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公開番号2025144572
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024044282
出願日2024-03-20
発明の名称車両用冷却装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人
主分類F16H 57/04 20100101AFI20250926BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】動力伝達装置に使用される冷却液の温度を高精度に推定し、その温度に基づいて冷却手段を過不足なく制御して冷却性能の向上を図ること。
【解決手段】エンジン(原動機)1と、冷却液によって冷却されてエンジン1の駆動力を伝達するベルト式無段変速機(動力伝達装置)3と、該ベルト式無段変速機3を冷却する複数の冷却手段と、を有する車両用冷却装置10は、ベルト式無段変速機3の熱収支を取得する動力伝達装置熱収支取得手段31と、冷却手段の冷却熱収支を取得する冷却熱収支取得手段32と、冷却手段を制御する冷却手段制御手段30を有し、冷却手段制御手段32は、ベルト式無段変速機3の熱収支と冷却手段の冷却熱収支に基づいて、冷却液温Tの所定時間t後の冷却液温Tpを推定し、この冷却液温Tpが上限温度Tcを超えるとき(Tp>Tc)に限り冷却手段を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷却水によって冷却される原動機と、
冷却液によって冷却され、前記原動機の駆動力を伝達する動力伝達装置と、
前記動力伝達装置を冷却する複数の冷却手段と、
を有する車両に搭載される車両用冷却装置であって、
前記動力伝達装置の熱収支を取得する動力伝達装置熱収支取得手段と、
前記冷却手段の冷却熱収支を取得する冷却熱収支取得手段と、
前記冷却手段を制御する冷却手段制御手段を有し、
前記冷却手段制御手段は、
前記動力伝達装置熱収支取得手段が取得した前記動力伝達装置の熱収支と前記冷却熱収支取得手段が取得した前記冷却手段の冷却熱収支に基づいて、複数の前記冷却手段から使用すべき冷却手段を選択してこれを制御することを特徴とする車両用冷却装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記車両は、
前記動力伝達装置の冷却液温を取得する冷却液温取得手段をさらに有し、
前記冷却手段制御手段は、
前記冷却液温と前記熱収支とから予測される予測冷却液温が前記冷却液温の上限値を超えるときに限り前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項3】
前記車両は、
前記冷却液を冷却する熱交換器をさらに有し、
前記動力伝達装置熱収支取得手段は、
前記動力伝達装置の作動に基づく発熱量と、
前記動力伝達装置の表面放熱量と、
前記熱交換器の放熱量と、
に基づいて前記動力伝達装置の熱収支を取得することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項4】
前記車両は、
前記原動機の回転数を取得する原動機回転数取得手段と、
前記原動機のトルクを取得する原動機トルク取得手段と、
前記原動機の冷却水温を取得する原動機冷却水温取得手段と、
当該車両の車速を取得する車速取得手段と、
前記動力伝達装置の冷却液温を取得する冷却液温取得手段と、
をさらに有し、
前記動力伝達装置熱収支取得手段は、
前記原動機回転数取得手段が取得した前記原動機の回転数と、
前記原動機トルク取得手段が取得した前記原動機のトルクと、
前記原動機冷却水温取得手段が取得した冷却水温と、
前記車速取得手段が取得した車速と、
前記冷却液温取得手段が取得した冷却液温と、
の少なくとも1つの情報から前記動力伝達装置の熱収支を取得することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項5】
前記車両は、
前記原動機の回転数を取得する原動機回転数取得手段と、
前記原動機のトルクを取得する原動機トルク取得手段と、
前記原動機の冷却水温を取得する原動機冷却水温取得手段と、
当該車両の車速を取得する車速取得手段と、
前記動力伝達装置の冷却液温を取得する冷却液温取得手段と、
のうち、少なくとも1つをさらに有し、
前記冷却熱収支取得手段は、
前記原動機回転数取得手段が取得した前記原動機の回転数と、
前記原動機トルク取得手段が取得した前記原動機のトルクと、
前記原動機冷却水温取得手段が取得した冷却水温と、
前記車速取得手段が取得した車速と、
前記冷却液温取得手段が取得した冷却液温と、
の少なくとも1つの情報から前記冷却手段の冷却熱収支を取得することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項6】
前記冷却手段制御手段は、
使用すべき前記冷却手段として、
前記冷却熱収支が前記熱収支から求められる必要熱量を超えて最小となるものを選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項7】
前記冷却手段制御手段は、
使用すべき前記冷却手段として、
前記冷却熱収支が、前記熱収支から求められる必要熱量を超えて最小となる1または複数の前記冷却手段の組み合わせを選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項8】
前記冷却手段は、それぞれ車両の経済性と乗車フィーリングに関する評価点数を有し、
前記冷却手段制御手段は、
使用すべき前記冷却手段として、
前記冷却熱収支が前記熱収支から求められる必要熱量を超え、且つ、前記評価点数が最小である1または複数の前記冷却手段の組み合わせを選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項9】
前記冷却手段制御手段は、
前記冷却手段のそれぞれの前記評価点数を車両走行状態から得られる情報から算出し、
使用すべき前記冷却手段として、
前記冷却熱収支が前記熱収支から求められる必要熱量を超え、且つ、前記評価点数が最小である1または複数の前記冷却手段の組み合わせを選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項10】
前記冷却手段制御手段は、
使用すべき前記冷却手段として、
運転者が選択する走行モードに基づいて選択手法を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動力伝達装置に使用される冷却液の温度を熱収支によって推定するとともに、その推定値に基づいて冷却手段を選択して制御するようにした車両用冷却装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、変速機などを含む車両の動力伝達装置は、その内部の冷却と潤滑を目的として冷却液(ATF:Automatic Transmission Fluid)を用いているが、この冷却液は、車両の走行に伴って熱の吸収や発熱などによって温度が上昇する。ここで、車両の動力伝達装置には、プラネタリ式有段自動変速機、ベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)、デュアルクラッチトランスミッション、手動変速機、ハイブリッド駆動装置、電気自動車用ギヤボックスなどが含まれる。
【0003】
ところで、車両の走行に伴って冷却液の温度が所定の温度(上限温度)以上に上昇すると、動力伝達装置の冷却不足や潤滑不足により性能を維持できなくなるため、該冷却液の温度が所定の温度(上限温度)以上に上がらないようにすることが必要である。
【0004】
例えば、特許文献1には、車両用の動力伝達装置(変速機)の冷却液の温度(油温)を適正に制御することができる油温制御装置が提案されている。この油温制御装置は、熱交換器に供給される冷却液(潤滑油)の流量を制御する流量制御部を備えており、この流量制御部が、トランスミッション損失に伴う発熱量に基づいて、熱交換器に供給される冷却液の流量を制御するようにしている。
【0005】
また、特許文献2には、温度センサを用いることなく、安価なシステムでハイブリッド車におけるトランスアクスルの油温を推定する油温推定装置が提案されている。具体的には、この油温推定装置は、トランスアクスル内で区分された動力伝達経路ごとに、当該動力伝達経路におけるトルク損失による発熱量を演算する発熱量演算部を備え、この発熱量演算部が、選択された走行モードでの動力伝達経路における発熱量を加算してトランスアクスルにおける発熱量を演算し、この発熱量に基づいてトランスアクスル内の潤滑油の温度を推定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5272800号公報
特開2022-148469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において提案された油温制御装置においては、動力伝達装置の発熱量が大きい場合には、熱交換器の冷却液の流量制御のみでは冷却不足が発生することが考えられる。このため、通常は駆動装置の冷却手段として、複数の手段を有していることが一般的であるが、各冷却手段の過剰な運転は、車両の燃費の低下、騒音振動(NV:Noise&Vibration)の増加、加速や走行性能の低下などを招くおそれがある。したがって、過剰な冷却を避け、必要のない冷却手段による冷却をできるだけ行わないようにする必要がある。また、上記のような影響が大きいと考えられる冷却手段はできるだけ使用せず、比較的に影響が小さい冷却手段から優先的に使用したいという要望がある。
【0008】
また、特許文献2において提案された油温推定装置は、トランスアクスルの油温を推定するのみであって、推定した油温に基づいて冷却手段などを制御するものではない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、動力伝達装置に使用される冷却液の温度と動力伝達装置の熱収支を高精度に推定し、その温度と熱収支に基づいて冷却手段を過不足なく、かつ、車両の経済性や乗車フィーリングの低下を招くことなく制御して冷却性能の向上を図ることができる車両用冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、冷却水によって冷却される原動機(1)と、冷却液によって冷却され、前記原動機(1)の駆動力を伝達する動力伝達装置(3)と、前記動力伝達装置(3)を冷却する複数の冷却手段と、を有する車両に搭載される車両用冷却装置(10)であって、前記動力伝達装置(3)の熱収支を取得する動力伝達装置熱収支取得手段(31)と、前記冷却手段の冷却熱収支を取得する冷却熱収支取得手段(32)と、前記冷却手段を制御する冷却手段制御手段(30)を有し、前記冷却手段制御手段(30)は、前記動力伝達装置熱収支取得手段(31)が取得した前記動力伝達装置(3)の熱収支と前記冷却熱収支取得手段(32)が取得した前記冷却手段の冷却熱収支に基づいて、複数の前記冷却手段から使用すべき冷却手段を選択してこれを制御することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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