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公開番号2025135158
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024032816
出願日2024-03-05
発明の名称玉軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/49 20060101AFI20250910BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】遠心力に伴う保持器の変形を抑制しつつ、保持器の成形時、及び、ポケットへの玉の挿入時における保持器の形状崩れを抑制する。
【解決手段】
dmn={(D+d)/2}×n
D:外方部材4の外径(mm)
d:内方部材3の内径(mm)
n:回転数(min-1)
で規定されるdmn値が90万以上の環境下で使用される玉軸受において、玉5を保持する保持器10は、環状の基部11と、基部11の軸方向一方側に周方向に沿って形成された複数のポケット20とを備えた冠型保持器であり、ポケット20の軸方向他方側の底部22における前記基部11の軸方向への最小の肉厚tが、玉5の直径Daに対して、
0.06Da≦t≦0.22Da
である玉軸受とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内方部材(3)及び外方部材(4)と、前記内方部材(3)及び前記外方部材(4)との間に配置される玉(5)と、前記玉(5)を保持する保持器(10)と、を備え、
dmn={(D+d)/2}×n
D:前記外方部材(4)の外径(mm)
d:前記内方部材(3)の内径(mm)
n:回転数(min
-1

で規定されるdmn値が90万以上の環境下で使用される玉軸受において、
前記保持器(10)は、環状の基部(11)と、前記基部(11)の軸方向一方側に周方向に沿って形成され前記玉(5)を保持する複数のポケット(20)とを備えた冠型保持器であり、前記ポケット(20)の軸方向他方側の底部(22)における前記基部(11)の軸方向への最小の肉厚tが、前記玉(5)の直径Daに対して、
0.06Da≦t≦0.22Da
である玉軸受。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
周方向に隣り合う前記ポケット(20)間を結ぶ連結部(15)における軸方向一端側の縁と前記基部(11)の軸方向他端側の縁との軸方向距離Hが、前記ポケット(20)の直径で規定されるポケット径HPに対して、
H≦t+HP/2
である請求項1に記載の玉軸受。
【請求項3】
前記底部(22)を通り且つ前記基部(11)の軸心を含む軸方向断面における前記基部(11)の断面積Sと、周方向に隣り合う前記ポケット(20,20)間を結ぶ連結部(15)の周方向中央(16)を通り且つ前記基部(11)の軸心を含む軸方向断面における前記基部(11)の断面積S’との関係において、
S<S’
である請求項1に記載の玉軸受。
【請求項4】
前記保持器(10)の素材は、エンジニアプラスチックを含んでいる請求項1に記載の玉軸受。
【請求項5】
前記保持器(10)の素材は、強化材としてカーボンファイバー又はグラスファイバーを含んでいる請求項4に記載の玉軸受。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の玉軸受を用い、電動輸送機器用の駆動モータ、減速機又は増速機が備える回転軸を前記玉軸受で支持している軸受装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、高速回転に適用できる玉軸受に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、建設用機械等の各種車両、その他、各種産業用機械等において、電動機を備えた装置には多数の軸受が用いられている。これらの機器類に用いられる軸受は、一般的な機器類で軸支持に使用される軸受と比べて、高速条件で使用されることが一般的である。また、近年、特に電動自動車では、電費・走行性能向上の手段として、電動機の出力密度を高めるため、回転速度を高めて小型・軽量化する動向がある。電動機の高速化に伴い、軸受の最高回転速度が上昇すると、軸受の内部部品へ作用する遠心力が増大する。
近年、駆動モータ、変速機、増減速機等を一体化させた「e-Axle」と呼ばれる駆動ユニットが広く普及している。高出力化に伴ってモータの高速化が進んでいる。「e-Axle」におけるモータの回転軸を支持する軸受は、内輪内径dが20mm≦d≦40mm以下で使用され、他の機器類の軸受よりも高回転で使用されることが一般的である。
【0003】
ところで、転動体として玉(ボール)を用いる玉軸受では、玉を保持するための保持器として、冠型保持器が用いられる場合がある。冠型保持器は、環状の基部と、その基部の円周方向に沿って複数のポケットを備えた構成となっている。ポケットは、基部に対して保持器の軸方向一方側に並列して設けられる。各ポケットは、保持器の半径方向に貫通し且つ軸方向一方側に開口するとともに、各ポケットの開口の円周方向両側に一対の爪部を備えて玉を保持する形態となっている。
【0004】
冠型保持器を用いた玉軸受の場合、軸受の回転の高速化とともに遠心力で保持器のポケットの遠心力により爪部が外径側へ変形し、玉の抱え込みが発生する懸念がある。このため、例えば特許文献1では、ポケットの開口側に、金属製の変形防止部材を取り付けて、ポケットの両側の爪部の変形を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-285506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような変形防止部材を取り付けることは、部品点数の増加につながるとともに、保持器の構造を複雑化しコスト高の要因になるという問題がある。これに対して、例えば、保持器のポケットの底肉厚、すなわち、ポケットの底部における基部の軸方向への厚さを従来よりも厚くすることで保持器の剛性を高め、遠心力に伴う変形を抑制するという手段も考えられる。
【0007】
しかし、ポケットの剛性を上げ過ぎると、ポケットへの玉の挿入時に、あるいは、保持器の成形時に成形金型から部材を取り出す際に、爪先の形状崩れが発生しやすくなる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、遠心力に伴う保持器の変形を抑制しつつ、保持器の成形時、及び、ポケットへの玉の挿入時における保持器の形状崩れを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明は、内方部材及び外方部材と、前記内方部材及び前記外方部材との間に配置される玉と、前記玉を保持する保持器と、を備え、
dmn={(D+d)/2}×n
D:前記外方部材の外径(mm)
d:前記内方部材の内径(mm)
n:回転数(min
-1

で規定されるdmn値が90万以上の環境下で使用される玉軸受において、前記保持器は、環状の基部と、前記基部の軸方向一方側に周方向に沿って形成され前記玉を保持する複数のポケットとを備えた冠型保持器であり、前記ポケットの軸方向他方側の底部における前記基部の軸方向への最小の肉厚tが、前記玉の直径Daに対して、
0.06Da≦t≦0.22Da
である玉軸受を採用した(構成1)。
【0010】
構成1において、周方向に隣り合う前記ポケット間を結ぶ連結部における軸方向一端側の縁と前記基部の軸方向他端側の縁との軸方向距離Hが、前記ポケットの直径で規定されるポケット径HPに対して、
H≦t+HP/2
である構成を採用できる(構成2)。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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