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公開番号2025136523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035159
出願日2024-03-07
発明の名称ドロップアクションを有するピアノ
出願人株式会社河合楽器製作所
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G10C 3/163 20190101AFI20250911BHJP(楽器;音響)
要約【課題】上側の第1鍵と下側の第2鍵を有する場合において、押鍵時におけるバランスピン孔付近の第1鍵の浮き上がり及びこじりを防止し、第1鍵及び第2鍵の安定した円滑な動作を確保するドロップアクションを有するピアノを提供する。
【解決手段】ピアノ1は、後端部においてバランスピン6aにバランスピン孔を介して回動自在に支持され、演奏者によって押鍵される上側の第1鍵2Aと、中央部において回動自在に支持され、前端部に第1鍵が当接する下側の第2鍵2Bと、第2鍵2Bの下方に配置され、上方への回動によりハンマー4を駆動し、打弦を行わせるウィッペン21を有するアクション3と、第1鍵が押鍵されるのに伴い、ウィッペン21を持ち上げる線材33と、第1鍵のピン後方部に上方から接触し、押鍵時、第1鍵がこじらない程度に、バランスピン孔付近の第1鍵の浮き上がりを阻止する白鍵用鍵盤押え51W及び黒鍵用鍵盤押え51Bを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
後端部においてバランスピンにバランスピン孔を介して回動自在に支持され、演奏者によって押鍵される第1鍵と、
前記第1鍵の下側に配置され、中央部において回動自在に支持されるとともに、前端部に前記第1鍵が当接する第2鍵と、
前記第2鍵の下方に配置され、上方への回動によりハンマーを駆動し、打弦を行わせるウィッペンを有するアクションと、
前記第2鍵の後端部と前記ウィッペンに連結され、前記第1鍵が押鍵されるのに応じて前記第2鍵の後端部が上方に回動するのに伴い、前記ウィッペンを持ち上げ、上方に回動させる連結材と、
前記第1鍵の前記バランスピンよりも後方の部分であるピン後方部に上方から接触し、前記第1鍵の押鍵時、前記第1鍵がこじらない程度に、前記バランスピン孔付近における前記第1鍵の浮き上がりを阻止する鍵盤押えと、
を備えることを特徴とする、ドロップアクションを有するピアノ。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記鍵盤押えは、前記第1鍵の前記ピン後方部の上方に配置され、前記ピアノの左右方向に連続的に延びるブロック状の本体部と、前記本体部の下面の前記第1鍵に対応する位置に設けられ、前記ピン後方部に前記第1鍵の幅方向に沿って線接触又は点接触する接触部と、を有することを特徴とする、請求項1に記載のドロップアクションを有するピアノ。
【請求項3】
前記鍵盤押えの前記本体部は木質材で構成され、前記接触部は、金属で構成されるとともに断面円形のピン状に形成され、前記本体部の下面にその長さ方向に沿うように配置され、接着されていることを特徴とする、請求項2に記載のドロップアクションを有するピアノ。
【請求項4】
前記鍵盤押えは、前記本体部及び前記接触部が一体成形された合成樹脂の成形品で構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のドロップアクションを有するピアノ。
【請求項5】
前記第1鍵の前記ピン後方部の上面には、前記鍵盤押えの前記接触部が接触するクッションが取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のドロップアクションを有するピアノ。
【請求項6】
前記第1鍵は白鍵及び黒鍵によって構成され、前記白鍵を支持する前記バランスピンと前記黒鍵を支持する前記バランスピンは、前後方向の互いに異なる位置に配置されており、前記鍵盤押えは、前記白鍵の前記ピン後方部に接触する白鍵用鍵盤押えと、前記黒鍵の前記ピン後方部に接触する黒鍵用鍵盤押えによって構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のドロップアクションを有するピアノ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵盤の下方に配置されたアクションであるドロップアクションを有するピアノに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ドロップアクションを有するピアノ(以下「ドロップアクションピアノ」)として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このピアノは、前後方向に延び、中央部においてバランスピンに回動自在に支持された複数の鍵(白鍵及び黒鍵)と、鍵の後方かつ下方に配置されたアクションを備える。アクションの構成は、アップライトピアノの通常のアクションと基本的に同じであり、押鍵時、鍵の後端部に連結されたエクステンションレバーによりウィッペンが上方に回動し、ハンマーを後方に回動させることによって、ハンマーによる打弦が行われる。
【0003】
この従来のドロップアクションピアノでは、鍵が中央部で支持されているため、鍵の全体長さ、ひいてはピアノの奥行(前後方向長さ)が大きくなってしまう。出願人は、この点を解消するためのドロップアクションピアノをすでに提案している(例えば特願2023-057064号)。図5に示すように、このピアノは、鍵盤を上下2段で構成したものであり、上側の第1鍵2Aは、後端部において、筬6に立設されたバランスピン6aにバランスピン孔6bを介して支持されている。なお、図5及び図6中の符号6cは、第1鍵2Aが回動時に筬6と干渉しないようにするために、第1鍵2Aの下面に形成された凹部である。
【0004】
図7に示すように、第1鍵2Aに形成されるバランスピン孔6bは、下側のピン受け部6dと、その上側に連なるガイド部6eで構成されている。ピン受け部6dは、第1鍵2Aの下面に開口する、水平断面が円形の丸孔で構成され、上方に若干延びており、その径は、バランスピン6aにガタつきとスティックの両方がない状態で適度に係合するような大きさに設定されている。これに対し、ガイド部6eは、ピン受け部6dを中心として前後及び左右対称に拡幅された、水平断面が矩形の角孔で構成されており、ピン受け部6dから上方に延び、第1鍵2Aの上面に開口している。この開口付近には、第1鍵2Aの上面からガイド部6eの内側面の上部にわたり、雑音防止や摩耗抑制のための左右一対のブッシングクロス10が貼られている。以上の構成から、第1鍵2Aは、バランスピン孔6bのピン受け部6dがバランスピン6aに係合した状態で、バランスピン6aに回動自在に支持されている。
【0005】
一方、下側の第2鍵2Bは、中央部において、支持部材31の軸受溝31dに軸部2dを介して支持され、第2鍵2Bの後端部とアクション3のウィッペン21は、線材33で連結されている。そして、第1鍵2Aを押鍵し、アクチュエータピン8で第2鍵2Bの前端部を押下することにより、上方に回動した第2鍵2Bの後端部と線材33でウィッペン21を持ち上げ、ハンマー4を後方に回動させることによって、ハンマー4による打弦(弦Sの打撃)が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実公昭49-2178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した上下2段構成の鍵盤を有するドロップアクションピアノでは、図6に示すように、上側の第1鍵2Aは、通常のアップライトピアノの鍵と異なり、後端部においてバランスピン6aに支持されており、バランスピン6aの後ろ側の部分に重し(反力)としても機能するアクションが載置されることはない。このため、第1鍵2Aを押し切ったときに、第1鍵2Aの図6に矢印Yで示した部分が筬6から浮き上がることによって、第1鍵2Aのバランスピン孔6bのピン受け部6dの壁面がバランスピン6aに強く押し付けられる状態になりやすい。その場合には、第1鍵2Aの戻りが遅くなるなど、第1鍵2Aの円滑な回動が妨げられ、第2鍵2Bの動作も不安定になり、ピアノの演奏に支障を来してしまう。なお、本明細書では、上記のように、第1鍵2Aのバランスピン孔6bのピン受け部6dの壁面がバランスピン6aに強く押し付けられることを、「こじる」という。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、上側の第1鍵と下側の第2鍵を有する場合において、押鍵時におけるバランスピン孔付近の第1鍵の浮き上がり及びこじりを防止することによって、第1鍵及び第2鍵の安定した円滑な動作を確保することができる、ドロップアクションを有するピアノを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、後端部においてバランスピンにバランスピン孔を介して回動自在に支持され、演奏者によって押鍵される第1鍵と、第1鍵の下側に配置され、中央部において回動自在に支持されるとともに、前端部に第1鍵が当接する第2鍵と、第2鍵の下方に配置され、上方への回動によりハンマーを駆動し、打弦を行わせるウィッペンを有するアクションと、第2鍵の後端部とウィッペンに連結され、第1鍵が押鍵されるのに応じて第2鍵の後端部が上方に回動するのに伴い、ウィッペンを持ち上げ、上方に回動させる連結材と、第1鍵のバランスピンよりも後方の部分であるピン後方部に上方から接触し、第1鍵の押鍵時、第1鍵がバランスピンにこじらない程度に、バランスピン孔付近における第1鍵の浮き上がりを阻止する鍵盤押えと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によるピアノは、演奏者によって押鍵される第1鍵と、その下側に配置された第2鍵と、第2鍵の下方に配置されたウィッペンを含むアクションと、第2鍵の後端部とウィッペンに連結された連結材を備える。第1鍵は、後端部において、バランスピンにバランスピン孔を介して回動自在に支持されている。演奏時、第1鍵が押鍵されると、第2鍵は、その前端部が第1鍵で押下されることによって、中央部を中心として回動する。これに伴い、第2鍵の後端部が上方に回動し、連結材がウィッペンを持ち上げ、上方に回動させることによって、ハンマーが駆動され、ハンマーによる打弦が行われる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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