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公開番号2025143649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024042984
出願日2024-03-19
発明の名称超音波検査装置及び超音波検査方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 29/46 20060101AFI20250925BHJP(測定;試験)
要約【課題】対象物の内部の欠陥と結晶粒を識別することで、対象物の内部の検査を行う超音波検査装置を提供する。
【解決手段】本開示の超音波検査装置は、複数の振動子を有し、対象物に向けて超音波を送信し、反射した超音波を受信するアレイ探触子と、複数の振動子で受信した超音波について、時間と振幅の関係を示す複数の超音波波形データを取得する波形データ取得部と、超音波波形データに基づいて、周波数情報を取得する周波数情報取得部と、周波数情報からヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、前記ヒストグラムと、反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとを比較することで、反射源の種類を判定する種類判定部と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超音波を用いて対象物の内部の検査を行う超音波検査装置であって、
複数の振動子を有し、前記対象物に向けて超音波を送信し、前記対象物の内部の反射源で反射した超音波を受信するアレイ探触子と、
前記複数の振動子で受信した超音波について、時間と振幅の関係を示す複数の超音波波形データを取得する波形データ取得部と、
前記超音波波形データに基づいて、前記反射源の種類を識別する識別処理部と、
を備え、
前記識別処理部は、
前記複数の超音波波形データの、前記対象物の内部の所定の位置に対応する箇所にゲートを設定し、前記ゲートの範囲を周波数変換することで、前記所定の位置に対応する周波数情報を取得する周波数情報取得部と、
前記周波数情報から得られる特徴量を度数分布に変換することでヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、
前記ヒストグラムと、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとを比較することで、前記反射源の種類を判定する種類判定部と、
を有する、超音波検査装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記種類判定部は、
前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとして、欠陥に対応する識別用ヒストグラムと、結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムとを用い、
前記ヒストグラム生成部で生成した前記ヒストグラムが、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が前記結晶粒界であると判定し、
前記ヒストグラム生成部で生成した前記ヒストグラムが、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が前記欠陥であると判定する、請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項3】
前記超音波波形データに基づいて、前記対象物の内部を画像化する開口合成処理を行う、開口合成部を備え、
前記開口合成部は、前記超音波波形データ及び前記種類判定部の判定結果に基づいて前記開口合成処理を行う、請求項1又は2に記載の超音波検査装置。
【請求項4】
超音波を用いて対象物の内部の検査を行う超音波検査方法であって、
複数の振動子を有するアレイ探触子を用い、前記対象物に向けて超音波を送信し、前記対象物の内部の反射源で反射した超音波を受信する超音波送受信ステップと、
前記複数の振動子で受信した超音波について、時間と振幅の関係を示す複数の超音波波形データを取得する波形データ取得ステップと、
前記超音波波形データに基づいて、前記反射源の種類を識別する識別処理ステップと、
を備え、
前記識別処理ステップは、
前記複数の超音波波形データの、前記対象物の内部の所定の位置に対応する箇所にゲートを設定し、前記ゲートの範囲を周波数変換することで、前記所定の位置に対応する周波数情報を取得する周波数情報取得ステップと、
前記周波数情報から得られる特徴量を度数分布に変換することでヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、
前記ヒストグラムと、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとを比較することで、前記反射源の種類を判定する種類判定ステップと、
を有する、超音波検査方法。
【請求項5】
前記種類判定ステップは、
前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとして、欠陥に対応する識別用ヒストグラムと、結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムとを用い、
前記ヒストグラム生成ステップで生成した前記ヒストグラムが、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が前記結晶粒界であると判定し、
前記ヒストグラム生成ステップで生成した前記ヒストグラムが、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が前記欠陥であると判定する、請求項4に記載の超音波検査方法。
【請求項6】
前記超音波波形データに基づいて、前記対象物の内部を画像化する開口合成処理を行う、開口合成処理ステップを備え、
前記開口合成処理ステップは、前記超音波波形データ及び前記種類判定ステップの判定結果に基づいて前記開口合成処理を行う、請求項4又は5に記載の超音波検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材の内部を非破壊で検査する方法として超音波探傷法が知られている。超音波探傷法は、超音波探触子を被検体である鋼材の一面に対向させて配置し、次に、超音波探触子で発生させた超音波を鋼材内部に入射し、超音波を鋼材中に伝播させ、鋼材の内部の欠陥等で反射した反射波を受信することで、鋼材の内部の欠陥等を検査する技術である。
【0003】
鋼材中の結晶粒が大きい場合、超音波が結晶粒界で散乱するため、超音波探触子で受信した反射波の信号中に散乱によるノイズが現れる。これにより、反射波の信号の欠陥識別性が低下し、探傷精度が低下する。そのため、結晶粒による散乱ノイズの影響を除去し、欠陥からの信号と結晶粒からの信号を識別することで、探傷精度を向上する技術が求められている。超音波を波長の長い低周波で入射することで、結晶粒による散乱ノイズを低減することができるが、その場合には、小さい欠陥の検出が困難となるという問題がある。
【0004】
結晶粒による散乱ノイズの影響を排除して探傷精度を向上する技術として、特許文献1には、振動子より被検体に探傷超音波Psを発信するとともに振動子1で反射波を受信し、当該振動子1で得られる受信信号Srの、正側波形と負側波形を分離して、負側波形Srnを反転させるとともに、負側波形Srnを時間軸上で探傷超音波Psの半波長分だけずらして正側波形Srpに重畳し平均して疵信号部Sdを得る超音波探傷方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-8511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
欠陥の評価と同時に、粗大な結晶粒の大きさ、位置、形状又は個数等を調べることができれば、より詳細に鋼材の品質を調べることができる。しかし、特許文献1の技術では、鋼材中の欠陥の位置を調べることができるが、欠陥の評価とともに、粗大な結晶粒の大きさ、位置、形状又は個数等を同時に評価することができなかった。即ち、粗大な結晶粒と欠陥の識別をすることができなかった。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みなされた発明であり、対象物の内部の欠陥と結晶粒を識別することで、対象物の内部の検査を行う超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、超音波を用いて対象物の内部の検査を行う超音波検査装置であって、複数の振動子を有し、前記対象物に向けて超音波を送信し、前記対象物の内部の反射源で反射した超音波を受信するアレイ探触子と、前記複数の振動子で受信した超音波について、時間と振幅の関係を示す複数の超音波波形データを取得する波形データ取得部と、前記超音波波形データに基づいて、前記反射源の種類を識別する識別処理部と、を備え、前記識別処理部は、前記複数の超音波波形データの、前記対象物の内部の所定の位置に対応する箇所にゲートを設定し、前記ゲートの範囲を周波数変換することで、前記所定の位置に対応する周波数情報を取得する周波数情報取得部と、前記周波数情報から得られる特徴量を度数分布に変換することでヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、前記ヒストグラムと、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとを比較することで、前記反射源の種類を判定する種類判定部と、を有する超音波検査装置が提供される。
また、前記種類判定部は、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとして、欠陥に対応する識別用ヒストグラムと、結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムとを用い、前記ヒストグラム生成部で生成したヒストグラムが、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が結晶粒界であると判定し、前記ヒストグラム生成部で生成したヒストグラムが、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が欠陥であると判定するようにしても良い。
また、前記超音波波形データに基づいて、前記対象物の内部を画像化する開口合成処理を行う、開口合成部を備え、前記開口合成部は、前記超音波波形データ及び前記種類判定部の判定結果に基づいて前記開口合成処理を行うようにしても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、超音波を用いて対象物の内部の検査を行う超音波検査方法であって、複数の振動子を有するアレイ探触子を用い、前記対象物に向けて超音波を送信し、前記対象物の内部の反射源で反射した超音波を受信する超音波送受信ステップと、前記複数の振動子で受信した超音波について、時間と振幅の関係を示す複数の超音波波形データを取得する波形データ取得ステップと、前記超音波波形データに基づいて、前記反射源の種類を識別する識別処理ステップと、を備え、前記識別処理ステップは、前記複数の超音波波形データの、前記対象物の内部の所定の位置に対応する箇所にゲートを設定し、前記ゲートの範囲を周波数変換することで、前記所定の位置に対応する周波数情報を取得する周波数情報取得ステップと、前記周波数情報から得られる特徴量を度数分布に変換することでヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、前記ヒストグラムと、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとを比較することで、前記反射源の種類を判定する種類判定ステップと、を有する超音波検査方法が提供される。
また、前記種類判定ステップは、前記反射源の種類毎に予め取得しておいた識別用ヒストグラムとして、欠陥に対応する識別用ヒストグラムと、結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムとを用い、前記ヒストグラム生成ステップで生成したヒストグラムが、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が結晶粒界であると判定し、前記ヒストグラム生成ステップで生成したヒストグラムが、前記結晶粒界に対応する識別用ヒストグラムに比べ、前記欠陥に対応する識別用ヒストグラムに類似する場合には、前記反射源の種類が欠陥であると判定するようにしても良い。
また、前記超音波波形データに基づいて、前記対象物の内部を画像化する開口合成処理を行う、開口合成処理ステップを備え、前記開口合成処理ステップは、前記超音波波形データ及び前記種類判定ステップの判定結果に基づいて前記開口合成処理を行うようにしても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記各態様によれば、対象物の内部の欠陥および結晶粒を識別することで、対象物の内部の検査を行う超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る超音波検査装置の模式図である。
振動子で取得される超音波波形データの一例である。
識別用ヒストグラムとヒストグラム生成部で生成されたヒストグラムとの一致度の判定を説明するための図である。
本発明の実施形態に係る超音波検査方法のフローチャートである。
超音波確認実験を説明するための図である。
欠陥領域における周波数スペクトル解析の結果である。
結晶粒領域における周波数スペクトル解析の結果である。
本発明の実施形態に係る識別処理部の構成を示す図である。
反射源RSの識別方法の原理について説明するための概念図を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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