特許ウォッチ

公開番号2025175670
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-03
出願番号2024081881
出願日2024-05-20
発明の名称洗濯機
出願人東芝ライフスタイル株式会社
代理人弁理士法人サトー
主分類D06F 39/08 20060101AFI20251126BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】洗浄性能を効率よく得ることができる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機は、水槽と、開口部を有し、水槽内に回転可能に収容される回転槽と、開口部の内面全周に設けられ、液体が封入される内部空間を有するバランスリングと、水槽の底部から揚水した水槽内の水が流れる通水路と、通水路を流れた水を回転槽内に吐出する吐出口と、を備え、通水路は、バランスリングの上端と下端との間に形成され吐出口に向かって水を通過させる吐出水路を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
水槽と、
開口部を有し、前記水槽内に回転可能に収容される回転槽と、
前記開口部の内面全周に設けられ、液体が封入される内部空間を有するバランスリングと、
前記水槽の底部から揚水した前記水槽内の水が流れる通水路と、
前記通水路を流れた水を前記回転槽内に吐出する吐出口と、を備え、
前記通水路は、前記バランスリングの上端と下端との間に形成され前記吐出口に向かって水を通過させる吐出水路を有する、
洗濯機。
続きを表示（約 920 文字）【請求項２】
前記バランスリングは、中空状に形成され上下方向に延びる本体部と、前記本体部の上端を塞ぐ上端閉塞部材と、前記本体部の下端を塞ぐ下端閉塞部材と、を有する、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項３】
前記吐出水路は、上流側から下流側に向かって流路断面積が拡大している、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項４】
前記バランスリングの内部空間は、前記吐出水路を挟んで上側に位置する上側空間と下側に位置する下側空間とにそれぞれ区画されている、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項５】
前記回転槽の径方向において、前記上側空間の寸法は、前記下側空間の寸法よりも外側方向に大きく設定されている、
請求項４に記載の洗濯機。
【請求項６】
前記バランスリングは、前記液体が通過可能な中空状に形成され前記上側空間と前記下側空間とを連通する連通部を更に有する、
請求項４に記載の洗濯機。
【請求項７】
前記通水路の一部は、前記回転槽の内周面と、前記回転槽の内周面に対向して設けられ前記回転槽の内周面に沿って延びる通水路形成部材と、によって形成され、
前記回転槽の内周面及び前記通水路形成部材と前記バランスリングとの隙間には、前記隙間をそれぞれ閉塞するシール部材が設けられている、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項８】
前記バランスリングは、前記バランスリングの前記内部空間内の前記液体の流動性を抑制する抵抗部材を有し、
前記抵抗部材は、平面視において、前記吐出水路と重なる領域以外の領域に設けられている、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項９】
前記吐出口は複数設けられており、
複数の前記吐出口の少なくとも一部の吐出方向は、前記回転槽の中心からずれた方向に向いている、
請求項１に記載の洗濯機。
【請求項１０】
前記吐出水路は、前記バランスリングを水平方向に貫通するように配置されている、
請求項１に記載の洗濯機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、回転槽の上部に円環形状のバランスリングを設けた洗濯機が知られている。バランスリングの補正力は、バランスリング内部に封入される液体量に依存する。また、近年では、洗濯容量の大容量化の要望が高まっており、洗濯物の投入径の拡大が求められている。当該投入径を拡大しようとした場合、バランスリングの径方向の寸法は最小限に薄く設定し高さ方向の寸法を大きくすることで、バランスリング内部の液体量を確保しつつ、バランスリングの内径寸法を大きくすることが考えられる。
【０００３】
また、洗濯機では、回転槽の内底部に設けられた撹拌翼の裏羽根の回転により発生する遠心力で循環経路を経由して洗濯水を揚水し、回転槽の上部からの回転槽内への散水が行われる。特許文献１では、循環経路の出口である開口部をバランスリングの下方に配置する構成が開示されている。このため、特許文献１では、バランスリングの下方から回転槽内への散水が行われる。また、特許文献２では、バランスリングの上方に設けられた散水口から回転槽内への散水が行われる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２３－１８０２７９号公報
特開２０１４－０８７３８０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、洗濯物の投入径の拡大に伴い、バランスリングの高さ方向の寸法が大きくなるが、バランスリングを上方に延ばすと洗濯物の投入位置も高くなり作業性が悪くなるためバランスリングを下方に延ばすことになる。この場合、特許文献１では、開口部の位置つまり循環経路を上昇した水の吐出位置が下がることになり、回転槽内に収容された洗濯物の上方部分に散水することが難しくなる。このため、特許文献１では、早期に洗濯物を満遍なく濡らすことができず、洗浄性能を確保するために運転時間が長期化してしまうといった問題がある。一方、特許文献２では、より高い位置に洗濯水を揚水する必要があるが、洗濯物が多く負荷が高い状態では、撹拌翼によって発生する揚力が不足し、洗濯水を十分に揚水することが難しい場合がある。このように、従来構成では、回転槽内の洗濯物に対して適正な位置から散水を行い、効率よく洗浄性能を得る点において改善の余地があった。
【０００６】
そこで、洗浄性能を効率よく得ることができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本実施形態に係る洗濯機は、水槽と、開口部を有し、前記水槽内に回転可能に収容される回転槽と、前記開口部の内面全周に設けられ、液体が封入される内部空間を有するバランスリングと、前記水槽の底部から揚水した前記水槽内の水が流れる通水路と、前記通水路を流れた水を前記回転槽内に吐出する吐出口と、を備え、前記通水路は、前記バランスリングの上端と下端との間に形成され前記吐出口に向かって水を通過させる吐出水路を有する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
第１実施形態による洗濯機の内部構成を概略的に示す断面図
第１実施形態による洗濯機について、回転槽に通水路形成部材が取り付けられた状態を図１のＸ２－Ｘ２線に沿って示す断面図
第１実施形態による洗濯機について、バランスリングの構成の一例を概略的に示す平面図
第１実施形態による洗濯機について、バランスリングの概略構成を図３のＸ４－Ｘ４線に沿って示す断面図
第１実施形態による洗濯機について、バランスリング周辺の通水路の構成を図３のＸ５－Ｘ５線に沿って示す断面図
第１実施形態による洗濯機について、吐出口周辺の構成を概略的に示す図
第１実施形態による洗濯機について、吐出水路の構成の他の例を示す図
第１実施形態による洗濯機について、バランスリングの内部空間を区画部材によって複数に区画した場合の一例を示す断面図
第２実施形態による洗濯機について、通水路形成部材をバランスリングの下方まで延ばした場合の一例を示す断面図
第３実施形態による洗濯機について、バランスリングに連通部を設けた場合の構成の一例を示す断面図
第４実施形態による洗濯機について、吐出口の吐出方向を回転槽の中心からずらした場合の構成の一例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、複数の実施形態による洗濯機について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【００１０】
（第１実施形態）
まず、第１実施形態について、図１から図８を参照して説明する。
図１に示す洗濯機１は、回転槽１２の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦軸洗濯機である。洗濯機１は、乾燥機能を備えた構成であってもよいし、乾燥機能を備えていない構成であってもよい。なお、図１の左側を洗濯機１の前側とし、図１の右側を洗濯機１の後側とする。また、洗濯機１の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機１の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機１の上側とする。そして、洗濯機１の前後方向及び上下方向に対して直交する方向を左右方向とする。洗濯機１は、縦軸洗濯機に限らず、回転槽の回転軸が水平に向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のいわゆるドラム式洗濯機であってもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

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