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公開番号2025151984
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053665
出願日2024-03-28
発明の名称等速自在継手用外側継手部材及びこれを備える固定式等速自在継手
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16D 3/20 20060101AFI20251002BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】必要とされる最大作動角及び耐久寿命を確保することができる等速自在継手用の外側継手部材を低コストに実現する。
【解決手段】有底椀状をなすマウス部21の球状内周面23にボール4が転動する複数の外側トラック溝24が形成され、球状内周面23及び外側トラック溝24を含むマウス部21の内径表層部に熱処理による表面硬化層6が設けられた等速自在継手用の外側継手部材2において、外側トラック溝24の溝底面とマウス部21の開口端面25との間にテーパ面26を設けて両者を接続する。このテーパ面26は、外側トラック溝24の溝底面との間になす角度θ1、及び開口端面25との間になす角度θ2が何れも100°以上で、かつ回転軸に対してなす角度θ3が15°以上40°以下となるように形成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向の一端が開口した有底椀状のマウス部を有し、該マウス部の球状内周面にボールが転動する複数の外側トラック溝が形成され、
前記球状内周面及び前記外側トラック溝を含む前記マウス部の内径表層部に、熱処理による表面硬化層が設けられた等速自在継手用外側継手部材において、
前記外側トラック溝の溝底面と前記マウス部の開口端面との間に両者を接続するテーパ面が設けられ、
前記テーパ面は、前記溝底面との間になす角度θ1、及び前記開口端面との間になす角度θ2が何れも100°以上で、かつ回転軸に対してなす角度θ3が15°以上40°以下となるように形成されていることを特徴とする等速自在継手用外側継手部材。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記溝底面は、その開口側端部の全体が、前記テーパ面を介して前記開口端面と接続されている請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
【請求項3】
前記テーパ面の軸方向幅が、前記外側トラック溝の溝幅方向一方側及び他方側の端部から溝幅方向の中央部に向けて徐々に減少している請求項2に記載の等速自在継手用外側継手部材。
【請求項4】
前記テーパ面が、塑性加工により成形された成形面である請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
【請求項5】
前記外側トラック溝の溝本数が、6本又は8本である請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の等速自在継手用外側継手部材と、前記マウス部の内周に配置され、球状外周面にボールが転動する複数の内側トラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側トラック溝と前記内側トラック溝の間に介在して両継手部材間でトルクを伝達するボールと、該ボールを保持する保持器と、を備える固定式等速自在継手。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、等速自在継手用外側継手部材及びこれを備える固定式等速自在継手に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
周知のように、エンジンや電動モータなどの駆動源を車台上に搭載した自動車には、駆動源の出力(トルク)を車輪に伝達するために、ドライブシャフトやプロペラシャフトなどの動力伝達装置が搭載される。この動力伝達装置は、駆動軸及び従動軸の二軸を連結し、かつ連結した二軸が作動角をとっても(相対的に角度変位しても)等速でトルクを伝達可能な等速自在継手を備える。等速自在継手は、連結した二軸の角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、連結した二軸の角度変位及び軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。
【0003】
例えば下記の特許文献1に記載されているように、ドライブシャフトを構成する固定式等速自在継手は、有底椀状のマウス部を有し、マウス部の球状内周面に複数の外側トラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の内側トラック溝が形成された内側継手部材と、対をなす外側トラック溝と内側トラック溝の間に介在して両継手部材の間でトルクを伝達する複数のボールと、ボールを周方向に間隔を空けて保持する保持器とを備える。内側継手部材は、中間シャフトとも称される軸部材を介して摺動式等速自在継手(の内側継手部材)とトルク伝達可能に連結される。固定式等速自在継手に必要とされる耐久寿命を確保するため、少なくとも、ボール、並びにボールが転動する外側トラック溝及び内側トラック溝には、焼入れ焼き戻し等の熱処理が施されている。
【0004】
ところで、自動車の運転走行時(作動時)に固定式等速自在継手に必要とされる角度変位量の最大値(最大作動角)は、以下に例示するように用途毎に異なっている。
・自動車のフロント(前輪用)ドライブシャフト:45°以上
・自動車のリヤ(後輪用)ドライブシャフト:20°~30°
・自動車のプロペラシャフト:10°以下
このように、リヤドライブシャフト用の固定式等速自在継手(以下、これを短縮して「リヤ用CVJ」とも言う)に必要とされる最大作動角は、フロントドライブシャフト用の固定式等速自在継手(以下、これを短縮して「フロント用CVJ」とも言う)のそれに比べて大幅に小さい。そのため、リヤ用CVJでは、フロント用CVJに比べ、外側トラック溝の長さ(有効トラック長さ)が短くて済む。従って、リヤ用CVJにおいては、フロント用に比べ、マウス部が軸方向にコンパクト化された小型の外側継手部材が使用される。これにより、固定式等速自在継手、ひいては自動車の足回り部品の軽量・コンパクト化を図ることができる。
【0005】
具体例を、図7(a)に示すフロント用CVJの部分縦断面図、及び図7(b)に示すリヤ用CVJの部分縦断面図に基づいて説明する。図7(a)に示すフロント用CVJ100は、有底椀状のマウス部102を有し、マウス部102の球状内周面に複数の外側トラック溝102aが形成された外側継手部材101と、球状外周面に複数の内側トラック溝103aが形成された内側継手部材103と、対をなすトラック溝102a,103a間に配された複数のボール104と、複数のボール104を周方向に間隔を空けて保持する保持器105とを備える。また、図7(b)に示すリヤ用CVJ110は、フロント用CVJ100の上記構成部材にそれぞれ対応する外側継手部材111、内側継手部材113、ボール114及び保持器115を備える。
【0006】
リヤ用CVJ110がフロント用CVJ100と大きく異なる点は、上記のとおり、外側継手部材のマウス部が軸方向にコンパクト化された点にある。図7(a)(b)を対比すれば明らかなように、リヤ用CVJ110の外側継手部材111のマウス部112は、フロント用CVJ100の外側継手部材101のマウス部102に比べ、継手中心Oを通る軸直交平面Pよりも開口側が軸方向に短縮されている。なお、リヤ用CVJ110の内側継手部材113については、マウス部112のコンパクト化に合わせてコンパクト設計がなされた専用品が使用される場合や、フロント用CVJ100の内側継手部材103が流用される場合などがある。
【0007】
リヤ用CVJ110は、上記のとおり、必要とされる最大作動角が小さいことから、外側継手部材111のマウス部112の開口端内周縁部に、フロント用CVJ100の外側継手部材101のマウス部102の開口端内周に設けられているような軸部材との干渉回避のための大きなテーパ部(「入口チャンファ」とも称される)106[図7(a)参照]を設ける必要がない。そのため、図7(b)の部分拡大図である図7(c)に示すように、リヤ用CVJ110において、外側継手部材111のマウス部112の球状内周面に形成される外側トラック溝112a(の溝底面)と、マウス部112の開口端面112bとの交点Cに形成されるエッジは、当該エッジを形成する上記二面112a,112bがなす角度αが鋭角となった、いわゆるシャープエッジとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6863785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、外側トラック溝112a(の溝底面)と開口端面112bとの交点Cに形成されるエッジがシャープエッジとなった場合には、上記交点Cが熱処理時に熱が集中する部位となって他所よりも高硬度化する。このため、上記交点Cでの亀裂敏感性が高まり(上記交点C付近に亀裂が生じ易くなり)、必要とされる疲労強度を確保できなくなる場合があった。係る問題発生を可及的に防止するため、熱処理の実施条件や実施態様に工夫を凝らすなどの対策が講じられることもあるが、熱処理の煩雑化によるコスト増が不可避となる。
【0010】
係る実情に鑑み、本発明は、特にリヤドライブシャフト用の固定式等速自在継手(リヤ用CVJ)を構成する外側継手部材について、所望の最大作動角及び疲労強度を確保し、もって、耐久性に優れた高品質のリヤ用CVJを低コストに実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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