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公開番号2025136408
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034966
出願日2024-03-07
発明の名称摺動式等速自在継手
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 3/227 20060101AFI20250911BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】摺動式等速自在継手の保持器のポケットの打ち抜きによって生じるダレに起因する不具合を、コスト高を招くことなく防止する。
【解決手段】保持器原形5’に設けられた大径リング部の形成予定領域12’の内周面19’のうち、ポケットの形成予定領域15’に隣接する領域に、軸方向他方側(小径リング部の形成予定領域側)に行くにつれて縮径した環状のテーパ面19a’を形成する。その後、保持器原形5’を内径側から打ち抜いて、大径リング部12、小径リング部13、複数の柱部14、及び複数のポケット15を形成すると共に、大径リング部12の内周面19のうち、ポケット15に隣接した第2領域19bの軸線に対する角度を、柱部14に隣接した第1領域19aの軸線に対する最大角度αよりも小さくする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向一方側に設けられた大径リング部と、軸方向他方側に設けられた小径リング部と、前記大径リング部と前記小径リング部とを軸方向に繋ぐ複数の柱部とを有し、前記複数の柱部の周方向間に複数のポケットが形成され、
外周面に設けられた球面部の曲率中心(O1)が継手中心(O)に対して軸方向一方側に距離(F)だけオフセットし、内周面に設けられた球面部の曲率中心(O2)が継手中心(O)に対して軸方向他方側に前記距離(F)だけオフセットした摺動式等速自在継手の保持器において、
前記大径リング部の内周面のうち、前記柱部に隣接した領域に、軸方向他方側に行くにつれて縮径した第1領域が設けられ、
前記大径リング部の内周面のうち、前記ポケットに隣接した領域に、軸線に対する角度が、前記第1領域の軸線に対する最大角度よりも小さい第2領域が設けられた摺動式等速自在継手の保持器。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記大径リング部の内周面のうち、前記第1領域及び前記第2領域の軸方向一方側に隣接した領域に、前記第1領域及び前記第2領域の軸方向一方側の端部と同径であり、全周で連続した円筒状の第3領域が設けられた請求項1に記載の摺動式等速自在継手の保持器。
【請求項3】
前記第1領域及び前記第2領域の表面に、周方向に連続した旋削目が設けられた請求項1に記載の摺動式等速自在継手の保持器。
【請求項4】
請求項1に記載の保持器と、前記保持器の内周面の球面部と嵌合する球状外周面を有し、前記球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記保持器の外周面の球面部が摺動する円筒状内周面を有し、前記円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配され、前記保持器のポケットに収容されたボールとを有する摺動式等速自在継手。
【請求項5】
軸方向一方側に設けられた大径リング部と、軸方向他方側に設けられた小径リング部と、前記大径リング部と前記小径リング部とを軸方向に繋ぐ複数の柱部とを有し、前記複数の柱部の周方向間に複数のポケットが形成され、
外周面に設けられた球面部の曲率中心(O1)が継手中心(O)に対して軸方向一方側に距離(F)だけオフセットし、内周面に設けられた球面部の曲率中心(O2)が継手中心(O)に対して軸方向他方側に前記距離(F)だけオフセットした摺動式等速自在継手の保持器の製造方法において、
略円筒状の保持器原形を形成する工程と、
前記保持器原形に設けられた前記大径リング部の形成予定領域の内周面のうち、前記ポケットの形成予定領域に隣接する領域に、軸方向他方側に行くにつれて縮径した環状のテーパ面を形成する工程と、
前記保持器原形を内径側から打ち抜いて、前記大径リング部、前記小径リング部、前記複数の柱部、及び前記複数のポケットを形成すると共に、前記大径リング部の内周面のうち、前記ポケットに隣接した第2領域の軸線に対する角度を、前記柱部に隣接した第1領域の軸線に対する最大角度よりも小さくする工程とを有する摺動式等速自在継手の保持器の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動式等速自在継手に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに適用される等速自在継手は、二軸間の角度変位および軸方向相対移動の双方を許容する摺動式と、二軸間の角度変位を許容するが、二軸間の軸方向相対移動は許容しない固定式とに大別される。
【0003】
摺動式等速自在継手としては、回転トルクを伝達する転動体としてボールを用いたダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)や、転動体としてローラを用いたトリポード型等速自在継手(TJ)が知られている。ダブルオフセット型等速自在継手は、製造コストが安価なことや、継手内部の回転方向のガタが少ないことから広く用いられている。例えば下記の特許文献1には、ボールの個数を6個から8個に増やすことで、軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。また、下記の特許文献2には、最大作動角を30°以上まで高角化すると共に、さらなる軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-73129号公報
特開2007-85488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダブルオフセット型等速自在継手は、図13に示すように、円筒状内周面に直線状のトラック溝105が形成された外側継手部材101と、球状外周面に直線状のトラック溝106が形成された内側継手部材102と、外側継手部材101のトラック溝105と内側継手部材102のトラック溝106との間に配された複数のボール103と、複数のボール103を保持する保持器104とを備える。
【0006】
保持器104は、大径リング部107と、小径リング部108と、これらを軸方向に繋ぐ複数の柱部109と、複数の柱部109の周方向間に設けられた複数のポケット110とを有する。保持器104の外周面には、外側継手部材101の円筒状内周面と摺動する球面部111が設けられる。保持器104の内周面には、内側継手部材102の球状外周面と嵌合する球面部112が設けられる。内側継手部材102を保持器104の内周に組み込むために、保持器104の大径リング部107の内周面には円筒面113が設けられる。
【0007】
保持器104の製造工程では、鍛造及び旋削により図14に示すような略円筒状の保持器原形104’を形成した後、図15に示すように保持器原形104’を内径側からパンチ201で打ち抜いてポケット110が形成される。このポケット110の打ち抜き加工により、図17に拡大して示すように、大径リング部107の内周面に設けられた円筒面113のうち、ポケット110に隣接する領域が、打ち抜き加工前(図17の点線参照)よりも外径側に変位してダレPが生じる。これにより、ポケット110の内周面(以下、「ポケット面114」という。)の内径端が、ダレPの分だけ外径側に変位する。図16に示すように、等速自在継手が最大作動角を取った状態で回転するとき、ボール103(図16における下側のボール)が、ポケット面114の内径端付近に接触することがある。このとき、図17に実線で示すようにダレPの発生によりポケット面114の内径端が外径側に変位していると、ボール103とポケット面114との接触部(接触楕円)がポケット面114から内径側にはみ出してしまう。このように、ボール103がポケット面114から外れてしまうと、ポケット面114のエッジ部(内径端)が欠けたり、ボール103がポケット面114のエッジ部によって傷つけられたりして、等速自在継手の強度や寿命に悪影響を及ぼすことになる。
【0008】
例えば、ダレPの分だけ、保持器104の円筒面113を予め小径に形成しておけば、ダレPが生じてもポケット面114の内径端を正規の半径方向位置に配することができるため、上記のような強度や耐久性の低下を回避できる。しかし、保持器104の円筒面113を小径化すると、以下のような組立上の不具合が生じる。
【0009】
保持器104の内周への内側継手部材102の組み込みは、以下の手順で行われる。まず図18に示すように、保持器104と内側継手部材102とを同軸上に配し、保持器104の柱部109の位相(周方向位置)と内側継手部材102のトラック溝106の位相を合わせる。この状態で、保持器104の円筒面113に内側継手部材102を嵌合させながら、内側継手部材102を保持器104の内周に挿入する。その後、保持器104と内側継手部材102とを周方向に相対回転させて、図19に示すように保持器104のポケット110の位相と内側継手部材102のトラック溝106の位相とを合わせる。
【0010】
このように、保持器104の内周に内側継手部材102を組み込み可能とするために、内側継手部材102の外径Dn(図18参照)は、保持器104の円筒面113の直径Dc(図18参照)よりも小さくする必要がある。従って、上記のようにダレPの分だけ保持器104の円筒面113の直径Dcを小さくした場合、内側継手部材102の外径Dnも小径化する必要が生じる。内側継手部材102の外周面を小径化すると、内側継手部材102のトラック溝106が浅くなるため、トルク負荷容量の低下等の不具合を招く。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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