由来し、かつ、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体における前記ジカルボン酸単位の分子内含有比率が、50質量%以上75質量%以下である、
撥水性繊維製品の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記染色処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、前記染色液と同浴で、前記ソーピング処理を行うこと、を含み、
前記染色処理に用いられる前記染色液が、前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を含み、かつ
前記染色液に含まれる前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体の少なくとも一部が、前記ソーピング液に含まれる前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体の少なくとも一部として利用される、
撥水性繊維製品の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記染色処理後の前記アニオン性基を有するポリエステル系繊維に対して、前記染色液と同浴で、前記アニオン性基を有するソーピング処理を行うこと、を含み、かつ
前記ソーピング処理に用いられる前記ソーピング液が、前記染色処理後の前記染色液に対して、少なくとも前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を添加することによって調製されたものである、
撥水性繊維製品の製造方法。
【請求項5】
前記非フッ素系撥水成分が、アクリル系化合物、シリコーン系化合物、ワックス系化合物、ウレタン系化合物、及び、デンドリマー系化合物のうちの少なくとも1種である、
請求項1~4のいずれかに記載の撥水性繊維製品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は撥水性繊維製品の製造方法を開示する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
フッ素含有基を有するフッ素系撥水剤が知られている。繊維製品等の物品をフッ素系撥水剤で処理することにより、当該物品に優れた撥水性を付与することができる。フッ素系撥水剤は、一般にフルオロアルキル基を有する単量体を重合又は共重合させることにより製造される。十分な撥水性を発現するためにはフルオロアルキル基の配向性を整える必要があり、通常、物品にフッ素系撥水剤を付着させた後に130℃を超える温度で熱処理が施される。しかしながら、このような熱処理を行うことは、省エネルギー化の観点からは望ましくない。また、フルオロアルキル基を有する単量体は、高価であるだけでなく、難分解性であるため環境への負荷が大きい。このような事情から、近年、フッ素を含まない非フッ素系撥水剤を用いて繊維製品等の物品を処理することにより、当該物品に優れた撥水性を付与する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、従来のフッ素系撥水剤と比べて遜色ない撥水性を与えることを目的として、特定の非フッ素ポリマーを乳化分散した撥水剤が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-328624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される従来の非フッ素系撥水剤であっても、繊維製品に撥水性を付与する性能は未だ十分ではない。また、撥水性繊維製品には屋外での使用や洗濯等で撥水性が低下しにくい耐久性(耐久撥水性)も求められるが、この点においても上記従来の非フッ素系撥水剤は未だ十分ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
繊維材料に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させること、及び
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記繊維材料に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、
を含む、撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記ポリエステル共重合体が、ジカルボン酸単位と、ジオール単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位が、スルホン酸基及びスルホン酸塩基のうちの一方又は両方を有するジカルボン酸に由来する単位、並びに、トリカルボン酸に由来する単位、のうちの少なくとも1種を、5モル%以上30モル%以下含み、前記ジオール単位が、分子量48以上900以下のジオールに由来し、かつ、
前記ポリエステル共重合体における前記ジカルボン酸単位の分子内含有比率が、50質量%以上75質量%以下である、
撥水性繊維製品の製造方法。
<態様2>
ポリエステル系繊維に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させること、及び
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記ポリエステル系繊維に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、
を含む、撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させる方法が、
ポリエステル系繊維に対して、染色処理を行うこと、
前記染色処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、染色液と同浴又は別浴で、ソーピング処理を行うこと、及び
前記ソーピング処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、湯洗処理及び水洗処理のうちの一方又は両方の洗浄処理を行うこと、
を含み、
前記ソーピング処理に用いられるソーピング液、及び、前記洗浄処理に用いられる洗浄液、のうちの一方又は両方が、前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を含み、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体が、ジカルボン酸単位と、ジオール単位とを含み、
前記ジカルボン酸単位が、スルホン酸基及びスルホン酸塩基のうちの一方又は両方を有するジカルボン酸に由来する単位、並びに、トリカルボン酸に由来する単位、のうちの少なくとも1種を、5モル%以上30モル%以下含み、
前記ジオール単位が、分子量48以上900以下のジオールに由来し、かつ、
前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体における前記ジカルボン酸単位の分子内含有比率が、50質量%以上75質量%以下である、
撥水性繊維製品の製造方法。
<態様3>
態様2に記載の撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記染色処理後の前記ポリエステル系繊維に対して、前記染色液と同浴で、前記ソーピング処理を行うこと、を含み、
前記染色処理に用いられる前記染色液が、前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を含み、かつ
前記染色液に含まれる前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体の少なくとも一部が、前記ソーピング液に含まれる前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体の少なくとも一部として利用される、
撥水性繊維製品の製造方法。
<態様4>
態様2又は3に記載の撥水性繊維製品の製造方法であって、
前記染色処理後の前記アニオン性基を有するポリエステル系繊維に対して、前記染色液と同浴で、前記アニオン性基を有するソーピング処理を行うこと、を含み、かつ
前記ソーピング処理に用いられる前記ソーピング液が、前記染色処理後の前記染色液に対して、少なくとも前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体を添加することによって調製されたものである、
撥水性繊維製品の製造方法。
<態様5>
前記非フッ素系撥水成分が、アクリル系化合物、シリコーン系化合物、ワックス系化合物、ウレタン系化合物、及び、デンドリマー系化合物のうちの少なくとも1種である、
態様1~4のいずれかに記載の撥水性繊維製品の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示の製造方法によれば、優れた撥水性(初期撥水性、耐久撥水性)を有する撥水性繊維製品を製造することができる。繊維材料に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体を接触させた後に、非フッ素系撥水成分を接触させることで、当該繊維材料に優れた撥水性を付与することができると考えられる。さらに、本開示の技術によれば、摩擦堅牢度又は機械安定性に優れた製品を製造することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態に係る撥水性繊維製品の製造方法について説明するが、本開示の撥水性繊維製品の製造方法は、この形態に限定されるものではない。
【0008】
一実施形態に係る撥水性繊維製品の製造方法は、繊維材料に対して、アニオン性基を有するポリエステル共重合体(ポリマーP)を接触させること、及び前記アニオン性基を有するポリエステル共重合体と接触させた後の前記繊維材料に対して、非フッ素系撥水成分を接触させること、を含む。言い換えれば、一実施形態に係る撥水性繊維製品の製造方法は、繊維材料に対してアニオン性基を有するポリエステル共重合体による前処理を行った後に、非フッ素系撥水成分による撥水処理を行う。
【0009】
1.前処理
一実施形態に係る撥水性繊維製品の製造方法においては、前処理として、繊維材料に対してアニオン性基を有するポリエステル共重合体(ポリマーP)を接触させる。
【0010】
1.1 繊維材料
繊維材料の種類に特に制限はない。繊維材料は、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド(ナイロン等)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレンなどの合成繊維及びこれらの複合繊維、混紡繊維などから選ばれる少なくとも1種であってもよい。繊維材料の形態は、繊維(トウ、スライバー等)、糸、編物(交編を含む)、織物(交織を含む)、不織布、紙などのいずれの形態であってもよい。一実施形態に係る撥水性繊維製品において、繊維材料は、より優れた撥水性を有し得る観点から、ポリアミド及びポリエステルを素材として含むことが好ましく、特に、ナイロン6、ナイロン6,6等のナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチルテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、及びこれらが含まれる混合繊維、から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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