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公開番号2025141904
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025039168
出願日2025-03-12
発明の名称低コスト膨張型難燃剤組成物及び難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
出願人山東科技大学
代理人個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低コスト膨張型難燃剤組成物及び難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】低コスト膨張型難燃剤組成物は、(A)ピロリン酸ピペラジン塩と、(B)ピロリン酸メラミン塩と、(C)リン酸カルシウムとを含有し、(A)成分と(B)成分及び(C)成分の和との質量比[(A)成分]:[(B)成分+(C)成分]は、70:30~30:70であり、(B)成分と(C)成分との質量比[(B)成分]:[(C)成分]は、60:40~95:5である。この組成物は、(D)難燃相乗剤と(E)カップリング剤とをさらに含有する。本発明は、安価なリン酸カルシウムをピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩との組み合せに導入することで、難燃剤組成物の難燃効率を向上させることができるとともに、難燃剤組成物におけるピロリン酸ピペラジン塩の質量割合を低くすることによって、難燃剤組成物のコストを低減させることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
低コスト膨張型難燃剤組成物であって、(A)ピロリン酸ピペラジン塩と、(B)ピロリン酸メラミン塩と、(C)リン酸カルシウムとを含有し、
(A)成分と(B)成分及び(C)成分の和との質量比[(A)成分]:[(B)成分+(C)成分]は、65:70~30:70であり、
(B)成分と(C)成分との質量比[(B)成分]:[(C)成分]は、60:40~95:5であり、
この組成物は、(D)難燃相乗剤と(E)カップリング剤とをさらに含有し、
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01~20質量部の(D)成分を含有し、0.001~0.5質量部の(E)成分を含有し、
(D)成分は、酸化亜鉛と、ホウ酸亜鉛と、ナノモンモリロナイトとのうちの一つ又は複数の組み合わせであり、
(E)成分は、チタン酸エステルと、メチルシリコーンオイルと、メチルハイドロジェンシリコーンオイルとのうちの一つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする低コスト膨張型難燃剤組成物。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
(C)成分は、(B)成分を合成する時に設計割合に従って加えられ、又は(A)成分、(B)成分を混合粉砕する時に加えられる、ことを特徴とする請求項1に記載の低コスト膨張型難燃剤組成物。
【請求項3】
難燃性ポリオレフィン樹脂組成物であって、請求項1又は2に記載の低コスト膨張型難燃剤組成物を採用し、且つ難燃性ポリオレフィン樹脂組成物100質量部に対して、10~60質量部の難燃剤組成物を含有する、ことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃剤分野に関し、具体的には低コスト膨張型難燃剤組成物、及びこの難燃剤組成物を含有する難燃性ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン膨張型難燃剤は、ハロゲンフリー、高難燃効率、燃焼時の低煙、低毒、溶融液滴なしなどの利点を有するため、発展可能性の高いグリーン難燃剤と考えられる。膨張型難燃剤は、一般的には酸源(脱水剤)、炭素源(炭素化剤)とガス源(発泡剤)の3つの成分から構成される。その作用原理は、材料が燃焼する時、リン含有難燃剤が同時に燃焼して脱水作用を有する燃焼産物を生成し、系において脱水して炭素になると同時に、ガス源が不活性ガスを発生させて発泡剤となり、材料表面に緻密な多孔質炭素層を形成することである。この炭素層は、断熱・酸素遮断作用を有し、内層ポリマーの更なる分解及び可燃物の表面への放出を阻止できるだけでなく、熱源のポリマーへの伝達を阻止し及び酸素源を遮断することによって、炎の広がりと伝播を効果的に阻止し、難燃性の目的を達成することができる。
【0003】
現在使用されている膨張型難燃剤は、主にポリリン酸アンモニウムを酸源とし、メラミンと炭素化剤を配合して得られたものである。このタイプの難燃剤は、効果が理想的ではなく、基材との相溶性が悪く、ポリマーの電気性能、絶縁性能、機械性能などに大きな影響を与え、移動しやすく、加水分解安定性と熱安定性が悪いなどの問題が存在する。ピロリン酸ピペラジン系膨張型難燃剤は、新型の難燃剤組成物であり、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤組成物と比べて、それは、より良い難燃作用、耐熱安定性と耐水析出性能を有し、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、エポキシ樹脂とポリウレタンなどの材料に広く応用されることができる。特許番号CN201880042218.Xには、難燃剤組成物が開示されており、主にピロリン酸ピペラジン塩、ピロリン酸メラミン塩とシリコーンオイルの組み合わせで構成され、ここで、ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩の質量部の範囲は、90:10~50:50であり、即ちピロリン酸ピペラジン塩の質量部は、50部を下回ってはならない。「杜玉瑩.ピロリン酸ピペラジン系膨張型難燃剤のポリオレフィンに対する難燃作用研究.青島科技大学.学位論文,2019.」に記述された難燃系がポリエチレンとポリプロピレンに用いられる時に、比較的優れたピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩との質量部比は、2.5:1である。「Chen Chengら.Synergistic flame retardancy of ZnO with piperazine pyrophosphate/melamine polyphosphate in PP.Polymer Testing,2023,117:107878」では、ピロリン酸ピペラジン塩及びピロリン酸メラミンがZnOと協働しても、ここで、ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩との質量部比は、依然として2:1に近づく必要があることをも示した。
【0004】
公知の方法によると、例えば「趙震ら.ピロリン酸ピペラジンの合成及び特徴付け.化工科技.2022,30(5):18~21」と「張玲玲ら.ポリリン酸メラミンの合成.化工時刊.2013,27(11):14~17」に記載されているように、ピロリン酸ピペラジン塩は、リン酸とピペラジンとを先に中和反応させてから縮合脱水して合成されたものである。類似的に、ピロリン酸メラミン塩は、リン酸とメラミンとを先に中和した後に脱水して合成されたものである。両者を合成する主原料であるピペラジンの価格がメラミンよりも明らかに高いため、実際に応用される難燃剤組成物において、ピロリン酸ピペラジン塩の割合が高ければ、応用コストが高いことを意味し、例えば前述の特許と論文に記述されたピロリン酸ピペラジン塩の質量部は、50部を下回ってはならない。これは、現在開示されている難燃剤配合系において、ピロリン酸ピペラジン塩の質量部が比較的高いため、使用コストが比較的高いことを示唆している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術問題に基づいて、本発明は、良好な難燃性を提供できるとともに、系におけるピロリン酸ピペラジン塩の質量部を低減させることができ、より低い応用コストを有する低コスト膨張型難燃剤組成物を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で採用される技術的解決方案は、以下のとおりである。
【0007】
低コスト膨張型難燃剤組成物であって、この組成物は、(A)ピロリン酸ピペラジン塩と、(B)ピロリン酸メラミン塩と、(C)リン酸カルシウムとを含有し、
(A)成分と(B)成分及び(C)成分の和との質量比[(A)成分]:[(B)成分+(C)成分]は、70:30~30:70である。
【0008】
上記難燃剤組成物において、さらに好ましくは、(A)成分と(B)成分及び(C)成分の和との質量比[(A)成分]:[(B)成分+(C)成分]は、65:70~30:70であり、好ましくは、50:70~40:70である。
【0009】
上記難燃剤組成物において、(B)成分と(C)成分との質量比[(B)成分]:[(C)成分]は、60:40~95:5である。さらに好ましくは、(B)成分と(C)成分との質量比[(B)成分]:[(C)成分]は、36:19~35:5であり、好ましくは、30:10~40:10である。
【0010】
上記難燃剤組成物は、(D)難燃相乗剤と(E)カップリング剤とをさらに含有し、
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、0.01~20質量部の(D)成分を含有し、0.001~0.5質量部の(E)成分を含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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