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公開番号2025136706
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035488
出願日2024-03-08
発明の名称塩素低減固体燃料の製造方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C10L 5/48 20060101AFI20250911BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】水洗を要せずとも、簡便な操作で塩素を低減可能な固体燃料の製造方法を提供すること。
【解決手段】含プラスチック廃棄物から土砂ガラスを低減した土砂ガラス低減原料を選別する第1の選別工程と、
土砂ガラス低減原料を加熱して脆化する加熱工程と、
脆化した土砂ガラス低減原料から固体燃料を選別する第2の選別工程
を備え、
第1の選別工程は、含プラスチック廃棄物を破砕して破砕物を篩分けし、篩上と篩下とに分離して篩上を回収すると共に、篩下を風力選別して重量物と軽量物とに分離して軽量物を回収する工程を含み、
第2の選別工程は、脆化した土砂ガラス低減原料を破砕して破砕物を風力選別し、重産物と軽産物とに分離して軽産物を回収する工程を含む、
塩素低減固形燃料の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
含プラスチック廃棄物から土砂ガラスを低減した土砂ガラス低減原料を選別する第1の選別工程と、
土砂ガラス低減原料を加熱して脆化する加熱工程と、
脆化した土砂ガラス低減原料から固体燃料を選別する第2の選別工程
を備え、
第1の選別工程は、含プラスチック廃棄物を破砕して破砕物を篩分けし、篩上と篩下とに分離して篩上を回収すると共に、篩下を風力選別して重量物と軽量物とに分離して軽量物を回収する工程を含み、
第2の選別工程は、脆化した土砂ガラス低減原料を破砕して破砕物を風力選別し、重産物と軽産物とに分離して軽産物を回収する工程を含む、
塩素低減固形燃料の製造方法。
続きを表示(約 57 文字)【請求項2】
加熱工程の温度が300~650℃である、請求項1記載の塩素低減固形燃料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素低減固体燃料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
産業廃棄物や一般廃棄物として廃棄される廃プラスチックの一部は、マテリアルリサイクルのため海外に輸出されていたが、近年輸出が困難となった。また、単純焼却、埋立処分される廃プラスチックの数量は依然として多く、CO
2
排出量削減及び国内資源の有効活用のために、廃プラスチックのリサイクル体制を再構築する必要が生じている。
単純焼却、埋立処分される廃プラスチックは、多種多様なプラスチックの他に、金属やガラス、石、繊維等の異物も多く含むものもあり、そのままではマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルが困難な事例も多く、発電やセメント製造における熱源として有効利用されている。異物を多く含んだ廃プラスチックの熱源利用にあたっては、有姿のまま利用することに加え、熱源利用時のハンドリング改善や品質の均質化のために破砕や成形、炭化などの事前処理がなされるなど、熱源としての利用に向けて多くの工夫がなされている。含プラスチック廃棄物の熱源利用方法として、例えば、含プラスチック廃棄物を加熱炉で加熱し、有機成分を回収することで固体燃料を製造する方法がある。しかし、含プラスチック廃棄物の中には、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素含有プラスチックを含むものもあり、このような塩素を含んだ含プラスチック廃棄物から製造される固体燃料には高濃度の塩素が残存しやすい。固体燃料が高濃度の塩素を含んでいると、使用したときに有害な塩化水素ガスが放出され、環境の悪化や加熱炉の腐食等の原因となるため、水洗による処理が必要になる。
【0003】
従来、塩素が低減された固体燃料の製造方法として、例えば、塩素含有プラスチックを低酸素雰囲気下で250~300℃に加熱して熱分解せずに、水分の蒸発と塩素分の放出を行わせ、次いで400~500℃に加熱して熱分解することで、塩素含有プラスチックの塩素に由来する塩を含まない熱分解残渣を生成させる方法が提案されている(特許文献1)。また、塩素を含むハロゲン含有廃棄物を選別装置に投入し、塩素含有量の多いハロゲン含有廃棄物と、これよりも塩素含有量の少ない低塩素濃度廃棄物とに分離した後、塩素含有量の多いハロゲン含有廃棄物を、下水汚泥等のアンモニア含有物とともにハロゲン分離手段に導入することで、アンモニア含有物に含まれるアンモニア分が熱分解時にハロゲン含有廃棄物に含まれる塩素と反応するため、塩素の残留量を最小限に抑えられることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-67800号公報
特開2010-155779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の方法は、熱可塑性樹脂が1段目の加熱により軟化や溶融して樹脂同士が融着することで団粒化や粗大化しやすくなるため、樹脂の熱分解不良が生じやすく、また炉内壁への熱可塑性樹脂の融着による炉内閉塞等のリスクが高くなるため、安定して操業する上で課題がある。また、特許文献2に記載の方法は、ハロゲン含有廃棄物の処理量以上の大規模加熱設備を要するため、設備コストの増大が避けられない。また、下水汚泥のような高含水廃棄物を使用すると、混合材から発生する多量の水蒸気により炉内雰囲気の熱容量が著しく増加し、加熱に必要な熱エネルギーの増大が課題となる。
本発明の課題は、水洗を要せずとも、簡便な操作で塩素を低減可能な固体燃料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、含プラスチック廃棄物から固体燃料を製造する際に水洗が避けられない要因について検討したところ、その要因が、含プラスチック廃棄物に含まれる土砂ガラスにあることが判明した。即ち、土砂ガラス中のNa、K等のアルカリ金属元素又はCa、Mg等のアルカリ土類金属元素が、含プラスチック廃棄物の処理時に放出された塩素の一部と反応してアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を形成するため、これらの塩の除去が必要になるからである。そこで、本発明者らは、含プラスチック廃棄物から土砂ガラスを予め除去し、土砂ガラス除去原料を処理すれば、水洗を要することなく、簡便な操作で塩素低減固体燃料を製造できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供するものである。
〔1〕 含プラスチック廃棄物から土砂ガラスを低減した土砂ガラス低減原料を選別する第1の選別工程と、
土砂ガラス低減原料を加熱して脆化する加熱工程と、
脆化した土砂ガラス低減原料から固体燃料を選別する第2の選別工程
を備え、
第1の選別工程は、含プラスチック廃棄物を破砕して破砕物を篩分けし、篩上と篩下とに分離して篩上を回収すると共に、篩下を風力選別して重量物と軽量物とに分離して軽量物を回収する工程を含み、
第2の選別工程は、脆化した土砂ガラス低減原料を破砕して破砕物を風力選別し、重産物と軽産物とに分離して軽産物を回収する工程を含む、
塩素低減固形燃料の製造方法。
〔2〕 加熱工程の温度が300~650℃である、前記〔1〕記載の塩素低減固形燃料の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水洗を要せずとも、簡便な操作で塩素を低減可能な固体燃料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
本発明に係る加熱工程に適用可能な加熱装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の塩素低減固体燃料の製造方法の一実施形態について説明する。図1は、本発明の塩素低減固体燃料の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
(【0011】以降は省略されています)

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