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公開番号2025130790
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028077
出願日2024-02-28
発明の名称複層フィルムの製造方法
出願人日本ゼオン株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B05D 3/02 20060101AFI20250902BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】塗膜中の固形分濃度が低く、溶剤の沸点が低い場合に、ブラッシング欠陥を抑制しうる複層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】高分子材料及び溶剤を含む塗工液を、基材フィルムに塗工して、基材フィルム及び塗膜を備える中間フィルムを得る塗工工程と、中間フィルムの塗膜を乾燥する第一乾燥工程と、第一乾燥工程後の塗膜を第一乾燥工程よりも高温で乾燥する第二乾燥工程と、塗工工程後、第一乾燥工程前まで、室温で中間フィルムを搬送する搬送工程と、を有し;塗工工程において、溶剤の平均沸点TAve(℃)に対する、塗工直後の塗膜に含まれる溶剤量の厚み換算値Csol(μm)の比Csol/TAve(μm/℃)を、所定の値以上とし;塗工工程における容積絶対湿度、搬送工程における中間フィルムの搬送時間及び第一乾燥工程における乾燥温度を所定の範囲に調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高分子材料及び溶剤を含む塗工液を、基材フィルムに塗工して、前記基材フィルム及び塗膜を備える中間フィルムを得る塗工工程と、
前記中間フィルムの前記塗膜を乾燥する第一乾燥工程と、
前記第一乾燥工程後の前記塗膜を前記第一乾燥工程よりも高温で乾燥する第二乾燥工程と、
前記塗工工程後、前記第一乾燥工程前まで、室温で前記中間フィルムを搬送する搬送工程と、を有し;
前記塗工工程において、前記溶剤の平均沸点T
Ave
(℃)に対する、塗工直後の前記塗膜に含まれる前記溶剤量の厚み換算値C
sol
(μm)の比C
sol
/T
Ave
(μm/℃)が、0.2以上であり;
前記塗工工程における容積絶対湿度が10.0g/m

以下であり;
前記搬送工程において前記中間フィルムが搬送される時間が、4秒以下であり;
前記第一乾燥工程では、前記塗膜に含まれる前記溶剤の沸点T
sol
(℃)+5℃以上の第一乾燥温度で、前記塗膜を乾燥する、複層フィルムの製造方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記第一乾燥工程では、前記基材フィルムの前記塗膜が形成された面とは反対側の面から、熱風を吹き付けることにより、前記塗膜を乾燥させる熱風処理を少なくとも行う、請求項1に記載の複層フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記塗工液中に含まれる前記溶剤の沸点T
sol
(℃)が85℃以下である、請求項1に記載の複層フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複層フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、樹脂製の基材フィルム上に、高分子材料層が設けられた複層フィルムの製造方法として、高分子材料及び溶剤を含む塗工液を、基材フィルムに塗工して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥させるプロセスを含む製造方法が用いられている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-292291号公報
特開2011-145703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した塗工法を用いた複層フィルムの製造方法においては、塗膜の乾燥過程において、高分子材料層に白濁が生じるといったブラッシング欠陥が生じてしまう場合がある。特に、ブラッシング欠陥は、塗膜中の固形分濃度が低く、溶剤の沸点が低い場合に生じやすい傾向にある。
【0005】
本発明は前記実情に鑑みてなされた発明であり、ブラッシング欠陥を抑制しうる複層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、検討を重ねたところ、溶剤の平均沸点T
Ave
(℃)に対する、塗工直後の塗膜に含まれる溶剤量の厚み換算値C
sol
(μm)の比が所定の値以上となる場合にブラッシング欠陥が生じやすいこと、前記比C
sol
/T
Ave
(μm/℃)が所定の値以上となるような塗膜であっても、塗工工程における湿度条件、塗膜形成後から乾燥までの室温滞在時間、及び乾燥温度を調整することにより、ブラッシング欠陥の発生を抑制しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本発明は、以下のものを含む。
<1> 高分子材料及び溶剤を含む塗工液を、基材フィルムに塗工して、前記基材フィルム及び塗膜を備える中間フィルムを得る塗工工程と、前記中間フィルムの前記塗膜を乾燥する第一乾燥工程と、前記第一乾燥工程後の前記塗膜を前記第一乾燥工程よりも高温で乾燥する第二乾燥工程と、前記塗工工程後、前記第一乾燥工程前まで、室温で前記中間フィルムを搬送する搬送工程と、を有し;前記塗工工程において、前記溶剤の平均沸点T
Ave
(℃)に対する、塗工直後の前記塗膜に含まれる前記溶剤量の厚み換算値C
sol
(μm)の比C
sol
/T
Ave
(μm/℃)が、0.2以上であり;前記塗工工程における容積絶対湿度が10.0g/m

以下であり;前記搬送工程において前記中間フィルムが搬送される時間が、4秒以下であり;前記第一乾燥工程では、前記塗膜に含まれる前記溶剤の沸点T
sol
(℃)+5℃以上の第一乾燥温度で、前記塗膜を乾燥する、複層フィルムの製造方法。
<2> 前記第一乾燥工程では、前記基材フィルムの前記塗膜が形成された面とは反対側の面から、熱風を吹き付けることにより、前記塗膜を乾燥させる熱風処理を少なくとも行う、<1>に記載の複層フィルムの製造方法。
<3> 前記塗工液中に含まれる前記溶剤の沸点T
sol
(℃)が80℃以下である、<1>に記載の複層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る複層フィルムの製造方法によれば、ブラッシング欠陥を抑制しうる複層フィルムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る複層フィルムの製造方法に用いられる製造装置及びそれを用いた製造方法の一例を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下に示す実施形態の構成要素は、適宜組み合わせうる。
(【0011】以降は省略されています)

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