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公開番号2025134834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2025101880,2022520570
出願日2025-06-18,2020-10-05
発明の名称ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体
出願人バイスクルテクス・リミテッド,BicycleTx Limited
代理人個人
主分類C07K 14/00 20060101AFI20250909BHJP(有機化学)
要約【課題】ペプチドリガンド、および前記ペプチドリガンドが第二のペプチドにコンジュゲートしたものを含むペプチド複合体を提供する。
【解決手段】癌細胞上に存在するネクチン-4に結合するペプチドリガンド又はその医薬として許容し得る塩であって、少なくとも2つのループ配列によって隔てられた少なくとも3つの反応基を含むポリペプチド及び該ポリペプチドの反応基と共有結合を形成する分子スキャフォールドを含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが該分子スキャフォールド上に形成され、該ポリペプチドが特定配列の修飾誘導体であることを特徴とする、前記ペプチドリガンド又はその医薬として許容し得る塩が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)癌細胞上に存在する構成要素に結合する第一のペプチドリガンド;がリンカーを介して

(b)免疫細胞上に存在する構成要素に結合する第二のペプチドリガンド;
にコンジュゲートしたもの
:を含み、
ここで、該ペプチドリガンドの各々が少なくとも2つのループ配列によって隔てられた
少なくとも3つの反応基を含むポリペプチド及び該ポリペプチドの反応基と共有結合を形
成する分子スキャフォールドを含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが
該分子スキャフォールド上に形成される、ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体であって
、該ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体が以下の第一及び第二のペプチドリガンド:
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(ここで、1Nalは1-ナフチルアラニンを表し、HArgはホモアルギニンを表し、HyPはヒドロ
キシプロリンを表し、B-Alaはβ-アラニンを表し、PYAは4-ペンチン酸を表し、3,3-DPAは
3,3-ジフェニルアラニンを表し、Cbaはβ-シクロブチルアラニンを表し、hGluはホモグル
タミン酸を表し、Nleはノルロイシンを表し、NMeAlaはN-メチル-アラニンを表し、tBuAla
はt-ブチル-アラニンを表し、Aadはα-L-アミノアジピン酸を表し、Acはアセチル基を表
し、Dapはジアミノプロピオン酸を表す)、又はその医薬として許容し得る塩
を含むことを特徴とする、前記ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記免疫細胞が、白血球;リンパ球(例えば、Tリンパ球もしくはT細胞、B細胞、又はナ
チュラルキラー細胞); CD8又はCD4; CD8;樹状細胞、濾胞樹状細胞、及び顆粒球:から選択
される、請求項1記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項3】
前記第二のペプチドリガンドがCD137結合二環式ペプチドリガンドを含む、請求項1又は
請求項2記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項4】
前記CD137結合二環式ペプチドが配列番号67~84のペプチドのいずれかから選択される
、請求項3記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項5】
前記第一のペプチドリガンドがネクチン-4結合二環式ペプチドリガンドを含む、請求項
1~4のいずれか一項記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項6】
前記ネクチン-4結合二環式ペプチドが配列番号52~66のペプチドのいずれかから選択さ
れる、請求項5記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項7】
表Cに掲載されている複合体、例えば、BCY11468、BCY11618、BCY11776、BCY11860、BCY
12020、BCY12661、及びBCY12969のいずれか1つから選択される、請求項5又は請求項6記載
のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項8】
前記第一のペプチドリガンドがEphA2結合二環式ペプチドリガンドを含む、請求項1~4
のいずれか一項記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項9】
前記EphA2結合二環式ペプチドが配列番号10~51のペプチドのいずれかから選択される
、請求項8記載のヘテロタンデム二環式ペプチド複合体。
【請求項10】
表Bに掲載されている複合体、例えば、BCY13035、BCY13040、BCY13253、BCY13254、BCY
13340、及びBCY13342のいずれか1つから選択される、請求項8又は請求項9記載のヘテロタ
ンデム二環式ペプチド複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、癌細胞上に存在する構成要素に結合する第一のペプチドリガンドが、リンカ
ーを介して、免疫細胞上に存在する構成要素に結合する第二のペプチドリガンドにコンジ
ュゲートしたものを含む、ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体に関する。本発明はまた
、癌の予防、抑制、又は治療における該ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体の使用に関
する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
環状ペプチドは、高い親和性及び標的特異性でタンパク質標的に結合することができ、
それゆえ、治療薬の開発のための魅力的な分子クラスである。実際、いくつかの環状ペプ
チドは、例えば、抗菌ペプチドのバンコマイシン、免疫抑制薬のシクロスポリン、又は抗
癌薬のオクトレオチドのように、診療所で使用されるのに既に成功している(Driggersら
の文献(2008), Nat Rev Drug Discov 7(7), 608-24)。優れた結合特性は、ペプチドと標
的との間で形成される比較的大きな相互作用表面だけでなく、環状構造の立体構造可撓性
の低下にも起因する。通常、大環状分子は、環状ペプチドCXCR4アンタゴニストCVX15(400

2
; Wuらの文献(2007), Science 330, 1066-71)、インテグリンαVb3に結合するArg-Gly
-Aspモチーフを有する環状ペプチド(355Å
2
)(Xiongらの文献(2002), Science 296(5565),
151-5)、又はウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子に結合する環状ペプチド阻害剤
ウパイン-1(603Å
2
; Zhaoらの文献(2007), J Struct Biol 160(1), 1-10)のように、数百
平方オングストロームの表面に結合する。
【0003】
その環状立体配置のために、ペプチド大環状分子は、直鎖状ペプチドよりも可撓性が低
く、標的に結合したときのエントロピー損失がより小さくなり、結果的に、より高い結合
親和性が生じる。可撓性の低下はまた、標的特異的立体構造の固定をもたらし、直鎖状ペ
プチドと比較して結合特異性を増加させる。この効果は、その環が開いたときに、他のMM
Pに対するその選択性を失うマトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP-8)の強力かつ選択
的な阻害剤によって例証されている(Cherneyらの文献(1998), J Med Chem 41(11), 1749-
51)。大環状化によって達成される有利な結合特性は、例えば、バンコマイシン、ナイシ
ン、及びアクチノマイシンのような、複数のペプチド環を有する多環性ペプチドにおいて
さらにより顕著である。
【0004】
様々な研究チームが、以前に、システイン残基を有するポリペプチドを合成分子構造に
繋いでいる(Kemp及びMcNamaraの文献(1985), J. Org. Chem; Timmermanらの文献(2005),
ChemBioChem)。Meloen及び共同研究者らは、トリス(ブロモメチル)ベンゼン及び関連分子
をタンパク質表面の構造的模倣用の合成スキャフォールド上での複数のペプチドループの
迅速かつ定量的な環化に使用した(Timmermanらの文献(2005)、ChemBioChem)。候補薬物化
合物(ここで、該化合物は、システイン含有ポリペプチドを、例えば、トリス(ブロモメチ
ル)ベンゼンのような分子スキャフォールドに連結させることにより作製される)の作製方
法は、WO 2004/077062号及びWO 2006/078161号に開示されている。
【0005】
対象となる標的に対する二環式ペプチドの大型ライブラリーを作製及びスクリーニング
するためのファージディスプレイに基づくコンビナトリアルアプローチが開発されている
(Heinisらの文献(2009), Nat Chem Biol 5(7), 502-7及びWO 2009/098450号)。簡潔に述
べると、3つのシステイン残基及び2つのランダムな6アミノ酸領域を含有する直鎖状ペプ
チド(Cys-(Xaa)
6
-Cys-(Xaa)
6
-Cys)のコンビナトリアルライブラリをファージ上に提示さ
せ、システイン側鎖を低分子(トリス-(ブロモメチル)ベンゼン)に共有結合させることに
より環化させた。
【発明の概要】
【0006】
(発明の概要)
本発明の第一の態様によれば、
(a)癌細胞上に存在する構成要素に結合する第一のペプチドリガンド;がリンカーを介して

(b)免疫細胞上に存在する構成要素に結合する第二のペプチドリガンド;
にコンジュゲートしたもの
:を含み、
ここで、該ペプチドリガンドの各々が少なくとも2つのループ配列によって隔てられた
少なくとも3つの反応基を含むポリペプチド及び該ポリペプチドの反応基と共有結合を形
成する分子スキャフォールドを含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが
該分子スキャフォールド上に形成される、ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体であって
、該ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体が以下の第一及び第二のペプチドリガンド:
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(ここで、1Nalは1-ナフチルアラニンを表し、HArgはホモアルギニンを表し、HyPはヒドロ
キシプロリンを表し、B-Alaはβ-アラニンを表し、PYAは4-ペンチン酸を表し、3,3-DPAは
3,3-ジフェニルアラニンを表し、Cbaはβ-シクロブチルアラニンを表し、hGluはホモグル
タミン酸を表し、Nleはノルロイシンを表し、NMeAlaはN-メチル-アラニンを表し、tBuAla
はt-ブチル-アラニンを表し、Aadはα-L-アミノアジピン酸を表し、Acはアセチル基を表
し、Dapはジアミノプロピオン酸を表す)、又はその医薬として許容し得る塩
を含むことを特徴とする、ヘテロタンデム二環式ペプチド複合体が提供される。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書で定義されるヘテロタンデム二環式ペプチド
複合体を1以上の医薬として許容し得る賦形剤との組合せで含む医薬組成物が提供される

【0008】
本発明のさらなる態様によれば、癌の予防、抑制、又は治療において使用するための本
明細書で定義されるヘテロタンデム二環式ペプチド複合体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明の詳細な説明)
(第一のペプチドリガンド)
「癌細胞」という用語への本明細書における言及は、癌に関与することが知られている
任意の細胞を含む。癌細胞は、細胞分裂の調節に関与する遺伝子が損傷を受けたときに生
み出される。発癌は、増殖と細胞死との間の正常な均衡を壊す正常細胞の遺伝物質の突然
変異及びエピ突然変異によって生じる。この結果として、制御されない細胞分裂及び体内
での自然淘汰によるこれらの細胞の進化が起こる。制御されない、かつ多くの場合、急速
な細胞増殖は、良性又は悪性腫瘍(癌)を生じさせ得る。良性腫瘍は、体の他の部分に拡大
することも、他の組織に侵入することもない。悪性腫瘍は、他の器官に侵入し、遠隔部位
に拡大し(転移)、生命を脅かすものとなり得る。
【0010】
一実施態様において、癌細胞は、HT1080、A549、SC-OV-3、PC3、H1376、NCI-H292、LnC
ap、MC38、4T1-D02、及びRKO腫瘍細胞から選択される。
(【0011】以降は省略されています)

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