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公開番号2025114753
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2025078759,2022113327
出願日2025-05-09,2014-12-18
発明の名称低血圧治療のための単独または併用使用されるアンギオテンシンII
出願人ザ ジョージ ワシントン ユニヴァーシティ、ア コングレッショナル チャータード ノット-フォー-プロフィット コーポレーション
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 38/08 20190101AFI20250729BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】低血圧治療のためのアンギオテンシンIIの使用を提供する。
【解決手段】高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの約5mcg/分を超える量に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、前記被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を、約5mcg/分未満のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法、を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の組成物または方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、2013年12月18日に出願された米国特許仮出願61/917,576号、および2014年3月19日に出願された米国特許仮出願61/955,706号の出願日の利益を主張し、両出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 6,200 文字)【0002】
配列表
本願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、ここにその全体が参照により組み込まれる。2014年12月18日に作成された上記ASCIIコピーの名称は123585_375383_SL.txtであり、サイズは2,166バイトである。
【背景技術】
【0003】
ショックにより危篤状態にある、昇圧剤を必要とする患者は死の危険性が高い。高心拍出量性ショック(血液分布異常性ショックとしても知られる)はショックの最もよく見られる形態であり、しばしば敗血症によって引き起こされる[1]。ショックが昇圧剤で治療される場合、昇圧剤の2つの主な種類であるカテコールアミンおよびバソプレシンタイプのペプチドは、集中治療専門医らの医療設備に含まれる[1]。現在、他の昇圧剤と比較して、どの特定のタイプの昇圧剤(例えば、ノルエピネフリン、バソプレシン、ドーパミン)も転帰の改善を示さなった[2]。全ての昇圧剤には限界があり、複数の潜在的副作用を有する。ショックに対してカテコールアミンで治療された患者らはしばしばタキフィラキシーを発症するため、これらの薬剤の有用性は限定され、高用量のカテコールアミンは直接の心毒性を引き起こし得る[3]。カテコールアミンの毒性は、ノルエピネフリンで治療された敗血症性ショックの患者らのランダム化臨床試験において最近証明された[4]。この研究では、エスモロールによるベータ遮断が、心拍数を減少させることでこれらの患者の生存率を改善するということが示された。したがって、ショック状態の患者には、変力物質でも変時作用薬でもない複数の昇圧剤が有用であろう。そのような1つの昇圧剤がバソプレシンであり、バソプレシンは、アジュバントとしてカテコールアミンと共に最もよく使用される。バソプレシンは、重症度の低い敗血症性ショック状態にある患者らの転帰を改善することが示されたが、高用量では毒性(例えば、心虚血および臓腸間膜虚血)を有し、ヒドロコルチゾンと相互作用する[5]。高心拍出量性ショック状態では、患者らは危篤状態であり、昇圧剤なしには平均動脈圧は維持され得ない。高心拍出量性ショックは、心血管連続臓器機能評価(Sequential Organ Function Assessment)(SOFA)スコアが3若しくは4より高い、またはそれに等しいこと、および、心係数が2.4リットル/分/BSA1.73m

より大きいこととして定義される[10]。高心拍出量性ショック状態では、血圧が維持されない場合、それは一様に致命的である。血圧を維持できない患者らにおいて、この設定で「救助(rescue)」昇圧剤を追加することが有用であり得る。
【0004】
ショック(高心拍出量性ショックおよび他のタイプのショックを含む)状態の患者らの一部は、カテコールアミン耐性がある。つまり、ノルエピネフリンの少なくとも0.2mcg/kg/分の用量に相当するカテコールアミンの用量での治療に応じて、無反応である(血圧の適切な上昇を示さない)。
【0005】
アンギオテンシンII(場合により本明細書ではATIIと呼ばれる)は、内分泌作用、自己分泌作用、パラクリン作用、及び細胞内分泌(intracrine)ホルモン作用を有する天然に存在するペプチドホルモンである。アンギオテンシンIIは強力で直接的な血管収縮剤であり、複数の動脈および静脈の両方を収縮させ、血圧を上げる[6]。アンギオテンシンIIは、およそ30秒の循環半減期を有するが、その一方、組織においては、その半減期は15-30分もの長さである場合がある。ATIIはADHおよびACTHの分泌を増やし、節後交感神経線維に直接作用することで交感神経作用を増強し得る。ATIIはまた、副腎皮質に作用し、副腎皮質にアルドステロンを分泌させる[6,7]。高用量のアンギオテンシンIIは、例えば、腸間膜虚血および気管支けいれんを含む複数の有害な副作用を誘発すると報告された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Basso N、Terragno NA:History about the discovery of the renin-angiotensin system.Hypertension 2001、38(6):1246-1249
Struthers AD、MacDonald TM:Review of aldosterone- and angiotensin II-induced target organ damage and prevention.Cardiovasc Res 2004、61(4):663-670
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、とりわけ、例えば、血液分布異常性ショック(高心拍出量性ショック)を示し、血圧が低下している複数の被験対象に極低用量のアンギオテンシンIIを投与することに反応して、標準治療としてそのような複数の被験対象に通常投与される、バソプレシンまたはカテコールアミン(例えば、ノルエピネフリン)など他の複数の薬剤を使用しない、または低用量しか使用しない場合ですら、血圧が正常値(例えば、約65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP))に上げられることが可能で、このレベルが維持されることが可能であるという本発明者らによる驚くべき発見に関する。カテコールアミン(例えば、ノルエピネフリン)を投与する必要が低減される、またはその必要がなくなることを、場合により本明細書ではカテコールアミン-回避(ノルエピネフリン-回避)効果と言う。アンギオテンシンII及びノルエピネフリンなどのカテコールアミンを低用量投与することにより、これら薬剤によってもたらされる望ましくない副作用を減らす。高用量のカテコールアミンは有害である場合があり、これらの毒性作用を弱めることが、ショック状態の患者の生存率の改善に関連してきた。生存するためにはショック状態の間の血圧の維持が必須である。血圧を上げることに加え、低用量のアンギオテンシンIIの投与後、心拍数および血行力学が改善される、または安定した状態を保持する。
本発明は特定の実施形態において、例えば以下の項目を提供する:
(項目1)
高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの約5mcg/分を超える量に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、前記被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を、約5mcg/分未満のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
方法。
(項目2)
高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの約10mcg/分を超える量に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、前記被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を、約10mcg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
方法。
(項目3)
前記アンギオテンシンIIの前記用量は、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を約5mcg/分、またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的である、
項目2に記載の方法。
(項目4)
低血圧を患う患者において65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)を維持する方法であって、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンを投与されている患者に、前記患者のMAPを約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持するのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を含む
方法。
(項目5)
カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目4に記載の方法。
(項目6)
カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分、またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目4に記載の方法。
(項目7)
ショックを患う患者において65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)を維持する方法であって、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンを投与されている患者に、前記患者のMAPを約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持するのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
方法。
(項目8)
約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量にカテコールアミンの前記用量を減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目7に記載の方法。
(項目9)
カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目7に記載の方法。
(項目10)
前記ショックは高心拍出量性ショックである、
項目7から9の何れか一項に記載の方法。
(項目11)
カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目10に記載の方法。
(項目12)
カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目10に記載の方法。
(項目13)
前記カテコールアミンの前記用量を減らす段階を備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
項目4から12の何れか一項に記載の方法。
(項目14)
前記カテコールアミンの前記用量を約0.05mcg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階を備える
項目13に記載の方法。
(項目15)
前記被験対象はカテコールアミン耐性がある、
項目1から3の何れか一項に記載の方法。
(項目16)
前記カテコールアミンはノルエピネフリンである、または、
前記カテコールアミンはエピネフリンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する前記用量は0.1mcg/kg/分である、または、
【図面の簡単な説明】
【0008】
治験薬用量設定プロトコルを示す。
患者のフロー図を示す。
アンギオテンシンIIを併用したノルエピネフリン投与量の変化を示す。
アンギオテンシンII用量設定-五分位数(Quintiles)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書において使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上例外が明記されていない限り、複数の指示対象を含む。例えば、上記において使用されたような「1つの」カテコールアミンでの治療は、1または複数のタイプのカテコールアミンでの治療を含む。
本明細書において使用される「約」という用語は、示された値の約10%内、好ましくは、示された値のプラスマイナス5%であることを意味する。
【0010】
「アンギオテンシンII」という用語は、5-イソロイシン-アンギオテンシンIIとも呼ばれるAsp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe[SEQ
ID NO:1]を指してよい。SEQ ID NO:1は、ヒトと、ウマ、ブタ、その他などの他の種との中に天然に存在するオクタペプチドである。イソロイシンは、バリンで置き換えられてよく、その結果、5-バリンアンギオテンシンII、Asp-Arg-Val-Tyr-Val-His-Pro-Phe[SEQ ID NO:2]が得られる。[Asn

-Phe

]-アンギオテンシンII[SEQ ID NO:3]、ヘキサペプチド Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe[SEQ ID NO:4]、ノナペプチド Asn-Arg-Val-Tyr-Tyr-Val-His-Pro-Phe[SEQ ID NO:5]、[Asn

-Ileu

-Ileu

]-アンギオテンシンII[SEQ ID NO:6]、[Asn

-Ileu

-Ala

]-アンギオテンシンII[SEQ ID NO:7]、および[Asn

-diiodoTyr

-Ileu

]-アンギオテンシンII[SEQ ID NO:8]などの他の複数のアンギオテンシンII類似体もまた使用されてよい。アンギオテンシンIIは、例えば、C末端アミド化などの複数の修飾を組み込むための固相ペプチド合成により合成されてよい。C末端の複数のアセテート基がまた追加されてよい。「アンギオテンシンII」という用語は、さらに特定されなければ、これらの様々な形態の何れか、およびそれらの組み合わせを指すことが意図されている。
(【0011】以降は省略されています)

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