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公開番号
2025136965
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035912
出願日
2024-03-08
発明の名称
疼痛治療剤
出願人
学校法人北里研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20250911BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】糖脂質合成酵素を標的とした疼痛治療剤を提供すること。
【解決手段】糖脂質合成酵素を阻害する物質を含有する、疼痛治療剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
糖脂質合成酵素を阻害する物質を含有する、疼痛治療剤。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素及びセラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の疼痛治療剤。
【請求項3】
前記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、請求項1に記載の疼痛治療剤。
【請求項4】
前記疼痛治療剤は、慢性疼痛の治療剤である、請求項3に記載の疼痛治療剤。
【請求項5】
前記疼痛治療剤は、組織の損傷又は神経要因が認められない部位における疼痛の治療用である、請求項4に記載の疼痛治療剤。
【請求項6】
前記慢性疼痛は、慢性一次性疼痛、慢性神経障害性疼痛、慢性手術後疼痛又は慢性外傷後疼痛である、請求項4又は5に記載の疼痛治療剤。
【請求項7】
前記糖脂質合成酵素は、セラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、請求項1に記載の疼痛治療剤。
【請求項8】
前記疼痛治療剤は、組織の損傷及び/又は神経要因が認められる部位における疼痛の治療用である、請求項7に記載の疼痛治療剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、疼痛治療剤に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
疼痛(痛み)は、実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こり得る状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験である。国際疼痛学会(IASP)は、疼痛のうち、3カ月以上持続又は再発する疼痛を、慢性疼痛と定義している。それに対し、持続期間及び再発期間が3カ月未満の疼痛が、急性疼痛である。疼痛には、組織の損傷及び神経要因によって生じる原因が判別可能な疼痛もあれば、心理的要因等によって生じる原因の特定が困難な疼痛も存在する。
【0003】
疼痛は、発症した対象における生活の質(QOL)を著しく損なうため、疼痛の治療のための薬剤(疼痛治療剤、鎮痛剤)が数多く使用されている。疼痛治療剤としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、アセトアミノフェン及びオピオイド等が汎用されている。他方、慢性神経障害性疼痛などの一部の疼痛では、ある種の向精神薬が鎮痛効果を示すことが知られている。例えば、三環系抗うつ薬(TCA)であるノルトリプチリン及びアミトリプチリン、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるデュロキセチン及びミルナシプラン、並びに抗てんかん薬であるカバペンチン、プレガバリン及びカルバマゼピン等が、神経障害性疼痛の治療に用いられている。
【0004】
糖脂質とは、脂質分子と糖が結合した分子であり、生体内において生合成されている。糖脂質は、例えば細胞膜等の生体膜上に存在し、細胞の識別、接着及びシグナル伝達等の生理的機能に関与する。糖脂質としては、スフィンゴ糖脂質及びグリセロ糖脂質が知られている。このうち、スフィンゴ糖脂質は、セラミドと糖が結合した糖脂質である。スフィンゴ糖脂質の糖鎖部分は大きな多様性をもち、種々の酵素が介在する経路によって生合成されている。セラミドからのスフィンゴ糖脂質の生合成の第1段階では、セラミドのガラクトシルセラミドへの変換、又はセラミドのグルコシルセラミドへの変換が生じる。
【0005】
疼痛と糖脂質に関し、例えば特許文献1には、シアリダーゼを有効成分として含有する疼痛治療剤が開示されている。特許文献1において、シアリダーゼとは、糖脂質や糖蛋白糖鎖からシアル酸を加水分解により脱離する糖分解酵素である。非特許文献1及び非特許文献2には、シアリダーゼをマウスに投与すると、鎮痛効果が見られたことが記載されている。また、非特許文献2~4には、マウスに対してある種のスフィンゴ糖脂質を体外から投与すると、マウスに疼痛が生じたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-275247号公報
【非特許文献】
【0007】
Shun Watanabe et al., "Intraplantarinjection of sialidase reduces mechanical allodynia during inflammatory pain",Journal of Pharmacological Sciences 133, (2017) 49-52.
Shun Watanabe et al., "Intraplantarinjection of gangliosides produces nociceptive behavior and hyperalgesia via aglutamate signaling mechanism", PAIN(Registered Trademark) 152, (2011) 327-334.
Motoki Morita et al., "GlycosphingolipidBiosynthesis Pathway in the Spinal Cord and Dorsal Root Ganglia DuringInflammatory Pain: Early and Late Changes in Expression Patterns ofGlycosyltransferase Genes", Neuroscience 428 (2020) 217-227.
Motoki Morita et al., "Sulfatide-selectinsignaling in the spinal cord induces mechanical allodynia", Journal ofNeurochemistry 164, 658-670 (2023).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これまでに、糖脂質合成酵素を標的とした疼痛治療剤は知られていない。本開示は、糖脂質合成酵素を標的とした疼痛治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、糖脂質合成酵素を阻害する物質が、鎮痛作用を有することを見出した。
【0010】
本開示は、例えば、以下に関する。
[1]糖脂質合成酵素を阻害する物質を含有する、疼痛治療剤。
[2]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素及びセラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素からなる群から選択される少なくとも一種である、[1]に記載の疼痛治療剤。
[3]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載の疼痛治療剤。
[4]上記疼痛治療剤は、慢性疼痛の治療剤である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の疼痛治療剤。
[5]上記疼痛治療剤は、組織の損傷又は神経要因が認められない部位における疼痛の治療用である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の疼痛治療剤。
[6]上記慢性疼痛は、慢性一次性疼痛、慢性神経障害性疼痛、慢性手術後疼痛又は慢性外傷後疼痛である、[4]又は[5]に記載の疼痛治療剤。
[7]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[1]に記載の疼痛治療剤。
[8]上記疼痛治療剤は、組織の損傷及び/又は神経要因が認められる部位における疼痛の治療用である、[7]に記載の疼痛治療剤。
[9]糖脂質合成酵素を阻害する物質を、それを必要とする対象に投与することを含む、疼痛の治療方法。
[10]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素及びセラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素からなる群から選択される少なくとも一種である、[9]に記載の治療方法。
[11]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[9]又は[10]に記載の治療方法。
[12]上記疼痛は、慢性疼痛である、[11]に記載の治療方法。
[13]上記疼痛は、組織の損傷又は神経要因が認められない部位における疼痛である、[11]又は[12]に記載の治療方法。
[14]上記慢性疼痛は、慢性一次性疼痛、慢性神経障害性疼痛、慢性手術後疼痛又は慢性外傷後疼痛である、[12]又は[13]に記載の治療方法。
[15]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[9]に記載の治療方法。
[16]上記疼痛は、組織の損傷及び/又は神経要因が認められる部位における疼痛である、[15]に記載の治療方法。
[17]疼痛の治療における使用のための、糖脂質合成酵素を阻害する物質。
[18]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素及びセラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素からなる群から選択される少なくとも一種である、[17]に記載の物質。
[19]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[17]又は[18]に記載の物質。
[20]上記疼痛は、慢性疼痛である、[19]に記載の物質。
[21]上記疼痛は、組織の損傷又は神経要因が認められない部位における疼痛である、[19]又は[20]に記載の物質。
[22]上記慢性疼痛は、慢性一次性疼痛、慢性神経障害性疼痛、慢性手術後疼痛又は慢性外傷後疼痛である、[20]又は[21]に記載の物質。
[23]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[17]に記載の物質。
[24]上記疼痛は、組織の損傷及び/又は神経要因が認められる部位における疼痛である、[23]に記載の物質。
[25]疼痛治療剤の製造における、糖脂質合成酵素を阻害する物質の使用。
[26]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素及びセラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素からなる群から選択される少なくとも一種である、[25]に記載の使用。
[27]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからガングリオシドGQ1bに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[25]又は[26]に記載の使用。
[28]上記疼痛治療剤は、慢性疼痛の治療剤である、[27]に記載の使用。
[29]上記疼痛治療剤は、組織の損傷又は神経要因が認められない部位における疼痛の治療用である、[27]又は[28]に記載の使用。
[30]上記慢性疼痛は、慢性一次性疼痛、慢性神経障害性疼痛、慢性手術後疼痛又は慢性外傷後疼痛である、[28]又は[29]に記載の使用。
[31]上記糖脂質合成酵素は、セラミドからスルファチドに至る生合成経路酵素の少なくとも一種である、[25]に記載の使用。
[32]上記疼痛治療剤は、組織の損傷及び/又は神経要因が認められる部位における疼痛の治療用である、[31]に記載の使用。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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