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公開番号2025144649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024044399
出願日2024-03-21
発明の名称フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス冷延焼鈍鋼板の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250926BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】Tiが添加されたフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板であって、靭性に優れ、冷延焼鈍鋼板の安定製造を可能とし、さらに、冷延焼鈍鋼板としたときの耐リジング性に優れる、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】質量%で、C:0.003~0.020%、Si:0.01~1.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Al:0.001~0.300%、Cr:19.0~26.0%、Ni:0.01~0.60%、Ti:0.25~0.40%、およびN:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、粒径が0.01μm以上1.00μm以下のTi析出物の析出密度が5.0×102個/mm2以上であり、アスペクト比が3.0以上の結晶粒の面積率が10%以下である、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.003~0.020%、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.001~0.300%、
Cr:19.0~26.0%、
Ni:0.01~0.60%、
Ti:0.25~0.40%、および
N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、
粒径が0.01μm以上1.00μm以下のTi析出物の析出密度が5.0×10

個/mm

以上であり、アスペクト比が3.0以上の結晶粒の面積率が10%以下である、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記成分組成が、さらに、質量%で、以下のA群、B群のうちから選ばれる1群以上を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
A群:Cu:1.00%以下、Mo:2.50%以下、W:0.20%以下、Co:0.20%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
B群:Nb:0.20%以下、V:0.10%以下、REM:0.100%以下、Mg:0.0030%以下、Ca:0.0030%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
【請求項3】
請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法であって、
前記成分組成を有する熱延鋼板に対して、
昇温中の650~750℃の温度範囲の保持時間を10~100sとし、その後、920~1050℃の温度範囲の焼鈍温度で30~600s保持する焼鈍を行う、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法で製造したフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板に対して、
総圧下率50~98%の冷間圧延と、800℃以上1050℃以下の温度範囲で5秒~5分間保持する冷延板焼鈍を行う、フェライト系ステンレス冷延焼鈍鋼板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法ならびにフェライト系ステンレス冷延焼鈍鋼板の製造方法に関する。本発明は、特に、冷間圧延時の破断トラブルを抑制しながら優れた耐リジング性を有するステンレス冷延焼鈍鋼板を製造するのに好適なフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
Tiが添加されたフェライト系ステンレス鋼板(以下、Ti添加フェライト系ステンレス鋼板ともいう)は、多くのNiを含有しないことからオーステナイト系ステンレス鋼板に比較して安価で価格安定性に優れた材料である。さらに、Ti添加フェライト系ステンレス鋼板は、耐発銹性に優れた材料であることから、建築材料、輸送機器、家庭電化製品等の様々な用途に使用されている。
【0003】
Ti添加フェライト系ステンレス鋼板の重要な適用先として、電気温水器などの家庭用給湯設備がある。この設備が有するタンクは、筒状の胴部の上下にお椀状の鏡板部がかぶせられたカプセル型の構造を有しており、鋼板は曲げ加工によって成形される。前記タンクは胴部と鏡板部を重ねて溶接することで作られるため、隙間腐食が生じやすく、前記タンクの素材としては、Cr量の高いTi添加フェライト系ステンレス鋼板が通常選択される。また、胴部は曲げ加工の後、溶接されるため、胴部の素材には曲げ加工後も鋼板の表面凹凸(リジング)の小さい、すなわち、耐リジング性に優れた冷延鋼板が求められる。
【0004】
特許文献1には、深絞り加工の後に溶接によって接合が行われる構造体に用いるのに好適なTi添加フェライト系ステンレス鋼板が開示されている。前記Ti添加フェライト系ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.001~0.020%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.01~0.50%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:18.0~24.0%、Ni:0.01~0.40%、Mo:0.30~3.0%、Al:0.01~0.15%、Ti:0.01~0.50%、Nb:0.01~0.50%、V:0.01~0.50%、Co:0.01~6.00%、B:0.0002~0.0050%、N:0.001~0.020%を含有し、0.30%≦Ti+Nb+V≦0.60%を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物とする成分組成を有する4mm厚の熱延鋼板を950℃で均熱時間60sとなるように焼鈍したフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板を、冷間圧延することで製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/179456号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような高Cr、高Ti添加のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の靭性は低く、特に、冬季など温度の低い環境での冷間圧延時に破断しやすいため、従来技術に開示される製造方法では冷間圧延時の破断を完全に防止することは困難であった。
【0007】
また、上記のようなフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板において、結晶粒径を小さくして靭性を向上させるために、焼鈍温度を低下させると、未再結晶の組織が残存して冷延焼鈍鋼板としたときの耐リジング性が低下するという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、Tiが添加されたフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板であって、靭性に優れ、冷延焼鈍鋼板の安定製造を可能とし、さらに、冷延焼鈍鋼板としたときの耐リジング性に優れる、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、冷延素材として熱延焼鈍鋼板を用いて冷間圧延中に破断が生じる様子を子細に検討した結果、以下の知見を得た。前記冷間圧延中の破断は、圧延時に生じる微細な割れを起点とし、脆性き裂の急速な伝播によって破断に至っており、脆性き裂の伝播を抑制できる冷延素材を用いることで、冷間圧延時の破断を抑制できる。
【0010】
そして、更に検討を進めた結果、冷延素材の脆性き裂の伝播の抑制力の評価には、Vノッチ加工された試験片を用いたシャルピー衝撃試験が好適であることを見出した。特に、シャルピー衝撃試験のひずみ速度と冷間圧延のひずみ速度での降伏強度の違いを補正するよう、シャルピー衝撃試験の試験温度を調整したシャルピー衝撃試験が好適である。具体的には、冷間圧延時の熱延焼鈍鋼板の板温に75℃を加えた温度でのシャルピー衝撃試験が好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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