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公開番号2025117092
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011774
出願日2024-01-30
発明の名称車載装置、情報処理方法およびプログラム
出願人株式会社デンソーテン
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類B60L 53/65 20190101AFI20250804BHJP(車両一般)
要約【課題】電力スケジュールの実行に伴うセキュリティ上の不備を改善する。
【解決手段】車載装置はコントローラを備える。このコントローラは、車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限を示す有効期限情報と、処理が完了する完了時期を含む前記処理のスケジュール情報とを取得する。そして、この有効期限までに処理が完了しない場合に、有効期限が上記完了時期以降となるように有効期限を更新する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限を示す有効期限情報と、前記処理が完了する完了時期を含む前記処理のスケジュール情報と、を取得し、
前記有効期限までに前記処理が完了しない場合に、前記有効期限が前記完了時期以降となるように前記有効期限を更新するコントローラを備える車載装置。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記コントローラは、前記処理において前記電力が供給されないゼロ電力期間が生じるように前記充電設備を介して前記電力の供給元に前記スケジュール情報の変更を要求し、前記ゼロ電力期間が到来したときに前記充電設備を介して前記電力の供給元に電力供給の停止を要求する請求項１に記載の車載装置。
【請求項３】
前記コントローラは、前記電力供給の停止中に、前記認証に用いる証明書を更新する請求項２に記載の車載装置。
【請求項４】
前記コントローラは、前記電力供給の停止が解除された後に、前記更新された証明書により、前記充電設備または前記充電設備を介して前記電力の供給元との間で前記認証を実施する請求項３に記載の車載装置。
【請求項５】
前記有効期限がTransport Layer Security（ＴＬＳ）の有効期限である場合、
前記コントローラは、前記電力供給の停止中に、前記認証に用いる証明書を更新しないで、前記電力供給の停止が解除された後に、前記充電設備との間で前記ＴＬＳによる前記認証を実施する請求項２に記載の車載装置。
【請求項６】
前記有効期限情報は、ＴＬＳセッションライフタイム期限、Ｃｏｎｔｒａｃｔ証明書有効期限、Vehicle証明書有効期限およびＳＥＣＣ証明書有効期限の少なくとも１つを含む
請求項１に記載の車載装置。
【請求項７】
コントローラが、
車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限を示す有効期限情報と、前記処理が完了する完了時期を含む前記処理のスケジュール情報と、を取得し、
前記有効期限までに前記処理が完了しない場合に、前記有効期限が前記完了時期以降となるように前記有効期限を更新する情報処理方法。
【請求項８】
コントローラに、
車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限を示す有効期限情報と、前記処理が完了する完了時期を含む前記処理のスケジュール情報と、を取得し、
前記有効期限までに前記処理が完了しない場合に、前記有効期限が前記完了時期以降となるように前記有効期限を更新することを実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車載装置、情報処理方法およびプログラムに関するものである。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
外部から電源をつないで走行用バッテリーに充電できる車両（電動車ともいう）として、バッテリー式電気自動車（Battery Electric Vehicle、ＢＥＶ車）、プラグインハイブリッド（ＰＨＶ）車等が知られている。また、走行用バッテリーへの充電等における認証方式として、主に外部認証方式（External Identification Means, ＥＩＭ）とプラグ＆
チャージ（Plug and Charge, ＰｎＣ）が提案されている（例えば、下記特許文献１参照
）。ＰｎＣは、グリッドと呼ばれる電力網（電力グリッドあるいは電力系統とも呼ばれる）と電動車との間の通信インターフェースに関する規格であるＩＳＯ１５１１８にしたがった手順である。
【０００３】
また、認証方式によらず、電動車または充電設備（Electric Vehicle Supply Equipment, ＥＶＳＥ）の認証を必要とする場合、電動車とＥＶＳＥが接続後、証明書（例えば、Vehicle証明書）がＥＶＳＥ、ＥＶＳＥの証明書（例えば、ＳＥＣＣ証明書）が電動車に通知される。そして、それぞれの証明書が、ピア（ＥＶＳＥに対しては電動車、電動車に対してはＥＶＳＥ）に保存された事業者の証明書（例えば、Ｖ２ＧＲＯＯＴ証明書やＯＥＭＲＯＯＴ証明書）によって認証される。このような認証手順は、Transport Layer Security（ＴＬＳ）クライアント認証およびサーバ認証と呼ばれる。
【０００４】
さらに、ＰｎＣでは、事前に電動車にContract証明書を保持しておき、Contract証明書とペアである暗号鍵を用いてユーザ認証を行う。
【０００５】
さらに、ＩＳＯ１５１１８ではVehicle-to-Grid（Ｖ２Ｇ）への様々な配慮がなされて
いる。すなわち、ＩＳＯ１５１１８は、電力会社等から提供される電力系統と電動車のバッテリーとを接続し、相互に電力を利用することを想定している。そして、電動車と電力系統側のインフラ設備とが、電動車とＥＶＳＥ間およびＥＶＳＥとインフラ設備間の通信プロトコルを介して電力スケジュールの調停を行うことができる。
【０００６】
また、ＩＳＯ１５１１８では、電力スケジュール上、電動車がＥＶＳＥとの間で、直ちに充電または放電を開始しない場合は、ポーズ（PAUSE）に入ることができる。例えば、
電動車が電力伝送の開始時刻になったタイミングでＴＬＳのセッションを再開する、という仕組みも用意されている。このセッション再開のとき、ユーザ認証のプロセスはスキップされると規定されている。また、電動車がユーザ認証を受けない代わりにＴＬＳバインディングという手順で電動車とＥＶＳＥとの接続時のユーザ認証をＴＬＳセッションに紐付けることができる旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特開２０２０－１９５２０３公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、ＩＳＯ１５１１８においては、電力スケジュールの実行と、ユーザ認証との関係についての運用方法は記述されていない。例えば、ポーズ後に電力スケジュールにしたがう処理が再開した状況を検討する。このような状況での処理の実行中に、ＴＬＳ
のセッションライフタイム（例えば、ＩＳＯ１５１１８では、セッション再開が許可される最大時間は24時間と設定されている）が切れるケース、Contract証明書の有効期限が切れるケース、Vehicle証明書もしくはＳＥＣＣ証明書の有効期限が切れるケースが想定さ
れる。または、これらのケースが複合するケースも生じ得る。これらのケースでは、ユーザ認証が保証されない期間が存在することになる。開示の実施形態の側面は、電力スケジュールの実行に伴うセキュリティ上の不備を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
開示の実施形態の一側面は、車載装置によって例示される。本車載装置はコントローラを備える。このコントローラは、車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限を示す有効期限情報と、処理が完了する完了時期を含む処理のスケジュール情報とを取得する。そして、本車載装置はこの有効期限までに処理が完了しない場合に、有効期限が上記完了時期以降となるように有効期限を更新する。
【発明の効果】
【００１０】
上記のように、本車載装置は電力を授受する処理時の認証に関連する有効期限までに、電力を授受するが完了しない場合に、有効期限が上記完了時期以降となるように有効期限を更新する。そのため、車両に搭載されたバッテリーと充電設備との間で電力を授受する処理は、更新された有効期限前に完了できることになる。その結果、本車載装置を搭載した車両は、電力を授受する処理の実行中に、上記ユーザ認証に関連する有効期限が経過することを抑制できる。すなわち、本車載装置は、上記処理の途中でユーザ認証が失効する可能性を低減できる。したがって、本車載装置は、電源スケジュールの実行に伴うセキュリティ上の不備を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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