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公開番号2025153929
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056651
出願日2024-03-29
発明の名称等速自在継手用ブーツ
出願人NTN株式会社,キーパー株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 3/84 20060101AFI20251002BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】簡素な構成でありながら、等速自在継手の過剰な折れ曲がりを防止可能なブーツを提供する。
【解決手段】大径筒部31及び小径筒部32と、円弧状に湾曲した1つの谷部33aを有し、小径筒部32から大径筒部31に向けて延在する弾性部33と、大径筒部31と弾性部33を接続する接続部34とが可撓性材料で一体成形され、両継手部材21,24の相対的な角度変位に追従して弾性部33が弾性変形する等速自在継手用ブーツ30において、接続部34は、弾性部33よりも厚肉に形成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
等速自在継手の外側継手部材に取り付けられる大径筒部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された軸部材に取り付けられる小径筒部と、円弧状に湾曲した1つの谷部を有し、前記小径筒部から前記大径筒部に向けて延在する弾性部と、前記大径筒部と前記弾性部を接続する接続部とが可撓性材料で一体成形され、
前記外側継手部材と前記軸部材の相対的な角度変位に追従して前記弾性部が弾性変形し、
前記接続部は、記弾性部よりも厚肉に形成されている等速自在継手用ブーツであって、
前記接続部は、2mm以上4mm以下の肉厚を有し、前記弾性部の大径筒部側の端部から径方向外向きに延びる環状部と、該環状部と前記大径筒部を接続し、環状部側から大径筒部側に向けて徐々に拡径したテーパ部とを備え、
前記環状部の肉厚xが2mm以上3mm未満の場合、前記環状部の肉厚xに対する前記テーパ部の肉厚yの比δ1(=y/x)が、下記の関係式(1)を満たし、
前記環状部の肉厚xが3mm以上4mm以下の場合、前記比δ1が、下記の関係式(2)を満たすことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
-0.21x+1.24≦ δ1 ≦-0.67x+3.31・・・(1)
-0.04x+0.71≦ δ1 ≦-0.33x+2.33・・・(2)
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記環状部の肉厚xが2mm以上3mm未満の場合、前記比δ1が、前記関係式(1)の一部を変更した下記の関係式(3)を満たし、前記環状部の肉厚xが3mm以上4mm以下の場合、前記比δ1が、前記関係式(2)の一部を変更した下記の関係式(4)を満たす請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
-0.21x+1.24≦δ1 ≦(-0.21x+1.24)×1.2・・・(3)
-0.04x+0.71≦δ1 ≦(-0.04x+0.71)×1.2・・・(4)
【請求項3】
前記環状部の肉厚xが2mm以上3mm未満の場合、前記比δ1が、前記関係式(1)の一部を変更した下記の関係式(5)を満たし、前記環状部の肉厚xが3mm以上4mm以下の場合、前記比δ1が、前記関係式(2)の一部を変更した下記の関係式(6)を満たす請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
-0.21x+1.24≦ δ1 ≦(-0.21x+1.24)×1.1・・・(5)
-0.04x+0.71≦ δ1 ≦(-0.04x+0.71)×1.1・・・(6)
【請求項4】
前記テーパ部が軸方向に対してなす角度を20°以上30°以下とした請求項1~3の何れか一項に記載の等速自在継手用ブーツ。
【請求項5】
等速自在継手の外側継手部材に取り付けられる大径筒部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された軸部材に取り付けられる小径筒部と、円弧状に湾曲した1つの谷部を有し、前記小径筒部から前記大径筒部に向けて延在する弾性部と、前記大径筒部と前記弾性部を接続する接続部とが可撓性材料で一体成形され、
前記外側継手部材と前記軸部材の相対的な角度変位に追従して前記弾性部が弾性変形し、
前記接続部は、前記弾性部よりも厚肉に形成されている等速自在継手用ブーツであって、
前記接続部は、2mm以上4mm以下の肉厚を有し、前記弾性部の大径筒部側の端部から径方向外向きに延びる環状部と、該環状部と前記大径筒部を接続する円筒部とを備え、
前記環状部の肉厚xが2mm以上3mm未満の場合、前記環状部の肉厚xに対する前記円筒部の肉厚zの比δ2(=z/x)が、下記の関係式(7)を満たし、
前記環状部の肉厚xが3mm以上4mm以下の場合、前記比δ2が、下記の関係式(8)を満たすことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
0.6 ≦ δ2 ≦ -0.67x+3.31・・・(7)
0.6 ≦ δ2 ≦ -0.33x+2.33・・・(8)
【請求項6】
等速自在継手の外側継手部材に取り付けられる大径筒部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された軸部材に取り付けられる小径筒部と、円弧状に湾曲した1つの谷部を有し、前記小径筒部から前記大径筒部に向けて延在する弾性部と、前記大径筒部と前記弾性部を接続する接続部とが可撓性材料で一体成形され、
前記外側継手部材と前記軸部材の相対的な角度変位に追従して前記弾性部が弾性変形し、
前記接続部は、前記弾性部よりも厚肉に形成されている等速自在継手用ブーツであって、
前記接続部は、2mm以上4mm以下の肉厚を有し、前記弾性部の大径筒部側の端部から径方向外向きに延びる環状部と、該環状部と前記大径筒部を接続する円筒部とを備え、
前記環状部の肉厚xに対する前記円筒部の肉厚zの比δ2(=z/x)が、下記の関係式(9)を満たすことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
0.6 ≦ δ2 ≦ 0.6×1.2・・・(9)
【請求項7】
等速自在継手の外側継手部材に取り付けられる大径筒部と、等速自在継手の内側継手部材に連結された軸部材に取り付けられる小径筒部と、円弧状に湾曲した1つの谷部を有し、前記小径筒部から前記大径筒部に向けて延在する弾性部と、前記大径筒部と前記弾性部を接続する接続部とが可撓性材料で一体成形され、
前記外側継手部材と前記軸部材の相対的な角度変位に追従して前記弾性部が弾性変形し、
前記接続部は、前記弾性部よりも厚肉に形成されている等速自在継手用ブーツであって、
前記接続部は、2mm以上4mm以下の肉厚を有し、前記弾性部の大径筒部側の端部から径方向外向きに延びる環状部と、該環状部と前記大径筒部を接続する円筒部とを備え、
前記環状部の肉厚xに対する前記円筒部の肉厚zの比δ2(=z/x)が、下記の関係式(10)を満たすことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
0.6≦ δ2≦ 0.6×1.1・・・(10)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達機構に組み込まれる等速自在継手に対してシール部材として取り付けられる等速自在継手用ブーツに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、車台上にエンジンや電動モータなどの駆動源を搭載した自動車は、駆動源の出力を駆動車輪に伝達するための動力伝達装置を備える。この種の動力伝達装置としては、例えば、連結した二軸の角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、連結した二軸の角度変位及び軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手と、自動車の車幅方向に間隔を空けて配置された上記2つの等速自在継手の内側継手部材同士をトルク伝達可能に連結する軸部材とを備えたドライブシャフトがある。上記軸部材は「中間シャフト」や「動力伝達シャフト」などとも称される。
【0003】
上記のドライブシャフトにおいて、軸部材と各等速自在継手の外側継手部材との間には、シール部材として機能する筒状のブーツ(等速自在継手用ブーツ)がそれぞれ設けられる。ブーツの軸方向一方側及び他方側の端部には大径筒部及び小径筒部がそれぞれ設けられており、大径筒部は外側継手部材に取り付けられ、小径筒部は軸部材に取り付けられる。これにより、継手内部に充填された潤滑剤の外部漏洩や継手内部への異物侵入が防止される。
【0004】
ブーツの大径筒部と小径筒部の間には、外側継手部材と内側継手部材(に連結された軸部材)の相対変位に追従して弾性変形する部位(弾性部)が設けられている。この弾性部としては、蛇腹形状をなすものと、非蛇腹形状をなすものとがあり、後者の一例として下記の特許文献1に記載されたものが公知である。
【0005】
特許文献1のブーツは、その全体を樹脂又はゴム等の可撓性材料(弾性材料)で形成したものであり、弾性部は、自由状態では円弧状に湾曲した1つの谷部(折り返し部)を有する断面略J字状に形成されている。この弾性部は、接続部(特許文献1では「ブーツ肩部」)を介して大径筒部と接続されており、上記接続部には、軸方向に延びる複数の補強用リブが周方向に間隔を空けて設けられている。これにより、接続部の剛性(強度)を高め、等速自在継手の回転時の遠心力の影響により弾性部が膨張変形するのを抑制することができるので、ブーツに求められるシール機能を安定して発揮できる、としている。また、全体を可撓性材料で形成した特許文献1のブーツは、上記接続部及び大径筒部に相当する部分が金属製の筒状(環状)部材で構成されたタイプのブーツよりも安価であるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平11-190358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、等速自在継手は、ブーツの弾性部を膨張変形させるほどの大きな遠心力が生じる高速の回転伝達用途で使用される場合と、ブーツの弾性部が膨張変形しない程度の小さな遠心力しか生じない比較的低速の回転伝達用途で使用される場合とがあり、特に後者の場合、特許文献1で採用されているブーツ形状の複雑化や高コスト化を招来する剛性(強度)向上対策を採る必要性は小さいと考えられる。但し、等速自在継手(を含むドライブシャフト)の輸送・運搬時や取付対象への取付時には、軸部材の自重(に起因する曲げモーメント)によって等速自在継手が折れ曲がる(両継手部材が相対的に角度変位する)場合がある。このとき、ブーツの剛性が不十分であると、ブーツの弾性部が外側継手部材と軸部材の間に挟まれて(噛み込まれて)損傷するおそれがある。
【0008】
係る実情に鑑み、本発明の主な目的は、簡素な構造でありながら、内側継手部材に連結される軸部材の自重による等速自在継手の折れ曲がりを効果的に防止することができる等速自在継手用ブーツを提供し、もって、等速自在継手の輸送・運搬作業や車両に対する組付作業の簡便化・効率化に寄与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために創案された本発明に係る等速自在継手用ブーツは、
等速自在継手の外側継手部材に取り付けられる大径筒部と、等速自在継手の内側継手部材と共に回転する軸部材に取り付けられる小径筒部と、円弧状に湾曲した1つの谷部を有し、小径筒部から大径筒部に向けて延在する弾性部と、大径筒部と弾性部を接続する接続部とが可撓性材料で一体成形され、
外側継手部材と軸部材の相対的な角度変位に追従して弾性変形し、
接続部は、弾性部よりも厚肉に形成されているものである。
【0010】
本発明に係る上記の等速自在継手用ブーツ(以下、単に「ブーツ」とも言う)では、主に、接続部を弾性部よりも厚肉に形成するという接続部の肉厚制御により、軸部材の自重によるモーメント荷重に抗して弾性部が外側継手部材に対して非接触状態に維持される。そのため、本発明に係るブーツでは、形状の複雑化を招来するような対策を講じない簡素な構成でありながら、軸部材の自重によって等速自在継手が過剰に折れ曲がる(両継手部材の相対的な角度変位が過剰に大きくなる)のを規制し、等速自在継手(を含むドライブシャフト等)の輸送・運搬作業や車体に対する取付作業の簡便化・効率化に寄与することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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