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公開番号
2025115769
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2024010407
出願日
2024-01-26
発明の名称
カルボニル鉄粉及びその製造方法
出願人
日鉄鉱業株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類
C01G
49/00 20060101AFI20250731BHJP(無機化学)
要約
【課題】工業的に実施が可能な、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉の製造方法、及び、その方法により表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉を提供する。また、本発明は、カルボニル鉄粉表面の付着物が除去されたことにより、カルボニル鉄粉表面に酸化チタン膜が均一にコーティングされた磁性粒子を提供する。
【解決手段】カルボニル鉄粉を真空脱気雰囲気で、圧力50Pa以下で6時間以上継続して減圧処理する工程と、次いで、真空脱気雰囲気の圧力が大気圧1.0×10
5
Paとなるまで1時間以上かけて大気開放する工程とを備える、カルボニル鉄粉の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
カルボニル鉄粉を真空脱気雰囲気で、圧力50Pa以下で6時間以上継続して減圧処理する工程と、
前記真空脱気雰囲気の圧力が、大気圧1.0×10
5
Paとなるまで1時間以上かけて大気開放する工程とを備える、カルボニル鉄粉の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の方法で得られたカルボニル鉄粉。
【請求項3】
前記カルボニル鉄粉の表面のN分率が2.0atm%以下である、請求項2に記載のカルボニル鉄粉。
【請求項4】
前記カルボニル鉄粉の粒子径が0.5~70μmである、請求項2又は3に記載のカルボニル鉄粉。
【請求項5】
前記カルボニル鉄粉の変動指数CV値が0.3~0.6である、請求項2又は3に記載のカルボニル鉄粉。
【請求項6】
前記カルボニル鉄粉の表面に不活性材料が被覆された粉体組成物。
【請求項7】
前記不活性材料が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、リン酸アルミニウム、酸化グラフェンの少なくともいずれか一つである請求項6に記載の粉体組成物。
【請求項8】
請求項2に記載されたカルボニル鉄粉からなるコピー用トナー。
【請求項9】
請求項2に記載されたカルボニル鉄粉からなる磁性インク。
【請求項10】
請求項2に記載されたカルボニル鉄粉からなるMR流体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボニル鉄粉及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
微小サイズのカルボニル鉄粒子(以降、「カルボニル鉄粉」ともいう)は、磁性インク、磁性トナー用顔料粉体、プラスチック、紙用磁性フィラー粉体、化粧料用粉体、MR流体、光触媒粉体等多種の目的の磁性粒子として広く使用されている。また、磁性粒子の懸濁液であるMR流体(MRFs)は、特有のレオロジー特性により、ダンパー、ブレーキ、クラッチ、バルブなどに用いられている。しかしながら、カルボニル鉄粉は空気あるいは湿気にさらされると簡単に酸化し、磁性、磁気レオロジー特性が低下する。そこで、表面酸化を防ぐために、不活性材料をカルボニル鉄粒子の表面に被覆する方法が知られている。不活性材料としては、例えば、空気及び湿気中で安定している酸化チタン、酸化ケイ素 、酸化亜鉛、リン酸アルミニウム、酸化グラフェンが挙げられる。金属粉体に酸化チタン膜を被覆する方法としては、テトライソプロポキシチタン溶液を使用した方法(特許文献1:特許第4804720号公報)、pH7.0~12.0の緩衝液に基体粒子を懸濁して懸濁液とし、ペルオキソチタン酸を含む過酸化水素-アンモニア混合液を当該懸濁液に滴下することによって、当該懸濁液中で酸化チタンを生成する反応を起こさせる方法(特許文献2:特許第4205582号公報)がある。
【0003】
特許文献1,2に記載された方法により、カルボニル鉄粉に酸化チタン膜を被覆することができたが、一部のカルボニル鉄粉には、酸化チタン膜を均一に被覆することができず、これらの方法には改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4804720号公報
特許第4205582号公報
【非特許文献】
【0005】
山本秀之,「めっき前処理における脱脂洗浄技術」,表面技術,69巻,9号,376-379(2018年)
「The crystal sttuctures of carbonyl iron powder revised using in situ synchrotron XRPD」、 Zeitschrift fur Kristallographie - Crystalline Materials 232(12)、(January 2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸化チタン膜を均一に被覆することができない要因として、カルボニル鉄粉の表面に付着物や酸化物があることが考えられ、当該表面付着物は、カルボニル鉄粉の合成プロセスに由来する窒素を含む揮発性不純物であると思われた(非特許文献2)。
カルボニル鉄粉は、一般的に、一酸化炭素(CO)ガスを使用し、250℃~300℃の高温および高圧域(例:200bar)で鉄ペンタカルボニルFe(CO)
5
を分解して合成される。COのCO
2
あるいはグラファイトへの不均化は、分解と同時に起こるため、NH
3
ガスはCOの不均化を最小限に抑えるための抑制剤として使用される。したがって、抑制剤として使用されるNH
3
ガス由来の窒素成分がカルボニル鉄粉の表面に付着していると考えられた。
【0007】
原料鉄粉等の金属表面の洗浄処理(脱脂処理)は、一般に、水酸化ナトリウム水溶液による表面洗浄が行われる(非特許文献1)。しかし、金属表面の一般的な脱脂処理では、カルボニル鉄粉表面の微量な付着物を除去することが困難であった。
【0008】
上述のように、これまでの金属表面洗浄処理では、カルボニル鉄粉表面の付着物を除去することが困難であった。このため、表面に付着物があるカルボニル鉄粉に酸化チタン膜を均一にコーティングすることが難しかった。また、基材となるカルボニル鉄粉の粒子径は、メジアン径が約5μmと微小であるため、加熱による表面付着物脱離時のリスク(発火、発熱)が高く、付着物除去の工業的実施は不向きであった。
したがって、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉、及び、工業的に実施が可能な、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉の製造方法が求められていた。
以上より、本発明は、工業的に実施が可能な、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉の製造方法、及び、その方法により表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉を提供するものである。また、本発明は、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉を基材とし、当該カルボニル鉄粉表面に酸化チタン膜が均一に被覆された磁性粒子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、本発明では、次の構成からなる手段を採用する。
〈1〉カルボニル鉄粉を真空脱気雰囲気で、圧力50Pa以下で6時間以上継続して減圧処理する工程と、真空脱気雰囲気の圧力が、大気圧1.0×10
5
Paとなるまで1時間以上かけて大気開放する工程とを備える、カルボニル鉄粉の製造方法。
〈2〉〈1〉に記載の方法で得られたカルボニル鉄粉。
〈3〉カルボニル鉄粉の表面のN分率が2.0atm%以下である、〈2〉に記載のカルボニル鉄粉。
〈4〉カルボニル鉄粉の粒子径が0.5~70μmである、〈2〉又は〈3〉に記載のカルボニル鉄粉。
〈5〉カルボニル鉄粉の変動指数CV値が0.3~0.6である、〈2〉又は〈3〉に記載のカルボニル鉄粉。
〈6〉カルボニル鉄粉の表面に不活性材料が被覆された粉体組成物。
〈7〉不活性材料が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、リン酸アルミニウム、酸化グラフェンの少なくともいずれか一つである〈6〉に記載の粉体組成物。
〈8〉〈2〉に記載されたカルボニル鉄粉からなるコピー用トナー。
〈9〉〈2〉に記載されたカルボニル鉄粉からなる磁性インク。
〈10〉〈2〉に記載されたカルボニル鉄粉からなるMR流体。
〈11〉〈2〉に記載のカルボニル鉄粉の表面に、酸化チタン膜を有する磁性粒子。
〈12〉酸化開始温度が437.1℃以上である、〈11〉に記載された酸化チタン膜を有する磁性粒子。
〈13〉カルボニル鉄粉を真空脱気雰囲気で、圧力50Pa以下で6時間以上継続して減圧処理する工程と、真空脱気雰囲気の圧力が、大気圧1.0×10
5
Paとなるまで1時間以上かけて大気開放し、カルボニル鉄粉を得る工程と、さらにカルボニル鉄粉の表面に酸化チタン膜を被覆し、磁性粒子を得る工程を備える、磁性粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、工業的に、カルボニル鉄粉表面の付着物を除去することができ、表面の付着物が除去されたカルボニル鉄粉を提供することができる。また、本発明は、カルボニル鉄粉表面の付着物を除去することで、カルボニル鉄粉表面に酸化チタン膜を均一に被覆することができる。これにより、酸化チタン膜が十分に被覆されていないカルボニル鉄粉に比べて、抗酸化安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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