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公開番号
2025120622
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-18
出願番号
2024015540
出願日
2024-02-05
発明の名称
原紙の製造方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
D21C
5/02 20060101AFI20250808BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】少なくとも紙基材層およびシーラント層を有するラミネート古紙を原料とする、古紙パルプを含むリサイクル組成物を原料としても、得られる原紙の比引張強度の低下を抑制できる、原紙の製造方法を提供すること。
【解決手段】ラミネート古紙を原料とする、古紙パルプ含むリサイクル組成物を配合する、原紙の製造方法であり、前記ラミネート古紙が、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有し、前記ラミネート古紙における前記シーラント層の紙基材層側とは反対側の面の印刷層による被覆面積の割合が、45%以下である、原紙の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ラミネート古紙を原料とする、古紙パルプ含むリサイクル組成物を配合する、原紙の製造方法であり、
前記ラミネート古紙が、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有し、
前記ラミネート古紙における前記シーラント層の紙基材層側とは反対側の面の印刷層による被覆面積の割合が、45%以下である、原紙の製造方法。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記原紙が、少なくとも表層、中層および裏層を有し、
少なくとも前記中層に、前記リサイクル組成物を配合する、請求項1に記載の原紙の製造方法。
【請求項3】
前記中層が、2層以上である、請求項2に記載の原紙の製造方法。
【請求項4】
前記ラミネート古紙における前記シーラント層の厚みが、100μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
【請求項5】
前記ラミネート古紙中の前記シーラント層の含有量が、1質量%以上35質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
【請求項6】
前記ラミネート古紙における前記紙基材層の厚みが、150μm以上550μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
【請求項7】
前記ラミネート古紙が、紙基材層とシーラント層との間に、さらにアルミニウム層を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
【請求項8】
下記式(1)で求められる前記ラミネート古紙のリサイクル率が、80質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
ラミネート古紙のリサイクル率(質量%)={1-(除去成分の絶乾質量(kg)/ラミネート古紙の絶乾質量(kg))}×100 (1)
【請求項9】
下記式(2)で求められる前記ラミネート古紙中の樹脂成分のリサイクル率が、50質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
樹脂成分のリサイクル率(質量%)={1-(除去成分中の樹脂成分量(kg)/ラミネート古紙中の樹脂成分量(kg))}×100 (2)
【請求項10】
前記リサイクル組成物の配合率が、1質量%以上30質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の原紙の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原紙の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の削減や環境問題に対する関心の高まりから、より多くの古紙を利用することが望まれている。従来、再利用の困難であった、樹脂層や金属層を有する紙積層体についても、古紙として利用することが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポリオレフィンラミネート古紙からパルプを回収する方法において、ポリオレフィンラミネート古紙にアルカリを添加し、加温下で濃度10~15%で離解し、粗選および精選工程を経たのち、濃度0.5~0.85%に稀釈してパルプスラリー量(Lm
3
)に対する送入空気量(GNm
3
)の比を表すG/L比を5以上として浮選処理を行うことを特徴とするポリオレフィンラミネート古紙の処理方法が開示されている。
また、特許文献2には、ラミネート古紙を含む古紙の再生処理方法において、ラミネート古紙を含む古紙と、水と、アルカリ剤とをパルパーに入れ、離解処理を行う離解ステップと、該パルパーに希釈水を注入して離解により得られたパルプスラリーを希釈し、希釈されたパルプスラリーをストレーナを通して濾過する濾過ステップと、前記濾過されたパルプスラリーを濃縮機で濃縮してスラリー濃度が3.5~6質量%の濃縮パルプスラリーとする濃縮ステップと、前記濃縮パルプスラリーをスクリーンにより除塵して除塵パルプスラリーを得る除塵ステップと、前記除塵パルプスラリーを脱水後、ニーディングによって分散処理を行うニーディングステップと、を有し、前記ラミネート古紙を含む古紙は、ラミネート古紙を含む古紙と水とアルカリ剤との全量に対して10~15質量%の範囲で投入する、ことを特徴とするラミネート古紙を含む古紙の再生処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-228894号公報
特開2015-78469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飲料向け容器である、牛乳パックや、いわゆるアセプティック(無菌充填)容器などに用いられているラミネート紙は、紙基材層にシーラント層等の樹脂層や、必要に応じ金属層を積層した構成を有している。上記のような飲料向け容器に用いられているラミネート紙は、従来のプラスチック容器の代替として、使用する樹脂の量を削減できるなどの利点を有することから、需要が増加している。また、環境負荷の観点から、このようなラミネート紙をリサイクルすることへの関心が高まっている。
一方、飲料向け容器に用いられているラミネート紙は、紙基材層に加え、樹脂層等を有することから、これらの樹脂層等に由来する樹脂等が微細化されたチリが古紙パルプに混入するため、リサイクルに適さなかった。
【0006】
特許文献1および2に開示の古紙の処理方法では、古紙パルプを用いて製造された原紙の比引張強度が低下し、紙としての十分な強度が得られない場合があるという課題があった。
本発明の目的は、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有するラミネート古紙を原料とする、古紙パルプを含むリサイクル組成物を原料としても、得られる原紙の比引張強度の低下を抑制できる、原紙の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ラミネート古紙を原料とする、古紙パルプ含むリサイクル組成物を配合する、原紙の製造方法において、前記ラミネート古紙における前記シーラント層の紙基材層側とは反対側の面の印刷層による被覆面積の割合が一定以下であることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、以下を提供する。
<1> ラミネート古紙を原料とする、古紙パルプ含むリサイクル組成物を配合する、原紙の製造方法であり、前記ラミネート古紙が、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有し、前記ラミネート古紙における前記シーラント層の紙基材層側とは反対側の面の印刷層による被覆面積の割合が、45%以下である、原紙の製造方法。
<2> 前記原紙が、少なくとも表層、中層および裏層を有し、少なくとも前記中層に、前記リサイクル組成物を配合する、<1>に記載の原紙の製造方法。
<3> 前記中層が、2層以上である、<2>に記載の原紙の製造方法。
<4> 前記ラミネート古紙における前記シーラント層の厚みが、100μm以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
<5> 前記ラミネート古紙中の前記シーラント層の含有量が、1質量%以上35質量%以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
<6> 前記ラミネート古紙における前記紙基材層の厚みが、150μm以上550μm以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
<7> 前記ラミネート古紙が、紙基材層とシーラント層との間に、さらにアルミニウム層を有する、<1>~<6>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
<8> 下記式(1)で求められる前記ラミネート古紙のリサイクル率が、80質量%以上である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
ラミネート古紙のリサイクル率(質量%)={1-(除去成分の絶乾質量(kg)/ラミネート古紙の絶乾質量(kg))}×100 (1)
<9> 下記式(2)で求められる前記ラミネート古紙中の樹脂成分のリサイクル率が、50質量%以上である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
樹脂成分のリサイクル率(質量%)={1-(除去成分中の樹脂成分量(kg)/ラミネート古紙中の樹脂成分量(kg))}×100 (2)
<10> 前記リサイクル組成物の配合率が、1質量%以上30質量%以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の原紙の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有するラミネート古紙を原料とする、古紙パルプを含むリサイクル組成物を原料としても、得られる原紙の比引張強度の低下を抑制できる、原紙の製造方法を提供できる。さらに、本発明の原紙の製造方法は、リサイクル性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明におけるラミネート古紙の一実施形態である、アセプティック容器の層構成の断面模式図である。
本発明におけるラミネート古紙の一実施形態である、紙コップの層構成の断面模式図である。
本発明におけるラミネート古紙の一実施形態である、牛乳パックの層構成の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[原紙の製造方法]
本実施形態の原紙の製造方法は、ラミネート古紙を原料とする、古紙パルプ含むリサイクル組成物を配合する、原紙の製造方法であり、前記ラミネート古紙が、少なくとも紙基材層およびシーラント層を有し、前記ラミネート古紙における前記シーラント層の紙基材層側とは反対側の面の印刷層による被覆面積の割合が、45%以下である。本実施形態の製造方法によれば、古紙パルプを含むリサイクル組成物を原料としても、得られる原紙の比引張強度の低下を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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