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公開番号
2025144739
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024044570
出願日
2024-03-21
発明の名称
上面が水和硬化体からなる敷設層及びその構築方法
出願人
JFEスチール株式会社
,
JFEシビル株式会社
代理人
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20250926BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】捨てコン代替となり得る、上面が水和硬化体からなる敷設層を低コストかつ効率的に構築することができる構築方法を提供する。
【解決手段】上面が水和硬化体からなる敷設層を地盤上に構築する方法であり、地盤上に粗骨材層aを設け、その上からセメントを結合材とするペーストpを打設することにより、粗骨材層aの少なくとも上部側領域の空隙部にペーストpを充填してペースト充填部a
p
とするとともに、粗骨材層aの上面をペーストp中に埋没させ、その状態でペーストpを固化させて水和硬化体とする。
機能上必要な分のセメントだけを用いればよいため、捨てコンに較べてセメント量、ペースト打設量、施工工数とも削減でき、しかも敷設層の表面は粗骨材を含まないペースト面であるため表面の仕上げが容易である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
上面が水和硬化体からなる敷設層を地盤上に構築する方法であって、
地盤上に粗骨材を敷き詰めて粗骨材層(a)を設け、その上からセメントを結合材とするペースト(p)(但し、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換したペーストを含む。)を打設することにより、粗骨材層(a)の少なくとも上部側領域の空隙部にペースト(p)を充填してペースト充填部(a
p
)とするとともに、粗骨材層(a)の上面をペースト(p)中に埋没させ、その状態でペースト(p)を固化させて水和硬化体とすることを特徴とする上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
粗骨材層(a)のペースト充填部(a
p
)の平均厚さが粗骨材最大寸法の2/5以上であることを特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項3】
打設したペースト(p)により、粗骨材層(a)の上に平均厚さが10mm以上30mm以下のペースト層(p
L
)が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項4】
ペースト(p)は、セメント重量の50%以上70%以下を高炉スラグ微粉末に置換して結合材としたものであること特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項5】
ペースト(p)は、結合材と水の重量比(結合材:水)が1:0.5~0.6であることを特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項6】
ペースト(p)はモルタルであって、結合材と細骨材の重量比が1:3~5であることを特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項7】
ペースト(p)はモルタルであって、細骨材の50重量%以上が高炉スラグ細骨材からなることを特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項8】
ペースト(p)はモルタルであって、セメント重量の50%以上70%以下を高炉スラグ微粉末に置換して結合材とし、細骨材の50重量%以上が高炉スラグ細骨材からなり、
打設したペースト(p)により、粗骨材層(a)の上に平均厚さが10mm以上30mm以下のペースト層(p
L
)が形成され、
粗骨材層(a)の上部側領域にのみペースト充填部(a
p
)が形成されるとともに、該ペースト充填部(a
p
)の平均厚さが粗骨材最大寸法の2/5以上であることを特徴とする請求項1に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項9】
ペースト(p)は、リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルを成分として含む化学混和剤が、結合材重量の0.5%以上1%以下添加されたものであって、結合材と水及び化学混和剤の合計の重量比(結合材:水+化学混和剤)が1:0.45~0.54であることを特徴とする請求項1又は8に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
【請求項10】
ペースト(p)はモルタルであって、細骨材が高炉スラグ細骨材からなり、さらに、混和材として結合材重量の20±5%の高炉スラグ微粉末が添加されたものであることを特徴とする請求項4又は8に記載の上面が水和硬化体からなる敷設層の構築方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、捨てコンクリート(以下、「捨てコン」という)の代替となり得る、上面が水和硬化体からなる敷設層及びその構築方法に関するものである。なお、一般に捨てコンとは、建築構造物の基礎工事などに先立って、レベル出し、墨出し及び型枠構築のために地盤(地盤上に締め固められた砕石層の場合を含む。以下同様。)上に打設されるコンクリートを指すが、本願では、いわゆる土間コンなどを含め、地盤上に打設される無筋のコンクリートを総称して捨てコンと呼ぶ。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
建築構造物の基礎構築に先立って、不陸調整、墨出し、型枠構築のために、捨てコンが施工される。この捨てコンは、地盤上に概ね50mm程度の厚さに打設される。一般には、捨てコンを施工した翌日に墨出しを行い、その翌日から型枠構築を行う。このため捨てコンには、上面が平坦であって、打設翌日に墨出しができること、その翌日には、型枠(桟木)留め付けのためのコンクリート釘(以下、「釘」という)が打てること、そして、型枠保持に必要なだけの釘の保持力があることが求められる。
構造物のコンクリートとは異なり、捨てコンには、品質に関する公的な基準、規定はなく、18N/mm
2
の生コンクリートを慣用的に使用している場合が多い。
【0003】
また、カーボンニュートラルに向け、建設工事でもCO
2
排出削減の要求が高くなっており、コンクリート工事では、セメント製造時に発生するCO
2
に着目し、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置換した高炉セメントが用いられる場合がある。高炉セメントは、長期にわたって強度発現が続き、水和発熱が小さく、化学抵抗性が高く耐久性に優れるなどの利点が知られている。一方で、特許文献1には、高炉スラグは、クリンカ鉱物の水和によって生じる水酸化カルシウムの刺激により、徐々に水和が進む性質(潜在水硬性)のため、初期の強度発現性がセメントと比べ劣っていることが記載されている。この特許文献1によれば、普通ポルトランドセメントを高炉セメントで段階的に置換した組成物を用いた、JISモルタル(1997年改正前)の材令3日(初期)の圧縮強度は、高炉スラグの添加量が多いほど顕著に低下するとしている。そして、高炉スラグの添加量が70%ではプレーンの30~35%程度の強度発現性しか得られていないため、単純に高炉スラグの添加量を増加させることは、初期の強度発現性が低くなる点で難があるとしている。
【0004】
そこで、特許文献1では、初期強度発現遅延の改善のため、セメントクリンカ粉末、高炉スラグ微粉末、及び石灰石粉末を含む粉状の混合セメント組成物として、セメントクリンカ粉末、高炉スラグ微粉末、及び石灰石粉末の合計量100質量%中、セメントクリンカ粉末の割合が47~59質量%、高炉スラグ微粉末の割合が22~43質量%、石灰石粉末の割合が4~23質量%であり、セメントクリンカ粉末中のアルミネート相の割合が13質量%超17質量%以下である混合セメント組成物を提案している。
また、特許文献2は、速硬性セメントに関する提案であるが、ここで添加される高炉スラグ微粉末は、特許文献1と同様に50%以下である。同文献では、高炉スラグ微粉末の配合量が多くなりすぎると、相対的に速硬性混和材やセメントの比率が低下して、初期強度発現性や長期強度発現性が低下するおそれがあるとしている。
【0005】
また、特許文献3は、低水結合材比で高い流動性及び低い粘性を示し、かつ耐火性能を持つ高強度モルタル又は高強度コンクリートが得られる方法を提案している。この方法では、セメントなどの結合材の5~30%を高炉スラグ微粉末及び/又はフライアッシュ微粉末で置換している。また、水結合材比は、好ましくは17.5~25%であるとしている。
また、特許文献4では、セメント重量に対する高炉スラグ微粉末の置換率を60%以上としている。また、高炉スラグ微粉末の水和反応を活性化するために、亜硝酸塩及びジエタノールイソプロパノールアミンが添加され、さらにセッコウ又は炭酸カルシウムが添加される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-254909号公報
特開2021-160994号公報
特開2021-075409号公報
特開2020-138874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、従来技術の課題について検討を行い、その結果、従来広く用いられている捨てコンには、以下のような課題があることが判った。
(i)捨てコンは、構造物の基礎を構築する際のレベル出し、墨出し、型枠構築のために用いるものであり、構造体に用いるコンクリートに必要とされる性能は必ずしも必要でなく、スペックダウン、コスト低減の余地がある。
(ii)一般に捨てコンは50mm程度の厚さに施工されるが、型枠構築のために桟木を釘で固定する場合、釘は捨てコンに15~30mm程度貫入しているにすぎない。したがって、釘を保持するための捨てコン層(コンクリート層)の厚さは、最大で30mm程度あればよいと考えられ、厚さをより薄くできる余地がある。
【0008】
(iii)従来技術では、CO
2
排出削減のためにセメントを高炉スラグ微粉末に置換する場合、初期の強度発現性が低いという理由から高炉スラグ微粉末の置換率は50%以下が実用的であると考えられている。これは、高炉スラグ微粉末の置換率が50%を超えると、初期強度発現の遅延を補うために、さらに多くの混和剤(例えば、高価な高性能AE減水剤や増粘剤)や混和材を使用する必要があり、それに伴い高度の調合管理が必要になるとともに、コストアップとなるからである。しかし、捨てコンには、釘打ちが容易であって、且つ打ち込まれた釘を保持できることが求められるので、釘打ちをする段階、すなわち、初期の段階では強度は高くない方がよく、桟木を固定した釘が保持できる程度の強度があればよい。コンクリート強度が高いと釘の打ち込みがしにくくなり、高すぎると、釘打ちの衝撃で捨てコンの表層が剥離して飛散する恐れがある。さらに、捨てコンに対する釘打ちでは、釘が表層の粗骨材に当たるので、釘の強度や釘打ちの技量が高くないと、釘打ちが困難となるとともに、同様に周囲のモルタルが剥離して飛散してしまう恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような従来技術の課題に着目し、これらの課題を解決すべくなされたものであり、捨てコンの代替となり得る敷設層であって、低コストかつ効率的に構築することができる敷設層及びその構築方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、(i)鉄鋼製造プロセスの副生物の有効活用を図るとともに、CO
2
排出削減に資する、(ii)施工性が高い、(iii)基礎墨出し面への釘打ちを行う場合に、釘打ちが容易であるとともに釘の保持力が適切に得られる、などの点も満足させることができる敷設層及びその構築方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、地盤上に粗骨材を敷き詰めて粗骨材層を設け、その上から必要な分量(例えば釘打ちに必要な分量)のセメントスラリー又はモルタルからなるペーストを打設し、粗骨材層の少なくとも上部側領域にペーストを充填するとともに、粗骨材層の上面をペースト中に埋没させることにより、上面が水和硬化体(ペーストの硬化体)からなる敷設層が得られるようにしたことを特徴とする。
これにより、ペーストを機能上必要な分量だけ打設すればよいため、捨てコンに較べてセメント量、ペースト打設量を削減できるとともに、生コンクリートの調合・管理や調製のための工程が不要となる。さらには、敷設層の表面(最表層)は粗骨材を含まないペースト面であるため表面の仕上げが容易である。以上のことから捨てコン代替の敷設層を低コストかつ効率的に施工することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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